下流社会 第2章

なぜ男は女に”負けた”のか

前作の「下流社会」の続編。
今度はとくに男性に対する分析内容がたくさん。


第2章も、Amazonの書評では辛口なものばかり。「決めつめている」とか「分析になっていない」というのが多いようだが、私個人的には、マーケットを分析する上で、何らかのフレームワークがあるのは、わかりやすくてよいと思う。もちろん、全ての事象をこの本のとおりに受け取って何でもかんでも理解しようとするのはムリがある。しかし、モノサシの一つとして、このような仮説(Story)を使うのも、一つの方法だと思う。
 
●結婚と年収

・年収の高い男性ほど妻にも高い年収を求めている
・かつて、まだ女性の社会進出が進んでいない時代には、「ダグラス=有沢の法則」が成り立っていた。これは、夫の年収が高いほど妻の年収は低いという法則である。高収入の男性と結婚した女性ほど外で働く必要がなく、低収入の男性と結婚した女性は外で働く必要があったからである。ところが女性の社会進出が進み、高収入の女性が増えると、高収入の女性は自分よりも高収入の男性と結婚しようとする。結果、高収入の男性は、その妻も高収入であるというケースが増える。そして高収入の女性ほど結婚後も仕事を継続する。

ダクラス=有沢の法則が成り立たない現代では、格差は平準化されず、広がる傾向にあるということになる。
●読んでいる雑誌の傾向

・下流度の高い雑誌の1位は『R25』であり、以下『週刊アスキー』『FLASH』『Gainer』『週刊現代』『週刊プレイボーイ』そして『SPA!』と続く。ただし女性で『R25』を読む人は下流というより上流である。

また女性でR25を読むというのの反対で、私のように男性でL25を読むというケースもある。だいたいの意味は想像できそうだ。

・「マンションを買えば男は美しいだけでいい」と豪語した『FRaU』の読者が一番多いのは、未婚・非正社員・親元暮らしの女性で、12.5%が『FRaU』を読んでいる。
・働く女性のための『アエラ』の読者が一番多いのは、アロマとお茶が好きな、未婚で正社員から非正社員化した一人暮らしの女性であり、13.0%が『アエラ』を読んでいる。彼女たちはアロマと『アエラ』が好きなのである。
・『クレア』を一番読んでいるのは未婚・正社員・一人暮らしの女性で、7%が読んでいる。このタイプの女性はネコを飼う人が多い。

逆に言えば、ある雑氏を読んでいるカテゴリーに対して広告を打つことで、ある程度望んだ結果(反応)が得られるということになる。
●正社員を望まない理由

・企業は、給料を上げること、昇進させることが正社員のメリットだと考えるが、若者は必ずしもそう考えない。給料が上がっても、束縛が増えるのは嫌なのである。残業も転勤も単身赴任もしたくないからである。
・リクルートなどが発行する就職、転職、アルバイト、起業に関する数々の職業情報メディアや、派遣会社の広告などが発する「やりがい」「好きを仕事にする」「私らしい仕事」「私らしく働く」といった無数のメッセージ… は、テレビCMや雑誌の広告や記事、あるいは電車の車内広告や駅貼り広告など、サラリーマンやOLが目にしがちなところに、ものすごい量で露出している。サラリーマンやOLは、毎日満員電車に詰め込まれて、ため息をつきながら、これらのメッセージのシャワーを浴びている。
 事実として、仕事にやりがいや、自分らしさや、「好き」を期待する人間を増やし、彼らを実際に離転職や非正社員化に駆り立てることで職業情報会社や派遣会社が収益を上げていることは、指摘しておくべきだと思う。

部下を持ったり、あるいは経営者として従業員を雇用する時には、この事実を知っておかなくてはならない。
●コミュニケーション能力の重要性

・年収がない人および150万円未満の層では、3割から4割が「自己アピールが苦手」「人前に出ると緊張する」「体力に自信がない」「不安な気持ちになりやすい」「面接を受けるのが苦手」「ぼーっとしていることがよくある」「気持ちがめいりやすい」「運動は得意ではない」「ストレスに弱い」と回答している。そして年収が上昇するほどこれらの回答は減少している。

結局子育てにおいてこのあたりのことをしっかりと育むことが格差を乗り越える力を与える唯一の道になるということになる。
●その他

・37歳危機説 … 凶悪犯の年齢の傾向

犯罪までには至らないとしても、自分の心が荒れないよう、注意しておくに越したことはない。女性における更年期のように、身体的な変化とも関係があるのかも知れない。