残業をやめれば、給料は増える。
見えている人には見えている、常識の「半歩先」の考え方。
本屋に行くたびになぜか目にとまる。
三度は買わずに本屋を出たけど、
四回目に気になったとき、これはきっと潜在意識が求めているのだなと思い、
手にとってみた。
全体的につらぬかれているのは、
「捨てる」「変化する」
という思想。
この本で自分にとってもっとも印象的だったのは2つ。
1つ目は
・贅沢の基準は自分で決める
私は、子供たちが食べ物を残しても、それが「まずいから」という理由だったら怒らない。まずいものを無理して食べる必要はないと思っているからだ。もちろん、自分のために一生懸命作ってくれたものなら、少々まずくても頑張って食べようとすることも大切だと思う。だから私も、手作りで一生懸命作ってくれた食事なら、多少まずくても、作ってくれた人の気持ちを考えて残さず食べる。だが、飲食店でまずいものが出てきたら、店の人に「まずいです」とハッキリ伝えて食べない。
私が、子供たちが「まずい」と言って食べ物を残すのを怒らないのは、それ自体は小さなことだが、そうした感性の積み重ねが、ゆくゆくは自分なりの判断を下すもととなる「軸」を作る最初の一歩になると考えているからだ。自分の人生を納得できるものにするためには、常識や、他人や社会の基準に惑わされない自分自身の「軸」が必要なのである。そのためには、「明らかな答えのないもの」の答えを考え、自分の「軸」をはっきりさせることが、とても大切なのだ。
わが子と外食をする中で全く同じことを感じていた。
でもこれを理解してくれる大人は今の時代、まだいないのかなと思っていた。
しかし、全く同じことを思っている人がいて、嬉しかった。
2つめは
・大きいことはもはや安定ではない
いざというときの変化への対応力は、規模が大きくなればなるほど弱くなる。そして今のような変化の時代においては、この「変化しにくい」という一点が、致命的な欠陥になってしまうのだ。今、多くの大企業が傾き始めているのは、このためである。多くの人は、小さい会社は不安定だという見方をするが、それはもはや時代遅れの考え方だというのが私の考えだ。今は、変化に対応しやすい小さな会社のほうが安定性は高い。
この部分。大企業より中小企業という文脈で書かれているが、
私は、さらに一歩進めて、この多様化した時代においては、
中小企業よりプロジェクトにおける個人、一人企業のようなスタイルこそが
最も身軽で強いのではないかと、思っている。
それが、確信に変わった。
そのほかにも、共感できる部分がたくさん。
・優秀な人材には仕事をさせない
優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。
・本郷猛を鍛えてはいけない
仕事において「スキルを身につける」というのは、いわば本郷猛がバイクの乗り方を覚えたり、空手を習ったりして、以前より強い本郷猛に鍛えているようなものである。
「自分は一点です」と答え、「え? なぜ一点しかないの?」と尋ねたときに「僕はこれから今の百倍になりますから」と言う人のほうがずっと魅力的だ。
劇的に成長するというのは、ヤゴがそれまでの自分を捨ててトンボになるように、また本郷猛が仮面ライダーになるように、全く別ものに返信するということ。鍛えられた本郷猛になることではない。
・売り上げを伸ばすために顧客を捨てる
うるさいお客さんは、何かあるとすぐに営業マンを呼び出し、価格も値切り、営業マンのモチベーションを下げる。つまり、大切な自社のスタッフから、利益と時間とやる気を奪ってしまう客である。逆に、いいお客さんは、値切らないし、営業マンを呼びつけることもない。そればかりか、営業マンのモチベーションを上げてくれるのだ。
・大切すぎる顧客はつくらない
たとえば、午後五時以降はアポイントは取らないという社内ルールがあったとしても、その優良すぎる顧客だけは「特別」ということにしてしまうと、社内ルールに矛盾が生じ統制が取れなくなってしまう。つらいことではあるが、優良すぎる顧客を作らないために、ときには優良顧客を断る決断をしなければならない。
・投資先として最も確実なのは、「人材」と「情報」、そして「ブランド」である。なぜこの三つに投資することが最も有効なのかと言うと、何十倍、何百倍という投資効率を生み出す可能性があるのは、人材と情報、そしてブランドだけだからだ。
・飲食店が常連客を獲得したいときは、三十歳前後の男性に最もいいサービスをするのだという。なぜなら、男性は三十歳ぐらいのときに気に入った店にずっと通い続ける傾向が強いからだそうだ。その点女性は、いくつになっても流行に敏感で、香水も服も髪型も、次々と新しいものに変えていく。最近、こうした女性の持つ「変化する力」が、仕事にも大きく影響していることに気づいた。
香水を五種類まとめ買いする。変化に弱い人は、まずそこから「変化」にトライしてみてはいかがだろう。
・女性が「いい男」を決めている
関東にオシャレでカッコイイ男性が多いのは、関東の女性がオシャレな男性を好み、甘やかさないからだ。イタリアの男性がオシャレにこだわるのも、イギリスの男性がジェントルマンたろうと努力するのも、アメリカの男性がひたすら体を鍛えるのも、すべてはその国の女性の「好み」が基本になっている。ただの男を「いい男」にするのは、恋人である彼女や妻、あるいは職場の女性スタッフたちである。
・彼氏は「彼女がいる人」の中から選ぶ
いい男がいないと嘆く女性の多くは、彼女のいる男性を対象外と見なしてしまっていることが多い。だが「本当にいいもの」は、常に市場が放っておこない。誰も買いたくならないような、つまり彼女のいない男の中をいくら探しても、つき合いたくなるような「いい男」には一生出会えないということだ。しかし、これはなにも略奪しろと言っているわけではない。いい男を見つけたら、強引に奪うのではなく、「予約」をするのだ。住人もいれば、だいたい一年もたてば半数ぐらいは彼女と別れるだろう。大切なのは、彼女と別れそうになったときに、自分のところに連絡が入るような仕組み作りをしておくことだ。
・即決にこそ、価値がある
メリットとデメリットを考えて、メリットの多いほうを採るというのは、決断ではなく判断である。メリットもデメリットも同じでどちらを選べばいいかわからないとき、そういう状態で下すものこそが「決断」なのだ。
・本質とトレンドを見誤らない
物事を変えたがらない人、つまり捨てられない人は、よく「伝統」や「文化」という言葉を使い、自分を正当化する。だがそれは「言い訳」に過ぎない。「ちょんまげや刀は、あの時代の「トレンド」に過ぎない。武士にとって本当に大切な本質とは、もっと根源的なもの、たとえば「潔い生き様」のようなものだと私は思う。
私は社名や事業内容といったものは「本質」ではないと思っている
ずっと思っていたのに、なかなかわかってくれる人がいない という内容や、
今の自分がとくに気をつけていることばかり。