親業ケースブック(小学生編)

以前読んだ、幼児・園児編に続き、
そろそろ小学生編をと思って、手にとってみた。
受験戦争時代に書かれた本なので、
現代の多くの家庭がかかえている課題からみると、
事例がやや古い感じがするのは、仕方がない。
でも、本質的なところは、現代でも何もかわらない。
「親業」ほんとに素晴らしいーと、
ため息が出る。


●Mindset

・”技術”として子どもに耳を傾けるのではなく、自分の本心がそうなればすばらしい、と私は心から思っています。
・そういって、直人はしばらく、考えていました。私は何もいわず、直人が考えをまとめるのを待ちました。以前の私だったら、そこまでがまんしなかったでしょう。
・悩みがあるとき、話したいことがあるとき、人間は必ずサインを出します。動作や顔色、食欲、声の調子など、サインはさまざまです。
・そんなサインを見逃さずに、「能動的な聞き方」で対応しましょう。乱暴な動作や残酷な言葉でも、それをすぐにしかりつけるのではなく、子どもの心に耳を傾けましょう。それが糸口になります。
・子どものほうが問題をかかえているときは、親が「能動的な聞き方」をするのが有効です。親が悩んでいるのであれば、「わたしメッセージ」を使います。でも、親子が対立している状態は、そのどちらとも違います。親も子どもも、両方が問題をもっているのですから、この二つの方法では、問題を解決できません。かといって、対立している事実に目をそむけたり、無理に避けようとするのも、よくありません。「対立は、人間関係の真実の瞬間だ」と、『親業』を書いたトマス・ゴードン博士もいっています。対立をいかに処理するかで、親子関係の絆がいっそう強くなることもあれば、逆に心の傷をあとまで残すような可能性も、あるのです。

・サインを敏感に感じ取り、思いを聞くこと
・表面的な言葉ではなく、その奥にある言葉に耳を傾けること
・待つこと
●能動的聞き方 つい言ってしまう余計なひと言に注意

・このとき、もし私が「あとで困るのは、まどか自身よ」「まだ行きはじめたばかりなのに、だらしがないよ」などといったら、まどかは追いつめられて混乱し、泣き叫び、大騒ぎになっていたでしょう。
・雪子にしてみれば、負けちゃいけない、がんばろうという気持ちは、心にあったのだと思います。それなのに、私の口から「負けちゃダメ」「がんばれ」といわれれば、まるで自分が弱虫のように思われているようで、いやだったんでしょう。このときは、最後に自分のほうから「がんばる」といったことで、顔色もいつもより明るくなりました。子どもにわかっていることを、親が子どもに押しつけるのは、かえってマイナスか、と感じました。
・「そんなことないわよ」とか、ひと言いえば、一之はそれ以上、話し続けなかったかもしれません。そうなったら、一之は悲しみの気持ちを吐き出せず、いつまでも暗い気持ちを胸の奥にしまい続けていたかもしれません。もしそうだったなら、と考えるとたまらなくなります。子どものことばは、表面的にはどうでもいいような、あるいは”ペアカップ”のようにバカげたところがあっても、聞きのがしてはいけないと、つくづく思いしらされました。
・納豆の皿を落としたとき、あるいは途中で子ども部屋へ行ったとき、「ダメじゃないの」などといったら、どうだったのか。きっと清秀は、まったく夕食を食べずに終わったことでしょう。

私がとくにやってしまいがちなのは、
アドバイスや、頑張れという言葉、そして評価。
それすらも、時には子どもの心にカギをかけてしまうのだ。
まだまだ修行が必要だ。
ガミガミ怒らなければいいというだけではないのだ。
●参考にすべきやりとり

・「新しい自転車を、欲しいと思っているんだ」
 「うん。ねえ、おとうさん、新しい自転車、買ってよねぇ」
 「うーん、困ったな」
・「困ったな。いやだな。だっておかあさんはね、真佐子の髪が伸びすぎると、洗髪が大変だと思うし、毎朝三つ編みするのも大変だろうって思うし、それに、ほこりがいっぱいついたりして、手入れに時間もかかるだろうって思うから、気になって仕方がないの」
「おかあさんは、私の髪のことをそんなに心配しているの?」
 「そうよ。それに髪の毛が汚れて臭くなると、それだけで、だれかにイジメられたりしたら、困るの。おかあさんは気が気じゃないのよ」
 「ふうん」
 「だから、おかあさんは真佐子が、早く髪を切ってくれればいいなあって、いつも考えていたの。真佐子が切ってくれないと、とっても心配になるの。ねえ、髪の毛、切ってくれないかな?」
 「困ったな。そんなに心配していたなんて、知らなかったから…。うん、いいよ。切っても」
 「よかった。おかあさん、うれしいな。安心したわよ」

困ったな という率直なI Messageの表現には、なるほどと思った。
使うシーン、たくさんありそうだ..。
●子どもの思い

・こう私がいうと、行伸はニヤリと笑いました。ボクの本心がわかってもらえたな、というような笑いでした。本当に、自分の考えをいいたくなるのを抑えるのに苦労しました。でも、最後には感激しました。これまで、行伸の口からこんなことばを、聞いたことがありませんでしたから。
・役に立たないけど、大切な宝物 – 私も子ども時代を思い出しました。何に使うあてもないけれど、大切にしまっておいたお菓子の包み紙。手足がとれてしまったお人形。遠足へ行って拾った、何ということもない石ころ…。大人から見れば、役にたたないものでも、子どもにとっては大切な宝物だったんです。
・そうだったのか – 私は胸を打たれました。しっかり者の長女だから、つい相手の事情を察して、いいたいことを自分の中におさめてしまうんだ、と私はわかりました。今日は学校で、サッカーをがんばった。得点もできたし、楽しかった。帰ったらおかあさんに話そうと、そんなワクワクした気持ちで、家へ帰って来たのでしょう。ところが、私は風邪で気分が悪くて、とても子どもの相手どころではなかった。そんな私を見て、ワクワクした気持ち、話したい気持ちを自分の胸にしまったのでしょう。由香のそのときの気持ちを思うと、心が痛みます。
・「ダメでしょ。妹が起きちゃうから、静かにしなさい」「おかあさんは風邪で、身体の調子が悪いのだから、静かにしてちょうだい」本当はこんな気持ちもあったのです。それをそのまま口にしたら、どうだったでしょうか? 由香の気持ちはおさまらず、ますます泣き続け、妹たちも目をさまして、私はますますイライラして…。きっと修羅場になっていたことでしょう。

とくに賢い子は、自分を自分で抑圧してしまうことがある。
気をつけなくてはいけない。
また、うちの娘も長女、抑圧してしまっていないか、
とくに弟がうまれた今、気をつけてあげよう。

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