この本を読むと、たぶん不倫願望なんて吹き飛んじゃいます。
婚外恋愛がいかにハイリスクであるか、よく理解できるはず。
以前、「愛は四年で冷める」という話があったが、あれは愛が冷めるのではなく、色気が冷めるのだろう。家族愛はおそらく一生、冷めるような種類のものではない。だが、男女としての色気は早々と冷めていく。
恋愛は生活ではないから、習慣と惰性はない。だからこそ刺激的なのだ。
不倫の原因は、女以外にワクワクすること、自分の感情や深い欲求とダイレクトに向き合える刺激を見つけられないところにあるのかも知れない。
二度目に寝るかどうかは男にとっては大問題
確かにそう思う。しかし風俗ですら浮気だととらえる女性にとって、この違いは理解しにくい感情なのかも知れないなぁ。
「いけないことをしているという自覚はある。だけど好きになった人にたまたま家庭があっただけ」
というのは不倫をしている女性の常套句。だが、私はこの言い方が好きではない。なぜなら、人間味のある男性であればあるほど、子供や妻ときちんとかかわっているはずであり、それによって彼自身が成長してきた部分が大きいからだ。そのことを恋人である女性は、享受しているという自覚をもつ必要はあると思う。
男性は社会的な生き物であることを要求され続け、本人もそれが当たり前だと思うようになる。そのために感情を極力抑えつける。その結果、自分の感情の揺れさえ把握できなかったり、感情を表現することができなくなったりする男性は多い。だから恋愛をすると、突然、今まで押さえ込んできた生身の自分を剥き出しにされ、目の前に突きつけられたような気分になるのだろう。そうやって噴き出てきた自分の感情をどうやって受け入れ、認めていくかが、男が年齢や立場にとらわれず、「いい男」になっていくかどうかの分かれ目なのではないだろうか。
男女を問わず、魅力的な人間というのは、理性と感情がともに豊かで、その表現方法のバランスがとれている人だと思う。それも常にバランスがいいということではなく、ときには感情を押し殺して理性的にものごとを処理し、また別のときには理性などかなぐり捨てて感情的になれる。そういう心の振り幅の大きな人こそが魅力的なのではないだろうか。
著者がいうように、妻にコミットメントし子供や妻とかかわっていくことで、とくに婚外恋愛をしなくとも、この魅力を手にいれることは、できるはずだ。