子育てハッピーアドバイス 知っててよかった小児科の巻

マンガでわかる子どもの病気の疑問から食事・トイレの悩みまで

本当にこれ「知っててよかった」と思える一冊。
現在子どもをもっているママやパパと、その親の世代(じぃじばぁば世代)では、正しいとされていることが、違う。まずその事実を理解しておかなければならない。人間は(何も他から学ばなければ)自分が育てられたように育てることしかできないし、そうすることが、子どもの祖父母を安心させるという側面もあるのだろうとも、思う。
しかし、祖父母を安心させることが第一目的なのではない。子どもの心身の健康こそが大切なのだ。数十年前に「正しい」とされていた情報を信じている祖父母からみると「おかしい」と思えることであっても、それが正しいのであれば、正しい判断の方を優先する必要がある。
医学も発達心理学も、日々進歩している。昔はわかっていなかったことが、その後の研究によってわかってくる。昔は正しいとされていたことが謝りだったと訂正されることも、多い。
嫁姑の確執や、親子喧嘩を防ぐ意味でも、このあたりのことをしっかり理解しておく必要があるだろう。できれば、親の親にも、読んでおいてほしい一冊だと思う。事実私は、このハッピーアドバイスのシリーズは、まとめて母親にプレゼントした。たまに娘を預けるときに、子育てに関する価値観が一致していることは、とても大きな安心なのだ。


以下 メモしたところ
●薬との付き合い方
まず知っておいていただきたいのは、セキ止め・鼻水止め、タン切りなどは、風邪そのものを治したり、治るまでの期間を短縮するものではないということです。風邪薬といっても、風邪を治す薬ではありません。セキ・鼻水・タンなどの症状を抑えるものなんです。
多くの小児科医が言います。「自分たちが、子どもを治しているのではない。治ろうとする子どもの力(自然治癒力)を、少し手助けしているだけなんだ」と。「自然治癒力」対「薬の力」=9対1 といったところでしょう。
風邪の原因の80~90%はウイルスだといわれています。抗生物質はウイルスには効きません。このことからも、「風邪を引いたらすぐに抗生物質」というのは、あまり好ましくないと思います。
2歳ごろまでは、37.5度未満は平熱です。(38.0度以上が発熱で、37.5~37.9度はグレーゾーン)
●勘違いと迷信
高熱が続くと、頭がおかしくなるのでは?と思って熱を下げようとする人がありますが、その心配はないですよ。40度程度の高熱でも、脳はダメージを受けないことが知られています。
発熱は防衛反応ですから、薬で抑えるとかえって治りが遅くなるおそれがあります。発熱は通常2,3日は続くものです。元気そうなら、解熱剤は使わないようにしましょう。
「お風呂がダメ」というのは、自宅にお風呂がなく、銭湯に行く人が多かった時代の名残だとか。銭湯帰りに湯冷めしてしまうというワケです。
「汗をかかせて治しなさい」という根深い誤りは、「汗をかくのは体にいい」という固い思い込みから出ているのでしょう。風邪のときに無理やり汗を流しても、よいことは何もありません。それどころか、体から多くの水が失われるので、病気の身に追い討ちをかけることになります。体には、「風邪が治って平熱に戻るときに汗をかく」という自然現象があります。体温を高く保つ必要がなくなったので、汗で熱を対外に逃がす仕組みが働くのです。風邪が治ったから汗が出たのであって、汗をかくと風邪が治るのではありません。
吐き始めの3,4時間は無理に飲ませない、食べさせない。下痢がひどいときは、水分だけでなく、塩分と糖分を含むORSを飲ませてください(食事が取れていれば、水分だけで大丈夫です)
●食事と栄養
便秘の予防でも、カギを握るのは「水」です。しかし、単にたくさんの水分を取らせるだけでは、オシッコになって出てしまいます。便に水分を保持できるように、食物繊維を多く含む物を食べさせましょう。
いんげん豆/ひじき/きなこ/大豆/小豆/小麦/納豆/オートミール/切り干し大根/きくらげ/干ししいたけ/かんてん/昆布/わかめ/めかぶ/のり/かんぴょう
甘い物(砂糖)は自然治癒力を落として、傷の治りを遅らせるといわれています。砂糖がたくさん入っているお菓子や清涼飲料水は控えましょう。また辛い物はかゆみを強くしますので、ホドホドに。
●おむつ
「おむつ外し」ではなく、「おむつ外れ」
昔は、生後9ヵ月ごろという早い時期からトレーニングを始める人が多かったそうです。もちろん、何もわからない赤ちゃんですから、時間を見計らっておむつを外し、「シー」とか言いながらおまるに座らせるのです。しかし、このような条件づけを利用した早期のトレーニングは、その後のおねしょの原因になりやすいなど、かえってよくないことがわかり、もう少し遅らせるのが一般的になりました。最近は、大人の言うことに協力できるようになってから始めるのがよいといわれ、2歳になってからでも遅くないとする考えが主流になりつつあります。もちろん、そこからのスタートですので、実際に外れるのは3~4歳という子もたくさんいますよ。
赤ちゃんにとって、愛着のあるのがおむつです。それを離れるには、「おむつはダメ」と否定するよりも、「トイレでやったら気持ちいい、うれしい」という感覚を持たせることが大切です。反対に、おもらしをしたときは、怒ったり落胆したりせず、「嫌だったね」「気持ち悪かったね」と、子どもの気持ちをママが代わりに表現するようにします。
●ケガ
「キズは潤すことで、早くキレイに治る」という”モイストヒーリング”
まず、傷口の汚れをキレイに洗い流し、モイストヒーリング用のキズケアパッドを張ります。かさぶたを作らない治し方です。キズは乾燥させると、治るのが遅くなってしまうのです。また、かさぶたができると、傷口の再生が妨げられます。消毒液は傷口の最近だけでなく、細胞にもダメージを与えてしまいます。”モイストヒーリング”は、キズが早くキレイに治るだけでなく、キズを密閉しておくことで感染を抑えたり、乾燥による傷口への刺激が少ないため、痛みを減らす効果もあるんですよ。
●応急処置
永久歯の場合、そのまま牛乳に入れるか、子どもの口(舌の裏)に入れて、すぐに歯科へもって行くと、再植できる可能性があります。このとき、抜けた歯を水で洗ってしまってはいけません。
●役立つサイト
小児救急電話相談事業
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
TEL : #8000
こどもの救急
http://www.kodomo-qq.jp/
都道府県救急・夜間診療情報
http://www.wam.go.jp/iryo/link.html
感染症情報センター内予防接種ページ
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/vaccine-j.html
乳幼児の事故防止と災害対策について
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/shussan/nyuyoji/index.html

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