ママたちの50の疑問に答えます
書名にひかれて手にとってみた。
確かに、うちの子も同じ服ばかり着たがる。
著者が小児科医でもあるということなので、
発達心理学とか何か科学的といえる根拠があるのかどうか。
その辺に興味を持って。
この本は、辞書という感じ。
気になることがあったときに読んでみる。
すると、不安が鎮まる。
最後のこの言葉がとっても印象的。
あなたには、お城をつくる、水たまりに踏み込む、『セサミ・ストリート』を観る、ただなんとなく遊ぶというようなことができるチャンスが、生涯で二回あります。一回目は自分が子どものとき、二回目は子どもをもったときです。大人としての忙しい毎日に埋没するあまりに、せっかくのチャンスを逃さないでください。
●同じ服
・三歳くらいまでの子どもには、自分でコントロールできることは多くありません。コントロールできるのは、結局のところ、自分の体にかかわるきわめて直接的な問題 – 何を食べるか、いつおまるを使うか、何を着るかなど – にかぎられています。だとすれば、子どもがそういった問題にこだわったとしても、不思議ではありません。
・親が着るものにこだわりをもつ人だと、子どもも同じようにこだわりをもつ傾向が強いようだ
●男の子らしさ女の子らしさ
・この時期の子どもがごっこ遊びで何を着ようが、おとなになってからの性的指向にはまったく関係がないといいます。子どもが何かの役割を選ぶとき、男女の差はほとんど関係がないのです。
●遊びほか
・幼い子どもが自然界を学ぶ方法のひとつは、毎日、毎月、さらには毎シーズン、同じ場所を目にし、触れることです。
・かくれんぼのバリエーションのひとつが、子どもでも隠れられない狭い場所に、小さなものを隠す遊びです。
・同じ友だちと何度も遊ぶほうが、そのつどちがうお友だちと遊ぶよりも早く、楽に、社会的なスキルを身につけられることがわかっています。
・「分かちあい」とはどういうことかが理解できないうちに「分かちあい」を強要すると、子どもの所有欲は弱くなるどころか、ますます強くなるでしょう。
●本
・さまざまな研究によって、三歳までに日常的に本を読んでもらった子どもは、そうでない子どもより、学校の成績がよいことが証明されています。
・子どもがある特定の一冊にこだわるようなら、その本にしかない魅力は何なのかをさぐってください。多くの子どもにとって、自分ではコントロールできない感情を扱った本が心の琴線に触れることもあります。もしそうなら、その感情を扱った本をくりかえし読み聞かせることで、彼らがその感情を克服するのを助けられるかもしれません。
●食事
・親として気をつけなければならないのは、子どもに、毎日、出したものを全部食べさせたり、決まった量だけ食べさせたりすることではなく、健康的で栄養豊かな食べ物から自分の食べるものを選ばせるようにすることです。
・子どもが空腹かどうかより、食事の時間や量ばかり気にする親の子どもは、ほかの子とくらべて、カロリー摂取量を自分で調整する能力が劣るといいます。子どもに健康な食習慣を身につけさせるには、たとえお皿にまだ食べ物が残っていても、おなかがいっぱいかどうかの判断を子どもにまかせて、それを尊重しなければいけません。ペンシルヴァニア州立大学の調査では、親がコントロールすればするほど、子どもの食習慣は不健康になるという結果がはっきりと出ています。
・食べ物を賄賂に使えば、つぎつぎに賄賂を使わなければならなくなります。
・子どもは四歳近くになるまで、あごを完全にコントロールすることができず、大人のようにあごを使ってものをうまく噛みくだくことができません。まだ、そうするだけの筋肉の協調運動ができないのです。
・ドライフルーツ(とくにレーズン)や種は、まるのままで飲みこまれることが多いのですが、消化管に入ると水分を吸収して大きくふくらみ、通り道をふさぐことがあります。
・この時期の子どもがこれほどひんぱんに食べ物を吐きだすのには、ひとつには幼い子どもは何をどれだけ口に入れるべきかがよくわからない、ということがあります。
●睡眠
・朝、早すぎる時間に起きだし、右にあげたような状態(機嫌が悪く、足元がふらつき、一時間か二時間もしないうちにベッドにもどってしまったり…)になる子どもには、就寝時間を一時間かそれ以上繰りあげる必要があるかもしれないといいます。(慢性的な過労状態)
・一日の終わりにひどく活発に動きまわっている子どもは、ちょっと見には、まだ寝たくないと訴えているように思えますが、実際はその逆で、たぶん就寝時間を早める必要があるのです。
・癇癪→彼らがお行儀の悪い子どもだからではなく、もうベッドに入っていなければならない時間
・子どもがゲームやおもちゃでひとり遊びをしていてフラストレーションを感じているようすが見えたら、すぐに「救援」に駆けつけるのではなく、子どもがひとりで気持ちを落ちつける時間を与えましょう。自分でなんとかすることをおぼえれば、あなたにとっても子どもにとっても、遊びだけでなく、睡眠も楽になるでしょう。
・幼い子どもが怖がって、夢に出てきたキャラクターや事件の説明をするときには、真剣に耳を傾け、共感するよう努力しましょう。あなたが子どもの恐怖を過小評価していい加減に扱えば、子どもは同じ夢をみつづけ、しかも、だれにも理解してもらえないと思いこむかもしれません。
●指しゃぶり
・二歳未満の子どもの「非栄養吸綴」にもっとも悲観的な歯科医の多くも、子どものあごは柔軟なので、指しゃぶりやおしゃぶりの影響はほとんど残らないだろうと考えていますが、一部に、二歳を過ぎると過蓋咬合が起こる可能性があるという考え方をする人もいます。一方、それ以外の医師(歯科の専門家の多くも含まれる)ははるかに寛容で、とくに小児科医の多くは、子どもが十分に大きくなるまで指しゃぶりやおしゃぶりに干渉しないよう勧めています。「五歳前後までは、指しゃぶりやおしゃぶりが医学的に大きな問題になることはあまりなさそうです。五歳ごろから、わたしたちは歯への影響を本気で心配しはじめますが、五歳といえば、子どもが指しゃぶりをやめるために積極的に協力できるようになる年齢でもあります」
・指しゃぶりを見ても、叱ったり、子どものいるところでその癖について話しあったりするのはやめましょう。精神的安定を得るために吸綴行動をする子どもについて普遍的な真理があるとすれば、まわりの大人が大騒ぎすればするほど、子どもがその癖をやめるのがむずかしくなるということです。
・ふつう「安心毛布」は、子どもが一歳になり、小さな自立心を獲得しはじめる時期に、たまたまベビーベッドのなかにあった、手ごろでやわらかくて抱きしめられるものであることが多いのです。
・幼い子どもが、傍目にはこれといった特色のない毛布やぬいぐるみにそれほどまでの信頼を寄せるのは、パパやママの腕の中ではなく、自分の足で立って、あるいはベッドでひとりで世の中と対面しようとするときに、いつもよりよけいに勇気と精神的安定を必要とするからです。
●トイレ
・体がお湯と接触すると排尿がうながされることは医学的にも認められています。
・お湯に溶けた石鹸、シャンプー、芳香剤、入浴剤はどれも、幼い女の子の感染症や炎症の原因になることがあります。
・1950年代までの赤ちゃんは、賞罰による条件づけによって、早い時期からトイレ・トレーニングをはじめられていました。しかし1962年、先進的な小児科医であるT・ベリー・ブラゼルトン博士が、トレーニングについての新しい考え方を導入しました。トレーニングは子どもに精神的・身体的・情動的準備ができたときにはじめるべきであって、それ以前にはじめるべきではない、という考え方です。博士の提案は多くの親に受けいれられ、それが新しい規範となりました。今日、平均的な子どもがトレーニングを開始するのは三歳近くなってからで、そういう子どものほうが、もっと前からトレーニングをはじめた子どもより、早く排泄をコントロールできるようになるばかりか、便意や尿意を長くこらえられるようになります。
・子どもが用を足すために人目につかない場所を求めたら、それはプライバシーを守る準備ができたということでもあります。ひとりにしてほしいかどうかをきいてみましょう。
●ごきげん
・もし癇癪の目的が、あなたの注意を引くことも含めて何かを手に入れることなら、もっとも効果的なのは、できるだけ見て見ぬふりをすることです。癇癪の目的が、したくないこと、たとえばお出かけやおもちゃの片づけなどを先延ばしすることなら、予定どおりにことを進めるのが大切です。
・子どもが癇癪を起こしたときに、いちばんしてはいけないのが、あなた自身が怒ることなのです。
・すべてを平等にするのはたいへんにむずかしく、そうしようとすると、必ず失敗します。平等を目指すのではなく、子どもがごく幼いときから、家族はみなそれぞれが必要なものを得られるのだということを教えましょう。
●お話
・空想を言葉にするのは、幼児にとってはかなり大変な言葉の勉強です。だれも小説家をうそつきとは非難しません。
・体罰を与えるある保育園では、三歳児の100%近くがうそをつき、しかも、うそがとてもじょうずだったそうです。
・多くの子どもにとって最悪なのは、自分のしていることからいきなり引き離されることです。大切なのは、予告されることと、その予告どおりにつぎの活動に入ることです。
・子どもに拒絶されると、心臓に銃弾でも撃ちこまれたような思いがするかもしれません。もっとも大切なのは、そっけない拒絶でお返ししないことでてす。がっかりした気持ちをあらわすのはかまいませんが、それでもあなたの愛情は無条件であることを子どもは知っていなければなりません。
●会話と接し方
・子どもがのろのろしているからといって、「ぐず」とか「のろまさん」などと呼ばないでください。この年齢では、子どもの行動にレッテルを貼ると、裏目に出ます。子どもがレッテルどおりの人間になり、ますますのろのろしても不思議ではないのです。
・子どもが聞いているときに「この子は臆病なのよ」とか「この子は内気だから」と言うだけでも、子どもが自分自身をそう見るように仕向けてしまうことがあります。
・厳しい罰を与えるかわりに… 短時間の「活動停止(タイムアウト)」で、これにはできるだけ会話をしないことも含まれます。
親の世代に常識だったことは、もう古い。
科学はどんどん進歩しているということを、忘れてはいけない。
古い知識は、updateしていかないと、とんでもないことになる。
新しい発見とともに、常識は、変わるのだ。