不倫の恋で苦しむ女たち

マーケターやコピーライターの先生から、犯罪心理学やカルトに関する記録などのDeepな心理分析は参考になる、ということで課題を与えられている。とくに「欲望」の本質を理解することが大切だと。
「魔が差す」ということの意味や、「一線を越えてしまう」場合の原因と条件(トリガー)から、これを、売り手と買い手のエンゲージメント=「購買」に置き換えた場合についての、いくつかのヒントが得られた。


なお゜本の内容としては、不倫経験のある女性たちに取材し、その赤裸々な思いをまとめたもの。
風俗と異なり、不倫と呼ばれる関係を持つ人の多くは「共依存」の関係に陥っており、その自覚ができない状態にあるように思える。
この本は、女性たちの言葉とそれに対する著者のコメントで成り立っているわけだが、はっきりいうと、著者のコメントのうち、まとめの部分は不要。読む価値はない。
恐らくは、著者自身の不倫の是非に関する葛藤・ダブルバインドを、取材に対するコメントというカタチでだらだらと書いているようだ。論理的ではなく、否定の否定の否定の~という文体になっていて、非常に読みにくい。
・・・しかし、著者の意図するところの遠まわしな主張に反して、この取材内容を読んだ私としては、不倫などしたくないと思った。読んでいて心地よいものではなかった。
なお、本を批判的に読むスキルのない人が、興味本位で読むことは危険だ。
避けた方がいい。
■一応メモしたところ

・家庭に対して責任と愛情がある男性であれば、そして女性に対してある種の敬意を持っている男性であれば、自分から積極的に深い関係を迫ったりはしない。欲望はあっても、それを見せないのが、既婚の男性の矜持でもあろう。
・中には男性に小遣いを要求する女性もいるが、それは「お金をもらったほうが割り切れるから」という理由らしい。決してお金目当てではなく、「自分が女であることの確認」をしたいのだろう。そして「お金をもらったほうが割り切れる」というところに、男性が気づかない女性の心の屈託が、実際にはあるような気がする。
・家庭のある男たちは、自らが自分の「男であることへの危機」を感じて「男としてまだイケてるかどうか」を確認するために不倫に走ることがある。

■その他気づき(教訓)など、

・潜在意識が共依存の関係に自らを追い込まないように注意する必要がある。
・家庭を壊すということは、(子どもが片方に引き取られた場合、)孫を親に見せられなくなる可能性があるということを意味する

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