もうひと押しができない!

やさしすぎるひとのための心理術

昔この人のメルマガをずっと読んでいた時期がある。
タイトルと内容はあまり関係なそう。
心理学的考察がちりばめられた読み物という感じかな。
浦島太郎はなぜ玉手箱を渡されたのか。
その謎を知りたい人はぜひ。

●感情のセーブとロード

・アンカリング : 人が「ありがとう」とお礼の言葉をいうのは、ほとんど幸せな感謝の気持ちでいっぱいになっているときです。ですので、つらいときや寂しいときに、ただ「ありがとう」とつぶやくだけで、そのときの幸せな気持ちを思い出すことができるわけです。
・ちゃんとセーブ、しておこう。あなたが生活をしていると、少しでも「幸せ」と感じることがあるはず。試験に合格したとき。両親が、あなたの誕生日を祝ってくれているとき。大切な人と、抱き合っているとき。そんなときは、決して忘れずに、「特定の行動」をとっておくことです。それはすなわち、幸せな感情の「セーブ」。そして、つらくてくじけそうなときは、同じ行動を再現するので。言い換えれば、それによって感情の「ロード」をすることができるのです。その行動は、何でも構いません。自分の手を握っても、首を上に向けても、体をひねってみても、何かの音楽を聴いておいてもいいかもしれません。でも、僕が一番薦めるのは、やはり「ありがとう」ということでしょう。
・浦島が竜宮城での出来事をどんなに楽しかったと感じていたとしても、その後何十年も経って、死ぬ直前になれば、ほとんど忘れ去られて穴だらけの記憶になってしまいます。だから乙姫は、浦島を玉手箱で老化させることで、竜宮城での思い出を、一瞬にして結晶化させたのです。これで浦島は、その記憶を鮮明に持ったまま死ぬことができるようになったと…。

この本でもっとも価値のあるのは、ここ。
アンカリングの活用方法にいては何度か読んだことがあるけれど、
改めて、とくに子どもとの接し方、家族とどう接するかについて
工夫できているか見直してみようと思った。

●自信のコントロール

・被験者は女性。テストを受けさせて、成績と関係なく「最高」「最低」の評価をしたのです。そしてその後に「ごくフツー」の男性に、彼女をデートに誘わせたのです。すると…。「最高」の評価の女性は、そのデートの誘いを断ることが多く、「最低」の評価の女性は、逆に受けることが多かったそうです。決め手となる重要な要素 それは、『自信』なのです。
・実際に戦争において捕虜を尋問するときには、相手の服を剥ぎ取ることによって逆らう気持ちを奪うという手段があるそうです。すなわち自信は身体像境界によって左右され、その身体像境界は衣服によって大きく変わってくるといえるでしょう。

悪用している人も多いような気がする。
あえて、プライドの高い人の自信を叩き落してから、やさしくする
という手を使う男性を何人もみたことがある。
それなんか、まさにそう。

●ウソ/真実の引き出し方

・人間は、ウソをついていたり、何か後ろめたいことがあるようなとき、無意識のうちに警戒のバリアーを張るものです。「どの言葉や動作からバレるかわからない…」。そんな不安から、極力相手に与える情報を少なくしようとします。後ろめたいことのある人は、まず「どうして?」と『相手がどこまで知っているのか』や、『推論の根拠』を知りたがるというわけです。逆にあなたが恋人との日常会話で、ただ「昨日、何か楽しいことあった?」と何気なく聞いただけなのに、「…え..。どうして?」といわれたとしたら、明らかに違和感を覚えるはずです。
・実際にウソをつかれていると感じた場合、真実を引き出すためには、「自分の立場が高く、相手の立場が低い」という差を、埋めてあげなければいけないわけです。
1. 相手の立場を高めるような言葉を告げること(ウソをつくのは最低だなどと否定すれば相手の気持ちはロックされてしまう)
2. 相対的に高い自分の立場を低めてあげること(自分も後ろめたい部分があると告げる)

著者も書いているように、
しかしウソを見破ることが、必ずしも幸せとは限らない。
仕事において、監査や部下のマネジメントにおいては、時に必要になることもあるかも知れないけれど、
心理操作や心理分析は、幸せとはあまり関係ないような気がする。

●相談

・実は人間は、誰かに対して相談するとき、ほとんどの場合「すでに答えは決まっている」のです。もちろん、「完全に袋小路」という人もいることはいますが、その人も無意識の願望は少なからず持っているはずです。自分の考えは持っているけれど、それに自信がない..。そう思っているからこそ、それを支持して勇気づけてくれる相手に相談をするわけです。いまのあなたがある異性からプロポーズをされていると想像してください。そのときに、次のどちらに相談するでしょう。
A) すでに結婚して幸せな家庭を築いている若奥さん(もしくは若い旦那様)→ あなたはおそらく「結婚したい」と感が手いるはず
B) 結婚せずにバリバリ仕事をこなしているキャリアウーマン(もしくはキャリア男性) → 「まだ結婚したくない」と考えている
・よって、もしあなた自身が誰かに相談を持ちかけられたなら、まず最初に「相手の望んでいる答え」を考えるクセをつけること。まずはとにかく相手の話を聞いてあげて、その人の希望をわかってあげることが大切なのです。でも実際、ほとんどの人が、「自分の主張」を行うことに終始してしまいます。「○○したほうがいいと思うよ。ほら俺もさ、昔そういうことがあったけどね、うまくやったもんな」「そうはいっても、その考えじゃダメなんじゃない?甘いと思うよ」ついこういう発言をしてしまうのは、実はその人自身に、「自分の考えをわかってほしい」「自分の意見を認めてスゴイといってほしい」という欲求が隠されているからです。これでは、どちらが癒してあげるカウンセラー役なのかわかりません。もしあなたが本気で相手の気持ちを癒してあげたいと思っているのなら、とにかく「自分の意見を押しつけないこと」。「自分の意見をいわないこと」。
→ 「本当はどっちをやりたいの?」と聞くこと。そうしたらその後に、迷っている理由などをいろいろと聞いてあげましょう。そして10分ほど話した後に、あなたからこういってあげるのです。「そうか…。もし僕が君だったら、○○すると思うよ」 「もし僕が君だったら」というだけで、「あ、この人は自分の立場になってくれたんだ」と感じることができるのです。それだけで相手は幸せを感じるはずです。さらに「同じ考えを持ってくれた」といわれることで、強い自信と安らぎを得ることができるのです。

簡単にいうと、頭を使う必要はないということ。
そしてもっと心を使えということなのかも知れない。
自分はこの辺、限りなく間違えていた。

●誘導

・「じゃあ、いま決めてみて。あきらめる? それともあと少しだけやってみる?」これかそが、その人の気持ちにもう一度エンジンわかける魔法のキーワードなのです。実は人間は、このような二者択一をさせると、なかなか「あきらめる」とはいわないもの。また、実はこの言葉の順番も重要です。「あきらめる? …それとも、もう少しだけやってみる?」これを、「もう少しだけやる? …それともあきらめる?」と逆にすると、やや「あきらめる」というほうに気持ちが動いてしまいます。それは日本語には「言葉の重要な部分は、文の末尾に来る」という意識があるので、その言葉を発した人の主張が「あきらめる」にあると感じてしまうからです。
・あるビジネスをヒットさせるには「欲求を正当化すること」が大切なのです。
(社会的に決定することで「告白したい」という欲求の正当化 : バレンタイン)
(それだけは食べていい といわれることによって食べることへの罪悪感をなくす : ○○ダイエット)
(寝てもいい : 睡眠学習法)
・アメリカの統計では、「知的に低く・依存性の高い」人ほど片面提示を好み、「知的に高く・独立心の高い」人ほど両面提示を好むといいます。事実、アメリカのセールスマンは、「家庭に長くいる中年の主婦」には片面提示を、「ビジネスマン」たちには両面提示を使うように指導されていました。
(片面提示 = メリットだけを提示 / 両面提示 = メリット・デメリットを合わせて話す)

どうしても誘導が必要な時のために、知っておいて損はないかも知れない。
でも、操作主義はあまり好きではないのだけど。

●その他

・人間は、誰かに名指しをされてはじめて、「個人」としての自分を認識します。先の男性のセリフで、もっともいけないのは、「相手の名前を呼ばなかったこと」なのです。
×「君の番号を教えて」 → ○「○○さんの電話番号、教えてよ」
・「一つがダメなら全部ダメ」と考えることを、「オーバー・ジェネラリゼイション(過度の一般化)」といいます。この傾向は、落ち込みが強いときほど起こりやすいものです。
・いつか完全にしけってしまったマッチを見ながら、「擦っておけばよかった…」と思うことはないのでしょうか。たった一本でも、「思い切ってマッチを擦った」。そうすれば、それがどんなに小さい炎でも…。その事実は確実にあなたの心に、暖かい思い出をともすはずですよ。

このあたりはまあ、一般論として。

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