神話の法則

Writer’s Journey 夢を語る技術
ストーリーテリングの世界的なベストセラー

絶版本。
どうしても読む必要があって、Amazonで状態のよいものを倍額で手にいれた。


このヒーローズジャーニーは、大筋は賛同できた。
でも、ふたつの疑問が。
1. この神話が有効なのはいつまでなのだろうか?もう少しで通用しなくなるのでは?
2. ヒーローの「犠牲」という概念は成長に必須・神聖なものなのだろうか?
犠牲と復活といってイメージするのは聖書。
確かに、聖書が身近な文化圏に生きる人たちには、わかりやすいのかも知れない。
でも、今は過渡期。
デカルト二元論的な「分析」から主客融合の「観照」に、
西洋と東洋の融合
男性性主導の社会/文化から、女性性が理解される社会/文化へ
Give&TakeからGive&Giveへ
マネタリー経済からボランタリー経済へ
こういう新しい時代では、
必ずしも「犠牲」と「復活」による成長というストーリーが
必須ではなくなるような気がする。
ヴィジョン心理学などによると、
犠牲とは、潜在意識にある罪悪感を根本にしているものであり、
偽善の側面がある。ということになっている。
そういう見方もある。
むしろ、犠牲など必要ないのだと。
そういうば、罪悪感→原罪というものも、キリスト教の言葉にあった。
仏教においても確かに修行はあるものの、それは苦行ではなく「中道」である。
もちろん、菩薩(VodhiSattva)の行いのいくつか犠牲にもみえるけれど、
それは、西洋でいうヒーローの犠牲の発想とは、同じものなのだろうか?
結果として到達する場所が同じであるのは、いい。
私もそう思う。
しかし必ずしも、そこにいたるプロセスに犠牲をともなうのかどうか、
そのプロセスが共通なのかどうかは、少し疑問だ。
このような(ハリウッド的な)ストーリーを何度も瞑想することは、
「成長には必ず犠牲をともなう」という、固定観念を植え付ける危険がある。
つまり、犠牲をともなう必要がある、という暗示が、
本当にそのような人生をつくってしまう。
しかし私は、そのような道を歩いていない人たちを知っている。
私は、人生のストーリー、自己暗示を解く鍵として
このライターズジャーニーのパラダイムを理解・活用するのはよいとしても、
それを唯一無二のパラダイムだと思わないように、注意しようと思った。
なお個人的には、このヒーローズジャーニーの各プロセスは、
マーケティングやセールスに使えることはもちろんだが、
これは人生だけでなく、SEXにも、音楽にも、あてはまると思った。

タイトルとURLをコピーしました