これから日本市場で何が起こるのか

ニューミドルマンが資本主義市場を進化させる
ネット革命が市場にもたらす12の変化

12年も前に書かれたことが次々と現実になっている。
やっぱりこの人、すごい。
例えば、つい一年ほど前にはやった「FREE」の概念も、
既にこの時点で書いている。
最後の「神様と手を結ぶ」(プロシューマ型開発)のところも、
改めてヒントをもらえた。
振り返りの為に手にとった一冊。
今回もまた、いくつかなビジネスアイデア・ヒントをいただいた。
ありがとうございます。


●ネット革命の本質

・ネット革命とは、「情報産業の問題」ではなく、「産業の情報化の問題」であり、「市場の情報化の問題」
・「ハイ・テクノロジー」がもたらすものは、「ハイ・パフォーマンス」(効率化)ではなく、むしろ「ハイ・タッチ」(触れ合い)である
×店舗も店員もいらない「電子自動販売機」であるという誤解
×コストののかからない「電子カタログ通販」であるという錯覚
・インターネットは、巨大な「商品データベース」になりつつあると述べましたが、さらに、それは、巨大な「商品ナレッジベース」へと進化していくのです。

MindSetといえるところ。
言い方をかえれば、InternetをひとつのDB, KnowledgeBaseととらえることができたら、
企業とう垣根はなくなり、意識がひとつになっていくのだと思う。
●法則 摂理

・顧客のニーズがあれば、市場はかならずそれを実現する。それが技術的に可能であるかぎり、かならず、それを実現します。たとえ、そこに「コストバリア」があるとしても、それも、コスト削減の努力によって、かならず、クリアしていきます。
・市場というものは、つねに「個性的な展開」をする。たとえ、そこにマクロな一般的傾向のレベルで「世界共通のトレンド」や「普遍的な摂理」があったとしても、ミクロな具体的展開のレベルでは、市場はかならずしも、世界中で同じような動きをするわけではないということです。国が違えば、文化が違います。人々の生活習慣も行動スタイルも違います。したがって、たとえ、世界の市場における一般的傾向が各国共通でも、各国の市場における具体的な展開は、かならず、その国の条件を反映した「個性的な展開」となります。
・流通革命の摂理
「物流」の場合
  流通革命は、いつまで続くか?
  マージンがゼロになるまで続く。
「情報流」の場合
  流通革命は、いつまで続くか?
  ナレッジがフルになるまで続く。

法則の部分。
ここを知っているかどうかで、大きな違いが出る。
道を読み間違えないように。
●ニューミドルマンのあり方

・企業は顧客に対して「商品」を売る前に「情報」を提供しなければならなくなります。しかも、その「情報」も、単なる付加価値の低い「データ」のレベルの情報ではなく、付加価値の高い「ナレッジ」のレベルの情報を提供することが求められるようになります。
・顧客中心市場の時代に、「それは、当社の責任ではありません」と対応する企業は、顧客から見捨てられる FAQをつうじてのナレッジ・マネジメントが、企業内のナレッジ・マネジメントから企業間のナレッジ・マネジメントへと進化していくことを意味しています。
・ニューミドルマンは、顧客に対して「私にあなたのニーズを聞かせてください。そうすれば、あなたのニーズを満たす商品に関する情報を集めてきて、あなたに提供します」と言ってビジネスを行うのです。
・「マーケティング」が死語になる。すなわち、ビジネスモデルの主流が、これまでの「マーケティング促進」のビジネス・モデルから、「ショッピング支援」のビジネス・モデルへと変わっていくのです。「商品をいかに顧客に売りつけるか?」という発想の企業ではなく、「顧客のショッピングをいかに手伝えるか?」という発想の企業が伸びていくのです。
・ワンツーワンマーケティングではない。
セス・ゴウディン(ワンツーワン・マーケティングの手法について書かれた名著 eマーケティングの冒頭より)
「ネット革命によって、企業は非常に安いコストで、多くの顧客と対話することができる」
セス・ゴウディンの言葉の逆を考えてみると…
「ネット革命によって、顧客は非常に安いコストで、多くの企業と対話することができる」
この言葉もまた、真実なのです。したがって、私たちが理解しなければならないことは、これからやってくるのは、「ワンツーワン・マーケティング」の時代ではないということです。「ワンツーワン・ショッピング」の時代なのです。
・率直に言えば、高度なナレッジもノウハウもマインドも持たない「素人まがい」の店員に現実ショップで対応されるよりも、しっかりとした専門知識と専門的判断、さらには顧客対応技術を持った熟練のスタッフに、ネット・ショップで対応されるほうが、顧客にとっては、よほど「ハイタッチ」なのです。
・「商品生態系」と「バリューチェーン」の違い
 その違いを端的に言えば、「視点」の違いです。バリューチェーンとは、あくまでも「企業の視点」に立った市場の見方であり、商品生態系とは、「顧客の視点」に立った市場の見方です。商品生態系という考え方は、あくまでも顧客のニーズを基点に、どのような商品が、そのニーズを満たすかというしてんで市場を見るのです。(ひとつの商品の流れではない)
・サプライ・チェーン・マネジメント → デマンド・チェーン・マネジメント

具体的にどういうことがおこるのか、どうあればよいのか
そのポイントとなる部分。
私の立ち位置も、このあたりにある。
(流通業のITにいた頃とは微妙に違うのだけど)
●これからの戦略

・マイケル・ポーターの苦言 …日本の経営者は、「戦略」とは「合理化」のことだと思っている
・「書籍」とは、単に「数ある商品のなかの一つの商品」ではないからです。端的に言えば、それは、「顧客のすべてのニーズをカバーした商品」なのです。「書籍」というゲートウェイを押さえているということは、いわば、「ゲートウェイのゲートウェイ」を押さえているとも言えるほど、有利なポジションなのです。だから、アマゾンは、「アマゾン・ドット・コム」なのです。
・「競合他社の商品」にもゲートウェイしなければなりません。なぜならば、それをしなければ「バイパス」されるからです。この「バイパス」という言葉は、いま、アメリカで「ゲートウェイ戦略」と一対で語られる言葉であり、ニューミドルマンのゲートウェイ戦略とは、いわば、「顧客にバイパスされない戦略」であるとさえ言えるのです。

逆に顧客の立場から言えば、
賢い顧客としては、
「中立性を書いた偽ワンテーブルサービスを、いかにバイパスするか。」
「囲い込みをいかに抜け出すか。」
それがポイントということになる。
総合病院で治療を受けること、総合大学で学ぶこと、百貨店で買い物をすること
テレビでStandardを押し付けられること…色々ある。
それが本当に優れたパッケージなのかどうかを見極め、そうでないなら、
あっさりと捨てる。
●パッケージとセミオーダー

・ある限られたコストの範囲内で、どのような商品を、どのように組み合わせて買うのが最適なのか。そうした専門家の高度な判断が組み込まれた「パッケージ商品」があります。こうした商品を買うときの顧客は、無意識に、その専門家の「目利き」の智恵を買っているのです。
→自分のビジネスの世界でも、これがつかえる。●●パッケージ
・日本の料亭
 「女将、今日は何がお勧めかな?」
 「今日は、旬の○●が入荷していますよ」
 「では、それで適当に…」
・欧米のれ高級レストラン
できるだけ「細かく」オーダーを聞く店が、呼吸奈店ということになっています。
食前酒の選定からはじまって、オードブル、スープ、サラダ、サラダのドレッシング、メインディッシュ、肉の焼き方、ポテトの種類、ソースの種類、食後のチーズ、デザート、コーヒーにいたるまで、質問の連続です。
…いったいどちらが、優れた商品なのか?という問いは、あまり意味がありません。どちらも優れているのです。問題は、ある場面で、顧客がどちらのタイプのニーズを持っているかです。問題は、それを適切に判断することです。

確かにそうだ。
自分がとても詳しく興味ある分野についてはセミオーダーの方が、
あまりこだわりたくない、興味の及ばない分野については、パッケージの方が楽なのかも。
それともっと重要なのは、相手に対する信頼。
信頼できない人にパッケージを頼むのは、危険。
信頼している人の選択眼なら、安心して任せられる。
ということは、信頼できないパッケージばかり売られている市場、だまされている市場に、
セミオーダーのサービスを持ち込むというものもよいし、
煩雑でどうにか任せてしまいたい商品を、専門家して統合するというのも、
自分の役目であろうと思う。それこそが顧客のニーズだ。

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