赤ちゃんとママが安眠できる魔法の育児書

カリスマ・シッターがあなたに贈る本 PART2

この人の真意がどこにあるのか探りたくて、
前著に続いてもう一冊読んでみた。
やはり、この人は今の日本では間違った評価をされている可能性がある。
出版当時は、間違った誉められ方を。
そして現在では、間違った批判を。
これって、訳者の責任かも知れない。

●原則と心構え

・いつかこの幸せに満ちた毎日をなつかしく思える日がくるといっても、今は信じられないかもしれません。でも大きなお子さんをもつママやパパに聞いてごらんなさい。きっとこんな答えが返ってくることでしょう。「赤ちゃんと過ごす時間は、ほんの短い時間よ。この日々は、さびしいけれど二度ともどってはこないのです」
・専門家の意見に頼りきるのではなく、あくまでも「確認」のために参考にする程度にしておきましょう。そうすれば自分の判断に自信がもてるようになります。
・わたしの仕事は、ただ育児の情報や技術を紹介することだけではありません。もっと大切なこと – 自分に自信をもつこと、「わたしには問題を解決する力がある」と信じることをママたちに教えたいのです。

本当にそう思う。この慌ただしい日々も、あとから振り返れば一瞬。
毎日を噛み締めるように、感謝しながら生き切ろう。
そして、専門家の意見は「確認」のために使う。最後に信じるのは直感。

●応える と 助ける

・赤ちゃんに「応える」のと「助ける」ことの違いを、親はわかっていなければなりません。親が「応えて」あげた赤ちゃんは、冒険を怖がらない、心の安定した子どもに育ちます。親が「助けて」ばかりいた赤ちゃんは、自分の能力に自信がなく、周りの世界を探検したり、環境の変化を受け入れるのに必要な力強さや、技術を養えなくなってしまいます。
・赤ちゃんといるとかきは、なるべく電話に出ないことにしましょう。受話器をはずすか、留守番電話に任せます。週末は仕事を休みましょう。家では、仕事のことは考えないようにしましょう。あなたがほかのことを考えていると、赤ちゃんはそのことにちゃんと気がつきます。

この人が言いたいのは、どうやら
「抱きぐせはいけない」に代表されるような古いセオリーではないようだ。
生まれてから別のベッドに眠る欧米的文化の色は付いているものの、
子どもの真の望みに耳をすましなさい、という原則は、本当に同感だ。

●WM特有の悩み

・「わたしには何一つうまくできないんだわ」「みんながあんなに上手にやっていることを、わたしが失敗するわけにはいかないでしょう?」こうした気持ちになることは決してめずらしくないのです。多くのママたち、とくに母親になるために今まで築いてきたキャリアを捨て、仕事をやめた人たち、または並はずれてしっかりした人たちが、拒絶反応を起こします。彼女たちの日常は、赤ちゃんが生まれたとたんに歯車が狂ってしまうのです。彼女たちは、赤ちゃんが生まれても、生活は以前とまったく変わらないと信じたいのです。母親になったことの不安な気持ちを受け入れ、恐れを認めるよりは、母親としての経験を「たいしたことではない」と過小評価してしまうのです。
・実際、精力的な未来のママたちはよく、「赤ちゃんが生まれるってそんなにおおごとかしら?」とか「母乳を飲ませるのってそんなにたいへんかしら?」とたずねてきます。自分たちは会社を経営したり、複雑なプロジェクトを仕切ることができるのに、病院から帰宅してみると、母親のしごとというのは、それまで想像したこともなかった多くの課題をつきつけていることに気がつきます。ですから彼女たちの拒絶反応は、今までうまくこなせてきたものにすがりつくという行動になって現れるのです。

家庭をもったことのない女性や
子どもを育てたことのない女性、
トップダウン式の古いマネジメントしか知らない女性というのは、
結局のところ、家庭を顧みない男性と全く変わらないということなのだろう。
何事も、経験しないと、わからない。
または、どこか「女性としての自信のなさ」の裏返しとして、
仕事至上主義のような態度をとってしまう人も、いるかも知れない。

●産後うつ

・産後の非常に深刻なうつ状態 立証された原因の一つは、ストレス性の病歴があることです。またうつ病の病歴をもつ女性の三分の一は産後抑うつ病を引き起こすとされています。またはじめての出産後うつ病を経験した人の半分が、二人目以降も再発しています。
・アメリカ精神医学会のマニュアル「ハミルトン評価尺度」「エディンバラ産後うつ病評価尺度」どちらの評価尺度も信頼性の高いものですが、お医者様の利用を目的としており、自己診断を使うものではありません。でもおおよそのことはわかります。
・こうした不安は、ママになった人ならだれでも感じたことがあるはずなのですが、自分からすすんで話そうとする人はあまりいません。多くのママたちはそんな感情をもってしまう自分にとまどい、恥ずべきことだとさえ思っています。だからこそ、その話題にふれたがらないのです。これがごく自然な感情だということをわかっているママは、ほとんどいません。もちろん心の奥底では赤ちゃんが生まれないほうがよかったなんて本気で思っている人はいません。…この沈黙の壁によってママたちは孤立してしまいます。この不安が永遠に続くわけではないと自分に言い聞かせていれば、必ず乗り越えることができるはずです。
・各自治体でも「ファミリーサポート支援」といって、地域の育児経験者を民間の約半額に近い料金で派遣してくれるシステムがあります。

ここ、次に栄えるビジネスのコアになりそうなところ。
困っている人がいるということは、どうにかその人たちの役に立ちたい
という思いがビジネスを産む。

●ママが喜ぶパパの手助け

<パパにしてほしいこと>
・一週間以上の育児休暇をとる。それが無理なら貯金をして、家事をやってくれる人を雇う
・急いで解決しようとするのではなく、ただ彼女の話を聞く
・何も言わずに、やさしく手を貸す
・手助けはいらないと言われたら、素直に引き下がる
・頼まれなくても、買い物、かたづけ、洗濯、そうじをする
・彼女が何かを訴えるときには、ちゃんとした理由があることを理解してあげる
<ママがいやがること>
・彼女の感情的、肉体的な問題に良い、悪いの「決着」をつけようとする(流れにさからわないこと)
・背中をたたいて、犬に言うように「よくやった」と言う
・彼女のすることを見て、いちいち批判する

これはメモメモ。
男性がやってしまいがちなミス、気をつけなくては。
ちなみに、育児を代行するベビーシッターではなくて、
家事を代行する家政婦がほしいというのは、
ほんとうによくわかる。

●赤ちゃんが気持ちを落ち着ける道具

・眠るための小道具とは別のものとして、眠りへの移行を助ける道具があります。これはぬいぐるみや安心用の毛布など、赤ちゃんが自分で選んだお気に入りのものです。たいていの赤ちゃんは、七、八ヶ月を過ぎてから、お気に入りのものをもつようになります。ですからこの時期になって、親が与えたもので赤ちゃんをつって泣きやませようとすることには反対です。できるなら赤ちゃんが、自分で気持ちをなだめられる方法を見つけてもらうようにしましょう。
・赤ちゃんはおしゃぶりを六、七分熱心に吸ったあと、だんだんと興味をなくしていきます。最後には口から出してしまうでしょう。何かを吸いたいというエネルギーを発散すれば、赤ちゃんは安心して夢の国へと旅立ちます。このとき、親切なおとながや」ってきて、「まあかわいそう。おしゃぶりを落としちゃったのね」と言って、赤ちゃんの口に戻そうとするかもしれません。でもちょっと待ってください。眠るためにおしゃぶりが必要なら、赤ちゃんはのどを鳴らしたりもがいたりして、あなたに知らせるはずです。

何か吸いたいというエネルギー…そういう観点はなかった。
日本では、吸う=あまえんぼの象徴とされている。
これが、母乳を吸う行為というのは、一定年齢まで存在している
本能的な衝動だという言い方をされると、だいぶ捉え方がかわってくる。

●泣く理由

・手足がばたばた動くのが見えると、赤ちゃんはとても不安になり、そのせいで、くたびれ果てた神経がさらに刺激を受けてしまうことになるからです。赤ちゃんが不安になるのは、自分の手足の動きを見て、赤ちゃんはだれかが自分に何かしていると誤解してしまうからだと言われています。
・「なるほど、これが原因だったのね」とわかるような寝室でした。あまりにも日当たりが良すぎるうえに、赤ちゃんの気を引くような刺激が多すぎるのです。イザベラがうまく眠れなかったのも無理ありません。
・苦しんでいるイザベラを助けようと、この悪気のないママとパパは、イザベラをドライブに連れ出し、ぶらんこに乗せ、音楽をかけるという、さらに大きな刺激を与えていたのです。自分で気持ちを落ち着けることを教える代わりに、その逆のことばかりしていたのです。

子どもの気持ちになる、子どもの立場に立つ、子どもの目線でみる
というのは、とても難しいけど、でも、とっても大切なこと。

●ガス

・5分たってもげっぷが出なければ赤ちゃんをいったんおろします。あえぐ、もがく、目がきょろきょろ動く、笑顔に似た表情を見せるといった症状が出るようなら、おなかにガスが溜まっています。もう一度抱き上げ、赤ちゃんの腕を自分の肩の上に乗せ、足をまっすぐにしてげっぷを出させます。
・赤ちゃんをあおむけに寝かせ、両足をやさしく動かして、自転車こぎ運動をさせます。
・ガスを出させるには、向かい合わせに抱っこしてお尻を軽くたたいてやります。そうすれば赤ちゃんはどこに力を入れればよいのかわかるようになります。

ガスがたまるというのは、
たんに上からゲップがでるものが下からおならで出るということだけではなくて、
とても不快なことなのだ、という記述を見つけたのは、驚きだった。
そう考えたこと、なかった。どっちからでも出ればいいと思ってた。

●その他

・(双子や三つ子の)ママたちがいちばん聞きたくないのは、「まあ、たいへんなことになっちゃったわねぇ」という言葉です。たいへんなのはあたりまえで、いまさらそれを言われたところで何のなぐさめにもなりません。わたしならこう言うでしょう。「楽しみも二倍でいいわね。それに最初から遊び相手がいるなんて幸せなことよね」
・未熟児への配慮 (本来の予定日をすぎるまで)家でも、赤ちゃんの部屋を暗くしてあげるとよいでしよう。また、赤ちゃんに白黒のツートンカラーのオモチャを見せてはいけません。脳がまだ未熟なので混乱してしまいます。
・ロンドンで行われた調査によると、保育器に入れられていた赤ちゃんよりも、ママの胸に抱かれて肌と肌とをふれあっていた赤ちゃんのほうが早く体重が増え、健康上の問題も少なかったそうです。

未熟児だけでなくても、シュタイナーなどでは、
しばらくの間、ピンク色の部屋で過ごす。
また、カンガルーケアについて触れているあたり、
この人が、抱っこの効用を理解していないわけではないことの証だろうな。

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