人は見た目が9割

理屈はルックスに勝てない

ノンバーバルコミュニケーションに関する一冊。
書名の興味深いネーミング(コピー)を考えたのは誰だろう。
きっと書名のおかげで売れた本。


●原則

・結局、鍍金が剥がれる「話し方」を勉強するより、一生使える「見栄え」を身につけた方が得だとも思う。
・動物行動学者デズモンド・モリス 他人から受け取る情報のなかで、一番嘘をいわないのは何か
1 自律神経信号
2 下肢信号
3 体幹(胴体)信号 胸が内に入り肩がしぼんでいる時には自信を失っている。後ろに反り返っている時は、興味が低い
4 見分けられない手ぶり
5 見分けられる手のジェスチャー
6 表情
7 言語
・マナーは計算されて作られている。何故そのマナーが生まれたのか、という説明を受けているといちいち頷かされる。きちんと考えて行動すれば、みんなそのマナーに行き着くのである。そのマナーに行き着かない人は、対人関係を考えていないのではないか、とさえ思えてきたのである。
・マナーというものはノンバーバル・コミュニケーションを意識化したうえで、非常に洗練した形で練り上げた結果の産物だということになる。

ノンバーバル・コミュニケーションのもっとも身近なものは、マナーだ。
そんなことに、いまさらながら、気づいた。
立ち居振る舞い、所作、マナー、これは親から子に自然に伝わる。
マナーはそういう意味でも重要だ。
それに、子は敏感だから、大人よりも
ノンバーバル・コミュニケーションの能力に優れている。
●ビジネスと生活への応用

・サクラは三人以上必要。男性雑誌でお馴染みの「このお守りを持っていれば、金運も女運も付いてくる」という類の広告である。ここで実際に女性にモテモテになった状態のイメージ写真が載っているが、冴えない男を三~四人の美女が取り囲んでいるという構図が多い。本来ならば一対一で贅沢を言うなというところなのだが、このもて方は偶然ではない、というメッセージを秘めているのだ。
・精神分析の世界で、ドラマ療法というのがある。役を演じることで、少しずつ心を解放していく療法である。自分以外の人間になることで、自分という呪縛から解放される。私たちは、自分という呪縛から逃れられれば、かなり大胆になれる。
・「密接距離」(0~45センチ)は、極めて親しい者同士の距離。夫婦や恋人の距離である。触れようと思えば、相手に触れられる距離。「触れられてもいい」と意思表示をしている状態と考えてもよい。最近ブームのダンスは、恋人以外の異性とこの距離に入れる唯一の趣味である。最大の45センチでも、お互いの口臭を受け入れる状態になる。

そういえば、私は10代の頃から広告を学んでいたことを思い出した。
たくさんのことを、あのあやしい「日武会」に学んでいたのだ…。
知らないところで、色々と学んでたんだ。
それと、ドラマ療法は、かなり使える人生の工夫だ。
すぐに活用してみようと思う。
●ノンバーバルコミュニケーションの実際

・演出家は「髭」を基本的に「コンプレックスの表れ」と見る。「自分を実際よりも上に見せたい」心理は髭に表れる。髭には周囲に威圧感を与える働きがある。逆に言えば、そうした「小細工」をしないと周囲を威圧できないという意識がどこかにあるといえる。
・役者によっては、「私は声が高い」と決め込んでいる場合がある。声のトーンは、長年の習慣で身に付いたものだが、ボイストレーニングで変わるものだ。声帯は筋肉である。鍛えれば、その分能力は向上する。
・緊張が解けたサインの代表が「上着を脱ぐ」という行為である。
・一般には、女性の方がアイ・コンタクトの時間が長い。そして、自分が話しているときより、聞いているときの方が相手を見ている時間が長い。この女性の特性がわからないと、相手の発しているノンバーバル・メッセージを取り違えてしまう。
・男は嘘をついた時、目をそらす。やましい気持ちが目に表れる。ところが女が嘘をついた時は、相手をじっと見つめて取り繕おうとする。これはいまだに「世の一般法則」にはなっていない。仕方なく、演出家は、女がやましい時も「目を外す」演技をつけることになる。問題は真実から外れた「一般法則」が定着しているということだ。
・人間は、前髪を垂らすと、三~四歳は若く見えるといわれる。だから、自分を若く見せたい場合は、一般に前髪を垂らす。大人びて見せたい場合は、前髪を上げる。ジャニーズ系の男の子は、基本的に前髪を垂らしている。かわいらしさ、優しさを「売り」にしているからである。

このあたりは、注意点として。
とくに、声帯はトレーニングで変えられるという話、びっくりした。
自分でも、低い声が出せるようになる可能性があるのか..。
頑張ってみよう。
●文化その他

・耳が大きく頬がふっくらしている人は、実業家として成功しやすそうだという情報を発していることがわかった。
・社会的に力を持っている女性は、相手の心情を察する必要がない。相手がどう思っていようとも、命じて動かすことが大事だからである。社会的立場の弱い女性の勘は、要チェックということになる。
・武家階級に愛された「能」は、動きが刈り込まれ、表現が研ぎ澄まされている。「小さな変化」に大きな世界を感じ取るのが、見巧者である。逆に、庶民文化の華である「歌舞伎」は、一般に表現が大きい。能に比べると、約束事が少ないため、教育程度の低い庶民にもわかるように作られている。受け手に知性を要求しない様式をとった、と言い換えてもよい。
・日本の白黒マンガを最も抵抗なく受け入れている二国は、墨絵の伝統を持っている国(韓国と台湾)なのである。
・人間は色を感じる。次に、色に名前を付けて区別する。この二つは異なった営みである。例えば、イヌイットには「白」が数十種類あるという。有名なことだが、虹の色は日本は七色。英語圏では藍色がないから、六色である。

パワーを濫用する癖を持つと、勘が鈍くなる。
結局のところ、バランスがとれているということなのだ。
弱者は、弱者なりに別のパワーを強化する。進化させる。

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