「強運」と「営業力」を身につける本
この人の本をいろいろ読んでいるのに、
代表作とも呼べるこれをまだ読んでなかった。
ということで、手に取ってみた。
●Mindset
・今日から運の強い人になろう、って思うだけでもそうなれてしまいます。運が強いあなたには悪いことが起きません。一見悪いことも必ずいい意味があります。
・私はいつも思っています。確率的に言って「やっぱりは現実」になると思います。「やっぱり成功したよ」「やっぱり俺失敗しちゃったよ」「信じられないけど俺失敗しちゃったよ」無意識に言っているこんなセリフ。そのなかに自分が何を、どんな未来を信じていたかが明らかになります。
・自分で自分のことが嫌いな人に告白されても、何でって思うよ。なんで、本人でさえ嫌いなのに私が好きになれるっていうの?って思うのよね。背が低いからもてないんじゃないよ!背が低いからじゃなくって、それを気にして暗いからなんだよ!
・飛行機は風の抵抗のおかげでより高く飛ぶことができるんです。エンジンを全開にして滑走路を進むとき、勢いが大きければ大きいほど抵抗が増します。その風の抵抗にまさに飛行機は乗るんですよ!
・根本的に「ゼロであって当たり前」と考える奴にはゼロがある。だけど「結果が出て当たり前」と思っている奴には結果が出る。
・私と出会える人は私と出会えることによってチャンスを必ずつかめる人で、そういう人が私の目の前にやってくる。その代わりに私はその人にチャンスと気がついてもらえるように、幸せで元気な人でいます
・自分の「わくわく」を否定されて、「そんなの無理じゃない、ばかみたい」とは言われたくないのです。だから自然に、そういうきっかけを求めている人に話しにいってくれるのです。ポジティブなパワーは相乗効果となってどんどん輪が大きくなっていきまするそしてお客さんが私の代わりに営業してくれるのです。「和田さん、もう一人わくわくしたい人、つれてきましたよ」ってね。
営業とは、人の心とどう向き合うのかということ。
そしてそれは結局、自分の心とどう向き合うのかということなのだろう。
だからこそ、自分の欲望や悩みをまっすぐ直視し、
そしてそれを制御できる人は、売れる営業になる。
●営業に向いているかどうか
・面接でのインスピレーションで私がいちばん重要視したのは、「威圧感のない人を採用する」ということでした。楽しい人も強烈なインパクトのある人もいいのですが、結果を見ると、いちばん成績がよくなっていく人は、やはり威圧感のない人でした。「自信家に見える人はトップセールスになれない。なったとしても一過性のもので何年もキープできない」という持論があります。やはり人は、謙虚なほうがいいのです。
・継続して売れる人は相手に不快感を与えない人です。継続して売れている人は、こうやって相手を立てて自分を下げるということを無意識にできてしまう人が多かったし、今でも、そういう人が売れ続けているのは事実です。
今まで語られてきた営業のあり方・イメージとは大きく違ってびっくりした。
営業≒リクルート的な体育会系のノリと思っている人は、多い。
しかし、必ずしもそうではないのだ。
精神的なタフさは必要だけれど、そのあらわれ方は一つではないということか。
これなら、自分にもできそうだ。
●組織向きかどうか
・予算とか計画とか、だれかが立つとだれかが不愉快とか、なんか面倒くさい。野生で育った人間がいきなり檻に入れられたような気持ちになりました。自分で狩りに行かなくってもご飯がちゃんと食べさせてもらえる環境。
・固定給の人には、危機感がありませんでした。狩りに行って獲物がとれなくてもご飯が出てくるので、悲壮感がないのです。ハングリーさが違うのです。結果が出ないと、残りたくても辞めざるを得ない営業と違って、リスクがないから辞める必要もない。
・企業の中でも起業しているようになってください。自分が自分の社長でも雇いたいと思える人材になってください!
私は、組織で御行儀よく生きていく器用さはもっているんだけど、
やはり根本的には、合わないのだろうな。
大企業にきてみて、よくわかった。
息苦しくて仕方がない。
●聴くこと
・自分に興味もってほしいじゃないですか。もっと知りたいって思ってほしいじゃないですか。それって、やさしさだと思うのです。思いやりだと思うのです。だから、質問してあげる人は、相手の心にやさしさとか自信を与えることができるんです。時には答えたくないことがあってむっとすることもあるかもしれませんが、少なくとも無関心でいられるよりもずっとずっと嬉しいのです。それが結果の差になります。間違いなく!
・学歴がないからいいのでも、あるからいいのでもなく、数字を出せる人は、人の気持ちを察する能力に秀でているだけで、そっち方面の頭がいいのです。さらに、行動力があって機転がきけばいいので、それら以外の一切の裏書きは必要ないのでした。
・自分が相手よりも知っている情報を伝えているとき、「へぇ~へぇ~」と感心されたら、やっぱりちょっとは嬉しいはずです。だから私は、知っていることを知っていると言わない、もしくは知っていることを知らん顔できる人は素敵だな、この人頭いいなって思うのです。
・ただ、これだけ言う。「私は○○さんの得意分野の情報にうとくって本当に勉強になりました。私よりも○○さんのほうがなんでもご存知ですし、私のような人間が今から商品のことを説明するのもかなり恥ずかしいのですが、この商品の説明、この分野に関しては私はプロです。ですからこの分野だけは自信を持ってご説明します」と切り替えて、その分野だけはばかにならないと決めていればいいのです。
カウンセリングの勉強をしたり、メンタルヘルスについて学ぶ方が、
営業セミナーなんかにいくより、100倍効果がありそうだ。
実際、Mr.Xに学ぶマインドセットも、いつも自分の心の話ばかりだ。
●YESをもらう
・「英会話は習いたいですか?」ではなく、「話せないより話せたほうがいいですか?」と聞くと、みんな言ってくれるようになりました。「そうですよね」って。YESが返ってくるのです。「これ欲しいですか」ではなくって、「ないよりはあったほうが幸せですよね」「そうですね」ってまたYES。「必要ですか」ではなくって、「ないよりはどっちかっていうとあったほうが便利ですよ」「そうですね」ってまたYES。「お金ありますか」より、「お金ないですもんね」って言ったほうが、お互いが楽で楽しい感情になれることもわかってきました。何度も何度も「YES」をもらうことによってなんだか嬉しくなってくる。そんな気持ちがあってこそ、気持ちのよい会話に発展していくのだと実感したのでした。
・お客さんのほうから、「でも本気だったらお金なんとかするもんですよね」って自分から言ってくださる場合が多かったのです。YESは、私もお客さんも幸せにしてくれる魔法のフレーズだと気がついた私の数字は、それから周囲がびっくりするほど伸びていったのでした。
これは言い換えてみれば、共感するということなのだ。
共感の大切さが、こんなのところに出てきた。
でもこれが本当の営業なんだろうなと、思った。
ジェイも、マーケティングとはリーダーシップだといった。
リーダーになる勉強をしていたら、たぶん自然に、
「共感的に話をききとどける」ということに、なる。
●背中を押す
・すでに答えが決まっているのに、すでに自分で選択も終わっているにもかかわらず、進めない人は、ほんのちょこっと背中を押してほしいと思っています。「はいはい、大丈夫です。絶対大丈夫です。あなたならできます。嫌なら断っていいですから、本当にやりたいなら背中押します。背中押してもいいですか? はい、やりますね」って。これ、文字にすると強引なイメージがありますが、ほとんど決まっていてあと一歩の人は、「もう、私の代わりに決めてください」という心境なので問題はないのです。ただ、「この決断はあなたのものです。決断によってもたらされる喜びもあなたのものです。それへの責任もあなたのものです。それだけは認識してください」という一言も忘れないでください。
・結果は二人とも不合格だったとします。結果は同じです。だけど過ごしてきた一年が違う。結果が同じなら、頑張ってきたほうが恥ずかしいって思いますか?私はBさんのほうが好きです。かっこいいです。結果も大切だけどプロセスのほうがもっと大切です。
・本当にその人がやったほうがいいと思ったら、お金があるとかないとか、その人の言っていることに今大変なんだなぁと意識を向けるよりも、「やったほうがいい」と言ってあげたほうが本当のやさしさになることもあるのです。
・「俺が選択させちゃったぜ!」とか「気づかせてやった」とかそんな気持ちになってしまうとね、きっとお客さんのほうだってね、「あーなんか決めさせられたな」って思ってしまうと思いませんか? きっと、私はその人の「きっかけ」にすぎないのですよね。確かにスポーツでいう監督さんとか、占い師さんと、みんなおんなじでね、そういうアドバイスする人の言い方によっては誘導している感じに聞こえるということもあるでしょうね。だけどね、私はね、お客さん本人の中にすでに、もともとあった気持ち…きれいになりたいとか、車が欲しいなとか、もっと便利になればいいなとか、英語が話せたらなとか、そういうもともとあった気持ちっていうのは無理やりに植えつけたんじゃなくって、本当はそうあったらいいなと思ってるけど、無理な理由とか自分の優柔不断とかで、見えてないふりをしていただけだと思うんです。だからちょっとだけ心のドアをノックしてあげる。そして、見えてないふりをしていたことに気づいてもらう。そのうえで、それに進んだほうが幸せか、そのままもう一回箱にしまいこんでまた見えないように隠してしまうか、どっちがいいかを選択してもらうの。
共感するということは、同情するということでも、
一緒に傷を舐めあうことでも、ない。
この本質がわかっていたら、背中を押すということも、自然になるはず。
相手の表面的な感情に共感するのか、もっと深い欲求に共感するのか。
その、違いだ。
テクニックを追わないというのは、そういうことなのだ。
●NOへの対応
・私はいつも思っていました。「今断られても、断って帰るときにその人が『なんか来てよかったな』と思って帰ってもらおう」と。私のクロージングアベレージがよかった理由の一つが、この「背中が嬉しそうに帰っていったお客さん」は考えてから、戻ってきてくださることが多かったということです。一年後、突然お電話をくださって、「和田さん覚えてますか?やっとお金の都合がついたのでやりたいのですが…」言ってくださる方もいらっしゃいました。
・NO消しの「詰めスタイルの営業」でも売れることは売れます。ただ、正しいからこそ、人によってはキツすぎてしまう。たいていの人はわかっていてできていないことを自分でも知っていて、それをちょっと反省したり後悔したりしながら生きているからです。だから、そっと自分で動けるようにしてあげないといけない。そのためには、NOをつぶすよりもYESをつくることのほうが建設的、健康的、共感的だと思いました。私はYESが欲しいからNOを消すのではなく、NOもYESの返事にしているだけです。
・NOのお客様をYESのお客様以上に大切にしよう!! YESのお客様は今日のお客様、NOのお客様は明日のお客様
なんだか、営業というのは、子どもを見守る親のようなものなのかな、と思った。
信頼関係と愛情があれば、厳しく押すこともできるし、
愛情はあっても信頼関係が弱ければ、伝えることしかできないこともある。
または、反抗期の子どもなら、強制せずに信じて待つことも、ある。
全部、同じだ。
ということは、根底に、顧客に対する愛情がなければいけない、ということになる。
つまり、愛情をもって接することができる顧客を対象にしなければ、
そもそも商売は成り立たないということに、なる。
●その他
・和田さんが実際にいちばんにはずしたいらないものって何だったのですか?…一つ目は自分にとって悪影響があったりネガティブな人との時間をはずすこと。二つ目は悩んでいる時間をはずすことです。