Googleの正体

Googleは何がしたいのか?

書かれたのは2010年だけれども、
今のところ、Googleは悪い方向に「変節」したようには見えない。
しかし確かに、Google依存について一度じっくり考えて、
そして依存しすぎないような手をうっておく必要もありそう。
そんなことを感じた一冊。


●ロングテールの勘違い

・ロングテール商品とは「死に筋」商品といっても、市場はありながら、その存在を消費者に伝える手段がなくて、死に筋になっていた商品なのだ。当然ながら、同じ死に筋商品といっても、類書が多いのに価格が高く内容もよくないという商品として欠陥のあるものまで売れるようになるわけではない。
・ロングテール企業にも同じことがいえる。グーグルの検索連動型広告で光が当てられるのは、ユニークなビジネスをしていたのに、地域、商圏という限界があったために規模を大きくできなかった企業で、どこにでもある平凡な零細企業まで光が当たるわけではない。
・明らかに地方商店街の文房具屋と思われるショップが楽天市場にも出店しているが、どこでも売っているようなメーカーのボールペンやサインペンを、ほとんど定価で販売している店がけっこうな数存在している。近所でも買えるものをわざわざ送料まで払って、遠く店舗から購入しようと考える消費者はまずいないだろう。一方で、成功している店舗は、その土地の名産を扱ったり、ほかにはない食品類など、ユニーク度が高い商品を扱っている店舗だ。路面店での販売は地元の人か観光客しか顧客にできなかったが、インターネット通販を行うことで全国の人が顧客となる。

確かに、何でもネットで売ればいいと勘違いしている人も多い。そしてこの同じ過ちは、
Youtuberが増え、またFacebookマーケティングが増えてきた今、同じことが起こりつつあるのかも知れない。
やらないよりはやった方が行動の中で学べるという意味でよいことなのだけど、
そこを勘違いしないようにだけ、注意しなきゃならない。
ようは「あんたは何を売るんだよ」「その商品は何を解決してくれるんだよ」というのが大事ってこと。
●アドワーズ←オーバチュアの違い

・グーグルのアドワーズ広告が、グロスの手法の真似であるかどうかは議論のあるところだ。後年、グロスはグーグルに対して訴訟を起こし、グーグルは和解にあたっては数百億円に相当する株式を譲渡していることから、グーグルがグロスの広告手法を大いに参考にしたことは間違いない。しかし、根本的な考え方がまるで違っていた。
・グーグルはこのとき、大きな教訓を得たに違いない。自分が利用者の立場に立って、どういうサービスが欲しいかを徹底的に考える。そうしないと、インターネットでは生き残っていけない。グロスのように素晴らしいアイディアマンであり、有能なビジネスマン出会っても、わずかでも利用者を無視したことをやると生き残っていけいないのだ。

アイデアだけではだめなのだ。
顧客志向というのがどういうことなのか。
最初は、やや「奪い取る」形のマインドセットでも仕方ないとしても、
大原則として、絶対に顧客に損をさせてはいけないし、欺いてはいけない。
ここだけは抑えて行いと、完全に足を踏み外すことになる。
●自由な発想

・通常、データセンターというと高性能のコンピューターを収めた施設で、故障率を下げるために建物をまるごと冷却する。非常にコストのかかる設備だ。しかし、グーグルのデータセンターは、近所の量販店で販売されているパソコンを数百万台使うという従来なかった方法で構成されている。
・市販さされているパソコンは、どんどん高性能になり、同時に価格もどんどん下がっていく。このようなコストパフォーマンスが急激に改善されていく製品を利用することで、グーグルので下手センターは低コストで、日々性能がアップしている。故障したパソコン、時代遅れになったパソコンを取り外して、特売セールで買ってきた高性能パソコンに入れ替えるだけですむのだ。

そういえば、前前職のあの職場では、Googleに比べたらかなり小規模とはいえ、まさにこういうやり方をやっていた。
自分自身は、その当時セキュリティの職種にいたから、この辺りの自由な発想ができず、
信頼性とコンプラばかりにこだわってた時期。今だってまだまだだけど、特にあの頃は未熟だったなと思う。
若かったなというか。そんなことを改めて思い出した。
●業界の規制を破る天真爛漫さ

・あるゆる著作物は今、著作権そのものによって、自分の首を締める結果になっている。・・・この状態を打破して、一気にインターネットにメディアをシフトさせ、なおかつ著作者に正当な報酬が行き渡るようにするには、グーグルのように「まずはサービスを始めてみて、問題点は後から考える」という強引なやり方が必要なのかもしれない。そして、誰もがそのような強引な方法を取って矢面に立ちたくないと考えている今、グーグルはそこに大きなビジネスチャンスがあると見ているのかもしれない。
・グーグルは確かに他人のプライバシーや権利に対して無頓着ではあるが、それが「利益のためなら他人の権利さえ侵害することを厭わない」という20世紀型の邪悪さとはかなり色合いが違っているように見える。むしろ、「世界の情報を集積、整理するためには他人の権利を多少侵害したって仕方ないじゃないか」という21世紀型の天真爛漫さに映るのは私だけだろうか。

21世紀型の天真爛漫さ かぁ。
確かに、Googleの場合は、お上に目をつけられても突き抜けられるような
出る杭ではなく、出過ぎた杭 まで言ってしまえたからそれができたという側面は、ある。
でも、小さな起業だとしても、根本的なところが邪悪でなければ、
細かいことを気にして身動きとれなくなるより、まず動いてしまった方がいい気がする。
動機とビジョンが大切だってことだな。
●グーグル依存について

・グーグルが創業精神を捨て、変節してしまえば、一気に世界はデスパラダイスとなる。私たちが働くのはグーグルのため、消費するのもグーグルのため、恋愛をするのもグーグルのため。グーグルは世界のインフラとなり、税金のようにグーグルに上納金を支払わなければならなくなる。それに反抗する人間の情報は、グーグルのサーバーから情報が消去されてしまうだろう。グーグライズされた世界で、情報が記録されていない人間は存在していないと同じだ。もちろん、ここまでくるとSF小説的な妄想にすぎないのかもしれない。今後、自分の将来や未来を考えるうえでも、グーグルをウォッチしておくことは重要だ。

グーグルというよりは、米国の動向しだいってことなんだろうと思う。
そしてとくに、経営者が代わる時は要注意。
そこまでには利用はしても依存しないように、しておこう。
これに加えて最近は、AWS依存にならないようにも、注意しなきゃ。

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