お嬢様講座シリーズ特別編集
美しさとか美意識について考えていて。
私も、生活からも肉体からも感情からも、
もっともっとムダを削ぎ落として、
シンプルに、美しくありたいと思う。
●選択基準
・色・形・素材すべての要素の特徴を目的に合わせて選びます。当たり前のようですが、案外ほかの理由に先んじられてしまう場合が多いのです。たとえば色が合わないのに、その色が好きだから機能が劣るのに、形が可愛いから等々。適切な組み合わせは、ひとつの風変わりな特徴より有効な美への第一歩です。料理は材料の取り合わせで、ひとつの食材が何倍にもおいしくなり、衣服はその組み合わせで、お洒落にも野暮ったくもなり、適材適所が十分に配慮された空間は、広がりと落ち着きのあるものになります。
・美しさに感動しないものを手にしてはいけません。必要だから、みんなが持っているから、今それが役に立つから…私たちは、数々の理由をつけてものを選びます。ではそのなかに、今も、そして今後も長く、それに感動していられるものはどれほどあるでしょうか。選ぶ基準を持たずに、その時々の必要という理由で所有に走り続けるのは、ただただ所有欲を満足させるだけのことです。たとえば限定という名の新商品などに気持ちが動いてしまうのは、「買っておかなくては」という強迫観念に近いものにすぎません。美しい感動があるものに選択を限定しましょう。展覧会やコンサート、映画にしても、観ていないと他の人に遅れるから観るのではなく、あれは観たという記憶だけを残すのではなく、感動を心に残すために観るという意識を持ちます。
本も同じ。モノも同じ。
本当に必要のないものを買わないということも大切だし、
その前に、既に必要のないものを、処分するところからはじめよう。
●ライフスタイル
・電柱や電線が大切な空を小さくしてしまって以来、私たちが空を見上げることも、ずっと少なくなってしまいました。でも、ところどころ電柱や電線が地下に移動しはじめている場所だけは、空が大きく広く戻りかけています。一日に何回か空を見上げて、その変化する美しさを心にとめることは決して不可能ではありません。朝、昼、夕、夜…空を見上げると同時に、木々や草花、空気の香りを感じてみることもできます。もし、多くの人が美しい街並を本当に望むのであれば、自然がいっぱいあるところへわざわざ遠出しなくても、いつもの日常的な街角で旅行者のようにワクワクすることができる日も、それほど先のことではありません。
・部屋を美しくする簡単な方法がふたつあります。少々大掛かりなのは人を招くことです。簡単なのが花を買ってきて生けることです。花を飾ったまわりが散らかっていては花の美しさが引き立ちません。思わずテーブルの上の書類を片付けたり揃えたり、周辺をそのままにはしておけなくなります。いつでも花を部屋に飾る週間をつけます。
・最近はミネラルウォーターをできるだけたくさん、一日に1.5リットルぐらい飲むことを心がけている人が増えました。これはよいことですが、流れをよくすることが目的ですから、水を身体に滞らせておいては逆効果です。水の流れ、空気の流れを参考にして、流れることの美しさ、よどみのないことの美しさを意識します。よどんでいるよりは、流れにそうほうが美しい。
心を美しくすることも、
体を美しく整えることも、
部屋を美しく維持することも、
美しい衣服やモノに囲まれることも、
すべて、つながっている。
同じなのだ。