母を恋して太る人、彼を愛してやせる人

「3日後日記」でダイエットに成功する!

色々な事情から新書が出なくなってしまったのがとても残念だが、
これまで出版された岩月氏の本は、ひと通り読んでおく必要があると思っている。
これまでも多くの気づきとカラクリを教えてもらったが、
彼の理論が、ダイエットに与える影響という視点ではどう適用されるのか、
ちょっとワクワクしながらページをめくってみた。


「共依存」という言葉を理解していると、幸せ恐怖症の意味がよく理解できるはず。
母娘の共依存、あるいはその代償としての混乱した共依存の恋愛関係をどうやって脱却するかということが、わかりやすく書かれている。ただしここに書かれていることは全て無意識レベルのことであり、表層意識の世界では受け入れられない話ばかり。批判する気持ちを捨てて、まずはいったん受け入れて読んでみると、著者が言いたいことが理解できて、人生がとてもクリアになるはず。そしてやせるはず。
私の身近な話でいえば、母親である妻が、娘に対してこのような悲しい状況をつくってしまわないように、気をつけたい。意味不明なイライラが出てきたときには要注意。心の中を点検する必要があるということを、この書籍を引用しつつ説明したいと思う。
以下、メモしたところ。
●愛情の欠乏と飲食の関係
愛情の欠乏は、「口がさみしい」という感情になって現れます。赤ちゃん時代に心の絆をお母さんと作れた人は(もちろん、記憶にはありませんが)、口がさみしいということはありません。
●ダイエットプロジェクトを失敗に導く裏切り者 = 幸せ恐怖症のカラクリ
心に棲む裏切り者とは、第3希望を実行するようにささやくもう一人の自分のことです。そして、その裏切り者とは、幼少時、母親の不機嫌さや嫉妬で作られたものです。
自分が幸福になったとき、母親から嫉妬されると、幸せを得ることが怖くなるのです。だから、第1希望を放棄するようになるのです。まるで幸せを回避するように見えるので、こうした現象を私は「幸せ恐怖症」と名づけています。
母親の心を安定させるのが父親です。母親が嫉妬してしまうのは、夫である父親が愛していないからで。
これ以上、お母さんのイライラした顔を見たくないのです。お母さんの不機嫌な顔を避けるには、それに見合った不幸がないといけないのです。子どもにとって、母親のイライラした顔は、なによりも恐怖です。だから何か楽しいことをするたびに、言い訳をするくせがついてしまったのです。しかし、そうしたくせを自覚している人はほとんどいません。
もし、母親自身がいつも第3希望を実行している人だと、娘にも第3希望を実行してほしくなります。いえ、第4希望か第5希望を実行してほしくなります。もし、娘が第1希望を実行して悦んでいる姿を見たら、イライラしてしまうからです。「あなただけずるい」「私だって第1希望がしたかったのに!」と、許せない気分になってくるのです。そして、怒りがわいてきて、「わがままだ!」と娘を叱りつけてしまうのです。娘からしたら、自分がしたいことをしただけです。自分がいちばん悦んでいるときに、母親がいちばんイライラすることを不思議に思います。いったい、何事が起こったのかと、娘は震え上がります。こういうことが何度か続いたら、娘は次第に、「自分は、したいことをしてはいけないんだ」と思い込むようになります。
こうした家庭の母親は、娘がダイエットを始めようとすると、無意識のうちに巧妙に邪魔をします。たとえば、「少し太めのほうが健康にはいい」とか、「やせすぎたら健康を害してしまう」とか、いかにもさもありなんということを確信をもっていうのです。もし、本気で娘の健康を願っている母親ならば、娘がいざやせようと決意したときは応援します。「そうだね。あなたはもう少しやせたほうがモテるよね」「でも、健康には気をつけようね」
●第3希望の選択をしている例
母親の嫉妬や母親の不機嫌が怖い娘は、無意識のうちに、第3希望である緑のブラウスを買います。しかし、わざわざ第1希望を抑えるのですから、自分にとっても言い訳が必要になります。
「値段が高いから」
「緑のほうがかわいいから」
「自分には緑が似合うから」
「ピンクはこの前も買ったから」
「職場に、ピンクのブラウスを着ている子がいるから」
などという、かなり無理のある理由です。でも、それなりに納得します。いえ、無理にでも自分を納得させるのです。ところが、そのブラウスが第3希望であった証拠に、しばらくするとイライラしてきます。イライラする時期は、買って数時間後の場合もあれば、数日後の場合もあります。何か、もやもやとした釈然としない感情がわき上がってくるのです。
それでも、自分が第3希望の洋服を買ったという事実を知りませんから、心にわいてくるイライラの原因を特定することはできません。イライラの原因は、洋服とは関係ないとさえ思っています。
ウニが好きな人が、ウニを買うことをためらいます。「ウニは高いから」「ウニは贅沢品だから」などということを言い訳にします。しかし、実は第1希望だからか買えないのです。値段が高いから買えないのではありません。大きな悦びを得ることが怖いから買えないのです。しかし、意識の上では、「高いから買えない」と思っています。こんなウソを自分自身についているから、素直にウニを買い、ウニの味を楽しんでいる人を見ると、イライラしてきます。そうした人の悦びを壊してやりたい気持ちも起こってきます。ウニは確かに高価ですが、食べたいと思ったときに買って食べていれば、他人がウニを買っている姿を見て嫉妬することはありません。腹を立てることもありません。人の幸福を見て腹が立つのは、自ら第1希望を抑えているからです。
「一生懸命働いたごほうびに」とは、ブランドもののバッグを買った女性などがよく口にする理由です。幸せ恐怖症という観点で見ると、この理由は、「自分の体を犠牲にして一生懸命働いたのだから、これくらいの贅沢は許される」と、言い訳していることと同義になります。つまり、「仕事で疲れ、自分はじゅうぶん不幸になったのだから、その分だけ幸福になってもいいでしょ、お母さん」と、心の中で叫んでいるのです。お母さんに許可証をもらおうとしているのです。自分が働いたお金なのに、いちいち母親におうかがいを立てるのです。
●第3希望という抑圧 → 怒り
母親をかわいそうとか、私が守ってあげたいとかと思っている人は、実は、母親に対して巨大な怒りをもっている可能性を秘めています。
●愛情欠乏に対する麻薬
もし、自分のいいところを刺激する人とつきあっていれば、その人といっしょにいるだけで心は満たされますし、また、同時にやる気も意欲も出てきます。当然、楽しいことをどんどんするようになりますので、ますます心が満たされます。しかし、自分の悪いところを刺激する人といっしょにいると、いっしょにいるときは甘美でも、離れるとイライラしたり、さみしくなったり、落ち込んだりします。だからまた、その人と会いたくなって会ってしまうのです。しかし、楽しいから会いたいのではなく、さみしいから会いたいのです。そして、会ってますますさみしくなるのです。

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