東京大学機械的合格法

難関大学を突破する超合理的勉強術

子どもの学習法を考える時、
「中学受験のノウハウ」のような近視眼的なものではなくて、
少なくとも大学受験あたりから遡って考えたい。
大学受験ですら、近視眼的な気がするけど。
和田秀樹本とはまた別の視点で書かれていて、
和田本だけでは見落としてしまう盲点などを補えて、いい感じ。
正攻法という感じだ。

●合格の戦略

・特に東大を受験しようという賢い人は同じような過ちを犯す可能性が高いので注意しなければなりません。得意な科目となると完全を目指して、どんな細かいこともすべて勉強しようという人がいます。たとえば、数学ならば、雑誌「大学への数学」などをつかって勉強します。そこで覚えた「エレガント」な解法(計算よりも発想を重視した解法)を試験で試そうとするのですが、結局、考えるのに時間がかかり普通の解法で解く場合とあまり時間が変わらなかったりします。
・東大を目指すような優等生の場合、何でも完全にしなければ気が済まない、という傾向が多く見られます。しかし、もともと東大入試に要求される科目は非常に多いので、これをすべて理解し、暗記するというのは不可能です。結局、東大突破という観点からすれば、すべてを暗記し、理解しようという完全主義は不必要というばかりではなく、秀才程度にとっては不可能であるともいえるのです。
・成績が上がらない理由 「試験」勉強をしていない場合です。つまり、試験に要求される力とは関係ない力を鍛えるのに時間をかけているからです。
・念の為、その問題集をもう一度全部解き直したい人もいるかもしれませんが、大学受験における問題集は、内容が似通っており、問題自体の重なりが非常に多くみられます。ですから、新しい問題集に手を出しても、十分、前に解いた問題集の復習になります。もちろん、まったく同じものではありませんから、さらなる「解答力」の養成にもなるのです。
・一方、最初に問題集を解いた時に、正答率が3割未満であるならば、その問題集の問題と答えを何度か読みましょう。ほとんどわからないのにいちいち問題を解いても、勉強を続けていくことができません。この問題集は、熟語や構文を暗記するつもりで使う、と割り切ってもよいでしょう。
・通信添削は、答えの提出から、返送まで時間がかかります。問題を解いたら、印象が強いうちに、すぐに答えを確認した方が学習効果が上がるので、自分で答え合わせをする自信のある人は問題集を利用した方がよいと思います。

エンジニアがビジネスがうまくできな事例とそっくりだ。
細かいところ・趣味にこだわって、肝心の利益を出すという戦略がとれない。
ゴールを一つに定め、そこに向かって最短距離を突っ走る。
戦略が大事。

●勉強の原則

・私は、水泳が好きで、子供のころからよく町営のプールなどに泳ぎに行っていましたが、特に専門の先生に教えてもらったという経験はありませんでした。そのようにして10数年過ごしてきたのですが、最近、妻が子供のころスイミングで相当レベルの高いところまで技術を教えてもらった、と聞いたので、私の泳ぎ方を見てもらいました。そうしたら、驚くべきことに私はが効率がよいと思っていた泳法はまるっきり効率の悪いものでした。正しい泳法を教えてもらったら、とたんに息継ぎをしないで連続で泳げる距離も、スピードも、何から何まで向上しました。この事実からわかるように、ただ闇雲に実戦に合わせた訓練をするだけでは、効率よく能力を伸ばすことはできないのです。時間を計って問題を解くという勉強法をとる前に、知識を身につける勉強を欠くことはできないし、さらに人から問題を解くための技術を教えてもらうべきなのです。このために活用するのが、予備校・塾・高校です。
・結局、問題を解き始める前に、基礎知識と技は人から教えてもらえということになりまます。
・人に教えてもらう勉強法というのは勉強の初期に役立つ方法です。講義はわかりやすく、印象に残りやすいという利点がありますが、反面、単位時間内に伝えることができる情報はどうしても、本を使って自分で勉強することには劣るという欠点もあります。

この話はまた、ビジネスにおけるメンターとの付き合い方の話に適用できる。
どこまで人に学ぶか。どこから自分でやるか。
全部自分一人でやるのでもなく、全部誰かに頼るのでもなく。

●学校と教科書の活用

・教科書に掲載されている問題を見るかぎり、これよりも簡単な問題集というのはありません。本来教科書は一番簡単なはずです。これが難しく感じる理由は、教える教師の技量が悪いか、この教科書の使い方が悪いのです。
・教科書の正しい利用方法の一番のポイントは、教科書に掲載されていることを全部わかろうとしないことです。試験問題を解くのに役立つ知識は、教科書掲載の例題および練習問題を解くための知識だけです。
・ともかく、全部覚えよう、わかろうとすることは挫折への第一歩なので、気をつけなければなりません。
・学校の先生は、自分の授業を聞いてくれなくなるから、教科書ガイドが嫌いなのです。塾が嫌いなのと同じ理由ですが、嫌いだから役に立たないという論理は成り立ちません。役に立つ教材を、自分の能力をアップするのに役立つように気をつけて利用するのが重要なのです。
・ムダをできるだけ省力化するために、「教科書ガイド」を徹底利用します。

教科書を全部わかろうとしてしまう、この完璧主義を捨てなきゃならない。
私も結局、そういうところでつまづいてしまった記憶がある。
「全部わかろうとしないこと」
これ、とても重要なマインドセットだ。

●通信添削

・難しい問題であるにも関わらず、優秀成績者に信じれないような高得点をとっている人がいたり、自分の成績が意外と悪かったりします。しかし、名門校などで多くの通信添削の会員がいる場合、同じ学校で答えの情報が出回っていたり、手分けして答案を作成したりすることがあるので、気にする必要はありません。

そうだったのか…。
ついつい他人と比べてしまう未熟な高校生時代、
Z会を始めた時にこの状況をみて、すごいショックをうけたものだ。
もう少し早く知っておきたかった。

●英語

・単語帳を使った勉強をいきなりするのはやめましょう。おすすめの方法は、他の勉強をしているときに出てきた知らない単語を順番に覚えるというものです。つまり、他の勉強をしながらついでに単語の勉強を少しずつしてしまうという方法です。
・意味のわからない単語を調べるのにマメに辞書をひかなければならないということを言う人がいます。この言葉を真に受けて、智養分に出てきた知らない単語の意味を全部調べる人がいますが、このような作業は絶対にやめてください。解答に訳が書いてあることが多いので、これで調べておけば足ります。どうしても辞書を引くのならば、紙の辞書よりもパソコンとか電子辞書の方が、ずっと素早く検索ができるので、これを使った方がよいでしょう。辞書を引く苦痛はなるべく軽減すべきです。
・段落の中でも、最初か、最後の文が一番重要な文であるのが普通なので、このあたりは特に丁寧に読むようにしましょう。
・具体例よりも抽象的な文の方が重要な内容を述べていることが圧倒的に多いので、具体例は読み飛ばしましょう。
・文章全体では、理由と結論の2つの点だけ見抜くことに重点をおきましょう。筆者の意見は理由と結論に集約できるからです。

こういうの、とても大事。
文明の利器は最大限に使おう。

●数学

・応用問題を解く時の着眼点発見の方法
1)同じ方法を何度も試さないこと
2)証明問題は、最初と最後から
3)結論を予想してから解く

●現代文

・「センス」というのはスポーツでいえば、全国大会でひとケタの順位とかそういう成績をとるのに要求されるものです、大学入試を突破するために要求される点数をとるのにそのような天賦の才脳は必要ありません。応用問題が解けなかったり、現代文が苦手なのは単に最適な訓練をしていないことにあるのです。
・よく小説のような文芸的な文章の場合、「出題者の価値観に合わせないと解けない」「正解はない」としたり顔に言う人がいます。しかし、これは文章の意味を把握することと文章の鑑賞をすることを混同しているのです。
・考えてみると、一定の基準によって機械的な採点ができなければ、公平に能力を試すことはできません。にもかかわらず、正解がないとか、答えがない問題などが試験に出題されるわけがないのでする
・鑑賞と試験問題の解答が混同される原因の一つに学校の国語の授業があります。学校の国語の授業では、文の意味を問うことよりも、鑑賞が重視される傾向にあります。鑑賞の方が程度が高いと教師が考えているのかもしれません。少なくとも学校の現代文の授業は入試への対応度が、他のどの科目よりも低いということがいえるでしょう。
・現代文で要求される力は、読書に要求される力よりもずっと高度なのです。何となく読書しているだけでは、現代文の問題を解く力は養成できません。読書を利用して試験に要求される力をつけるには、試験に出題されるような固い内容の論説文か、純文学を読まなければなりません。娯楽諸説とか推理諸説ではダメです。
・現代文の出題パターンを知っておくとようでしょう。これはたくさんあるように見えますが、内容だけを見ると3種類しかありません。
1)漢字、言葉の意味、文学史など知識を試す問題ただ、言葉の意味はその文章だけの独得の意味を表していることがあるので注意しなければなりません。
2)「文脈」、つまり内容を伝えるための論理構成がどうなっているのかを問う問題です。接続詞を入れさせたり、文章を並べ替えさせたりする問題がこれにあたります。
3)筆者の言いたいこと=理由と結論が理解でているかを当問題

これ、誤解している人はまだまだたくさんいそう。
結局それは、論理的思考ができない人の負け惜しみなのだ。
自分は高校時代にこのことに気づけて、よかった。

●古文

・「読める」「書ける」という可能動詞が現代語にはあります。しかし、古語にはこのような可能動詞はありません。
・長文読解の訓練の際に、わからない単語が出てきたら、辞書を引くのではなく、教材付属の訳を利用して、その意味を調べます。他の教科との兼ね合いでなるべく勉強時間を減らしつつ、受験突破できる力をつける方法としては、これがベストです。最初から辞書を引くことをすすめる教師が多いのですが、費用対効果の関係からおすすめできません。どうも教師は自分の担当教科を極める方法を受験生に教えがちですが、それをまともに聞いていたら時間がいくらあっもて足りなくなります。
・英語は英作文がありますが、古文では古文作文はないのです。これは、古語を使いこなせる必要性は、英語ほどではないということを意味しています。暗記する勉強法は、ムダな勉強法です。

古文と漢文は、やりさえすれば簡単なのだから、
一気に終わらせるのが吉なんだろうな。
自分は、どうも興味がわかなくて、そのために全く勉強もせず、、
赤点ぎりぎりだったな。

●その他

・英語・国語は、より高度な内容を勉強すれば、高校入学後の勉強でも役に立つ。
・当日になって試験会場に初めて行くのは望ましくありません。やはり事前に下見をしましょう。この下見というのは、単に道順を確かめるのではなく、できれば教室の中に入って、イスの座り心地とか、会場の机の大きさまで知っておいた方がよいでしょう。大学の構内とか教室は、よほどのことがないかぎり誰が入っていっても、見とがめられたりしません。気にせずに堂々と入っていきます。

これから小学校に入る娘にも、
よい刺激を与えてあげたい。

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