ベスト・パートナーになるために

男は火星から、女は金星からやってきた
男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール

有名な”話を聞かない男地図を読まない女” よりも、
さらにもっと深いところについてまで掘り下げている。
すべての夫婦の必読書と思える。

●幼少期の影響

・父親が母親を充分に満足させている家庭で育った少年は、成長してからも異性との関係を上手に持てるようになる。身近で両親の様子を見聞きしてきた結果、自分にも同じことができるという自信が知らぬ間に備わっているからである。
・彼は、人間なら誰もが失敗することを知っている。自分の父親が失敗を犯し、それでも自尊心を失わずに誇り高く生きていた姿を見てきた。母親が父親の失敗を許し、愛し続けてきた様子を目にしてきた。父親が母親をひどく失望させた時でさえも、母親は父親を信頼し続け、励ましていた。しかし、ほとんどの男性はこのような成功モデルが身近にないところで育つ。彼らにとって、愛に生き、結婚をして家庭を築いていく作業は、何の訓練も受けずにジャンボ・ジェット機を操縦して空を飛ぶようなものである。ひょっとすると、離陸させることはできるかもしれない。だが、墜落するのは時間の問題だ。あるいは、あなたの父親が母親との仲をぶちこわす場面をよく目にしていた場合、同じことを繰り返す可能性が高くなる。

時が経ち、価値観が一気に変化した現代では、
どんな家庭に育ったにせよ、実はほとんどの人が、
訓練なしのジャンボジェットなような気がする。
つまり、今の時代にあった成功モデルは、
全ての人が学び直す必要がある。

●男のセルフエスティーム

・メアリーは、トムが道に迷い、同じ界隈を何度もグルグルと回っていた時、それが彼に対して愛情を示す特別のチャンスであることにまったく気がつかなかった。彼は、あの時、とりわけ心が傷つきやすく、特別の思いやりを必要としていたのに。そんな時、ひと言も口をはさまず、そっとしておくことこそ、男性が女性に美しい花束を贈ったり、甘い言葉がいっぱいに詰まったラブレターを書き送ったりするのとまったく同等の価値ある贈り物になるのである。
・彼もまた”愛情タンク”を備えている。だが、彼のタンクは必ずしも彼女が彼のためにしてくれることによって常に満たされている必要はない。その代わりに、いかに彼女が彼の言動に「感謝しているわ。うれしいわ」というメッセージを送っているか、ということによって満たされる要素のほうが強い。
・女性が男性のために食事の準備をすると、彼は彼女に1〜10点の間の何点かを与える。その採点基準は、「彼女がどんな感情で用意してくれたのか」というところにある。男性を満足させる秘訣は、むしろ行動を通してではなく、フィーリングを通して「愛情を表現すること」なのである。
・男性の心は、相手の女性を満足させることによって開いていくのである。これに対して女性は”愛する姿勢とフィーリング”を優先させる必要がある。
・こんな時、あなたの愛情は試されている

とても重要な内容なのに、
しかしこのことを理解している女性は、ほとんどいない。
なお、P158からの23項目は全て重要。

●男が傷つくとき

・男性は、自分の助力が相手に肯定的な影響を何も与えていないと感じると、その人間関係や生活を続けられなくなる。男性にとって、自分が必要とされないことはゆっくりとしたペースで死んでいくようなものだ。・彼は、彼女のヒーローでいたいのだ、彼女が失望したり不幸な思いに落ち込んでいたりすると、それはすなわち自分の失敗と感じてしまう。彼女の不幸は、彼の最大の恐怖心 – 自分が相手にとって役不足であるという恐れ – を確定的なものとしてしまうのである。
・男性はまた、自分が何もしてあげられないような問題について語りかけられた時には、ことさらフラストレーションを感じる。たとえば、女性はストレスにさいなまれると次のような不平不満を口にする。
「私は、自分がやっている仕事に見合っただけの給料をもらっていないわ」
「叔母はどんどん病気が悪くなっているの。毎年、病状が重くなっているのよ」
「家が狭すぎて嫌になるわ。なんとかしてよ」
「雨が全然降らないから空気が乾ききっているわ。いったい、いつになったら雨が降るのかしら?」
「うちの預金通称、ほとんどマイナスの状態になってしまったわ」
女性は、自分の心配や失望、欲求不満の気持を、こんなコメントとして表わす。彼女自身、不平を口にしたからといって何の解決にもならないということを充分に承知してはいる。しかし、少しでも精神的に救われようと口に出さずにはいられない。聞いてくれる相手が自分の気持ちを理解してくれたり同情してくれれば、それで気がすむのである。だが、彼女がそういう心理状態に落着くまで話し続けている間に、パートナーがフラストレーションを募らせ、気分を概してしまっているとは夢にも思っていない。

女から感謝を示さないだけであれば、男性は消極的な意味で「喜べない」だけだが
女から不満を示された場合には、男性は積極的な「非難」を受けたと感じ、
強いダメージをうける。
この事実もまた、ほとんどの女性は、恐らく知らない。

●女に対する男の不満

・女が男に対してぶつける不平不満の中で、いちばん多いのが「私の言うことをちっとも聞いてくれない!」だろう。逆に、男が女に対してぶつける不平不満の声の中でもっとも頻繁に耳にするのは、「相手が絶えず自分を変えていこうとしている」というものである。女は、ひとたびひとりの男と恋愛関係に入ると、その相手を人間的に成長させ、仕事や出世の手助けをしなければならないという義務感に駆り立てられる。そこで彼女は、”教育委員長”に就任するのである。その主なターゲットが最愛の異性であることは言うまでもない。男は迷惑がって、このよけいな”おせっかい”に抵抗を示す。だが、彼女はそんなことにはおかまいなし。チャンスを見ては干渉し、有難迷惑なアドバイスや手助けを繰り返すのである。
・彼が望んでいるのは、現在の自分を100%無条件で受け入れてくれることなのだ。
・男に対して、頼まれもしないのに勝手に忠告をするということは、相手が何をしていいのかわからず、自分ひとりの力では何もできないと見なしていることになる。男というものは、そういう接し方にはとりわけ神経過敏になり、気分を害するのである。自分の問題はすべて自分の力で片づけていこうとするために、男性はよほどの場合でない限り、その問題に関することを人前で口にしようとしない。せいぜい、その道の専門家に専門的なアドバイスを受ける時ぐらいである。「自分ひとりの力でできるのに、なぜ恋人を巻き込まなければならないのだ?」彼は、そう自分に言い聞かせ、かたくなに他からの干渉を拒絶する。自分の力でできることなのに他人から力を借りるのは、自分の弱さを自分でさらけ出すことだと認識しているからである。
・これは、多くの女性が心しておかなければならない知識である。なぜならば、女性の常識では誰かが落ち込んだ時、女性たちはけっして彼女を無視することなく、身を地面に伏せて回避しようともしないる誰かが苦しんでいたら、周囲の全員が彼女が巻き込まれた問題についてあれこれと質問を浴びせかける。だが、男性は大竜巻が起きると誰もが隠れ家を探し出し、その中に身を沈めて、やっかいな出来事が通り過ぎるのをじっと待つのである。

そして、不満の吐露以上にさらにまずいのが、これ。
望んでもいない忠告やアドバイス。
女が、女のやり方でよかれと思ってやればやるほど、男は深く傷ついていく。
そして、ケンカになる。

●男が女の話をきけない理由

・男性が女性の話に耳を傾けることに抵抗を覚える理由は、彼がまず問題解決のために話の要点を知ろうとすることである。話の要点を自分なりに把握しなければ、自分が何をしてあげられるかがわからない。にもかかわらず、女性は話の要点を簡潔にまとめるどころか、取りとめもなくダラダラと話し続けるのだ。彼女が詳しく語ろうとすればするほど、彼のいらだちは募り、耳を傾けるのが耐え難い”作業”となる。
・もし、彼が女性というものは、ただ話を聞いてもらうだけで充分に救われるのだと知っていれば、それほどフラストレーションをためる必要もないのだ。それを、話の隅々まで聞き、理解して適切な解答を出そうとするから、頭を混乱させるばかりになってしまう。いくら頭を働かせても、女性のほうからすれば、はじめから何の脈絡もない話を思いつくままに口にしているわけだから、まとまりがつくわけがない。
・本当の問題は「話を聞いてもらえない」ことではなく、それによって「自分は愛されていない」と感じる点にあるのだ。
・女性から責められているとか、自分が責任を持って問題を解決しなければならないとか感じずに話を聞く術を身につければ、相手の悩み事や問題てんをごく気楽に聞けるようになる。

この「問題を解決する責任がない」「解決を求められていない」という
事実を明確に言葉にして最初に示されると、男性はかなり楽になる。
そして、少し頑張れば、たぶん何時間でも話をきいていられる。

●男が女にアドバイスをしたがる理由

・それでも、もし彼が本当に誰かの助けを必要としているとすれば、それは自分の目標を達成するのにどうしても不可欠な知識や知恵を得たいと思っている時にほかならない。そういう場合、彼は自分が尊敬できる相手を探し出し、そこではじめて自分が抱えている問題を打ち明ける。つまり、男性が問題に関して話をするということは、すなわちアドバイスを求めているということなのである。
・もし相手の女性が自分のアドバイスにもかかわらず、依然として落ち込んだ様子を見せたりしていると、男性は自分の定時した解決法を拒絶されたと感じ、自分が相手にとって役立たずな人間であると失望して、もはや女性の話に真剣に耳を傾けなくなってしまう。彼には、相手の話をただ単に親身になって聞いてあげ、一緒になって悩んだりしながら情緒的な側面からの支えになってあげようなどという発想は、まったく湧いてこない。無理もない。それが「男である」ということなのだから。
・男性は、次の二つの理由以外には問題について話すことはない。誰かを責める時か、あるいはアドバイスを求める時である。もし、女性がひどい興奮状態で問題をぶちまけてくると、彼は自分か責められていると勝手に思い込む。そして、比較的冷静な態度で語りかけるとアドバイスを求められていると判断する。もし、彼女がアドバイスを求めていると判断すると、彼はミスター・フィクサーの帽子をかぶり、問題を解決してあげようとする。もし、彼女が自分を責めていると感じると、彼は剣を引き抜き、相手の攻撃から身を守ろうとする。どちらの場合も、彼は相手の話を聞くのが至難の業であることをすぐに思い知らされるはめになる。

剣を引きぬく男性、とても多いんだろうなぁ。
責められていると感じる理由と、それを乗り越える方法が、
他のところで書かれていた。

●男に対する女の無理な要求

・自分の穴の中に引きこもっている男性に対して、直ちに心を開放し、何でも打ち明けさせようとするのは、問題を抱えて悩んでいる女性に向かって、口を閉ざし、冷静に判断しろというのと同じように非現実的である。男性に対して、常に愛情にあふれたスキンシップを求めることは、女性に対して常に理性的、論理的に物事に対処することを期待するのが無理なように、しょせん大きな間違いというわけだ。
・彼女は、自分にちっとも気をつかってくれない、その薄情な男に対して、あたかも自分の「愛される権利」を声高に主張したくなるかもしれない。でも、忘れないでほしい。彼のその不誠実に映る態度は、彼が問題解決のさなかにいるのだということを。そうすれば、女性は彼に抵抗する代わりに協力することができるようになる。その結果、自分が望んだ形で、相手の愛情を得ることができるのである。

考えてみると「女心はこうだ。だから男はもっと女の心理を理解すべき」
という趣旨の本はたくさん書かれているのに、
「男の心理がこうだから、女はこう考えよう」という本は少ない。
なぜなのだろう。でもジョングレイは、男女双方について深く書いている。

●男は女のひと言をここまで”誤訳”している

女「どこか行きましょうよ、私たち、最近ちっとも外出していないじゃない」
男「嘘を言うなよ。先週出かけたばかりじゃないか」
女「ひどいのよ、みななが私を無視して相手にしてくれないの」
男「そんな馬鹿な。誰かは必ず君のことを気にとめているはずさ」
女「本当に疲れたわ。もう何をする気力も残ってないみたい」
男「おかしなことを言うんじゃない。その気になれば何だってできるはずだ」
女「ああ、どこかへ逃げ出したい、何もかも捨てて飛び出したい」
男「そんなにいまの仕事が辛いなら、やめればいいじゃないか」
女「家の中がいつも乱雑で嫌になっちゃうわ」
男「別に、いつもいつも散らかっているわけじゃないだろ」
女「どうしてこうなのかしら。何もかもがうまくいかない…」
男「君はとれをぼくのせいだとでも言いたいのか」
女「あなたはもう、私に愛情なんか持っていやしないのよ」
男「愛してるよ。だからここにこうしているんじゃないか」
女「いつもバタバタ時間に追われてるだけの人生なんてつまらないわね」
男「そんなことないよ。金曜日には二人してのんびり遊んだじゃないか」
女「私はもっと夢やロマンに富んだ生き方がしたかったわ」
男「君はぼくがロマンチックじゃないと言いたいのかい」

最初私は、この男性の反応をみて、何がどう誤解なのかさっぱりわからなかった。
あたりまえの、普通の反応に思えたのだ。
似たようなシチュエーションでは、普段自分も同じ反応をしているということだ。
正しい翻訳方法を理解したら、たぶん人生は急激に変化するだろう。
ただ、私もまだ、頭ではわかっていても実生活でとっさに反応するときは、
やはりこの「男」の思考パターンをしてしまう。
まずはメールだとかSNSで鍛えていくべきなのだろう。

●女の誤解

・男性がじっと黙っている時、女性は最悪のケースを想像するものである。女性がそうする時は、相手を強烈に傷つける言葉を口にしなければならなかったり、相手に愛想をつかして二度と口をききたくないような時だからだ。だから男性の”だんまり”に、女性の精神状態が不安定になるのは当然のことなのである。
・女性は、男性が「別に…」と答えた時には「たしかに、いまは問題を抱え込んでいるが、自分ひとりで解決できることだ。誰の助けもいらない。だから、ひとりにしておいてくれないかな。よけいな心配をせずに放っておいてくれるのか、いちばんいいんだ。僕ひとりの力でピンチを打開していけると信じてもらいたい」と訴えていることを知らなければならない。この訳し方を知らないまま、相手の男性が「別に…」とか「大丈夫だよ」と答えるのを聞くと、女性は自分が拒絶されているかのような気にさせられてしまう。
・男性は必要以上の心配をしないことによって、自らの愛情を示そうとする。「自分が敬服し、信頼している人間のことを心配したら無礼というものだ」男性は、一般的に「心配するな。お前ならできるさ」とか「これは君の問題ではない。彼らのだ」とか「必ず成功するさ」と言い合ってお互いに励まし合う。彼らは、お互いに心配しないことや、それぞれのトラブルを軽く見積るこどて相手を励まし、元気づけようとするのだ。
・自分の最愛の人が傷ついている時に幸福な気分になれと言われても、女性にとっては非常に難しいことだ。しかし、それはお互いが限りなく成長し続けるために必要な方法なのだ。

えーっ?!女性はこんな誤解をしてたのーっ
と正直びっくりした。
たまに妻が不安そうな表情をしたりするのは、
これが原因だったのか。全く気づかなかった…。

●男性が最愛の女性の愛情タンクを常に満タンに保っておくための、98の小さな愛情アプローチ・リスト より

・6.何か特別な事が起こった時など、意外な贈り物として彼女に知らせず、ささやかな花束(一輪の花でもい)など、必ず小さなプレゼントをする。
・7.デートをする場合は、何日か前にあらかじめ予定を立てておくようにする。その日になってから彼女に「何をしたい?」とか「どこへ行きたい?」などと聞かないようにする。
・44.子供よりもさらに彼女を大切に扱う。子供たちには、父親が母親を家族の中でもっとも大切に扱い、何事も第一に考えて決定したり行動したりする様子を意識的に見せる。
・50.旅行でホテルに宿泊する時は、予約した段階で特別な物 – シャンパンとかシードルとか花束など – をチェックインの際に部屋に用意するよう注文しておく。
・59.家の中や周辺で何か修理する必要がある物があれば、積極的に自分がするということを申し出る。「僕はいま暇だから大丈夫だよ。何か故障したりこわれたりしている物はないかい?」と、さり気なく聞く。ただし、無理をする必要はない。あくまでも、本当に時間に余裕がある時に限る。

現代では、電球のかわり
「スマホの設定」とか「PCトラブル」になるんだろうなと思う。
それから、一輪の花とかシャンパン、事前の予定というのは、やってみたい。
昔の日本人がやるとちょっとキザな感じがしたけれど、
グローバル化した現代なら、抵抗もなくなってきたんじゃないかな。

●女の間接表現

・女性は、彼に助けてほしい時、自分が抱えている問題については話すが、結局何をしてほしいというような言い方をしないことが多い。彼女は、それだけで彼が自発的に支援を申し出てきてくれるはずだと思い込み、直接的に頼むことを怠るのである。
・女性が男性に対して援助を要求する際に、もっとも犯しやすいミスの一つは「〜してほしいの」という言い方をしないことである。たとえば「ゴミ箱がいっぱいだわ」と言うのは、単なる情報提供である。「ゴミを捨ててちょうだい」という言い方が要求だ。・女性は、よく「〜できるかしら?」とか「〜だわ」という言い回しをして、「〜してほしいの」という本意を間接的に相手に伝えようとする。
・こんな”間接表現”では真意が通じない
○「ねえ、子供たちを迎えにいってきて」
✕「子供たちを迎えに行く時間なんだけど、私はいけないのよ」
(まるで命令されているかのように解釈してしまう)
○「車の中から買物をしてきたものを取ってきてくださらない?」
✕「車の中に買物をしてきたものがあるんだけど…」
(まるではじめから当然のことだと予期されているかのように受け取ってしまう)
○「今夜、食事に連れて行ってくれない?」
✕「とてもじゃないけど、きょうは夕食をつくっている暇がないわ」
(男性は彼女が自分の日常的な行動にひどく不満を抱いていると受け取ってしまう)
○「今週の日曜日、どこかへ連れて行って」
✕「私たち、ここ数か月はどこも行っていないわね」
(あなたが怒りをぶちまけているかのように受け取ってしまう)
○「近いうちに、ゆっくりと話し合う時間をつくってくれない?」
✕「私たち、よく話し合う必要があるわね」
(自分が激しく非難されているように受け取ってしまう)

少しオーバーな誤解パターンほしているんだろうけど、言いたいことはよくわかる。
ストレスが溜まっている時の男性とか、
とくに自分がリスペクトされていないと感じている男性ほど、
誤解をする傾向にあるように思う。

●男を怒らせる頼み方

・「彼女から”あなたにできるかしら?”と聞かれれば、おそらくぼくは”できるよ”と答えるでしょう。ても、心の中では彼女に対して怒りを感じていると思います。もし、ほくが”できないよ”と言ったら、彼女はかんかんになって怒り出すに決まっています。そう思うと、なんだか脅迫されているみたいで嫌になってしまうんです。でも、”やってもらえるかしら?”と聞かれたら、ぼくには”YES”と”NO”の選択権を与えられた感じがする。ぼくが、自分の意志で選ぶことになるんです。そうすると、気持よく心の底から”やってあげるよ”と言えるのです。
・「なぜ彼がやらなければならないのか」という理由を並べ立てるのだけはさけよう。あなたは単に頼み事をしているのであって、けっして命令しているわけではないのだ。

上から目線に感じてしまう、ということなんだろう。
干渉的な母親に育てられた男性ほど、強い抵抗をしそう。

●恋愛とケンカの本質

・無理して「YES」と言っているうちは、まだ”他人の関係” お互いに自分の要求を遠慮なく伝え合い、それに対して「NO」と答える自由を与えられているような男児の関係は、実に健全である。
・もし、あなたが過去に抑え込んできた疎外感や孤立感が沸き起こってきたとしても、あなたは目の前のパートナーによってそういう気持にさせられていると感じてしまうのだ。過去の苦痛が現在に投影されてしまうのである。
・ある日、あなたは最愛の異性とめぐり合い、激しい恋に落ちる。そうすると、その愛情が私たちに充分な安心感を与えてくれ、心を開放してそれまで抑えてきた感情に気づかせてくれるのである。
・彼(彼女)がそういう態度をとる本当の原因は自分にあるのではなく、過去の経験にあるのだということを承知していれば、相手に対してより理解ある接し方をしてあげられるようになる。そして、パートナーが強硬で反抗的な態度に出た時は、けっしてその過剰反応ぶりを指摘してはならない。それは、相手をより傷つけ、刺激するだけだ。誰かの傷口を意識的に突っつき、相手が飛び上がって痛がる様子を見て、それを過剰反応だと指摘することはけっしてしないだろう。それと同じである。
・それは、パートナーが精神的に不安定な状態をいやしているプロセスの一部なのである。したがって、相手のそういう反抗的態度に直面しても、けっして反発し返したりはせずに、彼(彼女)がそのプロセスを経て気持ちを鎮める時間を与える必要がある。しばらく放っておけば、必ず再び元の状態に戻る。
・もし、あなたの相手が何らかの形で自分を苦しめ悩ませていると感じた時には、彼(彼女)に向かってラブレターを書くようにするといい。そして、書きながらそれが自分の過去とどのような関係があるのか自問自答してみよう。書いているうちに、過去の記憶が次から次への鮮明に浮き上がってくるはずだ。そして、あなたを本当に苦しめている原因は、自分の父親や母親にあるのだということを発見できたりするのである。
・良かれ悪しかれ、相手が最終的にそれまでのかたくなな態度を変える時、あなたは突然、冷淡になり、とてもついていけないと感じるようになる。…それは、まるで彼女がこの二十年間に味わってきた苦しみを、彼にも味わわせてやろうとする報復のようにも思えた。だが、幸運なことにそうではなかったようである。…この場合も、時間が経てば同じように夫は妻に対する愛情を取り戻し、いい関係を築きあげていくことがてきるのである。

このあたりは、二村ヒトシさんの本に、詳述されている内容だ。
そして、とても深い内容。

●交渉のテクニック

・自分の主張を認めさせる要求術のハイテクニックの一つは、要求を出した後は沈黙を守り続けることである。相手に自分が望んでいることを求めた後、彼がうめき、うなり、文句を言うことは目に見えている。私は、男性が何かを要求された時、それに対して示す抵抗反応は皆、多かれ少なかれこういった形をとると思っている。それは、あなたの要求に対する直接的な反応ではけっしてない。それはあなたが要求した時点で、どれだけ他のことに神経を集中させているかということなのである。だが、女性は一般的にこうした男性の抵抗を誤解してしまう。彼女は、彼が自分の要求に嫌悪感をもよおし、拒絶しようとしているのだと受け取るのだ。しかし、それは違う。彼の抵抗は、むしろあなたの要求について考慮中であるというサインなのである。もし、彼がまったく相手にせず、考えてくれないのなら、極めて冷静に「NO」と言うだろう。

このテクニックは、仕事でも使えそうだ。
操作主義的な方法は、家族には使いたくないな。

●その他

・物事を学習していくプロセスというものは、ただ単に誰かの話を聞き、記憶して自分なりに応用していくことだけではない。時には、これまでに覚えたことを一度忘れて、再び覚え直す作業も必要となる。
・ある教育理論によると、私たちが何か新しいことを習得するには、同じことを二百回くり返して聞く必要があるという。

ジョングレイは、辞書のように
ことあるごとに読み返したい。
というよりまずは、妻と一緒に読みたいと思った。

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