「愛され脳」になれる魔法のレッスン

男性脳の中にある「あなたのイメージ」を美人にする方法

黒川さんの書いたものの中でも、Amazonでのこの本の評価はけっこう低い。
低い評価をする人たちの気持ちもわかるけれど、
それは読み方の問題。期待の仕方が間違っている。
確かに、主観的な印象を受けるところがあるし、(つまり普遍的な法則ではなさそう)
とくにこの本は単なるオノロケととってしまう人がいるのもわかる。
でも、少なくとも私には、得るところがとてもたくさんあった。


作者の主張は
「美人とは、関係性の美学を知っているひと」
のことばに集約されると思う。
リアリティや認識論というものを、男女の関係に適用し、その賢い振る舞い方を、自分の経験をもとに、一般化する試み。セルフイメージというものをどうコントロールしていくかについて書く人は多いが、セルフイメージを、接する相手(男性)がどう受けとるかという視点で書いた人は少ない。
夢のヨーガであるとか、密教的なイメージを使う瞑想技法について知ると、この方の書いていることの意味が、おそらくもっと深く理解できるのだろう。(私は、そのように読みとった)
普遍的な法則かどうかなど、関係ない。自分に得るものがあれば、それでいいのだ。一人の女性のエッセイに文句をつけるのはどうかと思う。低い評価をしている人は、読解力が足りないか、嫉妬があるのではないか、と思う。
 
■メモしたところなど

●ヴィーナスの鏡(セルフイメージ=アストラルイメージ=相手の認識)
・私が所有していない、彼の日常の大部分の時間、彼といっしょにいるるのは、この幻想の「伊保子」だ。女性脳から見たら、あきらかに幻想の「伊保子」なのだが、これが男性脳の現実なのである。あなたの恋人の脳の中にも、幻想の「あなた」が存在している。彼らは、日常のさまざまな隙間の時間に、この幻想の恋人に「触れている」のだ。
・愚痴を言えば言うほど、彼の脳裏の幻想の「あなた」がブスになる。恨みがましい目の、うっとうしい女になってゆくゆ。彼らの電話やメールが遠のいたら、一度、こういうふうに考えてみたらどうだろうか。この頃、私は、彼の中の「私」を憂うつなブスにしちゃっていないだろうか、と。
・顕在脳が「こうあるべき」と腹を立てると、潜在脳は、そうしてもらえない自分を卑下するのだ。腹を立てれば立てるほど、あなたは深層心理で卑屈になっていくのである。みんな、完璧じゃないのに、一生懸命なんだなぁ。と思えば、恋人の無礼といっしょで、自分の潜在意識を攻撃するほどの怒りではなくなる。
 他人があなたを見下す前に、自分の潜在脳が先に卑下しているのである。怒りは、潜在脳に、卑屈な影を落とす。
・これでは、ほんとうの私を愛されたことにはならないわ、と思いますか? では、ほんとうのあなたって、どのあなたなのだろう。メールが来ないと言って不機嫌になり、忙しい時間をやりくりしてかけてくれた恋人との電話を、すねることから始めて、なじることで終わるあなたは、ほんとうのあなた?
・「男の潜在脳に、美しい理想像を結ばせる魔法」は、同時に「女の潜在脳にも、美しい自画像を結ばせる」のである。
●女性脳の会話への対応
「今日ね、朝ごはんを食べ終わったら、ユミさんから電話があったの。洗濯機の脱水が終わったところなのに、いきなり本題に入っちゃうのよ。シーツがしわになるだろうなって気が気じゃないのに、延々と愚痴を言うわけ。外は快晴よ。布団だって干したいじゃない?ねえ」
<女性の場合> : 相づち
「そういうの、ホント困っちゃうのよねぇ。でも、ユミさんらしくないわね。なにかあったのかしら。それで?」
<男性の場合> : 何をいっているか理解不能→評価を試みる
「きみも、洗濯しているから後でかけ直す、って言えばよかったじゃないか」
女の話は最後まで聞かないとわからない。朝からの長電話のせいで身支度の段取りが狂ってしまって、マニキュアがキレイにぬれなかった話をしたいのかもしれない。
80点
 ほう、たいへんだったね
100点満点
 ほう、たいへんだったね。それにしても、ユミさん、ストレスがたまってるなぁ。きみがそういう女じゃなくてよかったよ
120点
 ほう、たいへんだったね。それにしても、ユミさん、ストレスがたまってるなぁ。きみがそういう女じゃなくてよかったよ前から思っていたけれど、君の指はキレイだよ
・不安に陥りやすい男性脳は、寄り添う女性脳に、現実的な知性を求めるが、それが満たされないと、次に母性を求めることになる。つまりね、合理化の魔法をちゃんと使えない女は、長く男と付き合ううちに、母親代わりにされてしまうのである。
 そのうえ、である。現実の母親との親離れが完成していない男、すなわち幼児期にスキンシップが満ち足りておらず、そのせいで、思春期に母親をしっかりうっとうしがることができなかった男は、そのうち、ちゃっかり「親離れ」しちゃうのである。つまり、恋人あるいは妻という擬似母親から、親離れするのである。(外で恋愛)
●鄙びた魅力(都会的/現代的の対極にある魅力)
発話の最初の、ほんの少しのためらい、戸惑い、はにかみ、である。時間にして一秒たらず。その後の3語までを、少しゆっくり発音する。後は、早口でもOK。→ゆっくり話している印象、まったり鄙びた感じを出す。
●男性の愛情
・男の愛情はゆるがない。低値安定で、ずっと変わらないのである。男は、一度深い仲になった女の再評価を、ヒビしてなんかいないのである。
 男が、ずっと淡々と繰り返しているものがあれば、女は安心していい。毎日の帰宅か、毎月の生活費か、折々のデートやメール。それが続いているかぎり、彼らは、私たちを愛しているのだ。それは、『ロミオとジュリエット』を読んで涙した、乙女の日に想像した「愛」とはずいぶんちがうけれど、男性脳がいのちをかけている「愛」には、まちがいがないのである。
●その他
・本論とは関係ない話題で、本論のわだかまりを解いてくれる、エスプリの効いたビジネス・パートナー。
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