起業家へ贈るコスト・エフェクティブな広告戦術
アメリカでシリーズ合計100万部以上
最大効果を上げるビジネス成功のための広告とは?
GUERRILLA ADVERTISING
翻訳の問題か、ちょっと比喩表現や遠まわしな飾った表現が多く、
また指示語も理解しにくかった。
…けど、さすが監修金森さんとあって、内容はすばらしい。
テレビラジオの広告なんて関係ない…と思いきや、
実は、動画の時代だからこそ、この話が生きてくる。
金森さんの解説にある、「限界効用逓減の法則」こそが、この本を読んで一番の収穫だと思う。
以下の部分。
・科学技術において、基礎分野と応用技術を比べた場合、その発見が基礎的なものであればあるほど、その影響は生活のありとあらゆる面に及び、他の分野に与えるインパクトは大きなものになるのに比べて、応用分野の場合にはその波及効果は限定されます。それと同様に、ビジネスにおいても、自分が身につけた技術が基礎的なものであればあるほど、その波及効果は大きなものになります。これを、限界効用逓減の法則といいます。
その他、線をひいたところ。
●広告の位置づけ
・マーケティングが祖父母で、広告が親、そしてプロモーションが子供である。あなたの頭はまずマーケティングについて考え、次に広告について、そして最後にプロモーション、というように調整しなければならない、ということだ。
・アメリカの平均的経営者は毎年、総収益の約4%をマーケティングに投資し、その大部分を広告に費やしている。ゲリラはもっと積極的かつ現実的なので、約10%をマーケティングに、うち半分程度をマス・メディア広告に使うという方向で考える。企業という企業は広告以外にもマーケティング予算を投じる必要がある。そうしたマーケティング予算の用途は、ダイレクト・メール、テレマーケティング、小冊子、販売用ビデオ、カタログ、ニュースレター、インフォマーシャル、リサーチなど。
・広告が、他の何百というゲリラ・マーケティングのうちのいくつかで効果を増大させなければ、利益に貢献する可能性は低いだろう。しかし、世間知らずの広告主は広告がすべてをしてくれると思っているので、大金が毎日のように無駄になっているのだ。
・ダイレクト・メールでは、60:30:10の法則が効果的だと証明されている。あなたの成功の60%は、適切な名簿、30%、適切なオファーであるかどうかに、10%は、クリエイティブなパッケージ広告、ビジュアル、コピーなどにかかっている。
・ブランド広告とダイレクトレスポンス広告がまったく相容れないものだと考えることは適切ではありません。
広告はマーケティングの一部であり、
プロモーションやPRとともに行われるべき。
これらの区別がつかない経営者って、意外に多いのでびっくり。
●マーケティングについて
・内なる驚異を見いだしたら、次にそれがいかにして利点に転じるかを理解する。利点は買ってもらえるが、単なる特徴は買ってもらえない。内なる驚異があるということは、それがおそらくは複数の利点を提供するから。
・たいていの変化は自分に好都合であり、事前に吟味する価値がある – それがゲリラ的発想だ。
・平均的なマーケティング投資は4%であるが、平均的な米企業は五年以内に事業に失敗するし、自尊心のある企業家は平均的経営者の行動を参考に意思決定などしない。
・「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌によると、企業のマーケティング予算のわずか四分の一のみ広告に割り当てる場合、マーケティングの投資効率は18%であり、二分の一の割合にすると29%である。これらの数字はあなたのキャッシュ事情に緊急措置が必要なときのために、覚えておくべきだ。
・パンフレットの目的は、販売を成立させることなのだ。
・単に無量パンフレットだけでなく、そもそもパンフレットを請求してくれたことを請求者に感謝する個人的な手紙も送る。人は一日あたり2700ほどのメッセージで広告攻めになっている。パンフレット、個人的な手紙、そしてあなたのフォローアップ・メモとともに、あなたが注目していることを示すことだ。大概の人は、そのように気遣って注意を払われることになれていない。彼らは、あなたが彼らにアプローチしたのと同じ姿勢でビジネスも行うと考えているのだ。
・あなたがパンフレットを正しく活用すれば、資料請求をした人の、なんと33%を、実際にお金を払う顧客に転換することができる。
・グローバルな認識はなくてはならないものになっている。外国の同業者を研究することは、啓発や収益性の面で演習となるのだ。
・購入決定を下すことは、消費者にとって非常に個人的なプロセスである。だから、あなたの信念や理解を見込み客に押し付けることはできない。心理学は少ししか役に立たず、テストが多いに役立つ領域なのだ。
説得力のある数値は、メモメモ。
その他、個人的な手紙という方法は、
身近な友人にもさっそく教えてあげたい。
●広告の基本
・伝説の広告人、ジョン・ケーブルズは、広告で最も重要な二つのファクターは「何を語るか」と「どこで語るか」であると指摘している。
・ゲリラの仕事は、右脳タイプの人と左脳タイプの人を同時に獲得できる広告をつくること。
・潜在顧客は、あなたの広告に飽きはしない。顧客は、そもそもあなたの商品やサービスを購入したという事実を正当化したいがために、あなたの安定感を評価する。飽きるのはあなた自身だろう。この「内なる倦怠」こそ、たくさんの優れた広告が置き去りにされ、それより明らかに劣る広告と代えられることが多い理由の一つである。
・広告投資は毎月自動的に発生する家賃のようなものだと考える。なぜなら、広告費は毎月使わなければならないからである。
・一年目は利益獲得と学習の都市であり、重点は学習のほうにある。
・10万人のターゲット・オーディエンスに一回リーチするのではなく、一万人のオーディエンスに十回リーチすれば、広告の生産性ははるかに高まり、一度きりの場合よりも多大な利益を得ることができる。
・古いイディッシュの表現「大きく見せようとするな。あなたはそれほど小さくはないんだから」。
・もし、視聴者の誰かが、「すごい!こんな格好いいコマーシャルは見たことない!」などと一度でもいったら、これはあなたの側の失敗だ。あなたが望む反応は、「すごい!この商品がいますぐ欲しい!」なのだ。
・もし、ラジオ・コマーシャルを新聞広告に変換できないなら、どこか問題がある。それは、スタイルにこだわるあまり、内容を失ってしまうことが原因だ。
・強力な販売アイデアはそんなにたくさんはない。賢い広告や楽しませてくれるコマーシャルが大半だ。しかし、人にお金を使わせるようなアイデアの広告は少ないのだ。
・あなたの印刷広告を導いてくれる10カ条の原則
1.注目を集める
2.ドラマをつくる
3.明確な
4.人を巻き込む
5.興味をそそる
6.情報を与える
7.信じられる
8.動機づけをする
9.正直に
10.戦略に合っている
・ゲリラ、あるいは氏名されたプロデューサーやディレクターは、最初にサウンドトラックを政策する。カメラで音声も記録するとなると、テレビ撮影が長引き複雑になる一方で、失敗を招いてしまうことを知っているからだ。出来上がったサウンドトラックに合わせて、映像を撮る。すべての音声は、カメラとは別に再生される。この方法だと、雑音のために、他の点は申し分ない撮影が台無しになることもない。ビデオを再生すれば、場面ごとに即座にフィードバックが得られる。
・案内広告を掲載するのに最適な場所は、競合企業が彼らの広告を出している場所である。同じ出版物の同じ項目ということになる。見込み客は、こういうところであなたのような企業を探すのに慣れているからである。
・広告主はますますこの点を認識し、自分たちの商品やサービスの販売と並行して、環境、経済、病気の撲滅などの崇高な目的を持った活動を促進するようになってきている。これは、妥協しているのではなく、広告主は自分たちの力と義務を認識しているのだ。人々に情報を与え、教化すると同時にあなたの商品をたくさん売る広告を制作することは可能だし、大いにすすめられることだ。
・調査を行わなければならない。それは、あなたの商品、サービス、利点、見込み客、収益可能性などの標的の中心に性格に焦点を当てるためだ。時間がかかる作業ではあるが、オンラインならそれほどかからない。調査を怠ることは、企業の自殺行為なのだ。
コピーライティングについてXから学んだことと、
広告の原則は同じなんだなと、思った。
自分が学んできたのは、決してダイレクトレスポンスマーケティングだけではなかったということに、
今さらながら、気づいた。
●広告を頼むときの注意
・古い基準である「Cost per Thousand(CPM1000人に伝達するのに必要な広告コスト)」に基づいてメディアを選定するというわなに陥ってはならない。むしろ「Cost per prospect(一見込み客あたりコスト)」という基準から選定しよう。特定広告メディアの関係者が引き合いに出すデータを鵜呑みにしてはならない。
・もしあなたの会社が中小企業なら、有名な広告会社を選ばぬように忠告したい。広告会社のお偉方があなたのハート – そしてあなたのビジネス – を射止めるようなプレゼンテーションをするだろう。しかし、実際にすべての仕事をするのは駆け出しの社員なのだ。おきな広告会社は中小企業の広告を新入りに任せることが多い。
・広告会社があなたの会社の目標を理解し、それらを妥当であるとみなしているかどうか確認すべきである。これを理解しているかどうかは、広告戦略の作成に反映されるだろうし、これが欠けると、違う方向へ行ってしまう。
・説得力のあるアイデアを考案し、広告戦略を力強く実行するといった複雑な仕事は、委任することをおすすめする。適切な言葉や映像を創る仕事は、プロに任せよう。あなたは優れた知能をたくさん注ぎ込んでいるので、いまや失敗することはない。アイデアをテストすることは、自分でできる職務である。アイデアのうちどれがうまくいき、どれがうまくいっていないかを判断できなければならないだろう。あなも知ってのとおり、うまくいくということは利益を自分の銀行口座に送り込める状態なのだ。これを他の人に委任する必要はない。
・自分の自尊心が委任の妨げにならないようにすることだ。とるべきステップの半分は、委任することができる。残りの半分が、自分で対処するべきものである。金メダル九の腕前でできないことは他の人に委任するのがよい。
・広告は、それ自体では機能しない。倒産にまっしぐらに向かっているような企業は、広告しかやっていないのに自分たちはマーケティングをしていると思い込んでいた。
・広告会社は、マーケティング代理店へと進化し、中小企業経営者が必要とするありとあらゆるものを提供できるようにならなければいけない。
大企業が、小さな顧客に精鋭部隊を使わないというのは、
たとえば結婚式場サービスなどの高額商品の個人取引でも同じ。
私はこれで痛い目にあった。
だから本当によく理解できる。
●コピー
・要点を伝え、感動を強調するのに「形容詞」の使いすぎは禁物。コピーからはできるだけ形容詞をなくすこと。実際の名前、実際の数字、実際の出来事を使おう。
・具体的情報は、潜在顧客の反応を引き起こす。刺激づけと説得がなされる。
特別な表現△ 当書店は地域ナンバーワンの品ぞろえで皆様をお待ちしております。
特別な事実○ 当書店は五万冊以上の在庫をそろえるとともに、50万点を超える本をどれも一週間以内にご用意いたします。
・アーネスト・ヘミングウェー「小説を書くよりもクリエイティブな広告を書くほうがよほど難しい」と述べている。
・動詞は、あなたの広告を活性化する。だから、能動態で書くこと。行動を起こさせるのは、動詞の入った短い文章だ。
・副詞を見過ごさない。
・文章が断片的になることを恐れないこと。ときどき、そうすることで、読みやすいコピーができる。それに、明確な。そらに、動機づけをするかもしれない。
・悲劇的な言葉はよいコピーを台無しにする。それは、あなたの売り上げを吹き飛ばしてしまうのだ。次のような悲劇的な言葉は避けよう。買う、難しい、死、義務、間違い、命令、失敗、決意、しくじる、悪い、取引、コスト、売る、責任、失敗、損失、困難な、契約
・ほとんどすべての優れたキャッチフレーズは、広告のグラフィックスと一緒に、ストーリー全体を語るのだ。
・人が長いコピーを読まないなんて考えにだまされないように。それが、彼らの興味を引くものなら、読むのだ。そして、それが彼らの問題の一つを解決してくれるのなら、読むのだ。見込み客は、読まなくても、多量のコピーに感心するのだ。あなたの提供するものにたくさんのいうことがあるなら、価値があるに違いない、と考えるのだ。
・句読点は使わない。案内広告の環境では、感嘆符(!)は耳をつんざくような印象を与えてしまう。疑問符(?)は人々の動きを遅らせてしまう。短い言葉や文章を使うことだ。
・仮にあなたが訪問販売員だとして、呼び鈴を鳴らす。すると、ドアを開けたのが忙しくてやや威圧感のある主婦で、「はい、何かご用?」とあなたに五秒だけ答える時間を許した場合、あなたが何というかということだ。あなたが何というかで、彼女が目の前でバタンとドアを閉めるか、あなたの次の言葉を注意深く聞くか、という違いが生まれるのだ。
エレベータートークの話は有名だけど、
それよりも短い5秒というのは、とってもわかりやすいたとえ。
確かに、CMがやろうとしていることは、それに等しい。
そのマインドセットが必要だ。
●プロモーション
・プロモーションが繰り返されるたびにインパクトが弱まる。反復は、広告には非常に重要なことだが、プロモーションには効果的でない。というのも重要度が軽減されてしまうからである。
・プロモーションは爆発的な売り上げをつくれるが – 売り上げであって、利益ではなく – その爆発は短く、コスト高である。
・正しいプロモーションの秘訣は、賢くプランすることである。あなたの目標をはじめから明確に書いて、詳細まで確実に網羅し、そしてあなたのプランが始まることを世間に知らせるためにプロモーションを広告しよう。
・フリークエント・フライヤーやフリークエント・バイヤー・プロモーションの一番いいところはロイヤルティを育てることだ。ほとんどのプロモーションはその反対で、衝動買いを促がし、ロイヤルティを下げる。低価格のためだけに購入する人々は、ロイヤルティをもたないことで有名だ。
・彼らが実際にクーポンを使うかどうかではなく、彼らが使えると思うことが重要なのだ。反応できることが。目に見える招待状は、それが使われても使われなくても、広告の特徴に、もう少し信頼性を加えるのだ。
・マーケティング費用は、最近では広告から購買時点のサイン広告へと移ってきている。というのは、衝動的な反応を生み出すことが可能で、それが衝動買いにつながる期待があるからだ。
とくに小売業では、マーチャンダイジングを重視するためか、
マーケティングからプロモーションに続く流れを理解せずに、
ただFSPであるとか、店頭のPOPや値下げだけに頼る傾向がある。
これは最悪の方法だということに、そろそろ気づくべき。
●PR
・ゲリラのPR資料一式は、社内のすべてが順調に軌道に乗るまでは、けっしてマスコミに送られることはない。広告は最後にするべきだと助言したように、他のすべての点がきちんと準備完了した後で、広告活動をすることをすすめる。広告さえも終わった後だ。
・広報活動の実情はといえば、PRのコネを持っている人やマスコミ業界の人に、親密な間柄の知り合いがいるかどうかにつきる。PRのプロはこのようなコネを数え切れないほど持っている。だからこそ、彼らをすすめているのである。
これは、そうなんだなと思う。
このあたりの文化を崩せるのが、Youtubeなんだろうと思う。
最後に広告とPRが、Youtubeによって変わる。
これからの時代、楽しみだ。
●その他
・景気が悪くなると権限委譲が減り、意思決定はトップが握るようになる。
・21世紀の成功する経営者にとって、知識はお金よりも貴重な存在である。その価値を上回るのは時間だけだろう。
・知識はどこにでもあるのだ – どこを探せばいいか知っていれば。ゲリラの仕事はすべてを知ることではなく、どこを探せばすべてが見つかるかを知ることである。