結婚の知恵

What Your Mother Couldn’t Tell You & Your Father Didn’t Know
男と女の「小さな交渉術」

これまで連続してジョングレイの代表的な4冊を読んだ。
そのどれもが、内容を味わい、感じながらじゃないと読めなくて、
1冊読むのに一週間ぐらいずつかかった。
つまりそれだけ、深く、厚みのある素晴らしい内容である
ということだ。


●男に必要な女のあり方

・男性の愛の感じ方はまた違う。彼はもっぱら、彼女が彼によって十分満たされていると何度も伝えてくれた時に、愛を実感する。彼女の機嫌がいい時にも愛を感じる。いい天気ね、と彼女が天候を喜ぶのにさえ、彼は少々誇らしさを覚えるのである。男性は彼女が満足している時が一番幸せなのだ。
・男性は、ちょっとした協力でも感謝してもらう必要がある。そこを自覚していないと、彼女の歓心を得るために何か大きいことをしようとする。しかし、これはうまくいかない。
・家庭でいたわられていないと感じている時に、男性が最もよく示す行動の一つが、この仕事人間になる、というものだ。前にも述べたように、女性の不満に出会うと、男性は本能的に収入を増やそうとする。もっと働こう、もっと出世しようと駆り立てられる。しかし、どんなに成功しても、決してこれで十分ということはないので、自分の能力不足や失敗したことを自分で責めてしまう。成功しなければという気持ちから、一筋に頑張り続けることで、男性は満たされない心の欲求から一時的に目をそらすことができる。彼は、一人でなんでもやれる、自分には能力があると自分に言い聞かせることで、パートナーに満たしてもらえない気持ちから目をそむける。
・家庭で妻に日常的に感謝されていないと、男性は自分の能力を仕事の結果だけではかるようになる。しかし、成功の欲求は、感謝が欲しいという欲求を紛らわすための、代償的な欲求にすぎないので、たとえそれが満たされても彼自身は満足できない。

自己重要感を満たすために、男性が仕事人間、ワーカホリックになることによって
ますます女性の自己重要感が下がり、不満がつのり、感謝の言葉が減る。
そしてまた男性が仕事に…という悪循環に陥って破局するカップルは、多い。
この時、まずどちらが先に相手の自己重要感を満たしてあげるのか、
と考えても意味がない。お互いに、子どものころの家庭環境が根本原因なのだから。
気づいた方が先に、自分の中にある欠乏感や焦燥感を克服する必要が、ある。
●女に必要な男のあり方

・女性は、特に自分の気持ちを打ち明けるとなったら、自分の方が正しいと主張したり、押しつけがましい男性には、安心して話ができないのだ。
・女性は、自分よりも彼の方がより感情的になると、彼に安心して心を開けない気がする。そんな彼女に残されているのは、自分の殻に引きこもることだけだ。すると彼女は男性化する。パートナーの感情的な攻撃や要求から自分を守るために、男らしくあらねばならないからだ。
・男性がノーと言うと女性は感謝する。彼がノーと言えるのなら、自分もノーと言えるからだ。ある意味で、女性はノーと言える男性にひかれる。そんな彼なら彼女のノーも尊重してくれるからだ。

アサーティブコミュニケーションは、職場や嫁姑関係やどに役立つと考えていたが、
実は、夫婦関係にこそ役に立つし、まずここに適用するのが先なのかもしれない。
●夫婦間の交渉・喧嘩・意見の衝突について

・男性と女性とではパートナーシップのとらえ方が違うことを覚えておくといい。女性は二人て力を合わせて同じ目的に向って協力している時に、パートナーシップを感じる。そこには上下関係もなければボスもいない。女性は互いに気持ちを打ち明けながら、一緒に結論を出していくものなのだ。しかし、男性はパートナーシップをまったく違う角度からとらえる。彼は自分の管轄領域というものを持って、そこでは自分が主人になりたがる。パートナーの女性がカノ書の管轄領域を持って、そこで主人になるのもいっこうに気にならない。彼女にあれやこれや指図されるのはまっぴらだが、彼女のしていることに鼻を突っ込む気はまったくない。彼にとっては、二人が別々に責任を背負って、それぞれの仕事をこなしていれば、二人はパートナーとしてチームを組んでいることになる。
・相手に態度を変えて欲しいと頼むのは、庭いじりに似ている。どちらも、一番いい時期を見計らって種を蒔いてやらなければいけない。いったん種を蒔いたら、それを掘り返したりしてはいけない。後は水をやって、じっと芽が出てくるのを待つだけだ。
・女性がキャンプの監督になっていたら、タイミングを見計らって、彼女に寄り添い、手を触れるとか、抱きしめてやるといい。体に触れられると女性はどんな場合でも女らしさを取り戻し、男性的な面と女性的な面の崩れたバランスを回復できるのだ。
・彼女に反発されても、こないだはちゃんとやったじゃないか、などと反撃するのは慎むことだ。彼女の反発を乗り越えようと思ったら、腹を立てず、「手伝いたいけど、いまはしばらく自分の時間が必要なんだ。後で必ずやるよ」という最初に言った言葉を断固として通すことだ。
・彼女の反発をじっとやりすごすには、「他に言い方がないから、こう言うしかないんだ」と言うだけでいい。男性が見苦しい言い争いや喧嘩を毅然として避ければ、あれもやらなかった、これも忘れた、などといすう非難攻撃の方向に二人のやりとりが発展するのを避けることができる。男性は、いまはできない、という最初に言った言葉を繰り返し彼女に伝えていれば、自分自身と彼女のために愛情深い態度を保ち続けることに専念できる。そうしていれば彼女も、彼に賛成はしないものの、彼の毅然とした態度を尊重する。こういう場面では、気持ちをぶちまけるのは女性だけでたくさんだ。
・基本的に男性か覚えていられるのは、前向きの言葉だ。優しい、信頼に満ちた調子で頼まれれば、彼は忘れない。しかし、彼女に否定的な言葉ばかり投げつけられたら、耳をふさいで聞こうとしなくなる。彼女が腹を立てれば立てるほど、男性は大事な頼まれ事を忘れる。

男性の方が争いや喧嘩を毅然として避ける というこの言葉、重要。
結局のところ、女性がどんなにヒステリックになるとしても、
男性の方の対応に、鍵がある。
●夫婦の愛情が友情に変化してしまう理由

・男性はパートナーを喜ばせたいという優しい欲求を感じなくなると、自然と優しい気持ちを押し殺すようになる。女性は安心して感情を話せないと感じると、それを押さえつけ、心を閉ざす。
・パートナーの片方が二人のために自分らしさを犠牲にしていると、二人の仲は丸く収まるかもしれないが、情熱は死んでしまう。
・女性はよくパートナーに合わせるために自分らしさを押し殺すが、男性も自分の重要な部分を抑圧することがある。男性は二人の争いを避けるために一歩身を引く。相手を愛する気持ちが双方にありながら、効果的なコミュニケーションの方法を知らないために、自分の感情を押し殺し、友達のような関係を築いてしまうカップルはとても多い。こういった人たちは、否定的な感情を爆発させないように自制することによって、自分の感受性まで押さえつけてしまっていることに気づいていない。二人がいい仲間になるためには、独立心と自主性のバランスがとれていなくてはいけない。

思いやりとは、自分のほんとうの気持ちを抑圧することではない。
なおこれは、もしかしたら子育てでも同じなのかも知れない。
親業、それからアサーティブコミュニケーション、交流分析の考え方は、
いつまでも恋人のような夫婦関係を維持するためにも、役に立つ。
●許し

・その人のことを許してあげない限り、その人を忘れようとしても、傷はずっと痛み続ける。許すというのは傷を忘れることなのだ。
・真の許しというのは、相手が大きなミスをしたことを確認し、その後で、それでも相手がまだ愛し尊敬すべき人であると肯定することである。その行為が釈明できるとか、納得がいく、というものでは決してない。
・「私自身はもうあなたにチャンスをあげる気持ちはないけれども、他の人たちとあなたがうまくやれることを願っている。」「あなたのしたことはもう忘れることにした。もう責任を感じなくてもいい。水に流して、仲直りしよう。」許すことができるようになったら、苦しみが取り除かれ、心が楽になる。「あなたを許します」この短い言葉によって、いままでに多くの人の人生や人づきあいが、驚くほど救われてきたのである。
・たいていの人は、許す方法を知らずに、恨みや怒りをこらえているが、もっといい方法、つまり許しを知ると、そちらを使うようになる。

もしかしたら、
パートナーが浮気をしたことを知ったような場合に、
この考え方が役に立つのだろうか。
●男性が女性の感情を吐き出させる方法

・手を触れてもまだ彼女がよそよそしい時は、「何か話したいことがあるんじゃないか?」という質問が一番効果的である。もし答えが「ないわ」なら、彼女は話したくないのである。私は、「どうしたのか、教えてよ」と彼女の怒りをかき立てないように用心しいしい尋ねる。彼女が一呼吸おいて、「話すことなんて大してないのよ」と返してきたら、たくさん話があるという意味である。私は非難をかわす準備を始める。
・女性は支えられている安心感がないと、彼が気遣ってくれない、どうせ話をしたってわかってもらえない、と思って話をしようとしないものだ。彼女がそんな風になっていたら、優しく辛抱強くねばることによってしか、心を開いてやることはできない。それを念頭に、私は「何か僕が言ったこととか、したことで怒っているの?」と聞いてみる。彼女が深い息をついて、ため息を漏らしたら、本当に話したくないというしるしである。
・「それは悪かった。僕が無神経だったよ」。衝動的に言い訳したくなったが、それは抑えて、妻の肩に触れた。その時はもう拒まれなかった。
・感情を吐き出した女性には、冷静になって自分の発言を振り返る時間、そう、15分くらいの時間が必要だ。ある意味でこれは、女性が自分の殻に引きこもる時間と言ってもいい。相手を間違って非難したり、攻撃したことを反省するチャンスだ。この短い反省時間に彼女は男性がくれたプレゼントに感謝し始める。

これは、男性の異性コミュニケーションの上級技術。
吐き出すのを受け止める ということではなくて、
積極的に吐き出させてあげることができたら、上級者。
そしてこれは、カウンセラーの領域。
●女が男に話を聞いてもらう工夫(正しいグチのこぼし方)

・私はずっと、「何かを変えようという気がないのなら、それについて文句を言うのはやめろ」という考え方をしていた。妻はそんな私が思いやりに欠け、一方的すぎると思っていたようだ。そんなある日、妻のこんな一言で、私たちの関係はすっかり変わってしまった。「今日職場であったことを話してもいい? でも、最初に断っておくけど、いまの仕事は大切だし、私やめる気はないのよ」彼女はそう言ってからグチをこぼし始めたのだ。
・娘があらかじめ、「お父さんは意見を変える必要はないのよ」と一言いってくれたおかげで、私は気楽に話を聞けた。これは男性の驚くべきことなのだが、男は間違ったアプローチの仕方をされると、相手を受け入れまいと抵抗するばかりでなく、女性の感情や欲求をはねつけようとまでする。しかし、これは裏返せば適切な方法でアプローチされ心構えする余裕が与えられれば、男性はあらゆることにはるかに思いやりが持てるようになるということだ。

ああ、これは確かにそうだろう。
女性心理を理解しようという男性じゃない場合は、女性の場合が工夫する必要がある。
こんな言い方をされたら、多くの男性は、たぶん冷静に話をきける。
●女に非難されると感じると

・女性が自分の気持ちをむき出しに表現すると、男性は必ず非難されたと感じ、彼女に命令されている気分になる。ただちに彼女の欲求を満足させないと、ますます怒られるのではないかと感じる。愛情から彼女を助けるのではなく、それ以上怒られないように何とかしようと思うのだ。これは健全な動機とは言えない。
・たとえば、「あなたが…と思うのも無理ないわよね」と言ってみるといい。このセリフは男性にとても効き目がある。こう言われると彼はたちまち冷静になる。男性が話を聞いているうちに腹を立てるのは、自分が非難されていると思い込むのが大きな原因だ。しかし、非難をやりすごせるように女性がちょっと一言声をかけてくれれば、まるで違う。
・男性にとっては、女性がパートナーのミスを何から何まで覚えていることが理解できない。一方男性は誰かを愛したら、二人の間にどんなことがあったとしても、それは水に流そうと努力する。もう忘れたと思っていた問題を彼女に蒸し返されたら、男性は自分が非難されたと感じるのだ。
・彼女が過去のことを持ち出してきたら、もうお手上げだ、と思うのではなく、「僕は彼女が過去を思い出して気持ちを処理する手伝いをしているんだ。あとでまた、僕だって努力していることを思い出してくれるさ」と思えばいい。
・パートナーが積極的に彼女の気持ちに感心を示してくれないと、彼女は彼の否定的な関心を引こうとし始め、彼にどう見られようと構わない、と思うようになる 何としてでもパートナーと話をしようとするあまり、彼の注意を引きつけるために言い争いさえ始めるようになる。
・「私がいつも…」「あなたは決して…」などというフレーズを使うたびに、そんなことないだろ、と内心ではいちいち彼女の言葉を訂正していた。しかし、決して口には出さなかった。…私は彼女の間違いを訂正すれば問題は解決して、彼女も怒りが収まる、と思い込んでいた。彼女が私を理解してくれないから言い争うしかない、と感じていた。彼女の気持ちを何とか変えないと、怒りが収まらないのではないかと心配になっていたのだ。

男性がここの部分を読んでおくだけで、
夫婦ゲンカの8割は、なくなってしまいそう。とても重要なところ。
この本のエッセンス、かも知れない。
●買い物の仕方 = 感情との向き合い方

・女は感情が不安定になったとしても、男のように正しくなければ気が済まないといったことはない。というのも、すぐに何か行動を起こすわけではないからだ。女はそういう時、まずはもっとおしゃべりしようとする。男と女のこの違いは、心の問題を話すためにセラピストを訪れる女性の数に統計的に表れている。セラピストにかかる人の九割までが女性なのだ。
・私の場合は目的のものをさっと見つけて、金を払い、できるだけすばやく店を出ようとする。ちょうど、ハンターが獲物をしとめるとすぐに家路につくように。ところがボニーは、あれこれ試着するのが楽しくてしょうがない様子だ。…ところが、45分間もそうしていたのに、結局は何一つ買わなかったのだ。驚いたことに、妻にはがっかりした様子もない。あれだけの時間とエネルギーを「狩り」に費やしたあげく、空手で家に戻って、しかも平然としていられるなんて、私には、いや男にはまったく理解できない。
・負担の多さを訴える女性は、ちょうど彼女がショッピングをするのと同じ要領でグチをこぼしている。どの気持ちが似合うかあれこれ試着しているだけなのだ。どれか一つの感情を長く「着て」みたり、試したとしても、それが実際に彼女に「ぴったり合う」感情とは言えない。同じように、女性が自分の気持ちを話していても、それが彼女の本当の気持ちというわけではない。彼女は、自分に一番ぴったりくる感情を探している最中なのである。彼女が何か言ったからといって、それを実際に「買って」、家に持って帰り、ずっと着続けるとは限らない。
・そこで私は、妻の言葉が非難がましく聞こえる時は、私たちはショッピングをしていて、彼女があれこれ試着し始めただけなのだと考えるようにした。一時間しないと店を出られないかもしれないが、その一時間が終わってみなければ、彼女が結局何を考えているかはわからない。

「感情のショッピング」かぁ。
なるほどこれはわかりやすい。
今度妻が怒っているのに接したら、このキーワード、思い出そう。
男性にはまったく想像もできない心の動きだ。
●女性が気づいていないこと

・たいていの女性は自分が変わったことにも、男性が彼女はもう自分を支えてくれないと感じていることにも気づいていない。
・女性は恋をすると、頻繁に彼に感謝を示すことで、あなたのことが好きよ、誘って欲しいわ、という気持ちを伝えようとする。結婚した後まで彼が感謝してもらいたがっていることを女性は知らない。努力や協力を女性に認めてもらうことが男性にとってどんなに大切か、理解していないからだ。彼女は、自分の務めは彼のためにいろんなことをして愛情を示すことだと考えている。ところが男性は、彼女にあれこれ世話されるよりも、むしろ彼女にしてあげたことに感謝される方が嬉しいのだ。
・男性というものは、一番彼を必要としてくれる女性にひかれる。彼女の側にいれば、他の誰の側にいるよりも感謝してもらえるからだ。男性はありのままの自分をパートナーに認められた、理解された、信頼されていると感じた時に安心するものなのだ。

結婚前の女性は、とくにこれ、知っておくと幸せになれる。
もちろん、既婚者もだけど。
●女性が理解しておくべき男性の性質

・いったんその目標を達してしまえば、彼のハンターとしての本能は消える。花をプレゼントする代わりに給料を彼女に分け与え、仕事先から電話を入れる代わりに、毎日家に帰るようになる。デートの段取りをする代わりに、彼女との人生を計画するようになる。愛情を示す代わりにセックスする。話をただ聞いたり、じっと見つめる代わりに、彼女の問題に責任を感じて問題解決をするようになる。ちょっとしたロマンチックなことをするのに時間をかけずに、彼女が欲しがるものをなんでも手に入れられるよう一生懸命稼ぐことに時間をかけるようになる。きれいだよとか愛してる、と言う代わりに、結婚指輪をはめる。それが彼の代わりに愛の言葉を伝えていると考えているのだ。初めて出会った頃に彼の示した愛の行動は、結婚した後でも二人の愛を育て、いつまでも熱を失わないために必要だということを、彼は知らない。女性の愛を勝ち取るためにしたいろんなことが、結婚後も彼女を幸せにしていく上で欠かせないものであることが、彼にはわかっていない。
・女性との結婚前のつきあいの時期というのは、ある意味で男性が新米として仕事のキャリアを積んでいくのと似ているところがあり、彼の下積み期間なのである。男性にとって、結婚前にしていたことを求められるのは、階段の下からもう一度上り直して欲しい、と言われているようなものだからだ。
・どうして男性はデートのお膳立てをしなくなってしまうのか つきあい始めた当初は、彼女を誰か他の男が誘い出してしまわないうちに約束をとりつけなければならなかった。男性は、デートのお膳立てをすることが女性にとってそんなに大切だとは思っていない。彼は単に彼女の時間を予約するためにそうしていたのだ。いったん一つ屋根の下で暮らし始めたら、計画を立てる必要はまったくない、と男性は考える。
・結婚生活の第二段階では、女性は彼がいろんなことをしてくれなくなったと失望し始め、彼にだんだん感謝しなくなっていく。男性も感謝されなくなると、しだいに疲れて何にも手を出さなくなるので、彼女は孤立無援の状態になり、ストレスに押し潰されそうになる。しかし、女性も男性も一歩進んだつきあい方のテクニックを使えば、この第二段階を乗り切って、結婚したばかりの頃の二人にまた戻れる。

これは、遺伝子の問題なのだ。男性の脳の作りの問題なのだ、と考えると、
すこしは諦めもつくのだろうか。
納得できるかどうかはべとしても、少なくとも、
男性の愛がなくなったわけではなく、
覚めてしまったわけでもなく、
悪気があるわけでもない
それを知るだけでも、かなり違うんじゃないかな。
●男性が理解しておくべき女性の性質

・「あなたはちっともわかってくれない」という言葉の真の意味は、「あなたは私があなたに求めているものがわかってない。私はただ聞いて欲しいの、思いやってもらいたい」ということなのだ。
・男性も女性の血糖値が下がった状態を経験してみなければ、女性の空腹とイライラの密接な関連が理解できないかもしれない。私は個人的には、古代の戦士の本能を活発に働かせて何か目的を追いかけている時には、食べ物のことなど忘れてしまう。しかし女性のボニーはそうではないことを知っているので、急いで彼女の空腹を癒してやろうとする。
・男性にとって新しいものを試すのは失敗の危険を冒すことだが、女性にとつてはマンネリを抜け出すチャンスである。女性は目先の変わったことを試してみたがる。

確かに、新しいことをする=リスクなわけだけど、
それを積極的にするというのは、男性にとっても成長のチャンスではある。
常に男性的であるための、訓練と考えることもできるのかな?
ただし、モチベーションを維持する工夫は必要。(それが一番大変?)
●幼児期の育ち方・怒りへの反応

・子供の頃、母は私があれこれいろんな事を話すのを飽きずに聞いてくれたものだ。私は母に間違いを訂正されたり、そんなの当たり前でしょ、と言われたことがない。母は話をじっと辛抱強く聞いてくれた。幼い未熟な考えでも心からほめてくれた。だから自分にも言うべき事があるのだと私は自信を持った。
<女>
・幼児期にある女の子は、考えもせずに夢中でしゃべり、男の子は考えもせずにひたすら動き回るものだ。女の子は、親に冷たくされたり愛情を失う恐れがなくおしゃべりを聞いてもらえる、と安心できれば、しだいに左脳と右脳をつなぐ神経結合組織を発達させていき、そのうち同時に感じ、話し、考えられるようになる。
・大人の女性は、怒りがこみ上げてきたり、はっきりものが考えられない時は、黙って話を聞いてくれる相手に向って気持ちを吐き出したくなる。誰かに聞いてもらえれば、また思考と感情をつなぎ合わせて、状況を把握し、どうすべきか決められるようになるのだ。ストレスがある時に、女性は話を聞いてくれる相手を求める。
<男>
・一方で男の子は、活発に動きまわっても無闇に叱られたり、愛されなくなったりする不安がないことを確信できると、好きなように動きまわっていろんな失敗をしては、その失敗を反省して行動を修正していく。この自己修正というメカニズムによって、男は失敗から学ぶようになる。そして少しずつ、行動する前に感じ、考えられるような神経結合組織を発達させていく。
・男は怒りがこみ上げてきたり、はっきりものが考えられなくなった時には、本能的に行動したくなる。正しい判断を下すまでは、何かしなければという衝動を満足させるためだけに、その辺をうろうろすることもある。

娘と息子には、誤った対応をしないように、気をつけている。
本当に本当に、気をつけよう。
●時代の変化

・いまの女性は男性に、父親の世代が要求されなかったものを求めている。新しい種類の支えを得ようとするなら、女性は欲求をパートナーに伝える方法や、もっと協力してもらえる快い頼み方を身につけよう。
・女にとって、こちらから頼まなければいけないというのは、結構大変なことだ。わざわざ口に出してお願いし、頼まなければならないとなると、「彼に愛されていないのかしら」という気持ちになる。加えて、女は効果的な頼み方で求めることに慣れていない。
・いまの女性を満たすためには、男性はもっと協力的になる必要がある。主導権を握りながらも、事を決めるプロセスに彼女も参加させることが彼には求められている。何かを決める時、女性は全部自分に任されることも、まるでカヤの外に置かれることも望んでいない。
・男性がバランスを崩すのは、両親の世代までは女性によって与えられていたサポートを彼女に与えてもらえないためである。また、女性がバランスを崩すのは、新しい時代のサポートを男性が与えてくれないからである。
・さて、時代が変わり音楽が変わったからには、新しいステップが必要なってくる。一歩進んだつきあい方のテクニックを知らなかったら、二人が始めのの頃に感じた特別な愛の光はしだいに消えていく。
・私たちの両親の世代は、いまの時代に通用するいい夫婦関係の築き方を知らなかっただけなのだから、非難されるいわれはない。

ニーチェの神は死んだ ではないけれど、
宗教に対する信頼もなくなった現代では、
誰もが理解できる新しい価値観、コモンセンス、スタンダードのようなものが、
求められているのかも知れない。
●その他

・片づけなければならない用事を洗いざらい書き出してリストにし、その一番上に、大きな文字で「これはいますぐにしなくてもいい仕事」と書く。ひと月に少なくとも丸一日は完全に休む日をとって、何の問題も解決しない。あなたが母親なら、丸々一日休みをむとって、家と子供から離れる。

夫の協力さえあれば、これが実現できる。
しかその「夫の協力」が得られない人が、たくさんいる。