お金と感謝がやってくる3つのステップ
本田健さんと神田昌典さんが少し前にほぼ同時に
「お金」に関する本を出版したけれど、
これもまた、それらと合わせて読むとさらに理解が深まる一冊。
セールスに関わらずに生きていくということは、ありえない。
自分がなんらかの書い手となることはもちろんのこと、
金銭の授受があるかどうかを別とすれば、
常に、何らかの売り手となっているという意味で。
セールスって、心理学なんだなと、
セールスって、コミュニケーションスキルなんだなと、
そんなあたりまえのことを、改めて深いところで認識した。
●売ることの正当性
・「強引に無理に売ってはいけないよ。当たり前だよ。私が言いたいのは、相手の都合が本当に先に延ばしたほうがいいのかっていうことなの。相手の人が英語をやりたいって言っているのなら、私は、早くできる方法を探してあげてほしいの」
・お金を使ってもらって、感謝してもらえることが、営業の醍醐味です。
・実際に私は、自分の商品を「高い」と思っているときは、契約がとれませんでした。営業マンが自分の商品価値よりも、金額のほうが高すぎるんじゃないの? と思ってしまうと、「これって本当にいい商品なんです!」と言ってる言葉が嘘になってしまいます。だから、営業マンが自分の商品を「高いな」と思っているあいだは、売れない営業のままなんです。
・厳しい数字や競争の中で、本当の営業というものを知らないときに、無理やり売ってしまったことが、ストレスになってしまって売れなくなってしまったという営業マンもいます。そういうことを経験すると、なんだか「売ること」自体が悪いことをしているような気持ちになって、もう営業の仕事が嫌になってしまいました。同時に、お客さんの顔を見たら、お金に見えるようなスタイルでは、絶対に続かないのだとわかった時期でもありました。後ろめたい気持ちでものをすすめたりするのは、全然正しい行為じゃないのです。売りたくない商品なら、そこの会社は辞めたほうがいいです。けれど、その商品の利点をもっと調べて、この部分はいいなぁとか、何もやらないよりも買ったほうがいいなぁとか、プラスをたくさん集めて、自分で納得できるポイントを増やしていく努力は必要です。
・「得るもの」を明確にして、お金を払ってもらっても、きちんと使ってもらえさえすれば損はないし、それ以上の付加価値があるから、私はこれを販売していいことしたんだって思えるくらいに、自信をもつことが、これから「買おう」としている人への思いやりです。
・罪悪感があるということは、
– お客さんが自分や会社にもっと投資をしてお金を使うことによって、問題解決ができたり、もっとすばらしくなっていけるかどうか、それが見えないので不安(営業マンが信じていない)
– 自分の売る商品やサービスの価値が、価格以下ではないかと不安がある
– 右記の理由から「損をさせたらどうしよう」という心配をしてしまう
という心理が営業マンにあるということです。
・「それ、買ったら損するんですか?」本気でそう思うなら、その仕事、続けないほうがいいです。そのまま売り続けたら、心が病んでしまいます。
・「売る」ということは、ただ商品やサービスを、お金と交換することではないと私は思っているんですね。「買ってくれてありがとう」「売ってくれてありがとう」っていう気持ちが交わうことだと私は思うんです。
・売ることを目標にすると、売り上げというお金を追いかけている営業スタイルになります。それは、ときに強引で、その場だけの笑顔で取り繕っているようにも見え、売ったあとは、すぐに継ぎの売り上げの素(お客さん)へ意識が向いてしまいます。お客さんがお金を払ってくれさえすれば、それでゴールだと思っているのです。買ってもらったあとの喜びや感動を売っている人は、その後、感動をしたお客さんが新しいお客さんを紹介してくれるので、売り上げを追いかけなくても売り上げがついてきてくれるスタイルを、自然に構築できます。なぜって、営業マンのゴールはお客さんのスタートだからです。
この言葉に、救われた気がした。
私はやはり、過去に、無理に売るということをしたために、
またそういう人をごく近くで見てしまったために、営業の仕事が嫌になってしまった。
彼女と全く同じだ。
自分にウソはつけないのだ。
でも、逆にいえば、この理由を知り、問題を解決すれば、
私はたぶん、売ることができるような気がする。
●お金を使う時の意識
・お金は、自分の経験が増えることに使っていくのがいいと思います。この感覚を営業マン本人がもっていないと、相手にはお金を払ってもらうくせに、自分は使いたくないという矛盾が起きます。矛盾は違和感になってねやる気をことごとく減少させてしまうので、結果が出なくなるのは当然なのです。営業マンは、お金を使うことに対して、けっして罪悪感を感じてはいけません。ものすごくポジティブに捉えて、使って勉強すると思っていたほうがいいのです。そう思えば、お金を使う罪悪感がなくなってきます。
・お金を経験のために使えば使うほど、お金がどんどん生まれてくる。私はこの法則に気がついてから、無駄だなと思うものにはどんなに安くてもお金を使わなくなりました。お金で得るものは、経験です。
・お金を使うことは、自分を信じる方法のひとつでもあるんです。
ここは、大丈夫だと思う。
でも、人によって優先順位や比較の仕方が違うので、
それをトリックによって、あるいは強引に誘導することは、避けたい。
そういう人、とても多すぎる。
●買う価値 買う基準
・自分自身がお金を使うときに、付加価値を感じて買うことのできる人は、相手に何かを販売するときに、同じように付加価値の説明を自然にできます。だから、テクニックでも応酬話法でもなく、簡単に、そしてすごく自然に付加価値に気づき、それを伝えることができるんです。
・大きな買い物になればなるほど、付加価値として営業担当の知識が求められるようになるのです。
・お金持ちになる要因には「空間」にお金をかけているかどうかが大切なポイントになります。
これは、とてもいいエクササイズだ。
自分が何かにお金を払うとき=買い手になるときには、
必ず付加価値を考えよう。吟味しよう。
それは、逆の立場になるとき=売り手になるときの
とってもいいエクササイズになる。
●買わない理由 お金以外の理由
・私は営業するとき、お金の話をする前に、「お金以外で何かできない理由はありますか?」と確認して、問題を明確にして、進むようにしているのです。
「タダなら、悩まずやるよ、すぐに」
「だったら、お金以外でできない理由ってないんですよね?」
「え?」
「だって、タダならすぐにって」
「そうだね、確かにそうだね、私、今そう煎ったね?」
「はい、だから、タダじゃないけど、予算だけ出して、そこからやりましょうね。いいですか?」
問題を明確にするというのは、いい。
ただし、何にはお金を払うことができ、何には躊躇するのか、
それは、買い手の価値観そのものを意味するので、
ここに介入するのは、実際にはとても重たい話しだとは思う。
●紹介
・私はそんなお金の流れを、「円と援と縁の関係」と呼んでいます。「円」はお金でもあるし、輪という”まあるい”意味もあります。誰かの助けになりたいとか応援したいという「援」と、人との思いやりの「縁」、そこにお金が生まれる。
・紹介って、ものじゃなくて、人なんだと思っているんです。
・紹介っていうのは、こちらが数字を欲しいから、もらうものでもないし、頼んでもらうものでもないですね。
お客をモノのように扱う営業が多すぎる。
きっと客=金づるだと思っているのだろう。
そういう人は、見ればわかる。
直感的にギラギラした吐き気を感じさせる人には、近寄りたくない。
逆の立場で、自分が売り手の時にも、そうならないように注意したい。
●その他
・松下幸之助さんが決断の判断基準にしていた「51%の決断」、私、好きなんです。ものごとを決断するとき、半分より1%でもいいなと思ったら、GO! です。「よし、やってみよう」なんです。
・老後の心配をしてお金を貯めると、老いを早めてしまうのです。頭に今あるイメージが「老いた自分」になってしまうせいで、今を楽しまないで、未来への不安で生きてしまうからです。
・私が小さい頃、まだ父も独立したばっかりで、とても貧乏だった時期があったように思います。でも二人の口からは一度も、「うちは貧乏だから無理だよ」と聞いたことはありません。そのことについて私は、とても両親に感謝しています。
・お金がないときに無駄を省いて、なんとか毎年夏休みに旅行に連れていってくれた父と、そんな状況にも楽しく笑っていた母 – 両親が教えてくれたお金への考え方は、私の中で確かに息をしています。「うちは貧乏だから」と連呼するお母さんがいます。これはその子どものお金のマインドを、とてもネガティブなものにしてしまいます。