あっ、買っちゃった。

一瞬でお客に反応させる快感マーケティング
CS(顧客満足)はもう古い!売上げを劇的にアップさせる新しい手法 CH(顧客幸福)
CH(顧客幸福)とは何か?
お客がモノを買ってしまうのは一瞬の判断。無意識のうちに手に取らせて劇的にモノを売り、買った後も幸福を感じさせることにより劇的にリピートさせる新手法

私のような通販業にかかわる人間より、
むしろ、実店舗にいる小売業のマーケッターやバイヤーにこそ、
必要な内容かも知れない。
まだまだ、わかってる人、少なそうだけど。


●原則

・CH 購入時における「期待による幸福」と使用時における「浸る幸福」の2種類の幸福感によって構成される。脳内快感ホルモンが分泌している状態で、その幸福感は、忘れられない記憶となる。さらに浸る幸福には「五感を通して感じる快感」と「私らしさの志向という快感」がある。
・後悔しているというより、ちょっとイケナイことをしたという感覚、思考以外の何ものかに突き動かされているような感じが”○○してしまった”(買っちゃった)だったんです。
– 気持ち良いことをしたから
– 気持ち良いことはイケナイこと 
・女性は理性的に買い物をしていないのです。自分が可愛く見える洋服を着てうっとりする。女は死ぬまでそうなんです。買ってしまうメカニズムとは「思考する前に手が動く」ということです。
・女性は「とろとろ」「しっとり」「うっとり」といった言葉に弱いですね。エロティックをエッセンスにしたロマンティックといったところです。
・女性には、自分(ひとり)が主人公ではない買い物が実に多いのです。(関係消費)
 この「関係消費」は切り捨ててはダメです。
 関係消費の中でも、「一緒に○○する」のが大好きで、そのために財布を開いてしまうのが女性でした。さらに、「みんなと一緒」は女性がとても幸福に感じるものです。
・「期待による幸福」を創っていくためには、どうしたらよいのでしょうか? 実は、「幸福そう!」が効くのです。写真や映像が効きます。男女取り混ぜた複数の人がいて、幸福そうなビジュアル。その中に自分もいるようなイメージを女性は一瞬にして持ちます。幸福な「物語」の中に一瞬で入り込むのです。

女性が理性でき説明しきれない/自分自身では認めたくない感情レベルを理解して、イケナイ快感/ご褒美に訴求する。
セグメンテーション分析やリサーチに基づく従来のマーケティングから、一歩前進だ。
●浸る幸福 – 私らしさの志向という快感

・1000円の化粧品と1万円の化粧品では、中身が同じであっても1万円の化粧品のほうが効くんですって。単に暗示効果じゃないそうです。高価なものほど安心感や信頼感を持ちやすくて、その情報がすぐさま脳に届くから効くんだそうです。
・新しい口紅を選ぶとき、女性は前より綺麗になった自分を思い描き、新しいドレッシングを選ぶとき、前より優雅になった食卓を思い描くんです。化粧品や洋服、アクセサリー、バッグなどは顕著な例でしょうけど、たとえ100円のミネラルウォーターであろうと、300円の石けんであろうと基本は変わりません。より良くなるために買い物をするのです。例外として、必要なものを買うとい行為があります。(安くて便利でさえあればいい、ブランド代替がいつでも可能な納得消費のもの)

おそらく男性脳と女性脳が半々の自分には、この感覚、よくわかる。
ここ、女性向け商材の場合には、要注意ポイントだろうと思う。
●リサーチにおいて注意すべきこと

・消費者は売り手企業が考えている以上に無意識のうちに行動をとっているし、また、どうしてそういった行動をとったのか自分でもきちんと説明できない、あるいは何らかの理由で説明したくないのです。また、消費者は自分自身の感情すらも簡単には説明できないのです。女性の本音の欲望を知るには、興味本位ではなく真摯に、無意識の世界を探求することが求められます。
・いきなり無意識の世界を探ろうとしても無理なので、まずは事実を聴く。どんなところが好きかなど、できれば気持ちを聴く。「ご意見」はノンユーザー、つまり使ったことがない人でも言えるので注意が必要です! 意見は買い物行動とはまったく関係がありません。
・女性は死ぬまで女性で、年齢や年収の差で買ってしまうものにそれほど差はない、と私は考えています。「美味しそう」「良さそう」「(私が)可愛く見えそう」そんな幸福感から買い物をするのです。女性の年収が上がると、
 ・外食が増える。
 ・アクセサリーを買っていたのがジュエリー(宝石)に変わり、ケタが変わる
 ・美容にかける金額のケタが変わる
 ・たびたびブランドバッグを買う
そんな感じです。買うものが画期的に変わるわけではありません。

何についても同じだけど、「現象はうそをつかない」という大原則がある。
事実を聞いて、行動から推定する。
理性に説明させてはいけないのだ。
そして、所得に応じたターゲティングも、必ずしもそうではない場合がある。
これはいい発見を得られた。
●差別化の方向性を間違えないこと

・「簡単」「便利」または「安い」「お得」という売り方はお勧めできません。「簡単」「便利」で買ったものには、愛着が湧かなくて、似たようなものを買っても平気です。「安い」「お得」で買う人は、もっと安いものがあれば、そちらを買います。つまり、リピートが起きない、いえ起きにくいんです。

商材が、納得消費の対象に陥らないように注意いなくてはならない。
現在の通販業界は、まだこの「納得消費」が多いし、
セールスレターの多くは男性脳向けのものばかり。
かろうじて、一部の優秀なマーケターが、女性を意識したセールスを展開しているのみ。
自分は、そこに入っていくのだろうか。

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