日本の国家破産に備える
恐れる必要はない しかし、備える必要はある!
たった3つの金融商品で「国家破産」は怖くない
経済的リスクを”奇跡”に変える
日本は国家破産するのか?そのときどうすればいいのか?
アベノミクスって実際どうなんたろう。
スポーツ新聞の煽りや証券会社のポジショントークに踊らされるのではなく、
ちゃんと自分の頭で冷静に考えないと。
●財政破綻すると
・日本国の財政が破綻すると、経済的には以下3つのことが起こり、それ以外のことは起こりません。
1)金利の上昇
2)円安
3)インフレ
・日本の国債は95%が国内で消化されているので、日本国には部フォルトよりももっとかんたんに巨額の借金を清算する方法が残されています。それは、1400兆円の国民の金融資産を差し押さえ、1000兆円の借金と相殺して、財政赤字を帳消しにすることです。これが「預金封鎖」や「新円切替」と呼ばれる究極の財政措置です。国家は通貨を発行し、軍隊や警察などの「暴力」を独占していますから、理論的にはなんでもできます。
・どれぼと悲観的になったとしても、社会保障制度が破綻・清算されて年金を一円も受け取れなくなったり、医療費か全額自己負担になるような極端な未来を想定する必要はありません。
・人類の歴史上、財政破綻によって消滅した国家はありません。ギリシアのように、過去に繰り返しデフォルトしている国にもあります。財政破綻後も日本国は継続し、最低限の社会保障は提供されるでしょう。そこでここでは、財政破綻で年金資産の3〜5割りが毀損すると想定します。
この1)〜3)の別に説明がなされている。
論旨が明快で非常にわかりやすい説明。
ちなみに、ジェームス・スキナーはアメリポン 神田さんはAUを唱えるけれど、
橘玲氏は、歴史からみて国家の消滅はないと言う。
●最悪の近未来シナリオ
・公共交通機関が相次いで値上げされたので、よほどのことがないかぎり会社まで歩くことにしている。
・銀行の変動金利の上昇で住宅ローンを払えなくなった人たちが自己破産し、失業率は7%を越えて
・金利が上昇しはじめると、住宅ローン破産が急増した。超低金利に慣れ親しんだひとたちは、ほとんどが変動金利の長期ローンでマイホームを購入していた。それが突然、ローン金利が10%台まで上がり、毎月の返済額は2倍になった。
・金融危機とそれに続くハイパーインフレで、私の実家も妻の実家も、祖父母が年金だけでは生活できなくなった。田舎に三軒の家と農地を格安で購入し、一族が肩を寄せ合って暮らすようにしたのだ。同じようなケースはほかにも多く、日本は大家族制に戻りつつあった。
これは、かなり高い確率で、起こりうる話だと思う。
家を失う人は増えそう
しかし家がどうという話だけではなくて、仕事がなく年金ももらえないとなると、
大家族かしていく可能性は大いにある。
・通過の信用が失墜しても、日本人が戦後、営々と築いてきた社会インフラの価値は変わらない。東京のように、上下水道や電気・ガスはもちろんのこと、公共交通機関が網の目のように発達し、若い女性が深夜でも一人歩きできるほど治安がよく、ミシュランの星を獲得したレストランがあちこちにあるような高機能の都市は世界でもまれだ。海外の投資家、とりわけ中国の富裕層はそのことをはっきりと認識していた。
・中国語やハングルやアラビア文字のネオンサインが、新宿の夜空をあやしく染めていた。
国家が消滅するというのは、行政単位の話ではなくて、
たぶん、こういう意味なのだ。
大量に押し寄せる移民や裕福な外国人に、街も職場も文化も、圧倒されてしまう。
そして事実上、経済的な独立性を失う。
・私の唯一の取り得は、ビジネス英語が話せることだった。外資系の小さな不動産会社に転職すると、辞書を引きながら徹夜で契約書を翻訳し、欧米はもちろん中国やインド、東南アジアの投資家に東京の不動産を営業して回った。
・私が以前勤めていた電機メーカーはインドの会社に買収され、「同一労働同一賃金」の原則のもと、日本人社員インド人と同じ給料で働いている。
後で出てくるように、
私たち30代が持つ資産と言えば、人的資本だけ。
とすれば、その資産(資本)をどう殖やすのか、どう活かすのか、どこに投資するのか
それこそが、もっとも重要な選択となる。
外国語や外国人脈は最低条件。
そして、どの部分での仕事のキャリアを積むのか。
もう、あと数年しかない。
真剣に考えておく必要がある。
●インフレが起きると
・インフレというのは国家にとって税金の一種であり、歴史上、巨額の財政赤字はほとんどが「インフレ税」によって清算されてきました。インフレで借金の実質価値を減らすことができなければ、どこまでも財政赤字は拡大しつづけるから、けっきょくインフレになるほかはないのです。国債というのは固定金利による借金です。
・インフレの最大の被害者は年金だけで生活しているひとたちで、急速な物価の上昇で家賃を払えずにホームレスになる高齢者が激増するかもしれません。ハイパーインフレとは、国民を犠牲にして国家が借金を清算することなのです。
・アベノミクスによって日本経済が高度成長期並みに大復活して税収が大幅に増えたり、強大な権力を持つ政権が消費税率を20%に引き上げ、年金や健康保険、生活保護などの社会保障を徹底的にカットすれば、日本の財政は健全化するかもしれません。私はこのような「明るい未来」を願っていますが、しかしその一方で、それを前提として人生を設計するだけの度胸もありません。
冷静に読むと、結局のところ
財政破綻しても健全化の対策をしても、どっちにしても年金は無価値になる ということになる。
年金が意味を持つのは、破綻も健全化もしないごまかし期間中だけ。
そう考えると、もう私がこれを払う意味はないのではないか、と思えてくる。
●家
・それぞれの家庭において、最悪の事態を想定した場合の対策を決めることができます。ある場合には、日本を出て海外で暮らすことかもしれません。西日本で転職先を探したり、妻と子どもだけが移住するという選択もあるでしょう。あるいは、そのままいまの場所に住みつづむける決断をするひともいるかもしれません。
・あなたの月収が20万円で、期間10年で1000万円の住宅ローンを年利3%で借りているとしましょう。このとき日本を900%(10倍)超のインフレが襲えば、生活はなにひとつ楽にならなくても、名目の月収は200万円になります。金利も大幅に上がっているでしょうから、これを銀行に預けるだけで普通預金でも10%以上の利息がつくかもしれません。しかしそれでも、契約で決められた固定金利の年利3%という条件は変わりません。1000万円の住宅ロークの実質負担は10分の1以下になり、借金はたちまち返済できてしまいます。インフレというのは、国家にとってこれと同じ効果があります。
・マイホームを購入せず、金融市場で資産運用するという選択肢はあり得ます。この場合は日本株や円建て債券(国債など)だけでなく、海外の株式や債券も投資対象になるでしょう。限られた資金をマイホームの頭金にするか、金融市場で運用するかはそれぞれの判断ですが、マイホームの購入というのは、特定の不動産物件にレバレッジをかけて全資産を投じるハイリスクな投資だということは理解しておく必要があります。「破滅シナリオ」が現実化した場合は、変動金利で住宅ローンを組んでいると資産のすべてを失う可能性があるからです。
・期間30年で3000万円の住宅ローンを借りている場合
1% : 9万6492円/月
3% :12万6481円/月
5% :16万1046円/月
10% :26万3271円/月
15% :37万9333円/月
20% :50万1306円/月
・歴史的には住宅ローンの金利が5%というのは”低金利”のうちに入ります。新興国では住宅ローン金利は10%程度がふつうで、20%ちかいことも珍しくありません。財政危機にともなってインフレ率が上昇していけば、このような世界がやってくることは頭に入れておくべきでしょう。
・変動金利の借入が家計の破綻を招くのに対して、超長期の固定金利は素晴らしい「資産運用」になります。たとえば住宅金融支援機構の固定金利住宅ローン「フラット35」を利用すれば、20年超で年利2.5%程度の低金利をおこせます。(金融機関にもよりますが、期間10年なら1.5%程度です)。このときに金利が上昇して5%になれば、利息をローン返済の原資にあふることで負担はどんどん軽くなっていきます。バブル期に保険会社が高金利の予定利回りを保証した生命保険が「お宝保険」と呼ばれていましたが、金利上昇局面では固定金利の住宅ローンは「お宝ローン」になるのです。
・マイホームの購入は、特定の不動産物件にレバレッジをかけて投資する非合理的な投資行動です(タマゴをひとつのカゴに盛る)。しかし購入した物件が一定の価値を有しているのなら、ハイリスクなギャンブルに成功したことになりますから、それを売却して別のリスク資産に買い換える必要はないわけです。
・「国家破産」による不動産価値の消失を最大で5割とするなら、マイホームから1000万円相当の損失が生じます。しかしこの損失は、40歳の日本人が持っているであろう1億3000万円の人的資本の1割にもなりません。経済的な混乱による金融資産や不動産資産の損失は、資産ポートフォリオにほとんど影響を与えないのです。
この時期、安いからといって変動金利で買うのは、かなりリスクが高いということ。
でも逆に言えば、安い固定金利で買えば有効な「資産運用」になる。
ということは、この戦略は積極的に進めてもいい。
●仕事・人的資本
・中高年の転職が事実上不可能な日本では、サラリーマンが無職になることで毀損する人的資本の価値は一億円を超え、その損失を取り戻すことは二度とできないのです。
・逆にいうと、サラリーマンであれ自営業者であれ、労働市場から富を獲得できなくなって人的資本が失われてしまうと、わずかな金融資産ではその損失を取り戻すことはまったく不可能です。30代、40代のひとたちにとっての最大の「国家破産」対策とは、どのような環境になっても仕事をしてお金を稼ぐことのできる人的資本をつくっていくことなのです。
今という時代は、入社さえすれば老後まで保証された親の年代とは違う。
そんな厳しい時代に生きているということを、考えなきゃいけない。
このようなある意味経済的に恵まれた親たちから、経済的な資産を特に受け継げた人は、まだいい。
家とか、資金援助とか。
でも、そうではない私のような人間は、さらに厳しい環境にあるということだ。
●国債の動き 為替の動き 金利 株の動き
・資産運用に成功する黄金率は、「金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話はすべて無視する」ことです。金融機関の営業マンは歩合制で給料が決まりますから、彼らが売りたいのは顧客に有利な商品ではなく、自分が儲かる手数料の高い商品です。
・国債価格とは金利のことであり、金利とは国債価格のことです。この関係は国債市場では絶対で、例外はありません。将来、日本国債の価格が下落するようなことがあれば、神の予言と同じ正確さで、市場の金利は上昇するのです。
・為替レートはインフレ率によって変動するだけで、景気がいいとか悪いとかはまったく関係ありません。好景気でもインフレなら通貨は下落し、不景気でもデフレなら通貨は上昇します。ここで注意しなければならないのは、為替レートに影響を及ぼすのはあくまでも他国のインフレ率との相対的な差だということです。
・ほとんどのひとは、金利の高い通貨はみんなが喜んで買いたがるから為替は上昇する(金利の低い通貨はだれも買いたがらないから為替は下落する)と考えています。これは間違いというわけではなくて、短期的には、中央銀行が金利を上げると為替は上昇することが知られています。しかし長期的には金利と為替は逆に動くはずだし、そうでなければおかしいのです。
・一般に「インフレには株式と不動産が強い」とされますが、財政破綻が引き起こすインフレではこの法則は通用しません。インフレで株価や地価が上昇するのは、賃金の上昇と経済成長がともなうらです。インフレ・高金利にもかかわらず失業や不況が続くスタグフレーションでは、株価も地価も下落することになります。
おそらく、このような金融知識は、一般常識的に知らなければいけないことなんだろう。
なのに、本を読んでも頭の中にストンと落ちてこない。
これはかなりまずい。
ほとんどの日本人が金融に対する基礎知識を持っていないというのは、
もしかすると、国家的な謀略なんじゃないかとすら、思えてくる。
●対策
<普通預金>
・放っておいても貨幣の価値が上がっていく(モノの値段が下がっていく)デフレ経済では、私たちは貨幣を持っているだけで「補助金」を受け取ることができます。しかしその一方でデフレは不況を引き起こしますから、地下や株価は下落していきます。そう考えると、1000万円までの元本と利息が国によって保証されている銀行預金を使って無リスクで「補助金」を受け取ることが資産運用の最適戦略になるのです。このことは、資産運用は名目金利ではなく実質金利で考えなくてはならないことを教えてくれます。
・いくら金利が高くても、それ以上にインフレ率が高ければ、「インフレ税」の方が重くなり生活は貧しくなっていきす。ゼロ金利でもデフレなら、「補助金」の分だけ実質金利は高くなります。
・典型的なサラリーマンの人生ポートフォリオでは、マイホームを購入してしまえば、退職金が入ってくるまでまとまった金額の金融資産を持つことはありません。そうであれば、わずかな金融資産はもしものときのために安全な普通預金で持っていればいいのです。
それができるなら、の話。
現金を持っていない若者には、あまり関係がない話。
今後現金を持つことになった時のためには、知っておきたい。
<債権>
・金利が高くなってきたとき、どのような金融商品を持っていればいいのでしょうか。これはものすごく簡単で、普通預金か短期(1〜3カ月)の定期預金なら市場の変化に乗り遅れることなく金利上昇のメリットを享受できます。逆に長期の定期預金は、低金利のまま資産が固定されてしまうので長短金利が逆ざやになると損をすることになります。
・金融機関の信用リスクを回避する方法として、変動金利型の個人向け国債の利用が考えられます(「変動10」) 個人向け国債は発行から1年経過すればいつでも中途解約でき、その際は直前二回分の利子の約8割を放棄するだけで、元本の全額を受け取れることになっているからです。これは機関投資家の取引では考えられない、法外に有利な特約です。
・「インフレ対策なら金を買えばいいのではないか」と考えるひともいるでしょうが、金投資についての私の考え方は、ウォーレン・バフェットやジム・ロジャースと同じです。すなわち、金は鉄や銅などの金属とちがって工業用としてはほとんど用途がなく、地中から掘り出されて退蔵されるだけで、株式や債券のように配当が得られるわけでもありません。金に価値があるのはひとびとが「金に価値がある」と思っているからで、貨幣と同じでその実体は共同幻想です。この幻想がつづくかぎり価格は上昇するかもしれませんがねひとびとが王様は裸だと気づけばただの石ころになってしまうでしょう。金投資は純粋なギャンブル(投機)なのです。
・「物価連動国債」2008年から新規発行が停止されています。
これも、流動資産をもっている老人たちが、
そのポートフォリオとして考える話。
そもそも、まだ流動資産を持っていない私には、少し先の話。
<国債ベアファンド>
・国債の売りポジションは、リスクとリターンのバランスが大きく歪んでおり、投資家にとっては、限定された損失で大きな利益を得られる、きわめて割りのいいギャンブル(フリーランチ)になっている可能性があります。
・預金封鎖対策としては、格付けの高い海外の銀行に外貨預金をしてもいいのですが、日本の「国家破産」リスクをヘッジするということであれば、もっとも効果的なのはニューヨーク市場に上場された「日本国債ベアETF」でしょう。ドル建てなので、国債価格の下落で株価が上昇するだけでなく円安で為替差益が得られます。これを米国の証券会社で購入すれば、資産は米国の法によって保護されますから、預金封鎖のリスクを完全に遮断することができます。とりわけ日本国債の下落率に3倍のレバレッジをかけた「JGBD」は国債価格の下落と円安で大きな利益が期待できますから、おそららくはこれが現時点での「究極の日本国破産対策」ということになるでしょう。
・いくら損失が限定されているからといっても、現在の超低金利が長期に継続する場合は、10年で投資資金は半分から3分の1になってしまいます。その一方で、国債価格が大きく下落する「破滅シナリオ」になれば、国債ベアファンドの基準価格は指数関数的に上昇していきます。
・このような商品設計を考えると、国債ベアファンドは金利の上昇局面(破綻シナリオの第一ステージ)で購入し、基準価額が下落しても保険として割り切り、金利の上昇を待つのが投資戦略の基本となるでしょう。
・これまでインフレ対策のひとつとして商品ファンド(ETF)を挙げてきましたが、本車ではそれを撤回し、よりシンプルな物価連動国債と外貨預金を提案することにします。もちろん、ジム・ロジャースのように今後も商品価格は上昇していくと予想するなら、商品ファンド(ETF)は有力な投資商品です。しかしその一方で、シェールオイル(ガス)革命で、2035年にはアメリカがエネルギーの純輸出国になるという予測もあり、そうなればエネルギー価格は下落するでしょう。さらに、「世界の農地は余っており食糧危機は起こらない」という説を唱える専門家もいます。
これも同じで、リスクヘッジのための知識。
大量に稼いだら、こういうこと、やっておきたい。
それより、シェールオイル革命の話が、興味深い。
<国際インデックスファンド>
・世界の株式市場に分散投資するETF(上場型投信)の「ACWI(All Country World InexETF)」と、そこかに日本株を除いた「上場MSCI世界株(1554)」が個人投資家にとってきわめて有用な金融商品
・2011年3月、東証に「上場MSCI世界株」(1554)が上場されました。これはACWIから日本市場を除いた株価指数に連動するETFで、日本の個人投資家のニーズに最適化されています。(日本人投資家はたいてい日本株を別に保有しているので、ACWIでは日本株の比重が高くなってしまうのです)。
・ナンピン買い この方法では投資額がどんどん大きくなってしまうので、予想に反して株価が下がりつづけると損失が際限なく膨らんでいきます。このような理由で、ナンピン買いはむかしから投資の下策とされてきました。しかしこの指摘は、個別株投資には正しいかもしれませんが、株価指数には当てはまりません。株価指数は市場全体の平均なのでその価値がゼロになることはなく、世界市場の縮小コピーであるACWIが紙くずになるときにはこの世から株式市場が消滅しているわけですから、ほかになにをしても無駄です。
・バブル崩壊こそがドルコスト平均法でACWIに投資する最大のチャンスです。
・ACWIドルコスト投資法のいちばんのメリットは株価が右肩上がりに上昇しなくてもいいことで、日本の財政破綻や中国の不動産バブル崩壊、ユーロ危機の再発など、世界経済が波乱に見舞われるたびに同じ手法が使えます。資本主義がバブルの生成と崩壊を繰り返しながら、それでも長期的には世界市場を拡大させていくと考えるならば、保守的な投資家にとって、おそらくはこれがもっとも経済学的に合理的な投資法になるでしょう。
財政破綻があるにせよないにせよ、
面白さがあるかどうかは別だけど、この国際インデックスファンドが、
最も安全確実な方法だと思える。
<外貨>
・ネット銀行の為替手数料率が大幅に下がったため、特別な理由がないかぎり、一般の銀行で外貨預金(両替)をする意味はなくなりました(ただしネット銀行では海外送金ができません)。
・金融資産を海外に移転する場合は、資産を預けた先の信用リスクを負うことになりますから、格付けの高い国や金融機関を利用するのが鉄則で、選択肢はそれほど多くありません。国家であれば財政の安定した先進国、銀行であれば「Too big too fail(大きすぎてつぶせない)」とされるグローバル金融グループを選ぶことになるでしょう(歴史や伝統があっても規模の小さなプライベートバンクなどは避けた方が賢明です)。
・日本人にもっとも人気のある海外の銀行は、なんといっても香港のHSBC。香港の窓口に行けば、パスポートと住所証明で簡単に口座開設できる。それ以外なら、スイスやシンガポール、イギリス領のオフショアなど、金融制度の整った国・地域の格付の高い銀行を選ぼう。
・キャピタルフライトで大きく動くのは、円の総量ではなく円の交換レートです。
・財政破綻でキャピタルフライトが起きたとき、最大の円の買い手はおそらく日本国になるでしょう。円安が進めばインフレが昂進しますから、通貨の価値を守るために政府・日銀は大規模な円買い(ドル売り)介入に追い込まれます。一部の富裕層などが、その機会を利用して、手元にある円資産を外貨に両替するのです。
・「国家破産」を期待して高いレバレッジをかけて米ドルを買った投機家の多くは、スワップ金利の思い負担に苦しみ、わずかな円高によって自分自身が先に破産してしまうでしょう。
FXで儲けるためではなくて、
基礎知識として、キャピタルフライトの準備はしておくべきかも知れない。
というより、小さな子どもを連れてということだと、
お金の前に、海外での職探しであるとかのための、
海外人脈の方が、まず優先されるべきだとは思うけど。
<不動産>
・金利が上昇したとき、不動産市場では次のいずれかのことが起きて投資利回りが上昇することになります。
1)不動産の賃料が上がる
2)不動産価格が下落する
金利(不動産の割引率)が上がっても賃料が値上げできないと、必然的に地価が下落して投資利回りを上げるしかなくなります。
・資産ポートフォリオのうち固定資産が大きいと、金融資産でリスクを取らないかぎり、財政破綻から資産を守ることはできません。
・ファイナンス理論では不動産は金融商品の一種ですから、不動産を保有するのも株式や債券なとに投資するのも原理的には同じことです。不動産を売却して賃貸住宅に住み替え、株式や債券の配当で家賃を払うようにすればいいだけだからです。
この意味で、固定長期金利の不動産を取得しておくのは、
ひとつの戦略として、よいかも知れない。また売ってもいいわけだ。
社員になることに抵抗を覚えることも、転職してもいいんだ と割り切れることを知れば、
福利厚生と社会保障、社会的信用の分だけトクだという事実がわかる。
同じ場所に住むことに抵抗を覚えることについても同様に、
どうせ住んでいる場所が同じなら、被曝リスクもさほど変わらないし、
また売ればいいのだと割りきって、買っておくという手もある。
一度買えば、買い替えが効く。
でも転職と同じで、最初に買わないと、買い替えが難しくなる。
<その他>
・一般の個人が低利の固定金利ローンを組む機会は日本では住宅ローンか自動車ローン、教育ローンくらいしかありませんが、自営業者やマイクロ法人(自営業者の法人なり)、中小企業の経営者なら国や自治体の事業者向け低利融資を利用できます。自治体によっては地元の事業者を育成するためゼロ金利に近い優遇を行なっているところもあるので、調べてみる価値はあるでしょう。(詳細は『貧乏はお金持ち』)
住宅ローン
自動車ローン
教育ローン
中小企業向けの融資
全部活用したい。
●最後の手段 オプション取引
・「買う権利(コールオプション)」は、(株価が下落しても損しないという)保険つきで株式投資をするのと同じです。これはふつうの(保険なしの)株式投資と比べて法外に有利な取引ですから、当然、保険料を別に支払わなければなりません。もうおわかりのように、この保険料がオプション価格です。
・株価がどれほど下落しても損失は500円に限定されていて、株価が上がっていけば利益は無限大です。
・オプションの「買い」というのは、宝くじの買い手に似ています。宝くじの当せん確立は交通事故で死ぬよりもはるかに低く、購入者のほとんどは宝くじ代金が払い損になります。しかしなかには一等前後賞を当てる人がごく少数いて、「夢」を実現するのです。
・一方、オプションの「売り」というのは損害保険会社に似ています。保険会社は過去のさまざまなデータから、これまでと同じ傾向が続けば確実に利益を得られるように保険料を設定します。しかし9.11同時多発テロや3.11東日本大震災のような予想もしないことが起きると、莫大な保険金を請求されて大赤字になってしまいます。(宝くじの場合は胴元がぜったいに損をしない商品設計になっています)。
・オプションの「売り」は小さな儲け(保険料)を積み重ねていくことができますが、ある日突然、大きな損失に見舞われるかもしれません。オプションの「買い」は宝くじの外ればかリを引きますが、運がよければ大きな当たりが来ることもあります。
・日本株(あるいは株式先物)を保有している投資家が、株価が下落するリスクを負いたくないものの、なんらかの理由で株式を売却できないというときは、それと同額のプットオプションを購入します。両者の損益を合算するとコールオプションと同じになって、オプション料の分だけパフォーマンスは落ちるものの、株価が下落しても一定以上の損失を負うことはなくなります。これは、プットオプションを「保険」として使う方法です。
・オプションを使って一世一代の大博打を張るのです。そのやり方は簡単で、現在の日経平均株価を一万円としたら、そこから株価の低い方向にできるだけ離れている権利行使価格(これを「アウト・オブ・ザ・マネー」といいます)で、できるだけ残存期間が長く、なおかつ売買の成立しているプットオプションを100万円分買うのです。それがたとえば、限月まで6カ月、権利行使価格が日計平均5000円でオプション料が一枚=5000円(一株あたり5円)だとすれば、200枚のプットオプションが買えます。ふつうの相場なら、こんなオプションにはなんの価値もありません。半年のあいだに日経平均が半分になるなどということはとうてい考えられないので、期日が来ればただの紙切れになってしまいます(それ以前に売り手がいないので買うことができないでしょう)。
・しかしオプションを「宝くじ」として使うときは、限月まで待って損益を確定させるようなことは(ふつうは)しません。限月までの残存期間が十分に残っていれば、市場の乱高下を増幅するようにオプション価格が動くからです。
・ボラティリティの低い市場は穏やかな凪の海、ボラティリティの高い市場は大荒れの嵐の海です。「半年以内に日経平均が半分になる」などというおよそあり得ないことが現実になるとしたら、どちらの市場でしょうか?
・株価が乱高下してボラティリティが高くなると、極端なことが起きる可能性が増して、オプション価格が上がります(逆にボラティリティが低くなるとオプション価格は下落します)。アウト・オブ・ザ・マネーのオプションはとりわけボラティリティへの感応度が高く、これまで「そんなことはあり得ない」と思っていた投資家たちが「もしかしたら…」と思うようになっただけで価格が高騰するのです。
・これは単なる机上の空論ではありません。2007年にサブプライムローンの破綻を予測して、1年間で150億ドル(1兆3500万円)という天文学的な収益をあげ37億ドルの年収を得たヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソンは、サブプライムローンのプットオプションを大量に購入して史上最大級の一攫千金を実現しました。オプション取引では、市場が大きく変動しさえすれば、短期間に元手が100倍になっても不思議ではないのです。正しいときに正しいオプションを売買できれば、の話ですが。
私の場合、既にこの「最後の手段」に頼る一歩手前のような気がする。
いや、三歩手前というべきかな。まだ打てる手が三つだけある。
1.ビジネス
2.家
3.家族兄弟との協力