アマゾンのロングテールは二度笑う

「50年勝ち残る会社」をつくる8つの戦略

最終章の「不完全戦略」と、そこから導き出される生き方「疎結合」に貴重な気づき。
Network Engineeringの世界にいたときは
技術的な意味での「疎結合」しか考えてなかった。
けどこれは、人間関係にこそ適用すべき!

●不完全戦略

・不完全瀬戦略(ベストフエォート) 不完全な新商品を市場に出していくというやり方は、結果として、非常に合理的な方法であることが次第に明らかになってきました。不完全なものを世の中に出していきながら、多くのユーザーに、改良すべき点をどんどん挙げてもらう。最終的には、完全なものができるまで販売しなかった会社よりも、不完全なものを早く市場に出した会社の製品の方が、改良のための技術やノウハウが先に蓄積できて、結果として品質がよくなる。こうした不完全戦略によって、アメリカのハイテク企業は成長していきました。
・高い企業理念やエンジニアたちの信念が邪魔になる
・このような不完全さが前提条件となった社会に、僕達はどうやって対処してあけばいいのでしょうか。そういう社会で重要な概念を示す、新しいキーワードがあります。それは「疎結合」という概念です。
・お互いがつながることによるメリットを求めるのが第一(すべてを自社で持つのではなく、外部を利用する)
・第二に、つながるといっても不用意に「密」につながらないこと(悪影響をもろに受けないようにする)
・第三に、大きな仕組みを小さい仕組みに分割すること(楽に運用・構築ができる)
・まわりに不完全なものか増えるというのは、外部環境の重大な変化です。環境が変化した以上、ネットワークにつながるものがすべて高品質であるという前提を置くことには意味がありません。自分だけが完璧を求めても、コストが上昇するだけで価値にはならないのです。ですから、不完全で構わないところは、自社も不完全なものを積極的に取り入れる。その上で、仮に一部が遮断されても、まだネットワークにつながる大部分は機能できると考える。そういう新しいスタンスで、不完全なネットワーク社会につながる必要が出てくるのです。
・この思想は、インターネットの基本前提そのものです。
・完全な単一手段を持てばいい→柔軟な複数の代替手段を利用しなければならない

ネットワーク社会とは、ベストフエォートが疎結合する社会。
この思想はとても重要。ビジネスや経営論だけでなく、
あらゆる物事に当てはまる。この思想を通してみると、
世の中のこと、振る舞い方が、とてもクリアにみえてくる。
この著者から得た一番の宝。感謝。

●ベンチャー

・コンサルタントとしての経験がないと、「成長しているのに内部がぼろぼろだから問題だ」というように物事が見えてしまいます。しかし、実際起きていることの因果関係はその逆です。内部がぼろぼろでも、成長できるような非常にいい土俵を見つけているからこそ、その会社は伸びているのです。だったら、その土俵に戦力の充実した大企業が入ってくる前に、できるだけ先に伸びてしまった方が後々有利です。
・社長と数人の幹部にずば抜けた力がある。そんな企業が、戦いやすい土俵のうえで勢いにまかせて成長を続けている。それが多くの新興ベンチャーの実態なのです。

創業社長の会社が上場するまでの会社で働いたことがあるが、
たしかにこのあたりのこと、とてもよくわかる。
今、大企業が入ってこれない、不完全でもイケる市場とは、どこだろう。
そこで、早く動こう。

●戦略 傲慢さを捨てる

・10年の期間を経てみると、負け筋にこだわって、負け筋の中での強い戦い方を身につけた棋士は、どんなに才能があってもいつの間にか消えていったそうです。プロ棋士という最高峰の戦いにおいて、微妙に不利な土俵を選び続けるということは、長期的にみると致命的なハンディキャップになる。そのことが、将棋界の歴史では証明さているわけです。米長氏によると、優秀な棋士ほどそのワナにはまりやすいそうです。あまり実力がない人は、必死になって有利な土俵を選びます。そうしないと生き残れないのですから当然です。ところが、自分のことを優秀だと考えている人間はそうではありません。足場が悪いかどうかなどは、戦いの際にそんなに気にしない。むしろ「真の実力があれば足場の悪さは関係ない」などと考えがちです。
・戦略論の視点で見れば、この工夫が「一番怖いこと」なのです。工夫に満足することによって、土俵が悪くなっていることへの対策が後手に回ってしまう。本当は「工夫もするが、土俵を変える努力もする」というのが正しいのですが、頭のよいビジネスマンは、どんどん「今ある(悪い)土俵での工夫」に専念して、結果として会社を凋落させていってしまうのです。
・衰退事業にコア事業を定めたまま、工夫を重ねて難局を乗り切ろうとする考え方を、少なくとも30代、40代の管理職の人たちは、頭から捨て去るべきだと僕は思います。考えていただきたいのは、「自分が50代になって、この会社の経営陣に加わったとき、どういう会社になっていてほしいか」ということです。
・一番の敵は自分の心の中にあるのです。「それは私の仕事じゃないだろう」と感じさせるものが大きければ大きいほど、その新しいビジネスアイデアは、競争なしのオンリーワンになる可能性が高いのです。

とくに自分がもっとも気をつけなければいけないところ。
大局観を持って、戦術レベルでかつことにこだわらないことが必要。
とくにエンジニアの発想は、細かいところにこだわりすぎる。
こだわりや完璧主義は時代遅れなのだと、肝に銘じよう。

●富裕層の特徴

・グリーン車には怒りっぽい人が多い。自分の行動は棚に上げて、相手の粗相に対しては容赦のない人が少なくありません。彼らはおそらく自分のことをマナーが悪いとは思っていないはずです。むしろ、マナーの悪さを、高価な商品を購入したことに伴う権利だと考えているようです。
・上流市場での価格は中流市場の2.5倍が目安
・貧困による割増 BOP層が水道水を手に入れるのにかかる価格は、普通の層にかかる価格の実に37倍だそうです。下痢止めのクスリは普通の層の約10倍、電話代も1.8倍の価格で購入しています。

ベンツやBMWに乗っている人が態度がでかいとか、
先生と呼ばれる人が偉そうだとか、それもみんな一緒なのだろう。
自分も、いつも、疑問に思っていたこと。
ああいう人にはなりたくない。

●その他

・業界トップにとっては、同質化こそが重要な戦略である
・アウトバーンというどいつの有名な高速道路には、もともと制限速度がなかったそうです。そのような国で、200キロ離れた職場に時速250キロで向かうようなツールとして重宝されているのが、本来のBMWだということです。要は、新幹線と同じレベルの速度で走らせるのでなければ、BMWの本質価値は実感できないはずなのです。
・セブン銀行の収入源は、大半が他行からのATM利用手数料なのです。
・一件の代金を受け取るたびに平均60円ほど、セブン-イレブンにお金が入ってきます。
・中国では長らく企業が国営であったことも、背景の一つです。中央政府からの命令をブレークダウンして、部下に伝えて行わせる。それが古い中間管理職の主な仕事だったため、今でもその威圧的なやり方をどうしても踏襲してしまいがちです。
・粗利率に比べてROS(売上高純利益率)はずいぶん低いものなぁと感じるかもしれませんが、小売業の儲けというのは、だいたいこれくらいのレベルになるのが普通です。(売上高1000万円に大して純利益30万円)
・小売業にとって、粗利率が高いというのは必ずしもいいことではないということがわかります。むしろ、純利益をきちんと出せるのであれば、その範囲でなるべく粗利率を下げた方がいいのです。というのは、粗利率を下げると、結局、消費者にとっては値段が安くなるからです。

逆にいうと、消費者の立場ではどんなことに気をつけなければいけないのか。
そんなことも、見えてくる。

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