知的プロフェッショナルへの戦略

知識社会で成功するビジネスマンの11の心得

すべてのビジネスパーソンの必読書だと思う。
“メタ・ナレッジ”… このことがわかるかどうかで、
仕事のスタイルがぜんぜん違ってしまう。


●付加価値を生まない中間業者は不要なる

・いま、インターネットがもたらしつつあるものが、「知識の流通革命」であるならば、ここでも、「中間業者は不要になる」という鉄則と、「中間マージンがゼロになる」という鉄則が貫かれるのです。既存の「専門知識」をただ伝達するだけの「中間業者」の役割をしていた職業は、不要になっていくからです。そして、もし不要にならないとしても、その「中間マージン」が限りなくゼロに近づいていくため、あまり大きな収入を得られない職業になっていくからです。
・世の中には、単なる「情報整理」を「情報編集」と思い込んでいる例が多いのも、たしかな事実です。
・なんら新しい「知識創造」を行うことなく、単なる「知識伝達」や「知識流通」を行っている人々も決して少なくないのです。
・それは、「怖い」ことを意味しているのです。なぜなら、いま世の中で「知的職業」と思われている人々の多くが、実は、単なる「知識」の伝達と流通で仕事をしているからです。そして、「怖い」ことに、これらの人々が、そのことを自覚していないのです。(講義ノートのコピー配布の大学教授/「ノリ・ハサミ」のシンクタンク/専門書を読んだだけのコンサルタント/下請けクリエイターにアウトソーシングする広告代理店)
・かりに貴重な時間と費用をかけて新しい専門知識を身につけても、同じ程度の専門知識を身につけた若年層のビジネスマンがいるという問題に直面するからです。それは、自分よりも人件費の安い人材が、自分と同程度以上の専門知識を持っているという深刻な問題なのです。

この原則からいうと、アフィリエイターや、
価値の低いコンテンツビジネスとは呼べない情報ビジネスは、長くは続かない。
●唯一の対策

・「メタ・ナレッジ」(方法知識)を身に着けることです。では、「メタ・ナレッジ」とは何か? それは「知識を学習するための知識」「知識を編集するための知識」「知識を創造するための知識」です。いわば、「通常の知識のメタ・レベルにある知識」「通常の知識より一段上位にある知識」のことです。いわゆる「読書方法」「学習方法」「整理方法」「評価方法」「編集方法」「企画方法」「発想方法」などと呼ばれる「方法」に関する知識です。
・メタ・ナレッジ → 知識や智恵を学ぶための方法 → 三つの方法
第一は、書物や映像などの「知識や智恵を伝える媒体」から、その知識や智恵を学ぶための方法です。これは、「探索力」と呼ばれる「メタ・ナレッジ」です。
第二は、識者や師匠などの「知識や智恵を持った人物」から、その知識や智恵を学ぶための方法です。これは、「傾聴力」と呼ばれる「メタ・ナレッジ」です。
第三は、仕事や生活などの「自分自身の主体的な経験」から、その知識や智恵を学ぶための方法です。これは、「反省力」と呼ばれる「メタ・ナレッジ」です。

メタ・ナレッジにかかわるビジネスをする。
これが自分のミッションのような気がする。
●投資 リターンの考え方

・「キャリア戦略」を「キャリア計画」と混同しないことです。
・転属や転職、独立などにおいて、次の職場や職業を選ぶとき、「給料」や「年棒」などの金銭報酬に目を奪われることなく、
  「この職場で、いったい何が学べるのか?」(知識報酬)→ナレッジリターン
  「どのような人的ネットワークを築くことができるのか?」(関係報酬)→リレーションリターン
  「仕事を通じて業界での評価を高められるか?」(評判報酬)→ブランドリターン
  「人間としての成長の目標となるような上司がいるか?」(成長報酬)→グロースリターン
といったことに目を向けて、人生の選択をしていくということです。
・前者ほど「即効性」が高く、後者ほど「持続性」が高いのです。すなわち、自己投資においては、「即効性」のある「ナレッジ・リターン」だけに目を奪われるのではなく、長期投資の視点から、「リレーション」はもとより、「ブランド」や「グロース」というリターンにも目を向けておく必要があるのです。
・例えば、年棒四百万を取っている人材を考えてみましょう。もし、彼が働いている時間が年間二百日であるとすれば、一日二万円の価値を持って働いているわけです。すると、この人材が持っている残りの百六十日を越える週末や休暇をどう使うかということは、実は三百万円以上の「投資」の戦略なのです。

時間を投資することの意味、見落としていた。計算してみよう。
また、自分はリレーションとグロースをみていなかったかも知れない。
これからでも遅くない。起業家の自分のビジネスであっても、
これらの原則はかわらないはずだ。
自分はその仕事でどんなナレッジ・リレーション・ブランド・グロースが得られるのか。
そう考えたら、シンクロニシティなのか、ひとつの現象を呼び寄せた。
●その他

・これからの知識社会においては、「企業」ではなく「個人」が、この「ナレッジ・マネジメント」の発想と方法を身につけていく必要があるでしょう。
・大切なインタビューの最中は絶対に時計を見ないという「インタビューの鉄則」というものがあります。力量のある人物ほど、他人に対する気配りが細やかですから、相手が時間を気にしていると感じた瞬間に、話をまとめにかかってしまうのです。そして、その結果、大切な話をせずに終わってしまうのです。
・日本のビジネスマンに多いのは、理性的な「反省」を行うのではなく、情緒的な「後悔」や「懺悔」に流される人です。
・ギブ・アンド・ギブン
まず、自分から相手に対して「与える」のです。(ギブ)
そのとき、なぜか自然に相手から「与えられる」のです。(ギブン)

この本が10年近く前に書かれていたなんて..。
田坂さんがこれから出す本は、全部、即チェックだ。

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