YESかNOか、まず結論から決めろ
ひと昔前と違って、
メールはもちろん、TwitterやBlogなどのソーシャルアプリを
日常的に使うようになった現代の子どもたち。
彼らの文章能力は、むかしの子と比べると
遥かに高いんじゃないかと思う。
●禁句
・YES、NOの理由は、感情論でなく「なぜ自分はそう考えるのか」を冷静に説明しろ
・感情的という意味では、たとえば「許せない」や「〜するべきだ」という言葉は、小論文では禁句だと思っていい。小論文は、自分とはちがう立場の人の言い分や立場を理解したうえで、自分の考えを相手に伝えて説得するものだ。しかし、「許せない」という言葉は、自分とはちがう言い分や立場を頭から認めないということである。「〜するべきだ」も同様で、これは自分の意見の押しつけにほかならない。小論文は、自分とはちがう意見をすべて否定したり、自分の意見を押しつけるものではない。そのためにも、自分はなぜYESまたはNOと思うか、その理由を冷静に分析し、述べることが必要になってくる。
そういえば私はよく「すべき」という言葉を使う。
これは意見の押しつけであって、論理的ではないのだ。
このこと、よく噛み締める必要がある。
●お手本
・”キラリと光る意見”のお手本は、「天声人語」よりも、ビートたけしの意見にある
・棚おろしされたアイデアの中から、自分がもっとも書きたいことをひとつ選び、それについて、さらにつっこんで考えていく。
・小論文用のネタは、5つの分野から仕入れておけ
「科学技術」「国際化」「高齢化社会」「女性問題」「人間とは〜である」
・小論文用の”教養”を効率よく身につけるには、過去の入試に出た、現代文や小論文をザッと読んでみて、おもしろそうなところを盗めばいい。入試問題に出る文章は、いろいろな書物の中から、筆者の主張かもっともよく出ている”エッセンス”を抜き出したもので、いってみれば、おいしいところだけを集めた”ちょっといい意見”のダイジェスト版ともいえる。
・過去問は、受験生にとっては、そうした本(一冊のぶ厚い本)よりはるかに興味をもって読めるだろうし、いろいろな立場の意見に接することができるから、ネタ探し、”教養付け”には、まさにうってつけなのだ。
確かに、世論にノーの視点をもちころる頭の良さ、
TVタックルなんかでもよさそう。
天声人語みたいなのばかり読んでたら、バカになる。
●考えのまとめ方
・3What-3W-1H
What(定義):この場合、キーワードはどんな事柄を指していっているのかを自分なりに定義してみる
What(現象):いま実際にどんなことか起こっているかを考えてみる
What(結果):これからどんな事態が起こると予想されるかを考えてみる
Why:なぜそうなるのか、原因・背景は何かを考えてみる
Where:外国など、ほかの場所ではどうかを考えてみる
When:いつからのことか、違う時代ではどうかを考えてみる
How:対策としてどんな方法があるかを考えてみる
これは、思考のフレームワーク。
小論文に限らず使えるナレッジスキルだろうな。
●設問タイプ別の論の張り方
・どんな形の設問が出ても、まず、YESかNOを答えられる問題につくり変えろ
・原則として、課題文がある場合には、筆者の主張にNOの立場をとるようにするといい。
・課題文の形式は、いろいろあるにしても、何かを訴えていることには変わりない。グラフや表も、数字によって、何かを述べていることがあるはずだ。いずれにせよ、課題文があるときは、何を訴えようとしているのかを読み取り、その訴えていることがらに対して、自分の考えはYESかNOかを答えるようにすればよい。
・課題文に表やグラフがあるとき
1)数字の極端な差があるところに目をつける
2)1)から読みとれることと、世間一般にいわれていることが同じかどうか考えてみる
3)2)を参考に、表やグラフで読みとったことに対する意見を述べる
あとから述べる一部の例外を除くと、
原則はこのNOでいいことになる。
教科書をなぞるだけ、与えられた正解だけを覚える記憶力君は、
本当の頭のよさとは関係ないということ。
NOといって異なる視点を持ち込める頭脳こそを、
小論文てせはかられているのだ。
・つまり人によって意見が対立するような命題を立てることが、受かる小論文を書くコツといっていい。簡単にYES、NOがいえるような命題では、おもしろいものにはなりにくい。
・「AとB」式命題では、かならずAとBのあいだに対立関係が見いだせるからだ。そこで「AとB、どちらを重視するか」という視点から考えていくのが、命題をつかみ出す早道である。
どのような観点(斬り口)でとらえるのか。
つまり、答えは問いの中にあるというように、
問いの立て方に、既にその人の知性があらわれるということなのだろう。
・課題文にNOと言える部分が見つからずに困ったときは、筆者自身を攻撃しろ。
「この発想はたんなる西洋カブレだ」
「これは強者の論理だ」「弱者からみれば…」
「これは年寄りの理屈だ」
なぜ、筆者はこう書いたのか、この文章はどういう考え方から出てきたのか、と考えることによって、筆者の中に流れている根本的な考えをつかむと、NOも出しやすい。
・課題文にYESと言うときは、筆者゛かふれていないYESの根拠をさがせ 筆者の言い足りない部分、意味が曖昧な部分を見つけて、積極的に自分の考えを補足していく。そうすれば、十把ひとからげではない、独自の主張を持った光る小論文が書ける。
・反論の余地がない部分まで要約してしまうと、うまく反論できるはずがない。反論できそうな部分を中心に要約して、そこに矛先を向ける。
・「Aは…といっている」「Bは…といっている」と二つの意見を要約し、その折衷案として、双方の言い分をとり入れ、「こういう家をつくるべきだ」と書いても、受かる小論文にはならないだろう。受かる小論文にするには、まず、意見提示で両者の考え方がどのうに違うかを書き、つぎに、自分はどちらの立場を支持するかを書く。
どうしてもNOと言えない場合だってある。
この時も、ただの優等生にならないように。
・自分の体験を書かせる設問では、「その体験から何を学んだか」を命題にして書け 一般に出題する側がこの種の”作文”に期待しているのは、論理性より、その人の考え方とか人柄であることが多い。つまり、YESかNOかを求めているのではないので、この場合は、命題の立て方も、ほかの設問の場合とはちがってくる。
・どうにでも解釈できる課題文を与えられたら、身近なテーマと結びつけるのだけはやめよ
・エッセイなど主張のはっきりしない課題文は、読み取ったテーマに無理にNOと言うな
エッセイや体験談をみてもケンカ腰になっているようでは、中学生と同じ。
つまりこのタイプの設問で求められているのは、
内省する力とか、自己分析能力なのかも知れない。
●ウソを書く(創作する)
・私は、おもしろいと感じるなら、小論文では”ウソ”をついてもいいと思う。
・フランスの小中学校の作文の時間には、たとえば「天国にいる聖徳太子と豊臣秀吉が憲法について論じるとどうなるかを書け」といったような問題が出される。事実や体験をありのまま書くよりも、たとえ架空の話でも、説得力のある論理をどう組み立てるかが重要視されているのだ。
確かにこれは、わかる。
現実世界でやってしまうクセがつくと
ちょっと問題だけど。
●問題提起部の書き出しパターン
1)定義・分類で始める
レジャーとは、英語では、元来「暇」つまり、労働から解法された時間のことである。したがって…
2)客観的事実(テレビ・新聞・本など)で始める
ある大学の書店でよく売れている本のリストを新聞で読んで驚いた。…
3)個人的体験で始める
予備校生のぼくは、町を歩いていると大学生と間違われてパンフレットをもらう。…
4)とんでもない結論で始める
大学のレジャーランド化が言われて久しい。大学が勉強するところではなく、遊ぶところになっているという意味らしい。しかし、そのどこが悪いと言うのだろう。…
・テーマと命題を結ぶための書き出しパターン
1)AといわれるとBを連想する
2)Aの問題はBの問題に集約される(つまり、「国際化」という設問のキーワード(テーマ)をわざと入れることで、設問の主旨を理解しているのだと、まずはじめにアピールするのである
3)Aの問題をせんじつめていけばBの問題になる。
4)現代の日本でAといえばBの問題につきあたる
・「多くの人のあいだでは、AのほうがBよりも重要だといわれているようだが、はたしてそれでいいのだろうか。たしかにAが大事とされる場合もあるだろう。しかし、私はBのほうをより重視すべきだと考える。私がBのほうがいいとする理由は…」このパターンにA、Bをあてはめ、問題提起部から意見提示部へと移っていくといい。
自分の場合は、
暗記すると却って混乱するというか思考を制限されそうなので、
困った時に思い出すぐらいがいいかもしれない。
●展開部の書き出しパターン
1)意見提示を受けて、その原因について展開していく場合
「その背景には〜という事情がある」
「では、なぜそうなったのだろうか」
2)意見提示を受けて、その結果から展開していく場合
「その結果、どんな事態が起こっているだろうか」
「〜とは裏をかえせば…ということである」
「ところで、最近○○が問題になっているが、その原意にも今までのべてきたことが関係あると思える」
3)意見提示を受けて、その原意んを社会的な見方から展開していく場合
「〜とはそもそも…である」
「〜を○○的(歴史・経済学など)に考えた場合…ということになる」
これも、問題分析のシンクタンク系のフレームワークを
何かひとつ理解していれば、覚えるほどのものではない。
まぁ、高校生には必要なのかな。
●展開部
・展開部は、社会一般の話から書き始めろ
・展開部では、社会一般にまで論を広げると説得力が出る
・展開部では、自分の主張を裏づける理由を一つだけに絞って書け
・もし箇条書きにした二つの文が、「なぜなら」「だから」でなく、「そして」「また」で結ばれるようだったら、それぞれ異なったことを言っていることになる。異なる意見を羅列しても、論旨の焦点がぼけてしまうので、これは書かないようにする。
何でも社会一般に広げるというのが、どうも高尚な感じがするのだけど、
社会的な視点を持っているかどうかをみるためには、この方が受けがよいのかな。
個人的には、自分の個人的な体験の中に思考を深化させるほうが
頭のよさがわかりそうな気がするけど。
●結論部
・結論部で、「〜でなければならない」とか「私は、〜しようと思う」などと、頼まれもしないのに努力目標や反省を書く受験生がいる。こうした決意表示、意思表明は、一見カッコよく、結論にはもってこいのように見えるからだろう。しかし小論文に求められているのはあくまでも論理性である。こうした結論の書き方は、せっかくの小論文を作文や感想文のレベルに落としてしまうだけだ。また、「はたしてこのままでいいのだろうか」などと、妙に余韻を残した書き方をしようとする人もいるが、これもおなじくダメだ。こんなところで問題提起をしてしまったら、いままで述べてきたことはなんだったのかということになり、収拾がつかなくなってしまう。
・とにかく最後は「私は〜と考える」「〜だろう」などと、簡潔に終わらせるのが鉄則だ。結論は、あくまでエンドマークの代わりに書いているだけだと考え、いままで書いた内容からはみ出したことを書かないことだ。もちろん”余韻”なども小論文には不要だ。
たしかに、小学校のときにならった作文の授業ぐらいしか知らないと、
こういう綺麗事をかいてしまう人、多いのかもしれない。
多くの大人でさえ、こんな感じなのだから。
●記述の基本ルール
・マス目が空いてしまったら、その部分に線を引いて消したり、矢印を引いて、「このマスは飛ばして読んでください」と読み手にわかるようにしておくこと。
・たとえば「尊敬する人」という課題だったら、自分が実際には夏目漱石を尊敬していたとしても、三島由紀夫や太宰治など、好く人、嫌う人がはっきりわかれている作家を選ぶ。ただしこうした人物を選ぶさい、社会的には否定されている人物、たとえばヒトラーや犯罪者などを選ぶのは、思想チェックを受けるおそれがあるので避けたほうが賢明だ。また志望学部に直接関係のある分野の人物も、避けたほうがいい。自分よりはるかにその人物に詳しい人が採点官にいたりすると、みずから墓穴を掘る危険がある。