この放射能時代、さらに広い理解が必要な気がする。
またとくに女性の場合、
うつ病だと思っていたら、実は甲状腺疾患だったなんてこと、
あるのかもしれない。
●結節
・全体が腫れているように見えても、実は結節が甲状腺のなかにできていることがあります。結節があっても、その90%以上はガンではありません。
・甲状腺に結節(こぶ)があっても、けっしてめずらしいことではありません。甲状腺をよくさわると、四パーセントの人には直径が一センチメートル以上の結節があるのです。甲状腺以外の病気で亡くなった人の解剖のときに、甲状腺の全体を調べてみたところ、小さな甲状腺の結節は半数の人に見られたという報告があります。
・甲状腺の結節のうち、初診時に吸引細胞診で良性と診断されたものは、その後10年くらい経過するとどうなるか(平均年齢44歳女128人男6人合計134人)
単発性や多発性の充実性結節でも40%以上がやはり小さくなるか消えています。結節の運命としてもっともありふれているのが、小さくなったり、消えてしまうことであり、たいへんありがたいことです。結局、良性の結節をもっている人は結節が大きくなっていないか、またその硬さや頸部のリンパ節の様子などを専門医に定期的に(一年に一回ぐらい)みてもらえばよいのです。
・良性の結節であれば、後はときどき診察をうけて結節が大きくなていないかをみてもらうようにすればよいのです。
・アメリカでは、甲状腺の結節や甲状腺腫は中年以降の女性にはさほどめずらしいものではありません。両性の結節は甲状腺ホルモン剤で小さくることもあります。また、なにもしないで適切な間隔で診察を繰り返しながら様子を見ていくこともあります。
●放射線との関係
・首の近くにできた悪性腫瘍の治療をうける人があびる放射線の量は、日光とは比較にならないほど多いので、甲状腺機能低下症がおこりやすくなります。また、首の周辺に放射線治療をうけていると何年何十年もしてから甲状腺に結節ができてくる確率が高くなります。結節のなかにはもちろんガンであるものもあります。
・たくさんのヨードが先に甲状腺に入っていると、あとから来た放射性ヨードが甲状腺に入らないので…
・元来、甲状腺はヨードをとり入れて甲状腺ホルモンを合成するのが仕事ですから、放射性のものであってもヨードならとりこみます。とりこまれた放射性ヨードは甲状腺のなかで放射線の一つであるベータ線をだし、ベータ線が働きすぎている甲状腺の細胞をしだいに破壊してくれるのです。
・放射性ヨードで治療をうけると、数年後にはしだいに甲状腺機能低下症となる人が増えてきます。これはのんだ放射性ヨードはとっくに消えていても、放射線でダメージをうけた甲状腺組織がその後もしだいしだいに破壊されていくからではないかといわれています。
・原子爆弾による被爆やいわゆる死の灰を浴びた人たちのなかに、長い年月がすぎてから甲状腺腫瘍がでてくるのがわかってきて、治療のためにおこなった放射線の照射によって甲状腺腫瘍がふえてくることが実証されたのです。
・若いときに放射線の照射をうけているほどガンにかかりやすいようです。発育中の子どもの甲状腺がエックス線に対して感受性が高いためではないかとおもわれます。
福島原発の問題で、「ただちに影響があるわけではない」というのは、
逆にいえば数十年後にガンになる可能性はある ということを意味しているはずだ。
セシウムやストロンチウムがどう影響するかは別の話かも知れないが、
少なくともヨードについては不足しないように注意しておく必要があるかも知れない。
●ヨード
・ヨードは甲状腺ホルモンの材料
・甲状腺がまったく正常な場合には、いくらヨードをとっても基本的にはなんの問題もありません。正常な甲状腺には多量のヨードをとっても影響をうけないような防衛機構があるのです。ところが、甲状腺に問題のある人の体内にたくさんのヨードが入ってくると甲状腺機能に異常がおこることがあります。たとえば橋本病の患者がヨードを多量にとった場合、甲状腺機能低下症になることがあります。
・日常のヨード摂取量が十分な人にも、きわめて大量のヨード摂取によって甲状腺機能亢進症がおこりうることがわかりました。大量にヨードを含んでいる食品としては昆布を原料とした健康食品が代表格です。ヨードを大量に摂取したときに機能亢進症になるのは、多発性結節性甲状腺腫をもった人に多くみられる現象のようです。
適切な摂取量がどれくせらいなのか、
調べる必要がある。
●遺伝
・血縁者に甲状腺の病気をもつ人がいる場合は、出産の一~二ヵ月後から甲状腺の病気がでてくることが多いので、そのころに甲状腺の検査をうけるとよいからです。
・バセドウ病や橋本病は病気にかかりやすい体質をもっている人だけがかかる病気です。あなたがバセドウ病や橋本病などの自己免疫性疾患にかかったということは、ご両親のいずれかがこの体質をもっていることがはっきりしたということです。
・ディスレキシアの子どもをもつ母親には自己免疫性甲状腺疾患、I型糖尿病、全身性エリテマトーデスなど自己免疫異常による病気の多いことを報告しました。彼らは左利きの人とその家族には統計的に自己免疫疾患やアレルギー病が多いこと、またディスレキシアの頻度も高いことを示したのです「ゲシュビントとベーハンの仮説」とよばれるようになりました。バセドウ病や橋本病の多い家系にはディスレキシアの人が多いことが報告されています。
・ディスレキシアは甲状腺の病気によって直接おこっているわけではないことに注意しなければいけません。
妻も女性だから、出産後にTSHの調査をうけてもらおう。
乳がんや子宮がんの検診も大切かもしれないけれど、
それよりもまず、こっちを優先しなくてはならないと思う。
●特徴と間違いやすいポイント
・甲状腺の病気の大部分は自己免疫疾患といって、免疫異常が原因でおこるのです。そして自己免疫疾患はたいてい女性に多いのです。
・女性の20人に1人は甲状腺機能が低下してくるといってよいのですから、たいへんな数です。
・肝臓の病気とまちがわれている人は意外と多く、とくにバセドウ病の症状がそれほどひどくない人に多いようです。
・50歳前後で閉経期をむかえ、いろいろな症状に悩まされている人は、すべてを更年期障害であると簡単にきめつけないで、主治医に甲状腺の機能が正常かどうかを判断していただくとよいでしょう。
・甲状腺ホルモン剤はよく効くのに、きちんと服用していさえすれば副作用はゼロです。
・若白髪は30歳以前から白髪が見られる状態をいいますが、甲状腺の病気のある人はそうでない人たちに比べて、その頻度が高いようです。
甲状腺は、プライドや嫉妬心とかかわるヴィュッダチャクラの位置。
Self-Esteem、自己重要感とか自尊心と
大きなかかわりがあるのではないかと思う。
つまり、瞑想によってある程度コントロールできるのではないか?
●その他
・病気のときには甲状腺ホルモンによる新陳代謝の亢進をできるだけセーブしてねからだを休めるようにという自然の配慮でしょうか。胃腸炎のときに、食欲がおちるのも同じで、食べないと元気が出ないと考えがちですが、無理して食べれば具合が悪くなることが多いのです。
・僧帽弁逸脱症 弁の状態が悪くて血液の逆流が多いと、弁に細菌の感染がおこりやすくなります。そこで歯の治療、とくに抜歯するときには抗生物質をのむのをすすめられると思います。