リクルート流

最強の「営業力」のすべて
「日本を代表する人材輩出企業」で学んだセールスの極意を論理化・体系化

前に呼んだリクルート式の前編にあたる、リクルート流。
営業の人って、どうも体育会系のノリの人が多くて、疲れる人が多い。
でも彼はMBAホルダーだけあって、品があるというか、論理性も光っている。
だから、私のような体育会系とは縁のない私にも、元気をくれる。
リクルートの根底に流れている営業マインド、ほんとにすばらしい!

●営業力を磨くために マインドセット

・よく「量より質だ」と言われるが、それは量をこなした人間のみが到達した領域に過ぎない。質を極める近道は量だと先人たちが気づき、伝えたことなのだろう。
・だいたい一日3~5社訪問し、一社あたり一時間半は面談しているが、最初の30分とか一時間は雑談というか、業界の話や競合の話や経営の話をする。中小企業の社長や大手企業の役員、部長に毎日、その業界のライブ情報を聞いていたのだ。こちらはこちらで聞いてみたい個人的な質問もあるわけで、そんなことを二年、三年続けていれば、ほとんどの業界の社長、上級管理職の関心事が何かということがわかってしまうし、相当の経営の知識が蓄積される。
・企業の最終決裁者は社長である。だいたい一担当者、一課長、一部長が、あなたのアプローチを拒否する権限があるのたろうか。プライドはそのくらい大切なものだ。
・知らないことを聞けるのは二十代のうちだ。三十代、四十代だと逆に「大丈夫か?」と疑念を持たれてしまうので、注意していただきたい。

きっと、法人営業に限らないのだろうと思う。
とにかく、顧客に興味を持ち、顧客と話すこと。かかわること。
それを続ける努力をしてみようと思う。
B2Cならネットでも十分にいけるはずだ。

●モチベーション

・営業力の源泉の中核にある概念は「効力感」である。無力感の対義語で、自分の活動が顧客や所属部門のここに貢献できたとか、役に立てたと実感することである。
・リクルートのマネジメント原則として、「すべきこと」「やりたいこと」「できること」という三つの視点がある。この「やりたい」という意思をとても重要視する。判断や決断を誰かに委ねるという文化は希薄で、まず自分がどう思うか、どうしたいかを大切にする。「やりたいこと」というものは、そこに動機があるからエネルギーに満ちているし、主体者意識が、高いモチベーションを維持してくれる。
・人の命令にしたがって成功や失敗をしても、あまり得るものはないが、自分で決めて実行した成功体験や失敗体験は、それこそ、その後のキャリアの糧となっていく。
・顧客に関心が持てないと思った時点で、営業は失格と心得たほうがいい。顧客についてどれだけ詳しくなれるか、ということは、顧客への関心の高さと正比例するのだ。
・自己認識 営業力を握る大きな鍵
何が悔しかった人か
何ができなかった人か
何がコンプレックスだった人か
どんな時に仕事に対するやる気が出るか
どんな時に仕事に対するやる気を失うか
喜怒哀楽のポイント(何に喜び 何に怒り 何を悔しがり 何を楽しむ)
すべきこと
やりたいこと
できること
意思決定の際、大切にしていること

実はこの部分がもっとも自分の心に響いた。
最後の「鍵」を書き出すエクササイズ、やってみよう。
それだけで、自分のライフワークが見つかるかも。

●顧客になりきること

・「ギブ・アンド・テイクなんて十年早い。二十代はギブ・アンド・ギブで十分」というスタンスで先輩から育てられた。どうしたら社長の役に立てるのだろうと考えるうちに、その結果として、類は友をよぶように人的ネットワークも広がってきた気がする。
・「顧客の立場に立つ営業は、顧客になり切ってしまった営業に確実に負ける」
・「消費者はドリルを買っているのではなく、0.5インチの穴を買っているのだ」
・二つ目は商品・技術のベネフィット(便益・効用)に関する知識や造詣である。この知識が加わることにより、営業のトークに深みが出て、顧客として多角的にその話を評価することが可能になり、会話もはずむ。
・三つめは商品・技術の採用側に関する知識である。その商品によって当該企業の何がどう変わって、それによってどのくらいのコストが低減できるか、あるいは売上が拡大するかといった兆しを示し、その商談スペースの室温を熱気でひとまず上げてから、機能なりを説明する順のほうが、受注率は5倍以上高まる。
・Empathy 感情移入

コピーライティングを学んでいたから、
このあたり、まったく同じだということを再確認するのみ。
基本部分の理解は、よさそう。

●行動力・行動スピード

・リクルートに脈々と流れる営業哲学
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
「知らないことは客に聞け」
「走りながら考えよ」
・リクルートの場合は、とにかく速い。依頼を受けた次の瞬間には受話器を握っているか、内線番号表で内線番号を調べているのが普通だ。そして相手がつかまって用件を伝えた後、「じゃ、なるはやで」と受話器を置く。

営業の世界に触れると、
管理部門の人間関係の悩みなんて、遊びみたいなものに思えてくる。
逆にいえば、そのマインドセットで管理部門で仕事をしたら、
ものすごいスピードとHappyがやってきそうな感じ。
すぐに実践しよう。

●アポイント

・その課題や期待に触れ、その課題や期待の真芯を射抜くようなキーワードを発すれば、よほどのことがない限りアポは取れる。
・アポ獲得率を高めるためには、ひと手間かけて紹介者を探せば、アポ獲得率は100%近くなる。
・リクルートの営業は、新人の第一日目であっても、部長にアプローチするのがセオリーだ。目安としては、従業員300名以下の企業に対しては社長にアプローチするのが定石であり、最悪、役員でなければならない。一部上場、有名企業の場合でも、部長にアポを取る。「最初から決裁者に会え、決められる人に会え」ということである。もちろん話が決まれば、実務は課長や担当者とやることになるが。

コピーライティングの本質と同じ。
セールスレターとは、営業トークを文字に起こしたものだ、
というMr.Xから学んだ原則と同じだ。

●テクニック

・社長・経営陣に提出するプレゼンテーション資料と、部長向け資料、担当者向け資料が同じではまずいということだ。基本は、多忙な社長、経営陣向けには、プレゼン資料は一ページで、必ず数字的根拠を盛り込むことだ。部長向けにはやや情報を多くして、基本は三ページの線だ。そして担当者向けには、部長、経営陣から質問されても恥をかかせない情報を盛り込める分量が基本となる。
・せっかく洗練されたプレゼンなのに、メモを取るのに100円ボールペンなど出されてしまうと興ざめしてしまうし、資料をヨレヨレの会社の手提げなどに入れて来るのもシャビー(みすぼらしい)に見えてしまうので、感心しない。営業マンの三種の神器は、ボールペン、カバン、腕時計である。このへんは商売道具なので、せめて給料の一ヶ月分くらいは注ぎこんでほしいし、スーツ・ワイシャツ・ネクタイも、”勝負服”には投資すべきだ。
・「プレゼン聞いたばかりだし、私の一存では決められないよ。せっかちだね、大塚さんは」というお決まりの反論が来たら、そこで、次の受注までにすべきこと、その期限の話に展開できるのだ。「すみません、せっかちで。○○部長の一存で決まってしまうと思っていたものですから…」と言って黙っていれば、○○部長のほうから社内手続きや、競合の動きを話してくれる。そこで結論の日時を決めれば、その日になれば白黒がつくし、受注に足りないものがあれば、それを示唆していただき、再チャレンジの動きとなる。

確かに。個人向け営業ではさほど関係なさそうな部分もあるけれど、
三種の神器あたりは共通だし、心構えは同じなのだろう。

●組織の特質

・権限委譲が進み、課長、係長にまで決裁権が下りている企業は、情報量も多く、課長、係長も明確な決定基準を共有し、自分の考えを自分の言葉で語れる優秀な人材ばかりなので、是々非々で、単刀直入にアプローチするのが正攻法となる。一方、売上が数百億円レベルの一部上場企業や、それに匹敵する規模で、役員の決裁権が数十万円といった企業は要注意だ。社長が相当ワンマンか、社員を信頼できない事情が見え隠れすると判断してアプローチするのがベターだ。

営業の話とは直接関係ないけれど、
前の職場が、まさにそうだった。
権限移譲の全然ない企業。息苦しかった。

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