クラズナー博士のあなたにもできるヒプノセラピー

催眠療法
人生を「成功」に導くための「暗示」の作り方
米国催眠療法協会の創立者、クラズナー博士が、ヒプノセラピー(催眠療法)を、
誰でもが自分自身のために使えるよう、そしてさらに深めたい人には、プロのセラピストを目指せるよう、
豊富な誘導例、暗示例を収録した、きわめて実践的なセラピー読本。

ヒプノを学ぶ人が避けて通れない、これを知らなければ潜りという一冊。

 

・幼い子供にとっては自分が世界の中心と映りやすく、そのため身近な人たちの感情は全て自分が引き起こしていると感じる。

・暗示と強い感情を同時に体験すると暗示の効果が高まる。また、それ以前に暗示があったとしても、感情と結びついた暗示は古い暗示を帳消しにする。

・適切な動機があれば、後催眠暗示は数日、数年、と効果を持続する。

ビリーフがどう作られるのか。そしてそれはどう書き換えられるのか。
潜在意識の力・危険性・可能性についての理解は、もっと多くの親たちが知っておくべきだと思う。

 

・プロとしての信頼性とあたたかく人を迎え入れるような雰囲気は「あなたはここでリラックスしていいのですよ」という暗示になる。

・大多数の人間がふだん使っているのは前ニューロン接続の約10%だと科学者は言う。

プロとしての体験をどんどん積み重ねていかなくちゃと思う。
そしてそれは、事前面談から、いやその前の、会う場所といった環境の段階からすでに始まっている。

 

・被暗示性のテスト : かならず「テスト」という言葉を使う。私たちは「テスト」と聞くと自動的に「受かるか、落ちるか」という連想をする。クライアントは「テスト」には「受かりたい」と思う。すると、このテストにとても協力的な応答をしてくれる。
・両足のつま先とかかとをつけておくように指示する
・ビンには色水を入れておく。全員に見えるようにビンを高くかかげる。フタを取りながら「この香水の香りが部屋のうしろのほうまで漂っていきます。香りはだんだんと強くなって、はっきりと感じられます。香りを感じた人は手をあげてください」と言う。手をあげた人がよい被験者であるのはあきらかだ。

被暗示性のテストの重要性って、とても大きい。
このことを理解せずにいきなり催眠に入っても、そして暗示をしようとしてもだめ。
まずは暗示に従ってもらうというフレームが必要ということ。

そしてこの本を読んで、「辞書と風船」は、イメージの中でその映像をみさせることによって起こる観念運動だということに、今さらきづいた。
観念運動なのだとすれば、ただ「重い」「下がっていきます」ではなくて、
「重さを感じてください」「イメージの中で見てください」の方が効果的だろうと思った。

 

抵抗の強いクライアントへ : 「コントロールは常にあなたにあるという証明です。あたえられた暗示を受け入れるか否かはあなたの自由なのです。」「でも、あなたは本当に○○したいのですよね。でなければここに来ていません。あなたがあなたのペースで、あなたの選択で、催眠に入りたいと望んでいるなら、ただ順番に暗示にしたがっていけばいいのです。暗示にしたがっていくと、とても心地よいリラックスした状態になります。それはあなたが最終ゴールを本当に達成したければです。あなたはゴールを達成したいのです。そうでしょう?」

「ちがいますよ。私は、あなたが「目が開かない」と思うときにだけ、ためしてほしいと言ったのです。さあ、もう一度目を閉じて。「目が開かない」と思ったら、試してください」これがトリックであるのは明白だが、それでいい。あなたはクライアントにゴールを達成してほしいのだ。そのためには、このような初期段階の暗示を受け入れてもらうことが大切である。

催眠のメカニズムを知らなくても自己催眠はできる。ある人がトーマス・エジソンに手紙で質問した。「先生、電気とはなんでしょうか?」エジソンは答えた。「電気はある。使いなさい」

そもそも抵抗が強いような人に、ヒプノを使うかという話もあるかもしれない。
自分は、そういう人はクライアントにしたくないかなぁ。

 

ごくまれに、催眠中に泣き出すなどの感情反応を起こすクライアントがいる。このような感情の原因を解明することが、トラウマを催眠中に処理する最善の方法だと考えるセラピストは多いが、私はそうは考えていない。ヒプノセラピストの資格だけでは、トラウマを処理する充分な訓練を受けているとは思えないからだ。催眠中にクライアントがこのような反応を示したら、つぎのように話すことを進める。「いまあなたがいる場所から離れてください。そこを通りすぎて、あなたが楽しくくつろいでいる場所にいってください。潜在意識はそこをよく知っていますから、あなたをおだやかなリラックスした場所を連れていってくれます …さあ、とてもおだやかです… リラックスして楽しんでください(5秒待つ)」→リラックスのための暗示をさらにいくつかしたあとで、クライアントを催眠から目ざめさせるように私はすすめる。私はこのようなクライアントには、そのままセラピーとしての暗示をあたえつづけるべきでないと考えている。クライアントが目ざめたら、なにが起きたのかを話し合い、その後このセラビーを続けるか、他の心理療法家または医師を紹介すべきかを決めよう。

ヒプノに限らず、タイムラインセラピーなどその他のNLPのセッションもそうかもしれないけれど、
潜在意識にアクセスするセラピーでは、この手の話を理解しておかないといけない。
自分自身も何度か経験しているから、よくわかる。

コーチングですら、ブレーキを外そうとセッションを進めていけば、当然この話に入っていく。
コンテンツフリーのワークならまだ安全だけれど、特にヒプノのように
コンテンツにしっかり向き合うものの場合は特に注意。

 

潜在意識には遠まわしな表現は通用しない。催眠にかかった人に「あなたがどこで生まれたのか教えてくれますか?」とたずねると、相手はただ「はい」と答えるだろう。潜在意識は質問への直接の答えしかしない。

自分自身が催眠に入った時の経験からも、これは納得。
言い方を変えると、この反応の仕方を見れば(聞けば)、入っている催眠の深さがわかる。