リクルート式

「最強の営業マネジメント」のすべて
「日本を代表する人材輩出企業」で学んだ法人営業マネジメントを理論化・体系化!

久々に、著書を全部読みたい・会いたいクラスのすごい人を見つけた。
リクルートってやっぱすごい。
p98からのヨミ会の様子の描写は、
とてもリアルに雰囲気が伝わってきて、うれしい。
この本は宝の山だ。
それから 3つの法則-9つの原理-26の方法 は、
親としてのあり方にそのまま置き換えられる。
すげぇ。印刷して貼っとこぅ。

●営業力のある人・営業力のつけ方

・十数年もの間、営業管理職として採用面接に携わった人間が口を揃えて指摘するのは、強い営業マン、ウーマンになる人間は、自分にあるものを冷静に言えるという。苦手なことも言え、裏づけもあるので、目が輝くというと
・ファイナンス(財務)やアカウンティング(会計)といった知識系は自己啓発の効用も大きい。だが、いまの時代、とくに年間数億円以上の予算を達成する営業の技術は、プロの領域であって、自己啓発の範疇ではない。一人で野球の練習ができないのと同様に、他流試合の中で修練されていく類のものは独学では身につかないのだ。
・一般的に、スポーツはゲームの時間より練習をしている時間のほうが長い。強い営業部隊は、当たり前のように営業の練習メニューを持っている。
・世の中には「言葉で説明したほうが伝わること」と「見せるほうが伝わること」がある。営業は後者なのである。
・話は決まらなかった。後日、氏はその理由を人事部長から聞くことになった。「社長はヒントを出したのに、なんで◯◯さんは、それを受け止めなかったのですか?」。実は、商談の中で社長は氏の話をさえぎって、「なんで、君たちはそこまで熱心にやるのか?」「なんで、ウチのためにそこまでやってくれるのか?」と尋ねる場面があったという。それを氏は、「営業ですから、当たり前です。で、この企画なのですが…」と軽く受け流して、話を戻してしまったのだった。「社長はあなたに興味を持った。そして、そのサインを送ったのに、あなたはそれに応えず、なぜ商品を売ろうとしたのですか?」それを知った氏は、「自分はこんな人間です…。この会社は…」など、自分はどんな人間で、社長がどんな人かを尋ねる話に展開していれば状況は違ったと、社長個人に興味を持たなかったことを後悔したという。

結局のところ営業力とは、人間力とか、器、人物そのものなのだなと思う。
そしてそれは、同じ空気を吸い、肌で感じ、机上ではなく実践で身につける。
メンターの重要性・人との出会いや環境に左右されるとい意味でも、
人生そのものだと思う。

●マインドセット

・人が不安になるのは、「何をどうすればいいか分からない」ときだ。「何をどうすればいいか」分かったとたんに、人は「希望」を胸に前進する勇気を持つものだ。
・「何をどうすればいいか分かっている」状態が、営業マン/ウーマンのもっとも望ましい姿である。どのような営業局面にあっても、「何をどうすればいいか分かっている」営業マン/ウーマンのレベルに到達しているなら、営業マネージャーとしてこんな楽なことはない。そこが、目指すべきゴールなのである。しかも、できるだけ早く。
・「方法が分からないときの方法むを知っているか否かで大きな差が生まれる。「人に聞く」「本を読む」「みんなで知恵を出し合って考える」など
・強い営業組織というものは「方法がわからないときの方法」を心得ている。

これは、不安になっている人がどうすればいいのか、どうしてあげられるのかという点で、非常に大きな気づきになった。おそらく不安になりやすい人というのは、この「方法がわからないときの方法」がないのだ。自分にはこのあたりのことが当たり前になってしまっていたから、不安な人の気持ちが、気づかなかった。

・入札は別として、「価格で負けた」というのは営業マン/ウーマンにとっては使える”エクスキューズ”のセリフだったりするのてせ、注意が必要だ。実際、本当に価格で負けている例は半数にも満たない。価格差を補うポイントを訴求できなかったところに理由を見出さなかったら、営業マン/ウーマンとしての成長は止まってしまう。

●営業について

・顧客に関心を持つことは営業力のもっとも重要な要素であるが、職場も同様なのである。
・営業は売るモノを選ぶことはできない。たとえ、競合商品のほうが優れていたとしても、営業の仕事は自社商品を売ることなのだ。かつて「トヨタの営業マンは、エンジンのないクルマさえ売る」という揶揄があったが、まさにそのとおりで、商品力の劣勢を営業力で補完する例は枚挙にいとまがないほどある。
・「売った」とは自らが能動的に仕掛けて刈り取った状態であるし、「売れた」というのは引き合いに対応して受注、成約した状態である。厳密にいえば、前者が「営業」であって、後者は「営業」ではない。

関心のない人、関心の持てない人を顧客にすることはできない。
顧客だけでなく、友人でも同じ。
逆にいえば、友人にできる人は顧客にできるということだし、
そのようなリーダーシップこそが仕事のモチベーションになるのが健康的。
そうすれば、好きな人たちに囲まれて生きていける。
逆にいうと、だから自分はなかなか起業や営業がすんなりと、できないのだと思う。
関心のある人、友人に対して、エンジンのない車を売ることはできないのだ。

●営業の具体的なスキルとテクニック

・通常、顧客は、自分の関心のあること以外は、聞いてないか、相槌は打ってくれるものの頭に入ってはいないものだ。そこに気づかずに、一方的に商品やサービスを説明したり、初回訪問時には長々とした会社案内から始めてしまったりする。たしかに、商品を説明する段階もあるが、その前に顧客の関心事をテーマとした営業の山場を作らないことには、顧客の関心を、”導入したい、欲しい”という欲求に焚きつけられない。
・営業とは”売りにいくこと”であって、”説明に行くこと”ではないのだ。
・営業の鉄則は、もっとも受注確率の高い顧客から順番に訪問することである。そのためには、せめてコアターゲット、メインターゲット、ターゲットと三分類くらいのウエイトづけで見込客を格づけすることくらいは試みてほしい。
・通常、市場の三%くらいは”待ってましたとばかりに購入してくれる顧客”だと言われる。したがって、この三%の顧客をあぶりだして、徹底的に攻略するのが、もっとも効率の良い、歩留まりの高い営業となる。ここで必要となる技は、「どうやって、この三%の顧客を特定するか」ということになる。

人間力という営業の本質から導き出されると思えば、
もしかするとこれは自明なことなのかも知れない。

●商品特性と営業スタイル

・10万円未満の商品やサービス
 見込客を探して、ゼロからアプローチする方法がコスト的に成立しない。したがって、絨毯爆撃的な仕掛けの後に、受動的な電話で受注といった形態を中心にせざるを得ない。営業マン/ウーマンが訪問したり能動的な電話を
したりでは、コスト的に困難となる。
・10万円以上30万円未満
 やはり能動的な訪問営業は採算がとれない場合が多い。10万円未満のケース同様、広告、チラシなどの絨毯爆撃が必要となるが、この価格帯だと、電話を用いたプッシュ、クロージングが可能となってくる。
・30万円以上100万円未満
 訪問営業が可能となってくるが、何度も訪問するわけにはいかないので、なるべく初回の訪問で即決できるような営業方法の選択が望ましい。
・100万円以上300万円未満の個人向け営業
 乗用車やリフォーム、金融商品が主な財となるが、この十数年の間にこれらの営業が大きく様変わりしたことにお気づきだろう。都市圏を中心に訪問販売の文化が壊滅状態となっているのだ。在宅率低下の問題もあるし、訪問販売法の改定やその悪いイメージが、乗用車の販売方法までも変えつつある。
・300万円以上1000万円未満
 個人といえども、きめの細かな営業が可能となる。対象の財としてはリフォーム、金融商品、高級車、宝石、絵画などであろうし、百貨店の外商なども、このあたりが対象となっているだろう。富裕層が主なターゲットとなる場合は、当然、営業の方法が異なってくるのはいうまでもない。
・1000万円以上
 一般的には住宅や金融商品となるが、この価格帯ならじっくりと腰を据えた営業が可能となってくる。ただ住宅の場合はその分、競合も多くなるので、まさに営業力が問われるところだ。

自分の扱う商材の価格帯はどこだろう。
それによっては、セールスよりもPRやマーケティングを学んで、
売るのではなく売れるというビジネスをすることになる。
昔は、ある意味でとても高額なものをセールスしていたので、セールスばかりやっていた。
最近では、セールスよりもマーケティングや広報ばかり学んできたけど、
自分が売りたいものによって、その内容はかわる。

●アポイント

・法人の新規開拓の電話で、ゲイトキーパー(最初に電話をとる人)のアポ突破の関数
総和(Σ)を1 Σ>0.5で突破
Σ=0.15(知名度)+0.3(評判/イメージ)+0.35(キーワード)+0.1(コンテクスト:間)+0.1(その他)
キーワードとコンテクストとで営業トークが成立すると思っていただくと、さらに分かりやすいかもしれない。
通常、ゲイトキーパーは、取った電話を上長につなぐかどうかは、マニュアルや内規でルールが作られているし、”失礼のない電話の断りトークマニュアル”もだいたい整備されている。しかも、ゲイトキーパーは直感的に最初のトークを聞いた直後に、上長につなぐか、どのトークを用いて断るかを瞬時に判断しており、その判断をキーワードとコンテクストのウエイトが大きく左右するのだ。
・当該キーマンとのアポ獲得の関数
総和(Σ)を1 Σ>0.7でアポ獲得
Σ=0.05(知名度)+0.05(評判)+0.2(タイミング)+0.4(キーワード)+0.2(サジェスチョン)+0.1(その他)
ここでは0.4のキーワードと0.2のサジェスチョンを足したものが、たとえば、商品・サービスの魅力、ベネフィット、ソリューションの内容、差別性などの営業トークということになる。
  アポ獲得率はキーワードの具体性に比例する
  電話の先の相手が知りたい情報を推理しながらキーワードを選択する
  年、月、週、一日の中でとりやすい時間帯、絶対とれない時間帯が存在する。これを入電時にヒアリングしておくだけで、アポ獲得率は5~10倍に上昇する。
・アポ獲得率を著しく高める要素
1)相手にとって有力な紹介者
2)相手が不満・不安を持っていることの真芯を突くキーワード
3)アポイント獲得まで知恵を絞り、工夫を続ける試行錯誤「仮説-実行-検証」の繰り返し。

このあたりは、実はナンパなどでも応用できてしまう。
ということに気づいている人はどれぐらいいるのだろうか。

●マネジメント

・遠くて大きい目標より、近くて小さな目標に照準を合わせたほうがメンバーは「やれそうだ」と思えるのだ。
・「十分にやれそうだ」と思ったり、思わせたりするには、成功事例、失敗事例とも「気が楽に持てるように原因を解釈する」 成功事例に関しては自分の能力によるところが大きいと考え、失敗事例に関しては難易度が高すぎたから、あるいは運が悪かったという要因に帰属させることである。
・「自分で決めたことだから、がんばる」という人に必要な配慮として「積極的になっている部下を下手に褒めない」というのがある。褒めるマネジメントのほうが、叱るマネジメントより高価があるのは知られていることではあるが、ここでポイントになるのは「積極的になっている」ということだ。そこには彼/彼女を積極的にならしめる動機があるわけで、そこを褒めてしまうと、心理学でいうところのアンダー・マイニング現象で、「自分のために」「自分の意志で」行っているという高いモチベーションを減退させてしまうので気をつけたい。
・「Being目標とBecome目標の両方を持たせる」Become目標ばかりで、Being目標が欠落していると、Become目標を片っ端から実現しても、達成感がないとか一瞬で消えてしまうという状況に陥りやすい。なぜなら、いまに生きていないからだ。逆にBeing目標ばかりで、Become目標がないと、小さくまとまってしまう。
・「『期待されているからこそ』と思えるように叱る」ことをしなければ、単なる感情エネルギーの放出で終わってしまう。営業場面では、「数字の未達成を叱るのではなく、能力がありながら、その能力を発揮しなかったと」を叱るということである。ここで叱らず、看過してしまうと「あなたには期待していない」というメッセージを運んでしまいかねないからだ。戦力としてカウントされていない疎外感は想像に難くないだろう。
・信頼関係の土台には何があるのか。それは、「マネージャーがメンバーに関して抱く関心」と「メンバーがマネージャーから関心を払われているという安心感」とのシンクロだと私は認識している。マネージャーがメンバーに対して無関心であっては、どんなテクニックを駆使しても、業績には反映しない。
・最初のステップはマネージャーからメンバーに対し、「人」として強い関心を寄せることからスターとするのではないだろうか。「どんな仕事を通じて喜怒哀楽のエピソードを持っているのか」「こいつのやりたいこと、すべきこと、できることは何なのか」「彼/彼女の大切にしていることは何なのか」「何ができなかった人間なのか、何が悔しかった人間なのか、何がコンプレックスだった人間なのか」「好きな食べ物は何なのか」「趣味は」というような関心を持って接すればこそ、お互いの共感のきっかけが生まれると思うのである。

Mr.Xに学んだMWMとか、田坂さんに学んだ操作主義ではない本当のマネジメントとか
やはり一流の人は同じことを言うのだなという再確認ができた。
そしてこれは、子育てであるとか家庭生活にも大いに役立てられるべきナレッジ。

●リクルートという組織に学ぶこと

・「ウチの大塚がお世話になっております」「ウチのバカがご迷惑をかけてなかったでしょうか」リクルートという会社には、”現役とOBをひっくるめてリクルート”という妙な感覚があるのだ。それは会社への帰属意識というより、社内外の人間関係への帰属意識、もしくは共通意識への帰属意識に近い関係といえる。
・庶務=影のマネージャー
・皆経営者主義 自分で決める、自分で責任を持つということである。この皆経営者主義のために、権限と責任が大幅に現場の各課に委譲されて、”失敗より、何もしないことのほうが罪深い”という風土を培っている。したがって、学生も、”若いうちに責任のある仕事ができる”とか、”将来は経営者になりたいが、とりあえず修業で”という動機でリクルートの門をたたくことになる。かくして企業家精神に富む人間がリクルートに集結してしまう、という現象を生み出した。
・手続きや形式、基準や規範よりも実行に価値があるという徹底した合理主義からくる伝統 「まず、やってみよう」「やってみなければ分からない」「やりたい奴にやらせよう」という暗黙のコンセンサスがある。もちろん事と次第によっては、ゴーサインが出ないこともあれば、マイナス意見もある。それでも、「決まるまでは徹底議論、でも決まったら絶対協力する」という大原則は貫かれている。
・社是「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」リクルートは社員の成長を大切にする企業である。会社の成長ももちろんだが、「社員の成長=会社の成長」ということを固く信じていたに違いない。したがって、会社のすべての機能、意思決定の基準が、「どうしたら社員の成長につながるか、どうしたら社員のモチベーションが高まるか、維持できるか」という方向に向いていた。
・自己申告制 希望する部門や職種への異動や、所属する課やマネージャーに関する要望・課題を毎クォーターに一度、人事に提出することが義務づけられている。
・IO制度 いったん退職し、リクルートと業務委託契約を交わし、契約から二年間は退職前月の基本給を最低保証するという仕組みで、いわば独立開業の助走をリクルートが支援しましょうというものだ。
・もっとも合理的な採用の基準は、「自分が一緒に仕事をしたい人間」「自分より優秀な人間」ということであろう。自分より優秀な人間といっても、全部が優れているという意味ではなく、何か一つ「この部分」というものを発見できたら、という意味である。
・社内でもお客さまはお客さまと呼びたい。

これは、家庭にも適用できそうだ。
やってみようと思う。

●組織というものの理解

・風土こそ企業の最終決済者
・営業コンサルティングに着手するときに、その企業の営業部隊の特性を決定づけた背景を肝に銘じておく。当該企業の営業の成り立ちを抑えなければ、業績を上げるための効果的な手が打てないのだ。企業風土に合わない策を講じると、間違いなく組織はアレルギー反応を起こす。
・縦割りの組織であっても、組織力を発揮しているケースでは、必ずその媒介となっているタフ・ネゴシエイターが存在する。そく他部門とネゴをして協力体制を取りつけてくる頼もしい人材こそが組織力を生かしてくれるのだ。

営業の世界に降れてみると、
事務方が悩む人間関係だとか社内営業、調整なんて、なんて楽なんだと思えてくる。
どうしてそんな小さなことに頭を悩ませていたのかと、ハッとする。
逆にいえば、事務方にこそ、営業力が求められるのかも知れない。

●その他

・ビジョンの定義は「戦略が実現したときの姿」であるし、戦略の定義は「戦うべき”競争優位性”の選定と、その強みで戦う領域の限定」である。つまり、”どの強みで、どこを叩くか”を決めることが戦略なのである。その「具体的な方法」が、戦術である。

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