●概要
SA : 関心事抽出 処置や解決を必要としているとき
PA : 差異分析課題 原因究明が必要なとき
DA : 選択決定課題 最適案を選択するとき
PPA : 実施計画課題 実施における将来のリスク対策をするとき
この思考のフレームワークはかなり使える。
プロジェクト管理にはもちろん、
プライベートに活かすこともできるはず。
●SA
<関心事列挙の質問>
・具体的にどんなまずいことが起きているのか
・具体的に決定をせねばならないことがあるのか
・何か日を決めて達成すべきことがあるか
・将来への不安があるか
・将来何か好機が到来しそうか
・はっきりとは言えないが、問題だと感じているような事があるか
・これ迄と何か変わったようなことが起きていないか
(列挙中には説明せず、批判せず、討論せず)
<明確化>
全く意味のわからないものについてのみ、発言者の意図を確認する
・どんな意味で言っているのか
・別の言い方はできないのか
<分離>
・分離とは、漠然とした事実、抽象的用語、意見や評価について、それらが具体的な事実としてどうなっているかを、もう一度事実ベースで見直し、どのような単位、大きさでこの事実を取り扱っていけば、分析がすすめやすくなるかを考える課程である。
・どうすれば 分離 が上手にすすめられるか、それは 質問 を使いこなすことである。どうすれば具体的な事実情報が得られるか、という姿勢で質問することが重要である。
・大きすぎたり、複雑すぎたり、抽象的すぎて、処理にくいものに対してのみ、とりあつかい易い単位にほぐす
・「これ」は具体的に何と何のことを言っているのか
・「これ」は具体的にどことどこのことを言っているのか
・「これ」は具体的にいつといつのことか
・「これ」はもう少し分けて考えられないか
・「これ」について、具体的に、どんな事実を確認しているのか
・「これ」について、具体的に、どんな兆候を確認しているのか
・どんな事実を根拠として、それを言っているのか?
・何を根拠としてそれを言っているのか?
・具体的にいつのことか?
・具体的にどこのことか?
<関心事をステートメント化する質問>
・だからどうしたいのか
・原因究明したいのか(PA)
・案を選びたいのか(DA)
・計画を遂行したいのか(PPA)
・まだはっきりとどんな分析を必要とするかが記述できないのか(再SA)
・もう分析は必要としていないのか、ただ行動すればよいのか(○○○の実施)
<SUGの質問>
S : 具体的にどんな重大な影響が出ているのか
U : いつ迄にやらねばならないのか デッドラインは
G : ほっておくとどうなるのか
要求分析や要件定義を行う人、
何かを改善する人が自然に頭の中でやっていることかも知れない。
でもこうしして、質問の具体例をあげてくれるのは、とても嬉しい。
ツールとして使える。
●PA
・まず、そのステートメントについて、組織が定めている基準(SHOULD)を書きだしてみると良い。
・基準が明確に定められていない時には、暗黙の了解事項を確認してみるとよい。
・PAの対象となる差異ステートメントに到達することを「ステアステップ」と呼ぶ。(「この差異ステートメントの原因は本当にわかっていないのか?」と質問すること)
・原因がわかっている差異ステートメントについてPAにはいってしまう場合があるので、「ステアステップ」で必ず確認を行なってみることが必要である。
・最初から、すべての領域について、細目のSHOULDを決められるものではない。
・SHOULDは、時間の経過と共に、環境の変化につれて、知らぬ間に変わっていることがある。
・SHOULDは、一旦決められてしまうと、なかなか見直しされぬものである。
・急激な変化は、一夜にしてSHOULDを意味のないものにしてしまう。
コレを日常的にできる人が、いわゆる
「仕事ができる人」
になるのだと思う。
●DA
・「前提となっている決定ステートメントは何か?」「それは検討済みであるか?」と質問をしてみるとよい。このように、前提となる決定を確認することを、「決定のレベルをあげて考える」とも表現する。
・YES or NOの決定(バイナリー・デシジョン)は要注意 このタイプの決定は、案の範囲を一案に絞ってしまっているので、案ジャンプの危険性がないかどうか慎重に確認する必要があるから、決定のレベルをあげてみるとよい。
・DAのステップのワン・ポイント活用は、このような場面で、提案者の説明が合理的であるか、また活用された情報の内容は適切であったかどうかのチェックを行うのに役立つ、すなわち、
・なぜこの決定が必要であるか
・決定ステートメントは明確に定まっているか
・他のステートメントは考えられないか
・何が目標として考えられているか
・個々の目標はどのような根拠からあげられているか
・目標の重点は何におかれているか、なぜそのようなウエイトづけにしたのか
・他の案は検討されているか
・案をどのように比較しているか、何が決め手でこのような案が選ばれたか
・マイナス影響はどのように検討評価されているか
などという点を、必要に応じて質問するとよい。要するに、曖昧な点、不明な点、抜け落ちている点、主観性の強い点、情報の弱そうなところ等について、どの程度まで論理的根拠を持って提案しているのか、また必要情報をどの程度まで把握しているのかを中心に、部下の思考過程をテストし、必要にして充分な検討がなされている事を確認できればよい。
・次のような状況下では、マイナス影響を考えるのを忘れがちである。
・その案が 一見 すばらしいものであるとき
・時間が残されていない時
・その案について、強い先入観がはたらいてしまうとき
・過去に同じようなことを何回もやっている時
とくに決定のレベルをあげるというのは、
起業家であるとか企画をする上で必須のスキル。
●PPA
・まず実施計画ステートメントを作成したならば、このPPAは、誰にやってもらうのが最適かを考える。上司が最適である場合にはそれを上司に依頼すべきである。また、部下にまかせるべきステートメントについては、要点を指示して部下にPPAを行わせる。すべてのステートメントを、自分で背負いこむ必要はない。
・環境変化に敏感になれと言われても、あらゆる環境領域について、一日中情報集めをすることはできないし、また無駄なことである。大切なことは、自分の業務に重大な影響を及ぼしそうな環境変化の項目は何であるかを適切に選び出し、そこに重点を置いて質の高い情報の収集管理を行うことである。
<重点管理項目の選び方のガイド>
・経験を活用した直感でよい
・重点管理項目は、時によって移るものであり、固定的に考えなくてもよい。
・試行錯誤であってよい
・自分として「向こう二年間」とか「向こう三年間」とかの時間的限定を行うとよい。
部下や取引先の管理をするマネジメントが理解しておきたいスキル。
プロフェッショナルが自然にできていることを、
学べる技術として落としこんでいるところが、すばらしい。
暗黙知を形式知にあらわした、という感じ。