楽をして覚えようという裏技ではなく、
正攻法です。
原則です。
法則です。
●この本を手にしたきっかけ
兄からいい本だから読むようにと、勧められた。(10年前に!)
●気になったところ
p38 二ヶ国語を母国語として学べるか
なおまた、語学教育は子供のうちからなどという理論をうのみにして、小さな用事に無理して英語など習わせたりする。これは母国語が感性しないうちに上記のような二ヶ国語を強制するということで、結果的には教育上大きな障害を起こし、場合によっては幼児期の大事なときに知能の発達を遅らせるという問題も起こす危険があるといわれている。
ただ母国語の習得に障害とならないような方法で、幼少期にネイティブの発音を聞かせた場合は、のちに外国語を本格的に勉強するようになったとき、発音上好影響をあたえるということは、かなり多くの方がとなえておられる。
p58 英語教科書の復習こそ基本
p108
どうしても外国人と話をしたい、外国人教師が自分にはいない、という人のためによい団体がある。「国際観光振興会」といって、日本に来たばかりの外国人観光客にガイドしてくれる人を募集している。申請すると比較的簡単な審査があり、適任と認められれば会員証が与えられる。無報酬であるが、Speakingの訓練にはもってこいだろう。
p206
永井荷風は東京外語出身で、アメリカ、フランスでの生活が数年におよび、その流麗な文章は彼の外国語の素養からきている。そしてまた彼の作品が死後ますます輝きを増して、私たちの心を強くうつのは、彼が妙な外国かぶれなどせず、本当の意味での日本人としての自分を見失わなかったからにほかならない。そしてこの点は英文学の漱石でもドイツ文学の鴎外でも、文豪といわれる人々について共通していえるのである。
p220
勉強とは結局自分でするものなのだ。確かに学校や塾、予備校へ行けば、英文法の規則は教えてくれる。しかしそれは単に「教えてくれる」ということだけであって、それを覚えなければならないのは自分なのだ。
p330
すべての技術というものは教養の裏づけがあって、はじめて厚みのあるものとなるということだ。
p340
何も本を読むばかりが勉強じゃない、大事なのは「経験」だという人がいる。そして勉強している人のことを「本の虫」だ、などと悪口をいう。けれども「経験」が生かされるのは、そこに教養の裏づけがあるからだ。
裏技的な英語学習法ばかりを追うのではなく、正攻法を理解することも大切ですね。受験英語、読み書き重視の学校英語がよく批判されていますが、必ずしもそれらが役に立たないわけではない。むしろ大切だ、ということが書かれています。会話重視といって読み書き文法をおろそかにする最近の学習法に一石を投じる内容です。