女が怖くて会社に行けるか!
男性向けの本なので、
恐らく女性からすると、書名はあまり気持ちのイイものではない。
でも、内容はイイ感じ。
とくに女性部下をもつ男性には、必読書かも。
そういえば私も、コールセンターのSVで30人ぐらいの女性に
動いてもらってた時があったっけ。
●エモーションを大切にする
・男性が冷静に、理性的に話せば話すほど女性は腹を立てる。寂しさやいらだちは理論や理屈では埋めることができないからだ。逆に男性は女性が感情的になればなるほど理屈で言い訳を口にして「しようがなかったんだ」ということで許してもらおうとする。それがお互いの不理解といらだちを加速させ、さらに相手を怒らせてしまうのである。
(理由はいいの。私があたまにきてるってことがわからないの?)
(そんなことぐらい私にもわかってるわよ。がっくり落ち込んでいる気持ちがわからないのかしら?)
(なに当たり前のこと言ってるの?)
(なに冷静に語ってるの?)
・とくに大切なのは、女性がエモーションで語っているときに結論を急ぎ、「つまり」「要するに」「ポイントは」などのセリフで、女性が話そうとしていることを無理やりまとめようとしないことだ。結論を早く聞きたいと焦る気持ちも十分わかるのだが、エモーションをまだ語り尽くしていない女性は、無理やり勝手に結論づけられたり、決めつけられたと感じて、フラストレーションをためてしまうことになる。その結果、「話を全然聞いてくれない!」「私のことをわかってくれない!」「この人は私のことが嫌いなのね。絶対嫌いなんだわ!」などと勘違いされてしまうことになりかねない。
・「女性の話はいつまで聞いても同じことの繰り返しだ」と常日頃から感じているあなたは、女性があなたになかなかエモーションを伝えきれないために、いつまでたってもエモーション・モードから抜け出せないのだと知るべきだ。女性が「わかってもらえた!」と実感できるまでは、同じことを言い続けるしかないのである。「そうじゃなくて…」という女性のセリフを聞く機会が多い男性ほど、女性の気持ちを引き出せていない。女性のエモーションを引き出すだけ引き出してしまえば、ある程度論理的な話へと展開していくと覚えておきたい。
・男性が女性の話を聞くときにやってしまいがちなのが「分析モード」で聞いてしまうことだ。エモーションで語っている最中の女性のまとまりきらないことばをすくい上げ、「それは…だろ」と得意になって分析してみせるのである。そういう分析的なセリフで返してしまうのは、ことばや考えがまとまりきらない女性への親切心(きみの考えをまとめてあげよう)からきている場合もあるが、女性としては勝手に話を”型”にはめられたような気持ちになってしまうものだ。そして「私が言いたいのはそうじゃなくて…」と返すしかなくなってしまう。
・女性はエモーション抜きのことばでまとめられることによって、自分の気持ちがまったく相手に伝わっていないのではないかという疑念をもってしまう。エモーションに対して分析的な理屈や理論で返されることは、エモーションを語り尽くしたい女性にとっては障害物のようにじゃまなものなのである。
・女性が「エモーション」を伝えようとしているのに「ロジック」のセリフ、つまり否定や一般論、正論ばかりで返してしまっている。これでは「あなたと話しているとつまらない」と女性が感じてしまうのも無理はない。
・✕一般論を持ち出す 「女性とは」「若いうちは」「ビジネスとは」「会社ってものは」などのセリフを繰り出す。なにかにつけて「女は…」「女性は…」が口を突いて出るのは女性差別主義者と思われてもしかたがない。「若いうちは…」と、上からものを見たような言い方は若い世代のやる気をそぐ。「ビジネスとは…」と大げさな机上の空論を振り回したがるのも男性の特徴だ。
この部分、何度もいろんな本を読んで、
頭ではわかっているつもりなんだけど、なかなか身につかない。
まだまだ修行が必要だ。
ところでこの修行は、
SNSのコメントなどで鍛えるのも、よいかも知れない。
●「男性は目的志向、女性は関係志向」
・女性が仕事をしていくうえで欠かせないモチベーションは、「この仕事が好き、楽しい」という自分の中の価値観を満足させることだったり、「お客さんに喜んでもらいたい」「この人(客や上司など)のためにがんばりたい」という、身近な人間関係の輪の中に自分の確固たる存在価値を見出したいということにある。自分の価値を認めてもらえるのであれば、そのステージは必ずしも職場にでなくてもいいということになる。非常に優秀な女性が結婚すると同時に家庭に入ってしまったりするのも、女性が新しい自分の居場所、価値を見いだせる場所を”家庭”に見出したからにほかならない。仕事を捨ててまで結婚する女性の行動は突拍子もなく不可解だという男性が多いと思うが、女性は自分が本当に輝ける場所であれば、職場だろうと家庭だろうとこだわらない柔軟さをもち合わせているのである。
・女性が仕事について「楽しい/楽しくない」「おもしろい/おもしろくない」などという表現をするとき、女性にとって仕事が楽しく、おもしろいものであるということが、男性にとっての”成功”や”勝利”にも等しい大きな価値をもちものだということを、まずは理解するようにしたい。
・男性上司は、なんとかやる気を出してもらおうと、ほかの価値観をもってこようとして失敗してしまう。キャリアアップや、昇給、あるいは「自分の糧になる」と現在の苦労も将来のためだという理屈で励まそうとするのだが、残念ながらこれは男性にしか効果がない。女性にとっては「いまがすべて」であり「いまの自分の気持ち」が大切なのだ。だから、約束もできない近未来の”見返り”をエサにして釣るようなアプローチは、女性には白々しく感じられてしまうのである。
逆にいえば、仕事をしたいという女性が増えるのは、
家庭という場所に楽しさや、役に立っているという意識、家庭をとりまく人間関係に
喜びを見いだせていない人が増えている、ということなのだろう。
●女性特有の会話スタイル
・女性は自己主張をしたいとき(自分の意見を述べたいとき、なにかを要求したいとき)、わざわざ疑問文のかたちでそれを行うのである。
「今回のプロジェクトはうまくいくと思わない?」→絶対うまくいくわよ
「次の仕事まで、ちょっとブレイクしない?」→ブレイクしようよ
「この仕事、かなりきつくない?」→この仕事はかなりきついわ
「あの担当者の態度って、最悪じゃない?」→あの担当者の態度って最悪
・女性がそのネタを振ってきたのは、あなたの意見を聞きたいからではなく、女性自身の意見を言いたいからなのかもしれないからである。
・「もうこんなプロジェクトはやめる!」という女性の言葉を、文字どおりに解釈してしまった例だ。この女性が「やめる」と言った言葉の裏には、会社や仕事の愚痴を聞いてほしいという気持ちがあった。「仕事を投げ出したいわたしの気持ちをわかって」ほしかった女性は、ストレートにそうは言わず、「こんな仕事やめてやる!」という変化球を投げてきた。ところが男性は、そのままストレートに受け取ってしまい、「そうか、この仕事をやめると決意したのか」と解釈してしまったのである。勘違いしたうえに懸命になってアドバイスしようとしているが、まったくの取り越し苦労でしかない。
女性の変化球を理解するというのは、まるで、小説の行間を読むようなもの。
子どもの言葉をどう受け取るのか、ということとも、似ている。
自分が自分が、という意識を捨てることで、はじめてまともな会話ができる。
オトナとしての余裕が必要ということなのかも知れない。
●自信が必要
・女性と話題を共有しようとするとき、「○○って知ってる?」などというふうに話題の口火を切ろうとするのではなく、「知らないことを素直に認めたうえで、女性たちに教えてもらう態度で会話にとけ込んでいく」と、自然な会話の流れに身を置くことができることを覚えていただきたい。ポイントは女性が楽しい気持ちで、しかも女性の個人的な「感覚」で答えることができる質問をすることだ。会話の内容に具体性や現実性を求めるのではなくも、非現実的で空想的、自由な発想を引き出せるようにすると、女性は楽しい気持ちになってくる。「私だったら…」「私なら…」などと自分の感覚をことばにまとめようとしながら、たくさん話をしてくれるようになるだろう。
・「いかに自分はスゴイか」「いかに自分の会社は優秀か」「いかに自分たちの仕事は社会的に重要なのか」ということを、延々と話してばかりいた。しまいには、「きみたちOLはのんきでいいよね」とまで言い放ったという。→ 女性から「すごいですね」「そうなんですか、よくご存知ですね」などと言われると、すぐに調子づいて知識を語りだすのは男性の悪いクセ
やはりこれも、自信があるかどうかということにつながりそう。
すごいところを見せようとか、格好つけようとか、
そんな風に自分が自分が、と思っていると、嫌われる。
●ほめ方
・女性がなにかいい仕事をしてくれた、ほめてやりたいことがあったとき、「あなた個人がどう感じたか」を素直に口に出してみればいい。
・エモーションでほめるようにしたい。エモーションでほめておけば、「さらにもうちょっとこうしてほしい」という仕事へのリクエストもしやすくなる。同時に、エモーションでほめておけば、失敗したときのフォローもしやすくなる。
・ただ一言、「がんばってくれたね。ありがとう」と言ってもらえれば女性は満足なのに、男性にはそれが言えない。だから、自分を認めてくれるまで「でも、でも…」と必死になって食い下がってしまう。男性が仕事を終えた達成感を冷静かつ論理的に分析し、喜びを抑制しながらとらえているのに対し、女性は「がんばった」「うれしかった」という感情や気持ちを語ろうとしている。大仕事を終えた達成感という気持ちは男女とも同じはずなのだが、それを表現するスタイルの違いが会話の内容に表れていることがおわかりいただけるだろう。
・撮影が終わったあとは、一言必ず、「きみががんばってくれたので、今回はいい作品になりそうだよ」などのセリフで、写真という一枚の作品づくりにモデルの女性が重要な役割をはたしてくれたことをはっきりと口に出して感謝する。すると女性モデルは、「こちらこそ楽しかったです。またおねがいします!」と、さらにうれしそうな表情で返してくるのだそうだ。
・✕出世・カネに結びつける「今度のボーナスは期待してくれていいぞ」「きみの昇進の件も掛け合っておくからな」
・✕人と比べる・序列化する「同期の中ではきみが抜きんでているな」「ウチの部署の女の子の中ではトップだな」「男性社員そこのけの活躍ぶりだね」
・とくに男性に負けまいとして仕事に打ち込んでいるタイプの女性であれば、女性として扱われること自体に不快感を感じるだろうし、「女性としてではなくひとりの人間として見てほしい」と考えているものだからだ。そういう女性に対して「美人だ、かわいい」「その服がすてきだ」「女性らしさがある」などと言えば、仕事を正当に評価されていない気分になるばかりか、女性であるがゆえに一段低いものとして見られているような気持ちにもなってしまうだろう。
・女性をほめるとき、どうしてほめるのかを論理的に説明しようとする必要はないし、客観的な評価を当てはめようとする必要もない。上司としての立場からものを言おうとするあまり上から評価するような言い方も必要ない。へたに理屈でほるようとすれば、女性はいかにも値踏みされているような、人事考課のような冷たい印象を受けてしまう。これらは女性にはまったく響かないほめ方なのだ。
・つねに「私」がどう思われているかを知りたがっている女性にとって、派閥やグループの中で類型化されて認められたところで、自分自身の価値にはまったくつながってこないのである。「さすが女の子は…」「女性の感性はさすが…」「女性ならではのきめ細かい仕事で…」などと、”女性”という枠組みの中でほめられることに対しても、不快な気持ちを感じてしまう。仕事をもつひとりのビジネスパーソンとして、ひとりの人間として認められた気がしない。「さすが藤原さんだね」「さすが藤原さんの感性はいいね」「さすが藤原さんならではのきめ細かな仕事だね」「この仕事を藤原さんに頼んでよかった。助かったよ」というふうに、相手の女性の名前をセリフの中に織り交ぜながらほめるだけでも、印象はグッと違ってくる。
誉め方に、差別意識がにじみ出てしまうということか。
上から目線で誉めるというのは、つまり相手を下にみているということだし、
性別属性を根拠にしてほめるということは、性差以外の部分を見ていないということ。
何がどうすごいのか、そこを見るべき。
そしてこれは、やはり、子どもを誉める時も、同じ★
●女性の謝罪
・女性が「すみませんでした」「ごめんなさい」と言うのは、なにも男性のように自分が負けたという白旗を掲げる意味は込められていない。
「(不快な気持ちにさせてしまって)すみませんでした」
「(言いにくいことを言わせてしまって)申し訳ありませんでした」
「(残念な気持ちにさせてしまって)ごめんなさい」
「(ケンカみたいになっちゃって)ごめんね」
しかる相手の気持ちになって考え、自分の仕事のミスや失敗がきっかけで相手に不満や不快感を与えてしまったことについて謝罪しているにすぎないのだ。
・であれば、女性が謝罪のセリフを口にしたからといって、相手の女性がミスや失敗をすっかり反省したと思い込んだり、無意味に勝ち誇ったような態度をとるべきではないとおわかりいただけるだろう。しかり手の不快感を思いやって謝罪しただけなのに、仕事のミスについての全責任を負わされたり、侮辱されたことによって、男性の上司や同僚に失望したという女性の声を数多く聞いた。とくに男性は気づきにくいポイントなので、注意することが必要だ。
・普段上司に逆らわない男性部下ばかりしかっている上司には、この「でも…」というセリフは不快なものとして聞こえるだろう。「口答えせずに話を聞け!」と、よけいに腹が立ってきてしまう人も少なくない。しかし、「でも…」と女性が話し始めたら、ひとまず女性の言い分を聞いてみることにしてほしい。反論やいいわけがあるということは、相手の女性にはしかり手に伝えたいこと、知ってほしいこと、わかってほしいことがあるからなのだ。たとえ身勝手なわがままのように聞こえても、まずは言い分をしっかり受け止めることだ。「なるほど、そうだったのか」「それはご苦労だったね」「それはたいへんだったね」などの一言があると、それだけで女性はあなたのことを「話を突っぱねたりせず、聞いてくれる人」だと思うことができる。そうしないと、その時点で女性は「この人は私の敵!」と思ってしまい、心を完全に閉ざしてしまう。一方、一言受け止めの言葉があるだけで、その後にあなたから繰り出されることばは、すっと女性の心の中に入っていくようになるのである。
自分は、家庭ではとくに悪い意味での「しつけ」のようなものは受けなかった。
でも、仕事をする中で学んだことは、まさにこの男性的なあり方だった。
そして、それが正しいと、思い込んでいた。
女性に、男性にするのと同じように接しては、いけない。
押し付けてはいけない。
子どもに対しても、そうだ。
●誘い方
・20代前半のOLたちに取材した結果、男性からどんな誘われ方をすると嫌な気持ちになるかを聞いたところ、圧倒的に多かったのが”下心が見える”ということだった。女性たちに言わせると、下心があるかないかは一瞬で判断できるという。
・女性は「いやらしい目つき」に敏感 オフィスにちょっと気になる女性がいると、男性としてはチラチラと視線を送ってみたくなるものだが、見られている女性はともかく、周囲の女性までもその視線には敏感だ。若い女性がそばを通るたびに、チラッと女性のほうへ視線を送ってしまうのもNGだ。
・男性からしてみれば若い女性に金銭的な負担はないから安心してついておいで、ということを伝えたいのだが、女性からすれば上司が部下におごるのは当たり前のこと。それをいちいち「おごるぞ」などと明言されることによって、「おごってくれるからついていく自分」を意識してしまうことになる。
・女性を誘うとき、「飲みに行こう」と言う必要はない。「食事に…」という誘い方に変えてみるだけで、電車がある時間帯に帰れる、セクハラ的な感じがしないと相手に思わせることができる効果がある。あくまでも「食事に行く」というニュアンスを強調しながら声をかけてみるといいだろう。
・提案の内容をなるべく具体的にしよう。「きみと食事に」などと、「きみ」を誘いたいところを強調してしまうと、女性は下心をかぎ取ってしまう。たとえ男性に下心のかけらもなくても、女性にとっては断る条件は十分だ。具体的に、というのは単純なことだ。たとえばなにを食べに行くのかをはっきり提案すればいいのである。「今日はスキヤキでも食べに行こうか」「みんなで鍋でもしようか。チゲ鍋とかいいんじゃないかな?」「フグが安くてうまい店、新橋にできたらしいんだよ。行ってみる?」
・「あの店に行ってみたいんだけど、ちょっとつき合ってくれない?」など、「ぜひ行ってみたい店があるんだけど、でも、ひとりで行くのは気が引けるので」という感じで誘うのも効果的だ。これなら素直に「ごちそうになります!」「うん、わたしも行ってみたい!」とついていけると、若いOLからの支持の高い誘い文句だった。微妙だが、「こんな店があるんだけど、キミも行きたくない?」というのはNG。「いい店を知っているんだ」などと知ったかぶっているニュアンスがあるし、下心にもつながる。女性がもっている美味しいものを食べたいという気持ちに”引っかけている”感じがするというのである。
微妙な違いが大きな違い。
結局は、テクニックではなくて、心構えが大事だということだろう。
下心をテクニックで隠そうとしても、無駄。
それよりは、心を入れ替える方がはやい。
最初は、そう思っていると、自分で思い込むということでもいいから。