最悪期まであと2年! 次なる大恐慌

人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ
THE GREAT DEPRESSION AHEAD
大暴落が再びやってくる。
あなたはもう、その備えを済ませただろうか?
日本のバブル崩壊、アメリカのITバブルを的中させた天才予測家が、
景気と株価の行方を大胆に予測し、
この難局から、いかにして個人資産を守るべきかを説く。

米国の内容が多くかかれているので、前半はちょっと退屈した。
けど後半は、とても興味深い内容。
神田さんが監訳した「3つの原理」や、同じく神田さんが著した「2022」と
合わせて読んでおきたい一冊。
より理解が深まる。

●未来予測の仕方

・私たちの研究は、経済成長の原動力になっている最も基本的なマクロ・サイクルの研究からスタートする。そして経済に中期的な影響を及ぼすほかのサイクルを考慮し、確率に左右されやすい短期的な出来事を予想するのに適したテクニカル分析による調整を加える。逆説的だが、予測しやすいのは短期ではなく長期のサイクルのほうだ。
・人間という生き物は過去のトレンドの延長線上に未来があると予想しがちだが、現実や進歩は直線的ではなく指数関数的に、それもサイクルに乗って上下動しながら生じている。エコノミストたちは直線的で短期的な予測のわなにとらわれているため、多くのサイクルが同じ方向に向かっているときはおおむね正しい予測をするが、政府や企業、一般個人に大きな影響を及ぼすサイクルの大きな変化は、ほぼ必ず予測し損なう。つまり、バブルの生成や崩壊といった極端な現象は的確に予測できないのだ。
・経済の季節はおむね予測可能である 人類は数万年前に自然の四季のめぐりを記録し、予測する術を学んだ。そしてその情報をもとに作物を植え、生活水準を向上させた。それより昔の狩猟採集時代でも、鳥や動物が大移動する様子を見て冬の到来を察知し、衣服を用意したり食糧を蓄えたりしていた。近代以降には科学技術が長足の進歩を遂げ、世の中のほとんどの分野で予測可能性が高まった。だかそれにもかかわらず、エコノミストや政治家、企業、投資家の多くは、経済や株式、債券、不動産、市況商品にも季節やサイクルがあることをまだ理解していない。これはエコノミストが科学者ではないために、私たちの経済で長期的に起きている本当に重要な現象を観察できていないからである。彼らは表面的な出来事ばかりに注目し、その原因には目を向けない。政府の政策を一生懸命分析するが、これらはたいていサイクルへの対応に過ぎない。エコノミストたちが季節やサイクルを理解できないもうひとつの理由は、それらの周期が自然の季節よりもはるかに長く、政府や企業が計画を立てるときには意識されにくいことにある。

このサイクルの考え方は概ね同意できる。
監訳者の神田氏もあとがきで指摘しているように
いくつかのパラメーターを考慮していなかったことが原因なのか、一部の予想は外れたものの、
しかし、その後のバブルの崩壊の時期は見事に的中させている。
これはすごい。
ただし、短期サイクルがどこまで遡れるのか、
たとえば本書の中で触れられていた80〜84年サイクルの戦争が、
過去1000年にわたっても繰り返されていたのかなどの検証は必要のように思う。
もしそれが近年だけに顕著なのだとしたら、
より大きな長期サイクルが影響しているということになるだろうから、
読み方も少しかわってくる。

●長期サイクル

・印刷機やコンピューターのように、人類を250年間繁栄させる(そしてインフレをもたらす)重要な技術革新(メガ・イノベーションという)は、500年おきに実現している。人びとの自由や人権にかかわる制度の大改革(たとえば宗教改革、米国の独立戦争など)は250年おきに到来し、文明の飛躍的な発展と都市化(小さな町から都市国家と帝国、そして大都市やグローバル経済へと連なる変化)は、5000年おきに実現している。
・20世紀の100年間に成し遂げられた進歩は、それ以前の1000年間の進歩よりも大きいし、19世紀と20世紀の200年間に成し遂げられた進歩は、それ以前の一万年間の進歩よりも大きいのだ。。つまり、科学技術の能力に限っては、過小評価するよりも過大評価しておいたほうがよい。

このあたりの話を読むと、
苫米地さんがいっている、
人間の情報空間への移行や寿命が200歳までのびるという予見が、
やはりまた、リアリティをもってくる。

●イノベーションの波

・私たちの観察によれば、出生数を20〜24年間ずらしたグラフ(これを「イノベーションの波」と呼ぶ)と小型株の値動きの間には相関関係がある。イノベーションとのかかわりが最も強いのが小型株だからだろう。
・科学技術のイノベーションは20〜24歳の若者が主役になる分野であるため、高齢化の進んだ国々(特に欧州諸国と日本)にとっては難しい課題となるだろう。しかし、45〜64歳の人材にはマネジメントや組織のあり方を変える力があるため、この分野に最大のチャンスがあると思われる。

この年代に本当に組織のあり方を変える力があるのであれば、
日本の政治や企業文化は変化しているようにも思う。
しかし現実はまだそうなっていない。
私には、45歳以上の人たちには「現状維持」「守り」の意識はあっても、
イノベーションへの意欲があるようには思えない。
したがってこの日本では、
暴力によらない革命を起こして政治をよくするためには、
高齢化がもっとも大きな課題なのかも知れない。
ただし、地域によって年齢のばらつきがあるのも事実だ。
若い人が多く住むエリアを中心に変革を進めていく、というのが
もっとも現実的な戦略かも知れない。

●新しい世界

・地球温暖化や各種の汚染も含めた地球規模の問題の増加を受けて、私たちはもっと効果的に活動できる国際組織の設立を余儀なくされると思われる。限定的な活動しかできない国際連合などに取って代わる、新しい組織だ。
・先進国は産業革命以来、生活水準を大幅に高めることに成功した。だが、そのために使ってきた技術や生産組織は、天然資源がふんだんに手に入り、人口も今よりずっと少なかったころに編み出されたもので、今でもたいして変わっていない。ほかの国々がこの方法で、最近の中国と同じペースで経済発展を続けたら、私たちが知っている生き物はみな死に絶えてしまうだろう。
・第三次世界大戦がすぐにはじまる気配はない。軍事力を米国に対抗できるレベルまで、あるいは世界大戦を戦えるようなレベルまで強化した国は出てきていない。ただ米国の独立戦争、南北戦争、第二次対戦の3つが80〜84年周期で生じていることから、次の戦争は2020年代の初頭か半ばに起こるかもしれない。そして2020年代や30年代までには、中国もインドも陸・海軍を強化している可能性がある。場合によっては、両者がロシア、中東あるいは北米の資源をめぐって戦うことになるかもしれない。

人口の多い中国が、かつての先進国と同じような資源消費を始めている。
大気汚染も原油の高騰も全部、このあたりに関連しているんだろうな。
かといって、ただ「やめろ」といっても納得されるわけがない。
やはりこの本でも提案されていたように、先進国が彼らに
クリーンな技術の提供や支援をする形で、共に考える姿勢が必要。
途上国側がこれを受け入れてくれるかどうか、という問題もあるけれど。
中国とアメリカが戦争 とかいう顛末にならないことを望む。

●新しい政治

・これからやってくる革命は、人びとがインターネットを介して参加する一段上の民主主義を目指すものになるだろう。政治家は、ブログやインターネットでの世論調査によって国民からのフィードバックをこれまでより早く得るようになる。また逆説的だが、権力がグローバルなレベルで大きくなる一方で、地方の政府や機関は地元での権力を拡大するだろう。ウェブ上で積極的に活動し、地方レベルや国レベルの問題やプロジェクトを統括する個人やグループが増えるだろう。また、そうした活動への寄付もウェブを通じてなされるケースが増えると思われる。
・マネジメントが解決策ではなく問題になっている。企業や政府機関が官僚制を一掃して「リアルタイムで」機能できるように、ニューヨーク証券取引所のように顧客の注文に直接応えられるボトムアップ型の組織になるように、優秀な人材を集めて情報や取引関係のネットワークを設計・構築するべきだろう。

このところを読んで、アイデアがひらめいた。
もう勝手に、今からこれをプロジェクトとして若い人で進めてしまえばいいのだ。
デモクラシー2.0などの活動がどんどん出てきているけれども、
具体的な手段やインフラの構築の方、誰もやらないなら、私がやろうかなと思う。

●バブルは悪ではない

・大半の人びとは、民主主義と資本主義は同じ原理・原則の下に機能していると考えがちだが、実はそうではない。資本主義の原理は、ダーウィンの言う「適者生存」である。強い者は成功してさらに強くなり、富と資本を引き寄せるため、社会はますます不平等になる。最も優れ、「最も適した」イノベーションには多額の投資資金が集まり、最も劣るイノベーションは資金を得られず廃れていく。つまり、富める者はますます富、貧しき者はさらに貧しくなる。
・エコノミストたちはいつも、バブルは経済に害をもたらすから発生を未然に防ぐべきだと説いているが、当事者である経済は、きっとこれに異を唱えるだろう。1994〜2009年のようなバブルがあって初めて、起業家は新しい技術やサービス、新しいビジネスモデルを実験できる。資産バブルが生じて初めて、そうした実験を数多く行う資金が確保できるのだ。もちろん、実験が成功して生き残るのはほんのひと握りだが、新しい技術の優れた使い道やビジネスモデルを見つけ出す可能性を高めるには、実験の数を増やすしかない。その革新的な技術の最適な使い道やビジネスモデルを、あらかじめ知っている人などいない。これらは成長ブームの季節に行われる実験で絞りこまれ、その後の淘汰の季節で特定されるものなのである。
・本書でも、バブルは悪ではない、市場経済における必然であって、それによって集まった資金が次代のイノベーションを支えるということが語られている。そして、今はその時期は終わったということだ。それは、善悪とは関係ない。必然的な営みであって、季節がめぐるようなものだ。(監訳者神田)

ノブリス・オブリージュという言葉どおり、
富裕層がこの部分の格差是正に寄与する意識があるのなら、資本主義もいい。
でも、開いた格差の中で、勝ち組が持ち逃げするような狭い意識なら、
やはり資本主義は滅ぶべきシステムということになるのだろう。
人は、どちらの未来を選択するのだろうか。

●恐慌への備え

・今こそ「次の大恐慌」に備えなければならない。金融資産の市場には、一生に一度の「閉店セール」を思わせる投げ売りが出ると予想される。大半の人びとの富を吹き飛ばしてしまうような投げ売りだ。しかし過大な借り入れがなく、保有する資産の流動性も高い一部の人びとは、その投げ売りを利用して新たに富を築くチャンスを手にするだろう。
・初めのうちは、この不況で世界が終わるなどとしたり顔で語る輩も出てくるだろうが、決してそんなことにはならない。世界はまだ終わらないし、人類の進歩も止まらない。情報化もグローバル化も止まらない。
・名将と呼ばれる指揮官は戦いがはじまるとき、怯える兵士たちを落ち着かせようとする。敵がまだ遠く離れているうちから、恐怖に駆られて撃ちはじめてしまってはもったいない。大きなダメージを与えられる射程内に敵が入ってくるまで、息をひそめてじっと待て、というわけだ。

そう。世界は終わらないのだ。
またまた1999年のときのハルマゲドン・ノストラダムスの時のように、
盲目・短絡的に考えて現実の時間や資源を浪費するような生き方をしてはいけない。

●中国

・中国の成長期は意外に短い。人口の高齢化が急ピッチで進むうえに、自然環境も劣化していくからだ。またこれらの国々は日本や香港、シンガポール、韓国などとは違い、欧米の高い生活水準に十分追いつけないかもしれない。
・中国の支出の波は2015年から20年にかけてピークに達しはじめる。高齢化も急速に進行し、2035年ごろからは米国を上回るペースで人口を減らす見通しだ。そのため、経済発展の面で西欧に追いつく前に原則しはじめる可能性もあろう。
・大半の読者は、中国はこれから発展を遂げる国であり、向こう数十年間に、いや下手をすれば欧米諸国のように数世紀にわたって成長を続けると思っていることだろう。しかし、実際はそうでもない。「中国は豊かになる前に老いる」のだ。

中国語の勉強をしようとしていたけれど、
いずれ衰退する国の言葉と考えると、これを学ぶことに、一瞬躊躇した。
でも、将来的にアジア経済圏が形成されるとしたら、
やはりその国に行くかどうかということではなく、
その言葉を話す人と接する機会が増えるという意味では、
やはり有効なスキルになるだろうと、考えなおした。

●インド

・今後の世界の人口増加では、メガシティがますます存在感を強める。そしてそのメガシティはアジアに、特に南アジアに集中する傾向を維持するだろう。2025年には、インド、パキスタン、バングラデシュに世界10大都市の半分が集中し、中国は上海しかランクインしないだろう。最終的にはインドがアジアの盟主になり、次いで(特に中国が劇的に減速する2035年以降に)世界の盟主になると考えられるのはこのためでもある。
・この国(インド)が農業主体の経済からサービス産業主体の経済に直接移行したこと、つまり工業化という段階を経ることなく発展してきたことには注意が必要たろう。このことが経済の強さにどう影響していくか、まだわからないのだ。

機械化・工業化を経ていないというところが、
逆に精神文明の開化に進みやすい要因になるのかも知れない。
娘息子の時代は、アメリカ留学ではなくて、インド留学が華になるのかな。
そしてインド資本の企業が花形になるのかも。

●アジア

・熱帯にあたる地域は、一次産品や天然資源関連の産業を除けば発展の機会にあまり恵まれなかった。栽培作物の多様化に限界があること、高温多湿の気候ゆえに一生懸命働くのがよいことだという倫理観が育ちにくかったことなどがその理由゛てある。しかし20世紀半ばにエアコンが登場するとシンガポール、香港、バンガロール、サンファン、ドバイといった大都市が誕生し、生活水準も西洋の主要都市に匹敵するほどに向上した。シンガポールの首相は以前、「20世紀最大の技術革新は何だと思うか」と尋ねられたときに、自動車でもコンピューターでもなく「エアコンだ!」と答えたという。

なるほど。これはもっともな意見だ。
とすると、氷河期に向かう現代、そして温暖化が進む現代では、
大きな気候変動があれば、また状況はかわってしまうのかも知れない。

●住宅について

・初めての住宅購入(一次取得と言う)のピークは31歳のころにやってくる。賃貸のピークは平均初婚年齢と同じ26歳前後だ。比較的高い教育を受けた人や、比較的所得が多い世帯に生まれ育った人は、このピークが少し遅くやってくる。あまり高い教育を受けていない人びとはその逆で、ピークが少し早く来る。
・家計の貯蓄のサイクルは生涯最大の住宅を購入した後、すなわち30代後半〜40代前半にスタートする。子どもの大学進学費用を貯めるためにはじまることが多いが、このサイクルはその後加速し、50代半ばに貯蓄率は最高水準に達する(株式への投資も最大なる)。
・住宅市場は、1)景気循環に敏感で、2)買い手が特定の世代に集中しており、3)26〜42歳のときに組まれるローンで大きなレバレッジがかけられている市場なのだ。
・住宅を初めて購入する人は31歳前後が多く、自宅を買い替える人は41歳前後が多い。
・賃貸の集合住宅は最も値持ちがおいと見られる。住宅を借りざるを得ない若い世帯は増えるだろうし、人口統計学的に見た賃貸住宅のサイクルも2017年にかけて上昇基調になっている。

●教育と仕事

・短大や公立の四年生大学で基礎的な教育を受け、そのうえで熱意と能力があればトップクラスの私大の大学院に通うことを考えるほうが、うまくいくことが多いということだ。自宅から通える範囲の学校にすれば、一人暮らしにかかるコストも節約できる。もし医師や弁護士といった高度なスキルが要求れさる仕事に就くのなら、あるいはMBAをとるのなら、重要なのは「どの大学の学部を出たか」ではなく「最後に通った大学院はどこか」だから、そこでお金を使うべきだろう。
・景気がどん底に落ち込み、人口トレンドの下降のために入学者数も落ち込む時期だから、優れた学校に進める可能性がその分だけ高くなる。奨学金もとりやすくなるため、学費も若干抑えられるかもしれない。そのためには、成長している企業に今のうちに就職しておき、進学を少し遅らせる手もあるだろう。不況になってから学校に戻って学位取得を目指すほうがよいかもしれない。その後出レイオフがはじまっても職を失わずに済む可能性が高いし、学費が安くなったりレベルの高い学校に入りやすくなったりするのを待つこともできるからだ。

これは確かに賢い選択だ。
米国の話として書かれているとはいえ、グローバル社会ということを考えると、
これはこれからの日本やアジア全域にも当てはまることなのかも知れない。

●少子高齢化対策

・先進国の高齢化危機にはどう対処すべきなのか。(考えられる解決策の一部)
1)出生率が高い国からの移民受け入れを増やす(米国、欧州の一部、オーストラリアやニュージーランドでとられた方法)
2)子育て支援を拡充して出生率を引き上げる(スカンジナビア諸国や北欧が好例)。あるいは米国のように、働く母親への企業による支援や文化的な支援を強化する(企業が保育所の費用を補助する、夫がもっと家事を引き受けるなど)。
3)高齢化革命。すなわち、先進国の高齢者が単に長生きするだけでなく、かなりの高齢になるまで高い生産性を維持して働けるようにする。平均寿命は1930年代から60年代にかけて大きく伸びたが、同様な伸びがこれから実現すれば100歳を超えるまで生きられるかもしれない。すると生産性と支出のピークが60歳代前半で、引退するのは80歳代半ばになることも考えられる。
4)人類の寿命が延びて比較的高齢でも出産できるようになれば、一生のうちに産む子どもの数の平均も増えるだろう。

日本の場合は、恐らく移民は受け入れられない気がする。
そして、男尊女卑の文化もまだまだ根強い。
日本の場合でもっともとられる可能性が高い対策は3)や4)なのだろうか。
でも、小室淑恵さんのように、2)の活動を頑張る人もいる。
私も、頭の硬い人たちを量産するような対策よりは、
イノベーションの後押しにもなるであろう、2)の対処にもっとも期待したい。

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