パーミションマーケティング

ブランドカラパーミションへ
インターネットによって「One to One」は「パーミション」へと進化する!
Permission Marketing

オファーとは何かということを、これでもかこれでもかと教えてくれる。
ダイレクトレスポンスが当たり前になった今では、
正直なところちょっと退屈な部分もあった。
けれど、初心を思い出すのには、いい。

●パーミションマーケティングと土足マーケティング

・結婚するための二つの方法
パーミション・マーケテンィグはデートに似ている。見知らぬ人をともだちに、ともだちを生涯の顧客に変えていく。デートで忘れてはならないルールがそのまま当てはまるし、同時に、そのベネフィットもまた当てはまるのである。
1)土足マーケティング担当者
非常に高価なスーツを買う。真新しい靴。ファッショナブルなアクセサリー。次は最高のデータベースとマーケティング戦略家を引き連れ、人口統計学的に理想のシングル・バーを選ぶ。シングル・バーに入ると、土足マーケティング担当者は手近なひとをつかまえ、おもむろにプロポーズする。ふられたら、土足マーケティング担当者は次のひと、そしてまた次のひと、と、バーの中にいるひとを全員、しらみつぶしにあたっていくのみだ。
2)パーミション・マーケティング担当者はデートに出かける。楽しい時を過ごした二人は、次のデートの約束をする。また次も。10回か20回目のデートには、お互いの家族に会うだろう。そして最後。デートを始めて三、四ヶ月後、パーミション・マーケティング担当者は、はじめてプロポーズをするのだ。
・土足マーケティング担当者は狩猟家(ハンター)で、パーミション・マーケティング担当者農民。
・ダイレクトメールでは、送った週の注文数で効果を測る。これらはすべて、「瞬間」を問題にしている。これに対して、パーミション・マーケティングはプロセス重視である。はじめこそ「じゃま」から入るが、すぐに対話になる。この対話は、すでに触れたように、デートにとても似ている。
・製品の原価が低く、顧客からの生涯価値作戦が最適とは思えない場合は、昔ながらの土足マーケティングをとってブランドを築いたほうがいい場合もある。

土足マーケティング=スパムといってもよさそう。
使い勝てというか、刹那というか、価値の低いというか、
そういうものは、どんどん目を向けられない時代になっていく。
ダイレクトレスポンスマーケティングの「テクニック」におぼれる人が多い。
技に溺れて失敗しないためには、まずこの「パーミション」の意味を理解しておく必要があるだろう。

●原則

・パーミション・マーケティングの特徴は、「期待される」、「パーソナルである」、「適切である」の三つだ。
  期待される – ひとはあなたからのメッセージを楽しみに待ってくれる。
  パーソナルである – メッセージはダイレクトに個人に届けられる。
  適切である – パーミション・マーケティングは生活者が興味を示したものについてのメッセージを送る
・自分のローラデックス(回転式名刺ホルダー)に思いを馳せよう。そこにファイルされている名刺(=あなたの人脈)は、三つに分類できるはずだ。第一は、ハイレベルな「パーミション」を貰っている人脈。電話したり、何かわからないことがあったら教えあったりする。もちろん、あなたの商品を買ってくれる。第二は、そこそこの「パーミション」を貰っている人脈。クチコミや過去の取引きで、試しに買ってみて欲しい、とお願いはできるレベルの人間関係。ただし、買ってくれるとは限らない。第三は、見知らぬひと。彼らに販売しようとすれば、また一から「パーミション」を貰う必要がある。
・クリニークは一人の女性客に洗顔液の新製品を説明するのに大きな棚割と販売員への給料を支払っている。
・パーミション・マーケティングはマーケティング・プロセスの中の「じゃまする」部分において重要なのではない。あなたはまだ、いかにして見込み客に到達し、彼らの注意を一度は手に入れるか、という点が気になるかもしれない。しかし、もっと重要なことは、一度だれかの注意を手にしたなら、二度と手放してはいけない、という点なのだ。

生涯顧客価値を念頭において、パーミションの段階をあがっていくべき。
ダイレクトレスポンスで失敗するパターンは、パーミションの三原則が欠けているからだろうな。
話したこともない人にいきなり告白して気持ち悪がられたりするコミュニケーション能力ゼロの人もいれば、
突然セフレ募集 などといって薄い関係を求める人もいる時代だ。
人によって必要なパーミションが異なることも理解しておくべき。

●理想 : 主治医のパーミション

・適切なマーケティングと優れたセンスによって、委員会は、彼らの選んだ本を読みたがっている人々のために、本を選び、印刷し、送付し、代金を請求する権利を獲得した。このレベルの「主治医のパーミション」を持っているということは、ブック・クラブ委員会は非常に大きい力を持つことになる。
・雑誌の定期購読も、「主治医のパーミション」のいい事例である。毎号受け取る雑誌は読む前に代金が支払われている。読者は出版社に広告や記事どっさりの雑誌を送ることと、定期購読前にあらかじめ代金を支払うことへの「パーミション」を与えている。
・こんなにいいことを、なぜ誰もやらないのか。
・P&Gはウォルマートのレジスターの販売データベースに自由にアクセスすることで、発注業務なしで「タイド」を在庫が切れることなく届けている。ウォルマートにとってはP&Gに対していつでも「タイド」を配送する「パーミション」を与えることにより、時間と経費を節約することができるのだ。

逆に考えるが、自分は、どんな人たちの主治医になることができるのか。
それが、ポイントになるのだろうと思う。
できることはたくさんありそうだ。
ちなみに「誰の」と考えると限定された個人のパーミションになり、
時間の制約をうけてしまう。→「どんな人たちの」として考える。
ちなみに、主治医という言葉は、リーダーシップという言葉に置き換えるとJayにつながるし、
パートナーという言葉にすれば、AdvanceMindにおける男女の信頼関係にもつながりそう。

●段階的に 具体的な方法と事例

・彼女の広告の目標はこうだ。アローホン・キャンプのビデオやカタログを自宅に送ってよいかという「パーミション」をとりつけること。彼女の打つ広告はキャンプではなく、カタログを売るためのものである。キャンプの電話番号にかけるとスタッフが顧客の期待に応えることをただちに約束し、ビデオ(ひょっとするとキャンプ関係のビデオの中で最も売れているものかもしれない)とカタログ(これもまたすばらしい出来のものだ)を送る。ビデオの唯一の目的は、個人的にミーティングすることの「パーミション」をとりつけることだ。ここでも決してキャンプを売りつけるような内容ではない。ミーティングを売るのである。…すべてのステップにおいて、「パーミション」を拡大していくことが唯一の目標である。
・もし「繰り返すこと」が安価なメディア(インターネットのような)を使えるのであれば、おおいに活用し、信用を築くべく努力しよう。話を聞いてくれる生活者に忍耐強く、自分の物語を語り聞かせるのだ。
・「レメディ」は成長市場である50歳以上の年齢層を対象とした、心と体の健康についての雑誌である。この雑誌、顧客はいくらお金を払っても購読申込をすることはできない。無料なのだ。その代わり、220万人いる購読申込者は自分の健康について、二ページの調査票に答えなければならない。調査は詳細にわたり、薬の処方箋、銀行口座、果ては、うがい薬や目薬をどう使うかにまで及ぶ。彼らは得た顧客データを誰にも転売したりしないのだ。
・お客さんと簡単な話の後、小さい仕事をさせてもらう許可を求める。たいていは部屋の壁塗り程度で、信じられないくらいの低料金だ。ジギーは当初約束した以上の仕事をする。それによって信用と評判を得るのだ。家の持ち主と一緒に家の中を歩き、「ここが次に手直しすべき個所ですね」と、「次の仕事」を取り付けていくのである。「パーミション」のグレードを上げていくのだ。
・ジョーは顧客に会ったら、一年間に十二通のグリーティング・カードを送る。顧客の誕生日、ジョー自身の誕生日、祝日、時には8/23などという「何でもない日」にも。ジョーは一年のうち十二分間だけ、「すでに顧客になってくれている顧客たち」から注意をひく仕組みを作っている。顧客はジョーからのカードを受け取って読むその一分のあいだ、ジョーが「いつも」自分のことを考え、自分のためになることならなんでも喜んでしてくれるということに思いを馳せるのだ。
・歯科医が自分の治療技術を販売しても、大もうけできない理由は、「生活者」が、新しい歯科医の技術を信用していい保証がどこにもないからである。

たくさんのビジネスアイデアの宝庫だ。

●ウェブはどう使うか

・たいていの広告代理店はウェブを放送メディアとして考えており、ダイレクトなメディアという捉え方をしていない。
・ウェブサイト上のコマーシャルはただ一つの目標に集中すべきである。つまり、見知らぬ通行人から、商品をマーケティングしてもいいという「パーミション」を貰うためのサインをする仕組みに100%の力を注ぐのだ。
・多くの企業が陥りやすい罠は、ウェブサイトを現在すでにいる顧客に向けて作ってしまうことであり、それをそのまま新規顧客獲得ツールとして使えると思ってしまうことだ。現在すでにきちんとした動機を持った顧客(ファン)向けと、これから顧客になってもらう人向けでは、当然アプローチが違ってくるのである。

このあたりは、Mr.Xに学んだことそのまま。マーケティングの大原則。
これを書かなければならないということは、
目的がぶれている人が多いということなんだろうな。

●土足マーケティングがなくならない理由

・大企業は、すでに成功を収めているマーケティング・テクニックを見直すようなタイプの人間は雇わない。代わりに、前例のある広告手法をきっちり学び、前例のとおりに実行するタイプのひとを雇い、訓練する。
・多くの大企業は、現在の自分たちを作ってくれた昔のマーケティング手法にこだわることだろう。このことは、新しく、失うもののない新興の会社やこれまでとは全く違うやりかたで顧客を獲得し、維持しつづけることに柔軟に対応できる会社にとっては、またとない大きなチャンスである。

●パーミションの悪用

・ネガティブ・オプション negative option : 消極的選択
マーケティング担当者は、「パーミション」のステップを顧客に上がっていただく努力をすることもなく、「クレジットカードに顧客が気づかないこと」をいいことに年会費をむしりとっていたのである。
・十五年にわたり出版やインターネットを通して私が築いてきた人脈。それを使って、だれかがビジネスを始めて、大きくするのに役立つだろうか。答は、ノーだ。「やあ、セス。君のパーム・パイロットを盗ませてもらったよ。君の電話番号もそこで見つけた。明日、会えないかな?」となるだろうか。ならない。
・マーケティング担当者が「パーミション」を悪用すれば、生活者は二度ともう、「パーミション」を与えようとはしないだろう。
例)マイクロソフトはOSの新製品 / 請求書もどきの封筒 / AOLの「じゃま」するメディア広告 / つまらない記事で満たされた長すぎるニュースレター
・ブランドの「パーミション」は、保護され、手入れされ、そして、投資されなければならない。近視眼的なマーケティング担当者は驚くべき速さで、ブランドの信用を台無しにしてしまう。
・パーミション・マーケティング三原則「期待されて、パーソナルな、適切である」のうち、最も重要なものは「期待されて」だと考えている。そして「スパム」は、ちっとも期待されていない。
・パーミション・マーケティングの「ハート」の部分は、「見知らぬ通行人」に対して、注意を払う「理由」を与える、というところにある。かたや土足マーケティングは人々を捕虜としたがる。ときには楽しいものもあったり、有益な情報が含まれていたりするかもしれないが、往々にして土足マーケティングの目標とするところは、見込み客の潜在意識にドリルで穴を開けるようなコマーシャル・ブレークをぶちこむことであることが多い。
・パーミション・マーケティングでは、その正反対の立場を取る。マーケティング担当者は、見込み客が商品を手に取る(注意を払う)だけの理由を見つけ出さなければならない。そして見込み客があなたのメッセージに注意を払ってくれた場合のわかりやすい見返り(情報、学び、エンターテイメントへの招待、場合によっては現金)を用意できていなければならない。情報過多の現代では、ひとは昔以上に利己的である。自分の時間や注意する対象については最も厳しく利己的なはずである。納得できるきちんとした理由なくししてはそれらの貴重な資源を手にすることはできないだろう。この、生活者の利己性を無視してしまう、ということは、洗練されていない土足マーケティングの担当者が陥りやすい罠といってよい。(その時想定している対象は自分の母親だったりする)

欲に目がくらんで、悪用してしまう人が多い。
しかしそういう方法は、結局何も生まないし、顧客だけではなく自分も泣くことになる。
道徳的な理由じゃなくても、合理的に考えて、スパムは無意味なのだ。

●その他の注意

・生活者に対して「買ってくれ」と頼んだり、あるいは大きい「ごほうび」をちらつかせたりすればするほど、「パーミション」を得ることは難しくなる。ここで得られる「パーミション」はまだ狭く、浅いものでしかない。しかし、この次のステップをよりインパクトあるものにするのは間違いない。
・第一に重要なのが、見込み客の最初の関心は、一般的には充分に訓練されていないたくさんのマーケティング担当者のグループに向けられることになるということだ。だから、マクドナルドでユニフォームを着ているのはきちんとした理由がある。品質のレベルを表現するのに一番適切な手段なのである。

顧客に対して卑屈になっている人も多いけど、それはだめ。
信頼関係の階段をあがるための注意として、
後藤さんのいう「してあげるだけではNG。してもらうことも必要」という話も関係しそう。
つまり、アクションをとってもらう、その事実が、よりいっそうパーミションを深めることにつながる。
ビビって無料でばかりやる必要はない。

●その他

・たしかに科学技術の進歩は、われわれの両親の時代に比べて格段に快適な生活を可能にした。単調なルーティン作業はすべて棋界がってくれる。でも忙しさは変わらない。。それどころか、日を追うごとにますます忙しさの度合いは増している。なんでこんなことになったのか。理由は簡単。あなたの注意をひくものごとが次々と外界から飛び込んでくるからである。毎日毎日、あなたの時間はみるみる何ものかに吸い取られ、大切なお金は投資先を求め、常に何事かをしなければ落ち着かない思いに駆られる。
・あなたが毎日なんらかのメディアから語りかけられる時間は四時間を超える。
・教室は工場の組み立てラインの製造現場となった。机は列をなして並んでいる。先生は決まったカリキュラムを教える。職人としての技能ではなく、教えの通りに従う能力によって雇われるようになる。そして各学期が終われば、生徒たちは次の組み立てラインに流されてゆくのだ。組み立てラインの仕様と合わない生徒は「特別プログラム」に移される。「中央品質管理質の品質基準」に満たない生徒は懲戒されるか、直されるか、拒否される。教師組合は、まるで自動車業組合のようにさらなる標準化と仕事の保護を求めて圧力をかける。

意識のファイアーウォールをつくる方法とか、
教育の世界におけるU理論の適用とか、
もっといろんなことが必要。やることがたくさんある。
自分の使命ってそのあたりだろうか。

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