異業種連合7つの戦略
この内容は、大企業におけるそれではなく、
個人カンパニー全盛となるであろう、これから時代にあてはめて読んでみても、
大きなヒントになる。
●ベンチャーの時代
・現代の市場においては、長い歴史を誇る大企業が、最近生まれたばかりの小さなベンチャー企業の動きに振り回されるという事態が生じてしまうのです。それは、あたかも太平洋戦争の戦艦大和と小さな戦闘機の戦いに似ています。それまで「大艦巨砲」こそが戦いにおいて有利であると思っていた我が国が、戦況の変化に応じて小回りの利いた行動がとれる戦闘機に敗れ去った状況に似ています。すなわち、現代の市場においては、「大企業」であることや、「総合企業」であることは、少しも有利なことではなくなっているのです。
・大企業の経営者は「神経質」にならざるを得なくなります。現代の市場が、こうした「市場の一部の小さな変化が、市場全体に大きな変動をもたらす」という性質を持つため、大企業の経営者は、毎朝、新聞を読むときにも、それまでは歯牙にもかけなかった小さなベンチャー企業の動向にも気を配り、それが市場に与える影響や、自社に与える影響を、あれこれと考えなければならなくなるのです。
逆に言えば、高性能戦闘機で戦う我々にとっては
大きなチャンスだということ。
●顧客が求めているもの
・市場において企業同士の激しい競争が繰り広げられた結果、顧客の「顕在的なニーズ」の大半は、すでに満たされてしまったのです。そのため、現在の市場においては、顧客の「潜在的なニーズ」にどう応えるかが競争の眼目になってきているのです。
・「ああ、こんな便利なものが欲しかったんだ!」といいたくなる商品でした。すなわち、商品が市場に出てきて、ようやく顧客が自分自身のニーズに気がつくといった商品だったのです。これが「声なき声を聞く耳」という意味です。
これをやったのが、ジョブズなのだろう。
きづかせてあげる。これがポイントなんだ。
自分のビジネスにおいてのそれも。
●マーケティングリサーチ
・「タウンウォッチング」古くから、優れたマーケッターは、ぶらぶらと街を歩きまわりながら、人々の生活を見つめ、消費者のショッピングを眺め、商品のブームや消費のトレンドを観察してきたのです。そして、そのような「タウンウォッチング」とでも呼ぶべき行動をつうじて、人々の深層的な意識の変化や、消費者の心に生まれてくるニーズの萌芽を「感じとって」いたのです。そして、こうした優れたマーケッターが顧客の潜在的ニーズを把握するために用いてきた方法は、決して「分析」という方法ではありません。彼らが用いてきた方法もまた、実に古典的な方法なのです。それは何でしょうか? 「直感」と「洞察」です。
・では、インターネット・マーケティングの時代における「タウン」(街)とは、いったい何でしょうか? 「顧客コミュニティ」です。
これは、とくによくわかる。
自分が、とても大切にしていること。
●商品生態系
・市場競争は、実は「新幹線」対「飛行機」という「一騎打ち」で行われるわけではありません。例えば、それぞれの「所要時間」だけで比較するならば、明らかに「飛行機」の方が短いのですが、「商品生態系」の全体でみると、「所要時間の総計」は、「新幹線・商品生態系」の方に軍配があがることが多いのです。このように、「商品生態系」という考え方は、これからの市場戦略を考えていくとき、きわめて重要な考え方となります。
・顧客のニーズは、「商品生態系」全体に対して生まれているのですが、それを無視して、個別の「商品」についてのニーズだけを調べると、「商品生態系」全体についてのニーズが見失われてしまうのです。
自分のビジネスにおいても、この「商品生態系」をあてはめてみなければならない。
顧客の立場にたって考えていくと、もっといろいろあるはず。
●ヒント
・「結婚式場」とは、ある意味で古くからあるニューミドルマンです。
・いま急速に市場に浸透しているインターネット革命は、この「ニューミドルマン戦略」そのものを進化させようとしています。なぜならば、これまで企業が、この「ニューミドルマン戦略」をとろうとすると非常にコストがかかったからです。
・「結婚式場」というニューミドルマンが現実の市場に存在し得たのは、端的にいえば「結婚式は高い料金がとれる」からです。「結婚」という一生に一度の祝福すべきイベントにおいては、顧客の「財布のヒモ」がゆるくなるからです。
何だか、やるべきことがわかってきた気がする…。
●PR
・複雑系市場においては、市場というものがきわめて強い社会心理的な性質を示すようになってしまうのです。企業や商品に対する顧客からの評価が、ビジョンやコンセプトやイメージといった高度に心理的な要素によって決まってしまうのです。例えば、ある企業のトップの語るビジョンによって、顧客から見たその企業のイメージが定まってしまい、ある商品について語られるコンセプトによって、顧客から見たその商品のイメージが決まってしまうのです。
・複雑系市場においては、単に「良いものを安く作れば売れる」「コツコツ努力していれば報われる」という姿勢だけで市場に取り組む企業は不利な状況に置かれてしまいます。逆に、積極的に企業のビジョンを語り、商品のコンセプトを語り、顧客からのイメージを重視して、市場への情報発信活動を戦略的に実行していく企業が優位に立つのです。そのことを、サンタフェ研究所の教授であり、「複雑系の経済学」で世界的に有名なブライアン・アーサー博士は、この言葉を使って論じています。「心理的ポジショニング」
ゲリラ戦を戦う身としては、このことはとても重要。
企業の大きさではなく、経営者の志の大きさ・器で勝負する。
それは霊的なものといってもいいかも知れない。
そこで勝負することができれば、負けるはずがない。
●生命的企業観
・株式市場や為替市場などは、さまざまな市場のなかでも最も「複雑系」としての性質の強い市場です。だから、そうした市場に馴染みの深い方々が、「市場は、もともと『生命的システム』であり、『複雑系』だろう」と感じるのは、きわめて自然なことなのです。しかし、私が、ここであらためて「市場とは最も高度な複雑系である」ということを申し上げ、「市場とは生命的なシステムである」と述べるのには、理由があります。それは、現代の社会には、市場というものを、無意識に「機械的なシステム」であると考える人々が多いからです。
・企業についてしばしば語られる、「リエンジニアリング」や「リストラクチャリング」という言葉は、それを象徴しています。しかし、実は、こうした無意識の「機械的企業観」によって企業変革を試みた人々の多くが、「企業文化」や「職場風土」といった、きわめて生命的なシステムに対処することができず失敗していったことも、認めざるを得ない冷厳な事実なのです。
・「グローバリゼーション」ということの意味は、決して「世界中で判を押したように同じことが起こる」という意味ではありません。「全体的傾向としては世界中で同じことが起こる」という意味にほかなりません。したがって、それぞれの国における具体的展開は、常に「個性的」なのです。例えば、日本の「マクドナルド」ではカレーライスが売られ、日本の「ミスタードーナツ」では飲茶が売られていることはよく知られていますが、全体的傾向が世界共通であるのに対して、具体的展開はつねにその国の条件を反映して個性的になるのです。
組織を機械的に管理しようとする文化は、まだまだ多い。
自己組織化するようになった今では、もう、それらを生命として処する時代なのだ。
これは、組織だけでなく市場もそう。