草食系男子の恋愛学

モテ本にはない真実の恋愛生き方指南!

昔、この本の著者、森岡正博さんが書いた
「宗教なき時代を生きるために」
に深く感動したのを覚えている。
そんな彼が、恋愛についてどんなことを書くのか、
気になってちょっと読んでみた。

●最重要ポイント

・何をしゃべってもけっして否定されないし、馬鹿にもされないという安心感は、私が生まれてはじめて味わうものであった。私はそれまで、常に他人からの批判を恐れながら、言葉をしゃべっていたのだった。記憶は一気に、子ども時代にまでさかのぼった。
・心の奥深くまで届く優しさとは、具体的にどのようなものだろうか。それは、女性の心が激しく揺れ動いたときに、彼女から逃げることをせず、彼女と一緒になって、二人の関係をつむぎ直していくような優しさである、と私は思う。
・女性の心の揺れやとまどいを受け止めて、彼女の前からけっして逃げずに、彼女と一緒になってやりとりを続けていくことこそが、女性の心の奥深くまで届く「優しさ」である。性急に解決策を求めるのではなく、彼女の心の揺れやとまどいに伴走し、彼女の心の緊張がほぐれるようになるまで、一緒に時間を共有していくのである。そのうえで、彼女の訴えを冷静に聞いて、彼女と向き合っていくのである。
・こういうとき、男は、女性の感情の起伏につき合うのが面倒になって、うわの空で返事を続けたり、ひとりで映画を観に行ったりしがちである。彼女を一人にしておけば、そのうち気が晴れるだろうと考えてしまうのである。だが、実際には、彼女の気は晴れない。彼女のことを見捨てて離れていった男に、女性は心から失望するし、彼が言っていた愛の言葉はぜんぶ嘘なのではないかと疑い始める。自罰的な傾向のある女性は、男が離れていったのは自分が悪いからだと思い、一人で絶望の淵に落ちていくことだろう。
・心の奥深くまで届く優しさとは、女性の取り乱しや、とまどいや、怒りや、自罰感情などの気持ちからけっして逃げることなく、「僕はここにいるよ、けっして逃げたり、見捨てたりせずにここにいるよ」というメッセージを、彼女に送り届けることである。
・もちろんあなたも人間だから、彼女の言葉を聞いて感情的になったり、声を荒らげたりすることもあるだろう。だが、そういう状態になりながらも、彼女の前から無言で立ち去ったり、彼女を見捨てて自分だけの安全な空間に逃げ込んだりしないということが大事なのだ。必要なのは、彼女の心の揺れにじっくりとつき合いながら、彼女との関係の中で、彼女とともに、前向きに進んでいくことである。多くの女性は、心の奥底で、このような態度を男性に求めているのである。

ここは、声を出して100回ぐらい読んでもいい部分。
自分は、この部分を理解するのに、ものすごい時間がかかった。
男性は、「再発防止」をしようとするけれど、
女性は、「受けとめ続けて」もらいたいと思うもの。
この感覚をつかめると、女性との付き合いが、いい意味で楽になる。

●女性が求めていること 男性のレスポンス・行動に求められていること

・あなたが話を聴くことによって、女性がほんとうに求めているものは、あなたという人間が持っているところの、ものの感じ方や、考え方や、想像力の広がり方などを、よりよく知ることである。そして、あなたのそのような感じ方や、考え方や、想像力の広がり方に触れることによって、はたして自分が癒されるのか、充足できるのか、気持よくなれるのか、元気になれるのか、この人は私のことをずっと愛してくれそうな人なのか、この人と一緒に暮らしていって楽しいと思えるのか、ということを確かめたいと思っているのである。
・彼女が聴きたいのは、あなたが夜桜を見たときに、あなたという人間がどんなことを感じたのか、何を考えたのか、何に感動したのか、夜桜を見ながらどんな想像をめぐらせたのか、ということなのである。それらを聴くことによって、彼女は、あなたという人間の内面性を知ろうとしているのである。
・「女性は感情の生き物だから、理屈っぽい話などできやしない。だから、うんうんと言って感情をなだめてさえいればいいのだ」と考えていたりするのである。これは事実に反しているばかりではなく、強烈な女性蔑視の考え方である。感情に振り回されてカッとなって暴力をふるう男や、理屈のぜんぜん通じない男が世の中にどりくらいたくさんいるのか知っているだろうし、また理性的で論理的な女性が世の中にとても多くいることも知っているはずなのに、そのことがいつのまにか脳裏から消えてしまっているのである。
・女性は、「自分の望みの品を見抜くくらい彼氏が自分のことを熟知しており、それを買ってくれるための時間をわざわざ割くくらい自分のことを気に入ってくれている」という証拠を、贈られたプレゼントに見出そうとするのである。
・「私と仕事のどっちが大事なの?」と女性から問われたときに、あなたがなすべきことは、彼女と仕事を比較して答えを出すことではなく、彼女を心から大事にしたいというあなたの気持ちをはっきりと言葉にして伝え、それを裏付けるような具体的な行動を彼女の前で取ることである。
・まず女性は、好きな男の情熱の度合いをテストするために、控えめに「イヤ」と言ってみることがある。そして、それにもひるまずに自分を求めてくるぐらい男が情熱的なのかどうかを、試そうとするのである。もし好きな男が、「イヤ」という障害を乗り越えてまで真剣に口説いてきてくれたとしたら、その女性は幸せな気持ちに包まれるはずである。

(男性的に)上記の内容をひと言で表現すれば、
男性が求めているのは「繊細な感覚」とか「デリカシー」と呼ぶべきもの、
と言えるような気がする。
これを鍛えるには、苫米地氏がいう共感覚のトレーニングのようなもの、つまり、
ある五感表現を、別の五感に置き換えるようなトレーニングが、役立ちそう。

●男性の誤解

・意外かもしれないが、女性の中には、自分と同じくらいの身長の男であっても、あるいは自分より小柄な男であっても、まったく気にしない人もいる。その理由の一つは、小柄な男性の場合、大きな体格から来る威圧感が少ないからである。男の威圧感が好きではない女性は、小柄で威圧感の少ない男性といるときのほうが、より多くの安全と安心を感じることができるのだ。
・面白いネタでみんなを笑わせる男が女性にモテるかというと、必ずしもそうではないことも知っておこう。その男は、単にその場で、面白おかしく消費されているだけかもしれないのだ。
・男の中にある、柔らかく傷つきやすい心は、女性にとって未知の新大陸である。男社会ではさらけ出すことのできないあなたの弱みを、好きな女性の前でしゃべってみるのは、とても大切なことだ。なぜなら、いままで誰にも言えなかったつらいことや、弱い部分についてしゃべろうとするとき、男ははじめて、内側から湧き上がってくるありのままの感情でもって自分の内面を語り出すことができるからだ。自分の柔らかく傷つきやすい部分を語るときの、震えるような感情のほとばしりこそが、女性の心にもっともよく伝わって、しっとりしした共感を呼ぶのである。
・女性は、自分が内面告白の相手として選ばれたことに、特別なうれしさを感じる。「私だけにさらけ出してくれる」というのは、素敵なことである。自分の弱い部分を見せてくれる男なら、女性の側の弱みもきっと肯定してくれるだろうから、この男のそばに自分の「居場所」が見つかるような気がする。これは、弱くなることによって、男と女はつながっていけるという話でもある。

これも、女性が求めているものの本質を理解していたら、しなくていい誤解だ。
それにしても…
女性が何を考えているのかを理解するということは、
顧客が何を考えているのかを理解するマーケティング、そっくりだ。

●女性の不安

・つきつめていけば、結局のところ、多くの女性は、好意を寄せてきてくれる男性の人間性に、自分自身を賭けようとするからである。
・女性は、自分の顔の作りや、スタイルについては熟知しているのが普通であるが、ふとした仕草のかわいらしさとか、豊かな感情表現の美しさなどには気づいていないことも多いし、あるいはまた、てきぱきと仕事をこなしていくスマートさが素敵だということに気づいていなかったりする。

ここに、好意をどう表現したらよいか、その答えが書いてある。
もちろん、テクニックとして使うのではなくて、
本質を理解した上でじゃないとだめだけど。

●劣等感の克服 自信と恋愛の関係

・人間的な魅力を育てようとしたときに、それを妨害するものが、あなた自身の中にあるかもしれないのだ。それは、「劣等感」である。
・「自分が他人よりも劣っているから、そのせいでモテない」という考え方は間違っている 容姿がよくないのに、満面の笑顔がすごく素敵だから、実は男たちからけっこう異性として好かれている女性のことを、少なくとも一人は思い出すことができるだろう。男性の場合であっても、まったく同じことが起きるのである。
・ここに、劣等感の束縛から解放されるための扉が開いている。真の自信とは、他人との比較をやめたあとに生まれる、控えめな自足のことである。このような心境に近づいたとき、「人間として成長したいと思っていたり、将来に対して夢を持っていたりして、全身からまっすぐに立ちあがる心意気があふれている」という若い男の人間的な魅力が、はっきりと備わり始める。
・目立つ男に対して自慢話を始める男の姿は、とても小さなものに見えるからだ。たとえあなたの自慢話が女性たちに受けたとしても、女性たちは、心の底では冷ややかにあなたを嘲笑しているのである。
・女性は、男の虚勢をすぐに見抜くから、表面上は惹かれているようなふりをしつつも、心の中ではまったく尊敬していないことがほとんどなのだ。むしろ、虚勢を張る男に騙されるのは、自分に自信がない男たちなのである。
・「自分はこんなに凄い」と公言したり、そういう雰囲気を言動や服装から匂わせている男もまた、実は、自信がない男だということである。心の奥底で自分に自信がないから、それを打ち消すために、わざわざ無理して、「自分はこんなに凄い」という雰囲気を作り上げているのだ。ほんとうに実力のある男は、むしろ控えめな態度を貫くことが多い。

マーケティングや経営のセミナーでは、必ずメンタルヘルスの話が出てくる。
結局、自分の中の劣等感を解決するということが、
セールスでも経営でも異性関係でも、全てに共通する成功への道なんだと言える。
また逆に言えば、人は何かを学ぶために生まれてきたわけで、
その学びを、仕事の中で行うのか、恋愛で行うのか、それだけの違いなんだ。
学ぶことは、みんな一緒。つまり、自分の心の成長。

●セックス・女性の体・生理

・コンドームが破れたりして、避妊に失敗したときには、セックス後に女性が服用できる「モーニング・アフター・ピル」という薬がある。日本でも産婦人科やレディースクリニックで手に入るので、あわてずにインターネットで調べてみてほしい。
・多くの女性たちは、好きな男から「はしたない女」だとは思われたくないし、また自分自身「はしたない女」でありたくないと思っている。だから、セックスの場面になったときには、「私はイヤと言ったのに、男がそれにもかかわらず一方的に求めてきたので、セックスに応じるしかなかったのだ」という形を取って、自分の性欲を満足させたいと思ってしまうのである。そうやって、自分自身の性欲を、男の側へと責任転嫁する。これもまた、女性の「イヤ」の隠された心理である。
・デートを重ねるうちに、女性は自分の身体にそっと触れてほしいと思うようになるが、それは、「目の前の男性は安全で安心できる」ということをその女性が実感し、男性に対して恋愛感情を持ち、男性の体温や肉体感を感じてみたいと思い始めてからのことである。その準備ができていないうちに、男性が女性の身体に触れると、彼女は自分が単なる性欲の対象になったような気がして、とてもイヤな気持ちになる。
・男性とのデートの日取りを決めるときに、それが自分の生理日に当たらないかどうかをすばやく計算している女性もいる。もし生理日になりそうだったら、何か別の理由をこじつけて、日取りを変えようとすることもある。彼女が、不自然な理由や、あいまいな理由でそれを拒んだとしたら、生理予定日に当たっている可能性がある。そういうときには、理由をあれこれ聞かずに、黙って引き下がろう。生理は、男には想像できないような不快な経験である。
・体内ホルモンの変化が原因となって起きるのだから、女性がいくら自分の意志で感情の荒波を鎮めようとしても、なかなかうまくコントロールできない。

女性の体について理解するというのは、
マーケティングにおいて、顧客にトランスして同調・なりきれという話と同じ。
そこまで「自分の五感で」感じきることができて、はじめて理解ができる。
森岡氏は、それを、異性に対して行ったんだなあと思った。
顧客に対して行えば、傑出したコピーライターとなれる。
女性に対して行えば、女性を理解しつくした男性になれる。
それと、モーニング・アフター・ピルの話は、知らなかった。
未婚の若者はとくに、覚えておいて損はない。

●恋愛のモード

・恋愛のモードは、密着から自由へと変わっていく
・自由のモードに入った恋愛は、倦怠期を迎えたカップルの無関心と表面上はよく似ているが、その内実はまったく異なったものなのだ。そこに至るには恋愛を開始してから、とても長い時間がかかることだろう。
・惹かれ合う二人が、恋愛をすることによって、互いにかぎりなく自由になっていくとすれば、それはとても素晴らしいことではないだろうか。

このあたりについは、本書ではサラッとしか触れられていない。
むしろココについて、もう少し詳しく書いてほしかったなぁと思う。

●その他

・この本は、不特定多数の女性からモテモテになる方法を教えるものではない。また、「女を落とすテクニック」を教えるものでもない。この本は、あなたの好きな一人の女性から振り向いてもらえるようになるためのいくつかのヒントを、あなたに伝えるためのものである。
・好きな女性に振り向いてもらうための方法は、まさに、いまつき合っている女性との恋愛を長続きさせる方法でもあるからだ。つき合っている女性には、たえず優しくし、彼女のことをこれからもずっと大切にしていこう。

既婚者である私が、いまだに恋愛本を読む理由は、まさにこれ。
理由は二つあって、一つにはマーケティングの為。(顧客を理解したいから。)
そしてもう一つは、妻をもっともっと理解したいから。

タイトルとURLをコピーしました