体と心にやさしいナチュラルなお産

2人目がほしいなぁ…と思いながら、
ウォッチしている大葉ナナコさんのこれを手にとってみた。
それにしても、”バースコーディネーター”というポジショニングは
すばらしいなと思う。

●原則

・仕事というものは、人ひとり欠けても、いくらでも回りますから。一方、自分のところに来てくれた赤ちゃんの親という役割は、自分以外には絶対にできないかけがえのない仕事です。その仕事に集中していることを悪くいう職場があるとしたら、人間的にどうなのかと疑問に思います。
・子育ては手がかかる、時間がかかる、自分のことが何もできなくなるなどと言われますが、果たしてそうでしょうか? 自分の産んだ子どもを育てるのって、最高の「自分のこと」だと思いませんか?
・産みどきについても、周りがどうであれ、妊娠したときがベストタイミング。赤ちゃんは「僕がママに会いたかったのは、今だったんだよ」ってやってくるのですから。私は22歳のときに長男を産んで、36歳で次男を産みました。
・「これは100年前の女性も選んだものなのかな?」と考えるのはおすすめです。妊娠中に何をしたらいいのか、悪いのか迷ったときには、そそれが100年前の女性も選んだことだと思ったらGOだ!と私は主催する自然出産クラスで言っています。

最高の自分のこと この言葉にすごく共感した。
男親の自分だってそう思うのだから、母親は、もっと深いところでそう感じるのだろう。
逆にいうと、自分のお腹ですごした子をそう思えない母親がいることが、信じられない。


●ナチュラルの意味と帝王切開について

・妊娠中、さまざまな努力をした女性なら「自然なお産を目指してやるだけやった上で最後は帝王切開になったということは、この子にそれが必要だったと思える」と言います。私はこんなケースは「自然帝王切開」ととらえています。もちろん最初から病気を原因とする理由があって、帝王切開以外の方法ではこの世に赤ちゃんを送り出せない場合も自然帝王切開。自分の力をできるだけ活かそうとしたことに誇りを持っていただきたいと思います。一番大切なことは赤ちゃんが元気に生まれることです。
・ナチュラルに産むということが、自宅や助産院で産みたい! という形にこだわることにすり替わっているのはどうでしょう。産婦さんによっては病院がナチュラル、帝王切開のほうがナチュラルというケースだってあるのです。
・自然分娩で産めないケースも、出産数全体の二割はあるわけですが、その中で、自分が納得して医療のサポートを受けた場合は、それも自然なお産だと私は思います。
・お産が帝王切開になると、自然なお産ができなかった、と悔やむ方もいらっしゃるようですが、私はナチュラルな帝王切開もあると思います。
・ちなみにブラジルや韓国は帝王切開率が45%とかなり高い数値です。
・胎児の副腎からホルモンが分泌されて、子宮の収縮が始まるのだそうです。実際、夫が仕事を終えて産院にかけつけるのを待つようにして生まれてきたとか、夫の仕事の休みの日にちょうど陣痛が始まったとか、赤ちゃんが、大事な人がかけつけてくれるのを待っていたかのようにして産まれる話は多いのです。つまり、一番のナチュラルは、「用意ができたよ」という赤ちゃんからのサインを待つこと。
・「陣痛」は痛みという字があるため、よいイメージを持つ人が少ないようですが、昔は、神に通じる「神通」と書いた時代があったそうです。日本の先人たちの、感性の豊かさを思うとうれしくなりますね。

自然帝王切開 ナチュラルな帝王切開という発想は、
とてもいいなと思った。救われる感じがする。


●VBAC

・院内助産院
・病院で助産師のサポートを受けることもできます。助産師さんがたくさん勤務している病院は自然派だと言えるでしょう。
・「うちの近くには一ヶ所しかありません」という言う人も多いですが、移動範囲を一時間に広げれば、そこにある産院・助産院の数はかなり増えませんか。アメリカでは、50キロ圏内に帝王切開できる病院があれば、自宅出産が許されている州もあります。ラッシュや渋滞の可能性があるところは30キロ圏内にあればいいそうです。日本にこの基準を当てはめると、渋谷からだと埼玉県の大宮に帝王切開できる病院があれば、自宅出産が可能だということです。日本では今、少子化や医師不足が問題で閉鎖する産院が増えていると心配されていますが、世界の基準からすると、もともと日本の産院の数は多いのです。陣痛が来たらすぐ病院に行かないと間に合わないと思っている人も多いようですが、実際は陣痛が来てから生まれるまでは初産で平均14時間と、かなりの時間がありますので、一時間程度の移動時間でもそんなにあわてなくても大丈夫です。そう考えると選択肢はぐんと広がるでしょう。
・岡田美里さんは、最初のお子さんのときは帝王切開になり、麻酔をかけたら急にお産が進んだため、麻酔状態でお産となったのですが、次のお子さんのときは自然分娩を選んだそうです。
・WHO出産科学技術についての勧告
14 子宮下部横切開による帝王切開の経験者は次も帝王切開が必要であるとする考えには、確証がありません。緊急手術の可能な場所であれば、普通は帝王切開経験者にも経膣分娩を奨めるべきです。

WHO勧告でVBACについて触れられているのは、おどろいた。
リスクをとりたがらない医者と病院の姿勢、
どうにかならないものだろうか。
シリコンバレーのようなベンチャーが育たない理由と同じなのかな。
失敗に対しておおらかにならないというのは、医者の世界も同じ。
だからリスクに必要以上におびえる医者が多い。
もっと、責任分界点を明確にもうけてリスク分散して、
医者を助けてくれる人 という位置においてあげればいいのに。


●リスクの誤解と機械論的な発想

・現在、お産のときの周産期死亡率が下がった理由は、安全な輸血システムの確立と、抗生物質の発達、環境の衛生面が整ったことにもあるそうです。かつては予防接種も何もなかったため、多くの人が産後や生まれてすぐに、結核などの伝染病にかかって命を落としていたのですね。まだ自宅出産が主流だった1950年あたりから乳幼児死亡率は減少していったそうなので、昔からお産そのものが原因で亡くなっていたわけではないそうです。
・生まれながらに生きていけないほどの異常がある子は、そもそも妊娠の途中の経過で天国に帰ります。それは赤ちゃんが自分で判断している気がします。
・無痛分娩が多いことで有名なのはフランスですが、その背景として、フランスは製薬会社がとても多いということがあります。女性がピルを飲む率が高い国としても有名です。
・「分娩監視装置」仰向けの姿勢は、お産が始まった産婦さんにとってはつらいもの。継続的に大きなお腹で仰向け姿勢を強いられると、血流が悪くなり、産婦さんも赤ちゃんも血液中の酸素量が減るといわれています。助産院の場合は分娩監視装置を使わないかわりに、頻繁にドップラーと呼ばれるマイクで胎児心音を確認しています。
・頭痛がないときは頭痛薬を飲みたくないように、正常な範囲のお産の経過で、不必要な薬剤の投与は避けてもいいのではないでしょうか。そのリスクについてもっと意識したうえで薬剤の使用が選べればと思います。
・今この瞬間に体が与える時間・パワー・感覚こそが、最良なんだと信じることができれば、陣痛が弱くなっても焦って陣痛促進剤などに頼るのではなく、「これは赤ちゃんがあと1~2時間待ってほしいということだ」と考えられるはずです。感じることは、体が今まで生きてきた時間の全データを瞬時に解析してくれるということ。もっと体の声をきいてみませんか。

機械論パラダイムの時代は、出産の世界でも、もう終わる。
生命を扱う世界なのに、今頃になって機械論から生命論的発想に戻るとは、
なんとも皮肉な話しだ。


●誤解の原因 : 親世代の認識

・初めての知識ほど、常識化しやすいって知っていますか? インパクトが大きいため、脳の中でその情報がかなりのボリュームを占めてしまうのです。でも、その初めて知った情報は、古くて科学的根拠のないものかもしれません。それでも脳は、一番最初に受けたその印象で、イメージを描いてしまうのです。そうやって思い込みがある程度固まってから、大きくチャンネルを回すのは大変なこと。初めて出会う知識を色濃く自分にインプットする前に、核となるコンセプトのようなものを自分の中で持っておくほうがいいですね。
・私が生まれた昭和40年は高度経済成長期の後半で、工業製品が流通し、「粉ミルクのほうが誰でもあげられるし、太っていい赤ちゃんになる」という誤った情報まで流れていました。結果、母乳率が20%まで落ち、母子別室が急速に広まったこともあって「私は母乳が出にくい」と思い込む女性も急増してしまったのです。そんな母親世代のエピソードを疑うきっかけもなく信じ込んできた今の世代の妊産婦が、「私の母も出にくかったから」と言って最初から母乳に関心がないのは残念なことです。
・特に私たちの一世代上の親世代は、実は病院出産第一世代と言われていて、とてもお産のイメージが悪い可能性が高いのです。たくさんの人たちが一つの部屋に入れられて産まされた、本人の承諾も何もなく勝手に促進剤が使われた、おなかの上に乗られてぎゅーぎゅー押された…等々、自分の産む力をないものと見なされた画一的なケアの始まりが親世代の出産時期と重なるのです。
・これから結婚するというときに、誰も離婚したカップルに話を聞きにいくなんてしないでょ。出産するときも、いい話を聞かせてもらえばいいのに、マイナスの話ばかりを集めて怖くなっているのはおかしいと思います。自分にはよいイメージができていないかも、と思う人ほど、聞いてみてください。自分の誕生のときに、周りはどうだったのかと。

人によっては、親の話はきいてはいけないんだ、改めて思った。
固定観念やひそやかな洗脳が、あちこちで受け継がれてしまっている。
悪い意味の伝統だ。


●選び方(1) センサーを信じること

・自分が感じたこと、第一印象って、実はとても正しいのです。いくら情報ではいいことが書いてあっても、その場を訪れたときに心がザワザワするときは、体が受け付けていないということ。相性が合わないのです。
・友達にいいと聞いたからとか、他者からの情報だけに頼るのもおすすめしません。自分の中のセンサーを使って、この先どうするかを決めましょう。
・結局私たちがほしいのは安心感であって、自分の体を信じられるような言葉をいっぱい浴びたいのです。検診のたびに不安にさせておいて、はい、さようなら、と放っておかれても行き場を失ってしまいます。そんなときは、「先生、安心なことを言ってください」と自分から言うことも大切です。

とくに、女性の直感は、
もっと大切なしなきゃ。


●選び方(2) メディアリテラシ

・必要な情報を知らなかったとしても「聞いてないよ」と怒るのではなく、自分から情報への出会いを求めてほしいものです。”出会いは心の背丈”というように、聞く・聞かないの縁が生じるのも、自分のセンサーしだいです。ただ、知識があっても、それを正しく理解する感性が備わっいなければ意味がありません。
・リサーチもせず、耳障りのいいことばかりを聞いて、後になって「そんなこと聞いてなかった!」とか「そんなのあえて調べなくても耳に入ってくれるようでないと困る」と後で怒る人もいますが、調べていけば出会える良質な情報というのは必ずあるはずです。たった一度の人生、情報が真実であるか、そうではないかを決めるのは自分なのです。他人のせいにしている限り、満たされる日は遠いでしょう。真実は直視して、心から安らぎましょう。

私のライフワークは、この「リテラシ」というところにある。
そんな気がしている。


●選び方(3) 病院ほかデータ

・産院によっては、フリースタイルと看板は出ているのに、第一期だけがフリースタイルで、いよいよ産むとき(分娩第二期)には分娩台の上で仰向け、というところも多いのです。でも、この第二期こそフリースタイルじゃないと意味がありません。
・自宅出産を扱っている助産師は日本助産師会のウェブサイトで参照してください。http://www.midwife.or.jp/
・NPO母子整体研究会 http://www.boshi.jp/
・日本では里帰り出産をする人が半数くらいいて、かなり一般的ですが、実は日本だけの習慣なんです。でも…夫も通える里帰りなら大いにアリですが、夫が赤ちゃんにめったに会えないような距離の実家に帰るのは、私もあまりおすすめできません。
・WHOとユニセフが赤ちゃんにやさしい病院として認定するベビーフレンドリーホスピタル(BFH)は、次にもとづき育児ケアを行っている出産施設に授与されています。日本では2006年の時点で43施設が認定されています。認定施設については、日本母乳の会のサイトで調べることができます。http://www.bonyuweb.com/

近くないと心配 とみんなが思っている。
こういう情報は、もっともっと広めてほしい。


●母乳の推奨

・母乳を目覚めさせる鍵を握るのは、産後3日間。母子別室で預かってもらったほうがラク、というのは大人の誤った認識。
・WHOとユニセフは「生後6ヵ月までは完全母乳で育てましょう」と世界的なキャンペーンを打っています。

●妊娠前と妊娠中の心得

・精白した白いお砂糖はもともと持っているビタミンやミネラルをすべて削ぎとってしまったもので、からだを冷やす作用があるため、助産院を開業されている助産師さんや自宅出産を介助する助産師さんは、微弱陣痛になったり、産後の出血が多くなったりするという方もいます。もちろん絶対ダメ! とストレスをためるのも問題ですが、甘いものがほしいくなったらドライフルーツなど自然の甘みをいかしたものを食べてはいかがでしょう。
・出産に関する10のガセネタ
1.予定日を過ぎると赤ちゃんが大きくなりすぎて出てこない : ゾウでも入っているの?人のお腹には人しか入らず、そこから出られる大きさにしかなりません。
・不妊治療というと、医療的にどうするかということばかりに目が行きがちですが、それ以外に自分たちでできることも多いはず。普段、ふたりが子どもを授からないような日でも愛し合うことや、食事などに気を使って妊娠しやすい体を作ることも大切です。運動もしない、冷え性も治していない、旬の野菜も食べていない、生野菜のサラダばかりで体を冷やしているというのでは、授かりにくい体のまま。自分たち自身の生命力が強くなければ、次の時代を生きる命はやって来ません。

●立ち会い 夫の役割

・実家の母親と夫がふたりで立ち会うと、夫が照れてしまい、素直に感動できないという話を聞いたことがあります。そんなときは夫だけ分娩室に入室してもらい、お母さんには定点固定で撮影したビデオを見せるようにしてはいかがでしょう。
・分娩中に彼が足元のほうにいるタイプの立ち会い出産 → 立ち会い出産ではなく「見学出産」本当の立ち会い出産は、汗を拭いたり、抱きしめたり、背中をさすったり、パートナーにもいっぱい役割があって、見学なんてしている場合じゃないのです。立ち会いには、見ることではなく、妻をリラックスさせるという、とても大切な役割があまりす。逆に、「見るための立ち会い」は緊張をもたらし、人工難産を作り上げるようなものです。
・苦労して産んでいるところを見せれば、こんな大変な思いをして産んでくれたのだからと、育児を手伝う気持ちになるだろうと。でも、それは女性たちの大きな誤解です。そういう人たちは陣痛中にどこかで自分の表情や声を意識してしまい、しまいには体が必要以上に苦しむほうを選択する可能性もあります。そういう余計なことを考えるのなら、むしろ立ち会ってもらわないほうがいいぐらいです。立ち会いとは何かを交換条件として行うものではないのです。夫と共に授かった命を、夫と共に迎えるのが自然であれば立ち会ってもらえばいい、それだけのことです。
・夫は仕事ばかりをして、妻だけが小さな子どもの世話で疲労困憊という日々になると、6年後、11年後の夫婦関係に悪影響が出るとデータで証明されたのです。

見学出産した人が「しないほうがいい」という情報を広めるという話。
結局、これも情報リテラシーにかかわる話だなぁ。


●その他

・産褥シッターのサービスは全国にあるので、ご近所のサービス会社を探してみてください。
・「”つ”がつくまでは膝の上」という言葉があります。一つ、二つ、…という数え方で「つ」がつく最後となる9歳まではスキンシップたっぷりに育てると、子どもが思春期にうまく膝から降りられるという意味です。

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