生死を見据えた『仕事の思想』
仕事の思想 の続編 ということみたい。
より深まった田坂さんの思想、
ぜひきいてみたい。
そのためには、「三つの原点」から、
今の自分の行っている仕事を見つめることです。
そを深く見つめることです。
では、「三つの原点」とは、何か。
「死生観」、「世界観」、「歴史観」。その三つです。
「死生観」とは、「生死」という深みにおいて観ることです。
「世界観」とは、「世界」という広さにおいて観ることです。
「歴史観」とは、「歴史」という流れにおいて観ることです。
私も、錨を持たず、
同じようにくりかえされる毎日、当たり前のように流れる毎日に、
いつの間にか、流されてしまっていたような気がする。
思想が、必要だ。
これからの人生において、「大病」の体験や「大事故」の体験が与えられ、
生死の淵から戻ってくることができたならば、
思っていただきたい。
自分には、何か大切な「使命」がある。
しかし、「平均」や「統計」という言葉ほど、
我々に幻想を与える言葉はありません。
平均寿命が80歳と聞くと、
自分も80歳まで生きると、無意識に考えてしまう。
しかし、実は、誰も、それを保証していない。
私も、ある意味では、二十歳の頃に一度、死んだ。
そしてこの現世に、戻ってきた。
そのことを、改めて思い出した。
皆さん、「知性」とは何でしょうか。
いま世の中の多くの方々が、こう思っています。
「知性」とは、「答えを見つける力」である。
目の前に問題が出されたとき、それを迅速に解いてみせる。
それが「知性」だと思っている方々が多いでしょう。
しかし、そうではありません。
むしろ、「知性」とは、まったく逆の力です。
それは、「問い続ける力」です。
答えのない問いを、問い続ける力です。
ああ、いつもながら、
田坂さんの深さは、すごい。
自分の慢心を、いつも打ち砕いてくれる。