催眠術のかけ方

初心者からプロまで今日から使える
不思議な催眠術は、この本によりあなたのものになる。
この不思議な術は、あなたのなかで当然の技術に変わるだろう。
プロが明かす催眠術の理論と技法、
そして実践現場に裏打ちされたテクニックを大公開!

シュタイナーのいうように「七歳までは夢の中」にいるのだとすれば、
子どもはそもそも自然な状態で催眠状態にあるということもできる。
つまり、大人が日常的に接する中で語るひと言ひと言が、暗示になりうる。
だから、自分は、催眠における「暗示」の危険性と効能について、
理解しておきたいと思っている。


●リードのコツ

・A、Cタイプの人は脳の構造上、暗示を受け入れる前に意味を解釈しようとします。特に自己主張の強い人は暗示に反発してしまいます。私が”お”という観念を浮かべてもらいたいとしたら、相手に向かっておもむろに「あ・い・う・え・・・」と言って止めるでしょうね。この方が相手に考える暇を与えることなく浮かんでくるのです。術者が外から投げかける暗示を『直接暗示』、被験者の内側から湧き上がってくるように操作する暗示を『間接暗示』と覚えておくといいかもしれません。
・隠喩法 たとえば、相手と何か会話をしながら飲み物を飲んでいたとします。そこで相手の口を見ながら自分が飲んでいるコップの縁をなぞるようにゆっくりと回す。相手が「それ、何やってるんですか?」と聞いてきたら、「気にしないでください」と言ってさらに潜在意識を引きつける。そのままコップの縁をなぞりながら会話を続け、「ホントに、それ何やってるんですか?」と、もう一度聞いてきたら「これ、あなたの口です」と言って、コップの縁をなぞっていた手でフタをする。そして、相手の動きが止まったり、目が少しでも大きくなるような微妙な変化が見て取れたら、すかさず「名前は?」と聞いてみてください。相手は声を出すことができないでしょう。
・催眠誘導のときに欲しいのは、この無意識が興味をもった集中です。私はおもむろにコーヒー茶碗の横にあったスプーンを身体の後ろに隠しました。会話はそのまま続けています。すると彼女は私と話をしながらも、身体の後ろに隠したスプーンが気になって仕方なかったのでしょう。私を見たり、身体の後ろを見たり、眼がキョロキョロしています。
・人間は数を数えるとリラックスするという習性をもっているからです。さらに目の前に下向きの階段をイメージしてもらい、数を数えるたびに想像上の階段を下に下りてもらうと、落下イメージが加わり、より深い催眠に入ります。

この「ものを隠す」とか、間接暗示という方法は始めて知った。
これは学校の授業などで教師が使ったらものすごく効果的かも知れないなと思う。
●不安の除去

・あえて他人の経験を話すことに意味があります。なぜなら、初めて催眠に入るときは多少なりとも不安があり、暗示に対して防衛本能が働いてしまいます。それが他人の話をすることによって自分を防御する必要がなくなるのです。たとえ他人の経験とは言え、潜在意識は勝手に自分を同化してイメージするのだから、こちらの意図するものは潜在意識の中で構成されていくのです。
・催眠は間が命と言われるほどタイミングが重要視されています。なぜなら前暗示を与えた直後に刺激を与えるわけですが、刺激のタイミングが遅すぎると、一度、被験者の脳に入った前暗示に対して「そんなはずはない!」という批判が起こるのです。刺激はこの批判が起こる前に与えないといけない。しかしこのタイミングが早すぎると前暗示が被験者の脳に入りきる前に刺激を与えてしまうことになり、暗示が不十分ということになるのです。だいたい話すスピードが早い相手には少し早めのタイミングで刺激を与え、ゆっくり話しをする相手に対しては、ゆっくり暗示を与え、刺激のタイミングも少し間を開けてやるというように
・催眠術のかけ方を覚えるということはリードのコツを覚えることであって、暗示文を丸暗記するものではないのです。
・気持ちよくリードしてあげないといけません。よく誘導の途中で言葉を間違えて、黙ってしまう人がいますが、言葉を間違えるのはそれほど差し支えありません。それより誘導を途中でやめてしまうことのほうが問題なのです。意識は言葉の意味を一生懸命解釈しようとしますが、無意識は言葉の意味より、リズムについて来るのです。

このあたりはセールスにもあてはまる話だな…。
●心理学的な本質

・被験者は催眠に入ることによって、何かメリットがないとかかってくれません。つまり催眠に入る動機が必要なわけです。それはただ単にリラックスでもいいし、ストレスの解消でもかまいません。催眠の実験をしたいとか、催眠の練習をしたいというような術者本位の動機では、良い結果は望めないでしょう。被験者が「この催眠は、私のためじゃない」と思ったら動機は覚めてしまいます。
・あなたの体験に、その体験が残っているということは、乗り越えるだけの力がある証拠です。もし、あなたに乗り越えるだけの力がまだ無いとしたら、潜在意識が預かったままになり、あなたの意識に上ってくることはないでしょうね。
・「悩んじゃいけない!プラス発想しなきゃ!」と思った時点で、それはマイナスの発想なんですよ。悩みがあるときは、悩んでいてもいいんだって思うことがプラス発想なんです。

トラウマの解決などに応用する場合には、
やはり小手先のテクニックを理解するだけでは足りない。
心理学的な深い理解が必要だ。
●その他

・キスは催眠でいう被暗示性テストにあたり、成功、不成功を決める重要なものだと言ってもいいでしょう。被暗示性テストの技法で被験者は術者の技量を計るのです。「女性はキスの上手な相手に覚悟を決める」と言います。
・電話帳と風船を使って別の暗示を交互に入れる方法を紹介しましたが、1種類の暗示を与えるより、2種類の暗示を与えたほうが、抵抗力は半減する。3種類の暗示を入れると抵抗力は3分の1になる。しかし、それ以上の暗示を入れると抵抗力を低下させるというより、別の混乱が生じ、暗示そのものを理解できなくなる恐れがありますから注意してください。

確かに…
恋愛も、催眠みたいなものだからなぁ。

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