頭の回転が50倍速くなる脳の作り方

「クリティカルエイジ」を克服する加速勉強法
ダ・ヴィンチ・プログラム
なぜ、大人の脳は学習できないのか?
最新の機能「脳」科学が実証した最速・超効率的な勉強法

子どもの学習、あるいは外国語学習について研究していたら、
クリティカルエイジについては避けて通れない問題。
それを乗り越えられる可能性を示唆するこの人の理論は、とても興味深い。
試す価値がありそう。

●メタの視点 IQとは

・ゴールに向かってシュート練習をしたり、走りこみをしたりします。これは、「鍛える」系の練習といえます。つまり、「脳を鍛える」系の練習ということです。その一方で、監督とホワイトボードを使って戦略を練ったりしなければ強くはならないでしょう。たしかに、「脳を鍛える」系の練習をひたすらやれば、シュートがうまい選手や体力の強い選手はつくれるでしょう。でも、一流選手に必要な試合全体を見渡せる能力はつくれません。一流選手 : 試合全体が見える 二流の選手 : ボールしか見えない!
・これは、サッカーだけでなく、一般社会でも同じです。たとえば、試験勉強だけできて東大卒の人間がビジネスの世界で必ずしも「頭が良い人」ではないのと同じです。では、「勉強だけができる人」と「頭が良い人」の違いは何でしょうか?決定的な違いは、「高い視点を持てるか」ということです。「抽象度が高い」と本書では説明します。
・「脳を鍛える」系の本やゲームで紹介されているトレーニングは、今ある知識の中から脳の運動神経を速くして、いかに最適な解を求めるかということを訓練しているだけ。たくさんやれば、誰だってだんだん速くなりますし、老化も防ぐでしょう。しかし、ただそれだけのことです。そこには、本当の抽象化という概念が入っていません。だから、IQは上がらないのです。

脳トレとか、パズルゲームをやらせて「頭のいい子」を製造しようとする親。
あるいは、自分でやっているオトナをよく見かける。
なぜ彼らを、頭がいいと思えないのか、その理由がはっきりわかった。
確か田坂さんなども、とてつもない頭のよい人だと思うけど、
ヨコモジ難しい数式を使うのではなくて、弁証法を適用して、未来予見をしていた。
そういえば兄なんかもこのタイプだ。歴史と哲学を識る人は、頭がいい。
ものすごい深い洞察力で、うなるような話を引き出してくる。

・どのレベルまで抽象度を上げればいいのでしょうか?私が勧めているのは、「過去に学習したもの」と「新しく学習したいもの」とが共有する一つ上の次元まで抽象度を上げる方法です。この一つ上の次元を Least Upper Bound といったりします。自然数の掛け算における最小公倍数に相当します。
・アメリカ人がスペイン語を学ぶのと、日本人が英語を学ぶのとでは全然LUBの高さが違います。

LUB この概念は覚えておこう。
キーワードだ。

・IQというのは、「抽象度の高い空間に対して身体性を持って操作できるか」という能力をいいます。「いかに触れられない世界を自分の体で触っているかのように感じられるか」なのです。そして、重要なのが単に高い抽象度の世界を感じられるというレベルじゃないということです。操作できなければならないのです。
・「とにかく子供には小さい頃から、物事のカラクリを説明させてたんだ。何でもいいけどね。信号で止まると、『何で車は信号で止まらなきゃならないんですか』っていう質問をする。そうすると、子供が一生懸命説明する。とにかく世の中に対して説明をいつもさせてたんだ」 まさに、説明するという行為をさせることで抽象度の高い世界をつくるという訓練をさせていたんです。説明原理を与えるということは、一度事象の抽象化が必要ですから、抽象思考をすることと同じです。知識を暗記するのとは全然違います。
・ゴルフであれ野球であれ、あるスポーツをプロ級にまで上達させるには、「リラクゼーシヨン」を徹底して、普段の生活で覚えてしまった筋肉の動きを完全にリセットします。その上で、「新しい脳」をつくり、ゴルフならタイガー・ウッズ、野球ならイチローのビデオを英語脳をつくるのと同じように毎日五時間以上、できれば十二時間は見て、理想的な身体の動きを頭の中でシミュレートする。イメージトレーニングのいいところは、自分の体がタイガー・ウッズじゃなくても、イメージだとタイガー・ウッズになれてしまう。

このあたり、子どもとの接し方においても、非常にためになる。
なるべく努力しているところではあるけれど、もっともっと。

●クリティカルエイジと英語学習法

・クリティカルエイジというのは人格性そのものになります。新しい言語を学ぶということは、違う人になってしまうということです。だから新しい言語は脳も心も学びたくない。人格を意地することが最適状態の維持であるから、クリティカルエイジが存在するわけでもあるのです。
・これは進化における選択だと思いますが、おそらく人類は過去にバイリンガル、トリリンガルである必要性がなかった。一つの言語を学べばもう二度と言語を学ばなくてよかった。そのために、「二つ目の言語は学ばなくていいよ」という認知レベルでの何らかのクリティカルエイジが働いてしまっているのです。
・日本語脳の上に英語脳はつくれない!
・日本の英語教育では英語を学ぶときに、日本語で英語を学ぶので、日本語脳を活性化させることになり、日本語の土台の上に英語のビルを建てようとしてしまう。ですから、永遠にネイティブにはなれません。必要なのが日本語脳の活性化を抑えるということなのです。
・次は何がくるかという予想をしていく神経ネットワークの訓練をします。そうやってありとあらゆる英語の文章を見せ続けると、名詞、動詞とかいう品詞別の区別も含めたネットワークができるようになります。要するに文法が勝手に学べるようになるのです。
・エルマンはそういうい訓練をした神経ネットワークの状態を数理解析(クラスター分析)して、次の単語の予想だけで神経ネットワークのが統語構造のみならず、品詞の区別までもが学習可能であることを示しました。
・さらに、マサチューセッツ工科大学の教授である言語学者のチョムスキーの仮設「言語能力生得説」と「ユニバーサル文法説」か正しければ、脳は生得的にほとんど文法能力は持っていて、あとは言語ごとにパラメーター(設定)を調整するだけだということになります。
・文字を学ぶのは、とにかく全部予想できるようになってからです。英語のクローズドキャプション(英語の字幕)を見て、この単語はこうやってスペルするのかっていう、音を見てからスペルを覚えるだけで十分。完全に予測できるようになれば、文法は脳が勝手に覚えます。一日最低でも五時間、できれば十二時間以上、これを三週間は続けてください。
・ちなみに、この方法に近いことがかつてのアメリカのスパイ訓練で行われています。
・内部表現のゲシュタルトで英語の音韻の学習が、日本語の音素の学習とは完全に切り離して認識されれば、クリティカルエイジは発効しなくてもいいのです。

日本語の思考で考えながら、文法で組み上げた英語には限界があることに、
最近、ようやく気づいてきたところだ。
色々試してみたけれど、この苫米地さんの英語のトレーニングが、最強かも知れない。
とくに、これから英語を学ぶ子どもに、どういう環境を与えるか、
もう一度考えなおしてみようと思った。

●集中の意味

・意識が集中するということができるのは、同時に一個しかありません。その一個をどれかに集中させちゃうと他のことに意識がいかなくなります。ということは残りは全部無意識状態になるという仕組みです。つまり、脳の全体を無意識状態にすることが目的なんです。無意識状態の脳がもっとも学習に適しているからです。脳が無意識状態になると、逐次処理している意識のボトルネックがはずれ、並列処理の超並列脳に変わります。
・そうすると、同時にたくさんのことができるようになる。脳は実は、おそらく千数百億並列度ぐらいは軽くあるから、何百人の話でも同時に聞くことができるはずなのです。ところが、意識化した瞬間に並列処理ができなくなってしまっているのです。
・大陸哲学でいうとデリダの時代に脱構築して現代は構造主義の時代はとっくに終わっています。米国分析哲学でいうと非単純論理や可能世界論理の時代にとっくに入っています。面白いことに、東洋哲学では、バラモンの修行の時代から何千年も伝わっている密教などの方法論は超並列思考の訓練になっています。
・子供の記憶力が優れているのは、もっている情報量が少ないためにふるい落とされないからでもあるのです。
・「リラクゼーション」「コンセントレーシヨン」をやって超並列脳をつくります。そして、その状態に対して自分なりのトリガーをつくるのです。たとえば、鉛筆を握ったら、超並列脳になるという感じです。これは、かつて冷戦時代にソ連のスパイ養成で使われていた技術です。

脳が並列処理をできるということは、ここにも書かれていたけれど、
心臓を休みなく動かし、呼吸を無意識にしているところからも、よくわかる。
大部分が眠っている脳の力、それ具体的に引き出すのかについて、
誰も論理的に語っていなかった。
この人の話は、それをとても論理的に示していて、すごい。

●速読について

・もしかしると書いてある文章のうちの半分もちゃんと読めていないかもしれません。しかし、それで十分です。たとえば、どんなにゆっくり正確に読んでも、二〜三週間もたてば本の内容を正確に覚えている人はいません。本の内容のエッセンスぐらいしか覚えていません。読み終えて二〜三週間ぐらいで大半は忘れてしまいます。二〜三週間後にエッセンスを覚えている程度なら、先程紹介した速読の方法で速く読んでしまったほうが、たくさんの本を読めることになります。
・また、本の全体を一気に読むほうが、抽象化された認識(ゲシュタルト)を生成しやすく、理解を深めやすいというメリットがあります。
・「どんなに速読を勉強しても世の中のほんの一部の知識すら手に入れることはできない」ということ。だから、IQの上がった「新しい脳」をつくったほうが速いということです。

田中孝顕氏の速聴もそうだけど、
結局のところ、カギにあるのは、顕在意識の制約を、いかにバイパスするか。
言い方をかえれば、自分の意識をだまし、あるいは麻痺させるか、にある。
全部を逐次的に構造的に把握したいという欲求を捨てられるかどうかに、
天才として進化できるかどうかのカギがあるということなんだろう。
全部を把握しようという欲求が以下に無駄で無意味で無謀であるか、
そのことを、とてもわかりやすい図書館の喩えで示してくれた。助かる。

●タイムライン

・これらの作業で重要なのは、必ず、最後に物理抽象度まで引き降ろして、そこで、しっかりとプライミングのきいた気持ちよい感覚を身体で感じとるということです。どんなに抽象度の高い夢であっても身体性をもって、しっかり地に足をつけて、自分の体で感じるということです。これをしっかりと行うことで、抽象度の高い問題解決が現実世界に反映されるのです。
・時間は未来から過去に流れているものです。古くは、アビダルマの仏教哲学者がそう主張しており、現在では最先端の現代分析哲学の結論も同じです。現在が、時間がたって過去になる。未来が時間がたって現在になる。そういうことです。因果律は未来が因で現在が果です。タイムラインは、前方の未来から現在の皆さんに向かって流れてきています。ですから、この統合訓練で、未来の抽象空間にしっかりとゲシュタルト臨場感をもって、つまり体感をもって、強いイメージを維持できれば、皆さんの一瞬後(刹那瞬といいます)に生まれる現在はそれに従って生み出されるしかないのです。

密教的な瞑想、たとえば生起次第・究竟次第の瞑想法を、
現代におきかえると、こうなるのではないか、
という直感がある。この人、やっぱりすごい。

●現代科学はここまできている

・「『脳と心』は一語で二つは同じものですよ。ただ、記述の抽象度が高いと『心』と呼び、物理レベルまで低いと『脳』と呼ぶだけです
・脳神経ネットワークの物理レベルで『脳と心』の関数を解明しようと試みるならば、波動方程式が記述の抽象度となります。実際、fMRI(脳のどの部分が活性化しているかを検べることができる機械)を利用した研究などでは、核物理学の波動方程式が利用されています。逆に、哲学で存在論(Ontology)と呼ばれてきたような存在の定義にかかわるようなレベルで心の関数を解明しようと思えば、分析哲学で使われているような論理方程式や経路方程式と呼ばれる数学となります。少なくとも米国で心理学や哲学をやるには、数学の素養は不可欠です。
・我々の宇宙は、物理のレベルでも抽象度の高い情報のレベルでも、「神」さえもが決定できない、つまり、完全なる自由をいつでも内包しているのです。逆に、そうではない、アプリオリに存在は確定しているのだ、もしくは、「サイコロを振らない神は実在するのだ」とする人間の思い込みを、2500年前の哲学者「シャカ」は「無明」といいました。「無明」は、存在がアプリオリな確定性のものだと思い込んでいる状態です。アインシュタインでさえ「無明」だったのですから、過去の人々が「無明」であったのは、致し方ないことです。ただ、現在の科学は、すでに「無明」の時代は終わっているのです。
・現在の科学・数学は、物理抽象度の宇宙だけでなく、全抽象度にわたって、不確定性原理が働くことを証明しています。それが、チャイティン以降の「不完全性定理」の証明です。

私達は、学校で何を学んできたんだろうかと思う。
学校で教えられるのは19世紀までの科学だとは、よく言われる話。
子どもには、もっと最先端のところを、是非教えてあげたいな。
自分も、こういう研究を、やりたかった。

●コンテンツ作成の参考に

・巷には「○○勉強法」「○○仕事術」といった本が多くありますが、ほとんどの本が著者による体験談です。つまり、「著者以外の普通の人にはできない可能性が高い」ということになります。しかし、本書で紹介するのは「すべての人が持つ脳」の話です。最先端の脳研究により実証された「脳の使い方」に基づく学習法です。つまり、本書で紹介する方法は、すべての人に応用可能です。

言葉の言い回しがややトリッキーな感じがするが(笑)
この人を嫌う人がいるのは、きっとこのあたりが影響してるんだろうな。
たまに、テクニックを使っているところが、ある。
けど、それはそれで、マーケターとしてはとても参考になる。

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