最少の時間で成果を最大にする
今の職場の面々に読んでほしいなと思う一冊。
ま、周りがどうであれ私はこれでいくわけだけど。
●人生のイニシアティブ
・自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう。
・もしも選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになる。自分で「これを捨てる」と決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまうだろう。
・「できる」せいで「やらなくては」が増えていくストレスを抱えていないだろうか。自分で選ぶことを放棄して、いつのまにか誰かの言いなりになっていないだろうか?大丈夫、まだあきらめる必要はない。
・自分で線を引かなければ、自分の領域は守れない。あるいは誰かが勝手に、もっとも望ましくない形で線を引いてしまうかもしれない。はっきりとした線引きがなければ、他人はどこまで踏み込んでいいかわからず、どんどん侵略してくる。いちいち対応していたら、自分の大切なものが見えなくなってしまう。
これがもっとも重要なマインドセット
自己実現の講座でも、ソースでも、このことを深く考えさせられた。
自分の人生は自分が主導権を握る。
意思と決めがないと、誰かの人生を生きることになってしまう。
●Noということ
・だがそのとき、父親はこうつづけた。「でも今夜は駄目なんだ。シンシアと特別なデートの約束をしているものでね。そうだろう?」父親はシンシアにウインクし、そっと手をとって歩き出した。会場をあとにしたふたりは、サンフランシスコで一生忘れなれない夜を過ごしたのだった。ちなみに、シンシアの父親は『七つの習慣』で有名なスティーブン・コヴィーだ。「この出来事のおかげで、父とのあいだには永遠に切れない絆が生まれました。私がもっとも大切な存在だと示してくれたからです」
・むしろ、断ることでより良好な関係を築くことが可能になる。エッセンシャル思考になってからつくづく実感するが、人はノート言う勇気のある人を高く評価し、尊敬するのだ。
・判断を関係性から切り離す 誰かに何かを頼まれたとき、私たちはそれを関係性の問題だと思ってしまう。頼みを断ることが、相手を拒絶することだと感じてしまうのだ。この2つを分けて考えなくてはならない。関係性から切り離して考えたとき、判断はより明確になり、それを伝える勇気と思いやりも生まれてくる。
・ジョブズにノーと言ったとき、ランドは熟慮のうえでリスクをとった。そして目先の好印象と引き換えに、長期的な敬意を手に入れたのだ。エッセンシャル思考の人は、みんなにいい顔をしようとしない。時には相手の機嫌を損ねても、きちんと上手にノーを言う。長期的に見れば、好印象よりも敬意のほうが大切だと知っているのだ。
・あいまいにしておいて結局断るくらいなら、その場ですぐに断るほうがいい。相手へのダメージもずっと少なくてすむ。
・そんな彼女の生活を変えたのは、「予定を確認して折り返します」という言葉だった。いったん時間をおいて考えると、断ることが容易になる。その場でつい引き受けてしまうことがなくなり、自分のペースで仕事ができるようになった。
・単にノーと言うのが難しければ、上司にトレードオフを意識させよう。たとえば、「はい、ではこの仕事を優先でやります。今抱えている仕事のうち、どれを後まわしにしましょうか?」。あるいはこんなふうに断ってもいい。「今かなり仕事を抱えているので、これを無理やり差し込むと品質が落ちてしまいます」私の知り合いも、部下にそうやって断られたと言っていた。筋の通った断り方に納得し、その仕事は別の何でも引き受ける部下にまわしたそうだ。
アサーティブコミュニケーションについてもっともっと学ぶこと。
とくに今の私には「No」をちゃんと言うということと、
そしてそのためには何に「YES」を言うか考えるということが、
課題になっているのだと、思う。
●境界線
・活動的で向上心あふれる人にとって、自分を酷使するのは苦痛でも何でもない。本当に難しいのは、働きすぎないように制御することだ。彼は自分と同じようなハードワーカーたちに、こう語りかける。「自分の能力に自信があるなら、ひとつ大きな難題に挑戦してみてください。目の前のチャンスをきっぱりと断り、昼寝をするんです」
・単に境界が薄れているだけではない。仕事は一方的にプライベートを侵食しようとしている。もしも月曜の朝に子供たちを連れて会社に遊びにきたら、おかしな気がするはずだ。それなのに土日に家や会社で仕事をすることは、ごく自然な行動のように思われている。
・「一度でも例外を許したら、その後は例外だらけになってしまいます」とクリステンセンは語る。仕事の線引きは砂の壁のようなもので、一ヶ所が崩れると、ほかも一気に崩壊してしまうのだ。
・境界線を引くのが簡単だと言うつもりはない。ジン・ユンやクリステンセンのようにうまくいくケースばかりではないだろう。出世の妨げになるかもしれないし、最悪仕事を失うことも考えられる。自分の領域を守るには、ときに大きな代価が必要だ。だからといって、境界線を放棄してしまったら、もっと大きな代償を払うことになる。人生でもっとも大事なものを選べなくなるからだ。
・交通量の多い道路に面した学校を想像してほしい。初めのうち、子供たちは校庭のほんの片隅しか使わせてもらえない。あまり建物を離れると、大人の目が届かなくなるからだ。だがそのうちに、校庭のまわりにフェンスが設置される。すると子供たちは校庭をめいっぱい使えるようになり、それまでよりずっと大きな自由を手に入れる。同じように、私たちも自分の境界を定めなければ、他人の侵入を受けてどんどん居場所がなくなっていく。明確な境界線を引くことで、自分の領域を好きなだけ使えるようになるのだ。
・家族と過ごすために、週一日はソーシャルメディアを一切見ない
・フェイスブックを眺めるかわりに、93歳の父親に電話をかける
この職場に子どもを連れて行く という話には本当に目からウロコだった。
確かに、それが駄目なのになぜ逆が許されているのか。
自宅の遊び場に仕事を持ち込むなんていうのは、サイアクの行動だ。
●やめる/捨てる
・「サンクコストバイアス」とは、すでにお金や時間を支払ってしまったという理由だけで、損な取引に手を出しつづける心理的傾向のことだ。「ここでやめたら今までの投資が無駄になる」と思うあまりに、望みのない投資を重ねてしまう。これが悪循環を生み、投資額が増えれば増えるほど、抜け出すことが難しくなる。
・逆プロトタイプのやり方は簡単。今やっていることを試験的にやめてみて、不都合があるかどうかためしかめるのだ。
・「書くことは人の仕事だが、編集は神の仕事だ」 – スティーブン・キング
・ある企業で働いていた優秀な社員は、毎週のミーティングを必ず欠席し、あとで話のポイントだけ聞いていた(高い評価を得ていたのでクビになるようなことはなかった)。そうすることで、2時間のミーティングを10分に凝縮し、残りの時間をもっと重要な仕事に費やしたのだ。
この本を読んですぐ、やったこと
・ccで来たメールを読まないようにした。
・時間外の会議召集は自動で拒否する設定をした
・作業は全部マニュアルをつくってスタッフに任せた
でも、もっともっと捨てられるものはあるはず。
●まず自分のための時間を作る
・あえて時間をとらなければ、誰も考える余裕など与えてくれない。ある企業でマネジャーをつとめていた男性は、あと5年早く辞めるべきだったのに、と後悔していた。業務があまりに忙しすぎて、その会社にいるべきかどうかを考える余裕がなかったのだ。そのせいで、貴重な時間をずいぶん無駄にしてしまった。
・LinkedInのジェフ・ワイナーCEOは、毎日合計2時間の空白をスケジュールに組み込んでいる。その時間には何も予定を入れない。相次ぐミーティングに振りまわされ、まわりが見えなくなるのを防ぐためだ。最初はさぼっているような気分になったが、実践してみると生産性が確実にアップした。自分のための時間を確保することで、人生の主導権を取り戻せたと彼は言う。
・エリクソンの調査によると、一流のバイオリニストは、一日平均8.6時間の睡眠をとっている。アメリカの平均より1時間長い数字だ。さりに、彼らは週に平均で2.8時間の昼寝をしている。これはアメリカの平均より2時間長い。エリクソンらはこの事実から、睡眠が一流パフォーマーたちの並外れた集中力を支えているのだと結論した。ただ長時間練習しているのではない。たっぷり休養することで、1時間あたりの練習効果を最大限に高めているのだ。
・ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「睡眠は成功者の新たなステータスシンボル」という記事で、こうした起業家たちを紹介している。「もはや疑問の余地はない。多忙なストレスのアメリカでは、睡眠が新たなステータスシンボルとなっているのだ。かつては根性なしとののしられたものだが – 80年代には『ランチは負け犬のもの』『睡眠は子供のもの』と叫ばれていた – 今では睡眠こそが優秀さの証であり、クリエイティブな経営者の必須アイテムなのである」
この、まず自分のための考える時間をブロックするという行為は、とても大切だと思う。
そしてできていない。
まず、~16:00の間のどこかにこの時間を入れられないか考えてみよう。
●本当にしたいこと
・仕事や生活に遊びを取り入れるためには、自分が楽しく遊んだ体験を思い返してみるといい。子供の頃、どんな遊びにわくわくしただろう。どうすれば、そんな楽しさをふたたび体験できるだろうか?
・あなたの目的や戦略は明確か、と経営者にたずねると「かなり明確です」という答えがよく返ってくる。かなり明確なら、それで十分だと思っているようだ。だが「完全に明確」な状態を知ると、それまでの「かなり」が不便だったことに気づく。まるで視力の悪い人が、初めて眼鏡をかけたときのようなものだ。
・「人と国を滅ぼすのは、作業としての仕事である。すなわち、自分の主目的を離れ、あちらこちらに手を出すことである」 – 思想家ラルフ・ワルド・エマーソン
そして考えるのだ。
瞑想の時間といってもいいかも知れない。
じっくり考える時間を。
●エッセンシャル思考の判断基準
・突然舞い込んできたチャンスを正しく選別するためには、次の三つのプロセスを踏むといい。
①そのチャンスについて、記述する「あなたのもとに舞い込んできたのは、どんなチャンスか?」
②考慮するに値するチャンスの「最低限の基準」を三つ書き出す「最低限これだけは満たしてほしい」という基準は何か?」
③考慮するに値するチャンスの「理想の基準」を三つ書き出す「こうだったら最高だ」と思う基準は何か?」
最低限の基準を満たしていないチャンスは、もちろん却下。そして、理想の基準を満たしていないチャンスも、やはり却下しよう。すべて満たしているものだけが、考慮に値するチャンスだ。
とくに採用基準の厳しい会社の話であるとか、
新規ビジネスがクレドにあっているかどうか新人が判断できる会社の話は、
とても参考になった。
私が何かをするときも、この判断基準、肝に銘じておこう。
ちょっとでもよさそうなものに飛びつくのではなく、
最大限の効果を生むものだけに集中し、後は捨てる。
結局これは、ビジネスも人材もそうだけど、
一日を何のために使うかという時間の使い方という意味でもあてはまる話だ。
●その他
・この本の執筆にも「実用最小限の進歩」を利用している。まだ書きはじめる前の構想段階では、アイデアの切れ端をツイッターで公開することを最小限の進歩に定義した。もしも反響があれば、それをブログ記事に発展させた。この小さな進歩の繰り返しによって、自分のアイデアと人びとのニーズとの接点を少しずつ探っていったのだ。
・「負けることと、打ち負かされることは違う」と彼は選手たちに言う。打ち負かされるのは、相手が強いからだ。スピードやパワーや才能の問題だ。だが、単に「負ける」というのは、自分に負けることだと彼は言う。集中力を失い、本質を見失ったときに負けるのだ。
ツイッター→ブログ→記事
ということれは、結構よいかも知れない。
Facebookは、さらにそれにリンクを貼るという三番目の行為でよさそう。