気鋭の人気女流作家が初めて書き下ろした中年女性のリアルすぎる性欲
オパサンの取扱説明書
ビジネスの先生の薦めで、手にとってみた。
文章が口語調で、気取っていなくて、ホンネをしゃべっていて、とてもわかりやすい。
そしておもしろい。あっという間に読んでしまった。
■都会と田舎の違い
若いうちに嫁に行ったら、すぐ子どもを産んで落ち着いて、急いで老けろ、みたいな煽りもセットでついてきます。若くなければ花嫁になってはいけないのに、嫁になったら今度は若くあってはいけないのですわ。都会から見れば矛盾も、田舎では常識化しています。離婚して35歳で上京してきたときは、同世代の女性の若さと娘さん意識にびっくりしました。50歳を過ぎていても、どこかで自分を女の子と思っている女がいっぱい。
地方育ちの結婚した女性は、だまされやすいのかも知れない。
日常のときめきをくれる相手もまた、普通の男であって欲しいのです。強いていえば、自分好みの方向に普通より何かちょっと飛びだしていればよし。あまりにも劇的すぎる男だと、まずは結婚詐欺師かマルチ商法の勧誘ではないかと疑ってかかるようになりますからね。そういえば、十代の童貞少年とベテランのホストが同じ口説き文句を口にする、と聞いたことがあります。ぐるっと一周回ると、同じ所に戻るのね。極めた料理人が、結局は日常のご飯が美味しい、となるように。
ちゃんと私を見ててくれたのね、というのは、「私も実は前々から、彼を好きだった」という思い込みにもつながります。
■娘さん意識とオバサンが望むものの違い
そもそも熟女が好き、年増が好みの男は、マザコンとなめられ罵られる男達ではありません。むしろ女の真価がわかり、女を本当に好きな見上げた男達なのです。… 西原がオカン感でモテるのも、大いなる許し、みたいなものを彼女がくれるのが体感できるからです。同世代のモテない女って、何か人を許さないぞ感がありますもん。頑なな潔癖さの魅力は、小娘にやっておきましょうや。
おままごとを始める幼稚園児の頃から、女の子はお母さん役をやりたがるではありませんか。いわば物心ついた頃から、女はお母さんなのです。
非日常を望む「女はいつまでもお姫様」論とは正反対の考え方だ。
それよりも「お母さんぽい」の方が誉め言葉になるケースがあるとのこと。
■娘さん意識の抜けないオバサン
「あんたのお母さんじゃないわ」と嫌な顔をするオバサンだっていますし、魔性の女と憧れられ、どこか怖がられなければ充足できないオバサンもいます。… 子どもの頃のままごとでも、お母さん役ではなくお姫様役ばかりやりたがったタイプですね。
人気稼業であるホストやホステス、風俗嬢にタレントなんかでも、売れてない人のほうがナルシスト傾向は強いです。他人にちやほやしてもらえない分、自分で自分を鼓舞しなければならないから。苛烈な競争の場に置かれない分、自分をとことん美化できるから。
確かに、こういう人たちもいる。
■マーケティングにも応用できる話のいくつか
すべては場所です、場所。場所さえ選べば、この世にモテない人なんていません。逆にいえば、すべての場所でモテる人もいないのです。… 自分が行きたいところより、自分が求められるところを目指すのが楽しい旅となます。そこで待ってくれている異性の相手は、性格には待ち構えてくれている、のです。
乳酸菌飲料の配達や、訪問販売をしている人に聞きますと、訪ねた部屋を見て、すごくきれいだと「買ってもらえない」とがっかりするそうです。「部屋がきれいすぎる奥さんは、頼んだものしか買わない。予定していたものしか受け付けない。この商品もお勧めですよ、今キャンペーン中でお得ですよと言っても、取りつく島もなく「これだけで結構です」とはねつける」… 男に対しても、同じですね。そもそも部屋が隙なく整えられた女は、ほいほいと男の誘いにものってきません。
異様に汚いのは… このような女と付き合えば、最初の頃の自分は高価な貴金属として扱われていたはずなのに、気がつけば使用済みの紙おむつと一緒に捨てられていた、なんて事態になるのは避けられないかもしれません
■わかりやすいタイプ分類
オバサンは「商人」「職人」「芸術家」に分けられる
とにかく商品価値のある女として高く買いなさい、金のかかる女でいさせなさい。私がいるだけで、満足しなさい。だってあなたが私を欲しがったのだから。私はあなたが、高い金を惜しまないでいられる女なのだから。それが商人女。
高値はつけてくれなくていいから、料理にしてもセックスにしても技能を認めてください、努力を評価してください。だってあなたが、私に信頼を寄せてくれたのだから。ご要望にはとことん応えましょう。それが職人女。
私を見て、私を誉めて、どう、私ってきれいでしょ。家事は何もできなくても、女としての飛びぬけた魅力を、説明できない魔性を賞賛して欲しいの。だってあなたは、私に憧れているのだから。それが芸術女。
職人女がいちばんプライドが高いとのこと。
各タイプ別に、接し方みたいなものも書いてあった。本のタイトルにあるセックスの話は抜きにしても、この部分は日常的に40代の女性と仕事で接する上では、とても役に立つと思われる内容だ。