ことばに感じる女たち

サブリミナル・インプレッョン

語感分析ってすごいなぁと思った。

●濁音
・G音には緊張と膨張と放出、そして力強さや賑やかさを強く感じさせるサブリミナル・インプレッションがあります。放射能光線のたとえが大袈裟なら、射精や放尿にも似た快感、と言い換えましょう。だからこそ、男の子はみんな無意識のうちにB、G、D、Zの濁音4音に興奮するのだし、人気怪獣やロボットアニメには濁音が多いということになります。
●名づけ
・名前とは、その人のセルフイメージとパブリックイメージの両方をゆるやかに縛る一種の「呪」ともなってしまうのです。(マリリンモンローとノーマジーン)
●S音の名のボーイフレンド
・この年頃の女の子たちは、二次性徴期の特徴として、重く滞った意識と共に生きています。彼女たちの重い意識とだるい身体を、吹き抜ける「風」のS音が癒してくれるのです。
・その一方、40代から50代の男性には、この音の持つ、滑る感じはひじょうに不愉快に感じられます。ところが、不幸なことに更年期の妻は、思春期の娘と同じくホルモンバランスの悪いS音崇拝のお年頃。
・S音の名のボーイフレンドができたら、お母さんとの会話では「シュンスケがね」とS音を強調しても、お父さんとの会話では「中村くんがね」というようにS音を隠して話すべきです。
●遅刻の言い訳
・女は、心細かった30分を償ってもらいたいのであって、「私」に心細い思いをさせたのに価する理由を聞きたいわけじゃない。遅れた理由を振りかざせば、その理由が「私」より大事だったのだ、ということになってしまうでしょ?
 正当性を言われるよりも先に、「心細いをさせたね」と言って欲しい。実は、「心細かったでしょ?」と、先に償ってくれたら、その後の理由は、たいした理由じゃなくたってけっこうOKなのが、カワイイ女性脳なのです。
・女性ホルモンの一つエストロゲンが優位に働くとき、女性脳は「被害者意識」が大きくなりがち。(でも)実のところ、バリバリのキャリアウーマンの、エストロゲン劣位期には、「心細かったでしょ?」はかえって、うざったい。「関係ないでしょ」みたいに、馬鹿にされちゃう。
●浮気
・割り込みがかからない男性脳の浮気は、割り込みを無視しながらする女の浮気より、罪がないような気がします。男たちは、外で恋人を愛しいと心底思うとき、「妻」の割り込みがかからない。けど、家に帰ってきたら、妻はそれなりにかわいいのでしょう。そのとき、「恋人」の割り込みはかからないのですものね。女は、3分に1度、恋人の割り込みを受け付けながら、夫の夕飯をつくったりするのです。ちょっと、恐ろしいでしょ?
●女の子の場合は、自我の確立ではなく自我の抑制が必要
・昔の父親による毅然とした自我の抑制は、少女たちに程よい「等身大の自我」を提供しました。少女たちは、少し窮屈な思いで育ちますが、長じて、社会で自我がはみ出さないので、伸びやかに振る舞うことができるのです。
 ところが、最近のリベラルな父親たちは、ムクムクと肥大していく娘の自我を止められません。このため、彼女たちが肥大化した自我をこっぴどく打ち据えられるのは、社会に出てからということになってしまいます。
●雑誌
<M層 : マジョリティ層>
・「ノンノ」や「モア」を支持するのは、安定したホルモンバランスと子育ての中の本能から、ベースとして穏やかな群れ意識を持ち、「みんなと同じでいたい」と考える層。多数派に属している、ということに安心感を覚え、それを自分自身のアイデンティティとしている女性たちです。
<S層 : セレクティブ層>
・彼女たちのアイデンティティは、まさに「私は特別な人間」だから「みんなとは違う」ということにあり、いつも「ほかよりちょっと上」を志向します。ちょっとエグい感じもする「ドマーニ」や「ボアオ」を支持するのは、彼女たちS層です。
●R音/L音
・あらゆる世代の女性に愛される「キレイの音」
 R音は、舌を花びらのかたちにして出す音。つまり、女性たちはラ行の音を発音するとき、舌が花びらになり、自分自身が花になるのです。
●ヨンさまの「あいたかった」
彼女との心の距離を縮めたかったら、母音始まりのことばを上手に使いましょう。
「あぁ、そうだね」
「いいね、そうだよね」
「うん、そうだね」
「え、そうなんだ」
「お、そうか」
アイウエオを差し込むだけでも、印象はまったく違ってくる
(ヨンさまの場合は、「ヨンジュン」という名前によって既に、外面的にもセクシャルな意味でも二度抱きとめられているという、ことばのサブリミナルインプレッションを受けている)
●プロゲステロン(黄体ホルモン)の重要性
・エストロゲンは神経系には興奮の作用をもたらします。セレブに憧れ、キャリアに執着する、現代女性の止まらない向上心も、その多くはエストロゲンのお陰です。
 脳に月のうち半分のプロゲステロンの鎮静作用が働かないと、なかなか「結婚して家事にいそしむのもいいなぁ」とか「子どもを産んで育てたい」とかいう、丸い気持ちにならないのです。かくして、キャリアアップに生きがいを感じ、たまの「ちょこっとセレブ」を楽しみながら、「けっこう楽しい」人生を過ごす30代のお嬢さんが増えてしまいます。けれど、彼女たちは、月の半分はイライラし(その反動で意気消沈もし)、年の半分はダイエットをして、このままじゃきっとだめだと思いながら、いざ結婚となると決心がつかないのです。過剰なエストロゲンが、絶え間なく、無駄な向上心をくれるのですから。
●口説くタイミング
・エグゼクティブじゃない男性が、セレブ志向の強い女性にプロポーズするなら、プロゲステロン優位期が俄然オススメ。気持ちが穏やかで、損得抜きで誰かに尽くしてもいいような気持ちになるときだから、受け入れてくれる可能性は高まります。排卵から月経までの二週間が勝負です。
・逆に、エクゼクティブな男性が、遠慮がちな女性を口説くときは、エストロゲン優位期を狙いましょう。興奮系の向上心が、彼女を決心させてくれるかもしれません。
●てにをは
・「てにをは」の切れのいい男はなかなか手ごわいのです。
・女性脳は語感に敏感だから、「てにをは」の美しさを決して見逃しません。「てにをは」の美しい男で、モテない男を私は見たことがないくらいです。