マーケティング大進化論

常識がどんどん壊れていく

大企業であれ中小であれ零細企業であれ、
ビジネスパーソンが経営に近いところに行けるかどうか(出世できるかどうか)は、
“マーケティングがわかっているかどうか”が
鍵なんだろうなと思う。

●ポジショニング

・メーカーが考える市場空間と、消費者が考える市場空間が必ずしも一致するとは限らない。であるならば、「市場」を自由に生み出すことだって可能です。「言葉」によって、あたらしい市場空間が(人間の頭の中で)生まれる。ここで大切なポイントは、今まで見えていなかった市場を、あなたの言葉によって「見える市場」に変換することです。
・マーケティングの最強の戦略は「敵をつくらない」ことです。敵がいないマーケットはどこなのか? 敵がいたとしても、あなたが楽して勝てるマーケットはどこなのか? このマーケットを見極めることに、徹底的に知恵を絞るのです。あなたのマーケットで勝負すればいいのです。「誰も足を踏み入れていない小さなマーケット」を探すのです。そこで、あなたが勝てるルールをつくればいいのです。そうすれば、あなたは戦わずして勝つことができます。
・三者三得 お客の取引先(お客のお客)の業績をあげるお手伝いをすることです。自分のお客との長期的かつ密接な関係を教科していくことにつながる
・お客の回転が良くないと儲からない昔ながらの喫茶店 お客の滞留時間が多いほど儲かるキャバクラ。モノ余りの現代にあって、この「時間」に着目すれば新しい商品を作るチャンスが広がります。
・マーケットはどこも堀つくされて参入する余地がないように見えますが、「ココロ」という視点でマーケットを見直せば、今ほどたくさんのチャンスがある時代はありません。

誰も参入していない市場ではそもそも儲からないという原則と、
敵がいない市場に参入するというのは、必ずしも矛盾しない。
大枠でのニーズは大きいところで、敵がいないところを探す。
それが大切なのだと思う。
そしてその中で、心 とか 時間 というキーワードに着目する。

●顧客心理

・ニーズの階層は3つあります。
1)haveは「○○が必要」という充足ニーズ
2)doは「○○したい」という行動ニーズ
3)beは「○○になりたい」という到達ニーズ
1をベースに2,3とニーズレベルが上位になっていきます。究極の最上級ニーズは決まっています。「幸せになりたい」ニーズです。
・困るほど強いニーズがある商品が最近少ないのです(haveレベル)。しかし、やりたいことができずに困っていることはたくさんあります(doレベル)。なりたいニーズもたくさんあります(beレベル)。
・一般的にお客は、商品の価格以上の価値(バリュー)をその商品に感じてくれないと、お金を払ってくれません。「この商品が100万なら安いものだ。得した」とお客が思わないと、喜んでゼニを出さない。その意味で、商品とお金の交換とは、「等価交換」ではないんですね。(等価では、交換が起きにくいため)。

ああ、これはとっても重要なところ。
赤線ひいておきたいところだ。
今まで、等価交換なんだと思ってた。
これはパラダイムシフト。

●女性的な視点

・女性は「下着」に対して、一般的に「憧れ」を想起します。日常の世界(ケ)ではなく、非日常の世界(ハレ)をイメージする。だから、非日常にふさわしい「下着」カテゴリーは、外国人モデルの方がピッタリくるのです。「こんな素敵な下着を着けると、新しい私になれるかもしれない」というポジティブなイメージを、外国人モデルの方がより強く増幅させてくれるからです。化粧品やファッションブランドなどの嗜好品も同様に、女性はその商品に「憧れのイメージ」を期待します。男性は「車」や「時計」に対して同様のイメージを持ちます。
・消費者はイメージを食べて生きる動物です。食べても食べてもお腹が一杯にならない。自分にピッタリ合うイメージを持つ商品をいつも探しています。
・男性はIQを上げることが得意です。単純なことをどんどん複雑にしていきます。IQを思いきり下げる発想をしていくことが大切です。小難しい屁理屈は消費者に通じません。小学生でもわかるような商品や広告をつくることです。複雑なことを単純化できる会社が、成功する時代なのです。
・日本では、まだまだ、複雑で難しいことほどエライと思う風潮があります。抽象的な言葉や、専門用語を平気でお客さんに使っている会社がたくさんある。しかし、このような「男言葉」を好む会社は、勝ち残っていくことが厳しくなっていっています。
・われわれ男性には、まったく想像がつかないもの:新しい洗濯機の方が機能が格段に進んでいて「便利」だからではありません。単純に、「新しい」からです。新しい洗濯機を使えば洗濯物が前よりももっと「きれいになる感じがする」だから選択が楽しくなったのです。

別のところにもあったけれど、
モノを買っているのではないということ。
have→do→beということともつながる話。
beのイメージこそが、鍵。

●リサーチ

・「どうしたら売れるか」を論理的に考えても答えは見つかりません。「どうやったら買うか」を感じることが大切です。
・「売る側の心」を見せないと、「買う側の心」も見えません。「売る側の心」とは、あなたの思いであり、やさしさであり、哲学であり、商品を通じた、一人の人間に対するあなたの愛情と呼べるものです。
・「風」を探す簡単な方法があります。それは、書店に行くことです。そこで、どんな本が売れているか見ればいい。ベストセラーは、横綱級の風です。なぜ今、ベストセラーになったのか? その理由を「想像する」ことがとても重要です。
・お客の気持ちを想像できる人は、体験が豊富な人です。真似する力は量稽古によって鍛えられるのです。売れる商品を作りたいなら、観察する力を高めることです。流行っている施設があれば、行ってみる。売れている本があれば、読んでみる。行列ができる飲食店があれば、食べてみる。体験して肌感覚を鍛えていく。そして、マーケットの感性に、あなたの感性を近づけていくのです。これが観察力を高める方法です。こういう行動が自然にできるようになると、誰でも優れたマーケターになれます。時代のベクトルや胎動を感じ取ることができるようになる。何が売れるかを論理的に考えても、うまくいきません。なぜなら、人間は感情に支配されているからです。
・成熟化した日本では、性別、年齢といったデモグラフィック特性でターゲットをセグメントするのは、もはや、あまり意味がありません。かといって、ライフスタイルで切るのも、その定義化が難しい。では、何で見ればいいかというと、そのひとつは「消費性向」です。何を買っているのか?何を買っていないのか?要は、何にお金を投じているかが、その人のマインド(価値観)を表すということ。ターゲットを規定するのに参考になるのが、ターゲット(読者)を細かく規定しているクラスメディアと呼ばれる「雑誌」です。なかでも、買い物行動とリンクした通販系の雑誌ならば、消費性向を見るのに都合がいい。

雑誌の話、それからベストセラーをみるとう話、
トランス状態でなりきるという話、
いずれもXがいっていたことと同じだ。

●訴求ポイント

・「差別化」ではなく「独自化」の方が、本当は企業にとって重要です。
・一つを残して全部捨て去ることです。「AやBやCなどは得意ではありませんが、Xならば絶対に自信があります」
・八方美人の商品では、お客は感動しない。伝えたいことは、一つに絞る方がいいのです。
・日本人が中国で商売をするのなら、「日本的サービス」を売りにしなさい、ということ。日本人のサービス水準は一級で、中国人が真似したくても、簡単に真似できないからだそうです。中国での日本人の強みは、日本人が慣れ親しんだ「日本料理」ではなく、現地で不足している「日本的サービス」にある。
・ある会社と初めて取引したい場合に、「サービスメニュー」が用意されているだけで、あなたの会社への信頼性が高くなります。商品なりサービスをメニュー化して、正当な価格を付けてください。お客が選びやすいメニューを開発することです。定番は何か? 売れ筋は何か? オススメは何か? スペシャルセットは何か? マクドナルドのメニュー表を見習うべきです。先方はメニューを選ぶだけで済み、こちらは主導権を握れます。心理的に要求しづらい費用も最初から提示しているので気が楽です。足りないサービスがあれば、メニューをベースに具体的な話ができます。予算が見合わないお客がいれば、最初から排除することもできます。
・今、モノが売れない理由のひとつは、モノをモノとして売っているからです。商品の名前と価格しか、伝えていない。思い、開発秘話、あまり知られていない商品の使い方があれば、その得意技を教えてあげる。どこまで、その商品のことをつぶさに語れるかなんですね。商品を我が子のように思える人が、お客を感動させるのです。
・広告の作り方には、2つあります。「モノ」にフォーカスする方法と、「人」にフォーカスする方法です。「人」にフォーカスするタイプの広告は、その商品を使う(
買う)人に、その後の新しい世界を見せてあげることができる。

やはり、同じ話しか出てこないということは、
もうinputのフェーズは終わったんだな。
と感じた。

●マインドセット

・何が課題なのか明確に設定できれは、その課題を解決する「答え」の方向性は導き出せます。今の大学生は、この「課題設定能力」が著しく低下しているそうです。小さい頃から、「正解」を出すことばかり訓練されてきた教育の弊害であると。
・「私はこう考えますが、いかがですか?」という質問には答えることができますが、「これからはどんなビジネスが有望ですか?」といったものには明快な回答が出せません。なぜなら、その質問には「仮説」がないからです。
・「手段の答え」は無数にあって、正解がないのです。だから、的確なソリューションが提示できない。「手段」を訊いてくるのは、彼に「目的意識」がないからです。「手段」は、目的(ゴール)を明確化しないと設定できません。
×顧客データを活用する方法はないか?
○売上をあげるために顧客データを活用したいのだが、いい方法はないか?

当たり前の話だけど、
基本は何度でも見直そう。

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