学力は家庭で伸びる

今すぐ親ができること41
百ます計算でおなじみ陰山先生の家庭教育論決定版

この人も、多くの本で引用されていたので、
どんなものなのか、試しに一冊手にとってみた。


何十冊も子育てに関する本を読んできて思ったのだけれど、ほとんどのベテランが言っている共通のことがある。この本で、そのことを再認識した。
・実生活、実体験を教材としてリアルに学ぼう
・親が一緒に感情を分かち合いながら学ぼう
・テレビを消して本を読もう
ということ。
人によって工夫の仕方、テクニックは色々あるけれど、どれもこのマインドが基本にあるような気がする。
以下、メモしたところを抜粋
とくに、以下にメモした単語族、靴ヒモ、朝のパン という三つが、自分の改善点。
図鑑、地図、時間を意識した生活が、すぐにやりたいAction。
●本の大切さ
特に図鑑は、見ても読んでも楽しいので子供が興味を持ちやすい種類の本といえます。好奇心を刺激するんですね。親子のコミュニケーションも生まれます。子供が興味を示したら惜しみなく買ってあげてください。そして、すぐ手にとれるところに置いてください。図鑑は書斎や子供部屋の本棚にしまい込まれることが多いので、家族が集まるリビングに置くべきです。本は安いものではありません。しかしゲームソフトの値段と比べてみてください。
親に読書の習慣がなければ、子供は本を読もうとはしません。
調べたい言葉をすぐに辞書で確認するくせを、親もつけてください。辞書は何も学校の勉強で使うだけのものではありません。そのためには、すぐに引けるように辞書を手近に置くことが大切です。近くにないと、つい億劫になったり、後で確かめようと思っているうちに忘れたりしてしまいますからね。
子供だけに本を読ませて自分はテレビを見るなんてことはしないでください。親子で一緒に本を読むことに意味があるんです。同じ本を親子で読んで感想を語り合ってもいいでしょう。
●環境を考える
机の上で覚えさせるのではなく生活の中で体験させてください。一緒に散歩しながら「家からあの公園までだいたい500mよ」とか、車で出かけた際にも「次の料金所まで30kmだよ」と、日常生活の中で語りかけていくと、子供は単位とともに距離の感覚がつかめるようになります。
日常生活の中で教材ではない本物の時計に親しませるべきで。4時に買い物、6時にお風呂、7時に夕食、9時に就寝、というように子供に時間を意識させていれば自然と時計を見るようになるでしょう。時計を指し示しながらその都度、子供に語りかけてください。となると、親自身が日常生活で時間を意識して暮らしているかどうかが問題になってきます。
毎日の生活の中で国名や世界の主要都市、国内の都市に親しめるように、世界地図と日本地図を部屋に貼っておいてください。家族みんなの目に触れるリビングやダイニングなどがいいでしょう。そしてテレビの横には地球儀を置いてください。ニュース番組でたびたび取りあげられる国を、その都度「どこだ」と親子で確認できるからです。
朝はパンよりもごはんのほうが腹持ちがよく、栄養面でも優れている。パン食はどうしてもおかずが簡素
●子どものために時間を使う
夏休みにどこへも連れていってもらえなかった子が3人いました。そして、その3人は成績が下から三番目までの子だったのです。私は愕然とし、内心絶句してしまいました。一緒に近所を歩いたり、自転車でちょっと足をのばすだけでもいいんです。親子で共に何かを発見し、語り合う。それを繰り返すことで子供は好奇心を深めます。学力とは愛情そのもののエネルギーから成り立っていると、このときほど強く感じたことはあません。
以前、私は問題を抱えた子供の家に頻繁に足を運んだことがあります。いつ訪問してもテレビがついていて、まるで家族のうつろな関係をテレビが埋めているような気がしました。
「早くしなさい」と言うよりも、時間に余裕をみて子供にやらせることが大事です。靴ヒモを結んでしまう親は、他の場面でも子供がやるべきことに乗り出してきてしまいます。
●どんな対話をしているか
わが子が友達と話すのを聞く機会があれば、ちょっと耳を傾けてみてください。友達の話には無関心で自分のことしか話そうとしていないか、それとも友達の話をちゃんと聞いて受け答えをしているか、気をつけて聞いてみてください。子供は本来話したがりです。ところが、親に話を聞いてもらえないと、話を聞いてくれそうな子を見つけて、自分のことばかり話すようになるのです。反対に、聞き上手の子は、間違いなく親に話を聞いてもらえている子です。聞き上手の子は、相手が投げかけた言葉をしっかり受けとめて、投げ返す。いわば言葉のキャッチボールができる子なんですね。ところが、子供が話す場面が家庭に用意されていないと、子供は自分の話を聞いてもらえる人を常に外に求めるようになるのです。
特に学校から帰ってきたとき、いちいち今日学校で何があったかを聞く必要はありません。本来、表情から読み取れるはずです。またそれができることが親であるということです。「ただいま」の声が聞こえたら、顔をみて「お帰り」と迎えてあげてください。いつもは元気に「ただいま」と帰ってくる子が声に元気がなかったり、あいさつをしなかったりしたら要注意です。子供の様子をいつも以上によく見るようにしてください。おなかが痛いのかもしれません。どこかケガをしているのかもしれません。さらに子供の持ち物にも注意を払ってください。変に汚れたり傷ついたりしていれば、子供の身に何かトラブルが起きたのかもしれません。「どうしたの、何かあったの」と問い詰めてはいけません。子供が口を開くまで少しの間、様子を見守ってもいいかもしれませんし、さりげなく聞き出してもいいかもしれません。いずれにしても、子供の異変は顔を見ているからこそ気づけるのです。忙しくても手を止めて迎えるようにしてください。テレビに顔を向けたまま背中で返事をしているようでは、子供に何かあってもまったく気がつかないでしょう。子供は逆に、自分のことをわかってくれているか、そのとき、理解するのです。
私が最近気になっているのは、わが子が傷つくことに過剰に反応する親たちです。母親がそのような態度だと、子供まで自分が傷つくことに過敏になり、少しでも気にさわることを言われると、受け流せずに攻撃的に構えるようになります。すると友達はますます遠ざかってしまうのです。
「ごはん…」「お風呂…」「寝る…」子供が話し始めた最初のひと言だけで先回りして何かをやってあげたり、最後まで話すのをさえぎってしまう親さえいます。子供が何を伝えようとしているのか、最後まで聞いてあげてください。最後まで言わせるようにしてください。単語だけで通じるようになってしまっては、子供のコミュニケーション能力は育ちません。会話のできない人になってしまいます。多くの母親もまた「早く!」「お風呂は?」「宿題は?」と、単語だけで伝えようとする単語族…親子で単語をぶつけあっていたのでは会話が成立しません。
叱っているうちに子供と同等になってしまい、口答えでもされようものなら本気でケンカをしてしまう親も少なくありません。これでは子供と子供のケンカです。叱ることと怒ることは違うのです。

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