夫とはできないこと

「したいから好き」なのか、
「好きだからしたい」のか。


■結婚している女性が恋に落ちるパターン

1. 夫との関係が明らかにうまくいっていない場合
そこはかとなく醸し出される薄幸そうな雰囲気が、男の父性本能、守ってあげたいという意識を刺激するのかも知れない。
2. 気の置けない友達から発展するケース(夫との関係は可もなく不可もない)
結婚しているからこそ、女性は男性と気軽に話し、
男性 : 妻にはない色香を感じる
女性 : 夫とは違って彼には「言いたいことが言える」心地よさを覚える
3. 夫とはとても仲がいいのに、恋に落ちてしまうケース
夫とは正反対のタイプにひかれて恋に落ちる
今回、数十人の妻たちに会って話を聞いたが、彼女たちがなぜ恋をしてしまったかについて… 彼女たちの背景は、最終的にはこの三パターンに分かれてしまうのだ。というとは、夫との仲が良くても悪くても、そこそこであっても、どんな妻たちも恋に落ちる可能性があるということだ。「でも、もし夫との関係に家族プラス恋人同士の雰囲気があったとしたら、恋には落ちなかったかもしれない。夫を愛してはいても、恋せなくなったから、恋愛が忍び込んできたとも言えるような気がします。ただ、長年、夫婦をやっているふたりで、いまだ恋人同士の感じを残している人たちがどのくらいいるのかわからないけど」そう言った四十代の女性もいる。

1の本質は、他の男性によりかかる状態と、それに反応してしまう共依存の男性かな。
2の本質は、双方の性欲と、その夫婦の会話の少なさ。
3は少し深そうだけど、男性側が、安定と興奮の両方を与えられるような工夫ができると、なくなるのかも知れない。
■夫に足りないもの – いつまでも女であることを求め続ける女性

「私ってなんだろう」という問いには、「僕の大事な人」と言ってもらうのが、いちばんの答えなのではないだろうか。夫にはそれを問えない。そして夫の言動からも「大事な人」と言ってもらえるかどうかわからない。しかも、求めているのは「家族として大事な人」ではなく、「女として大事な存在」なのだ。女性たちが、無意識のうちにも「出会い」を求めてしまうのは、そのあたりにも多少なりとも原因があるのではないだろうか。

「結婚と恋愛は別」と女性が考えるようになる背景として、夫への底知れぬ不信感があるような気がしてならないのだ。そもそも、結婚する時点で、女性は「恋愛の行き着く先」としての結婚を選んでいることが多い。それなのに、結婚生活を続けていく中で、「やっぱり結婚と恋愛は別」と気持ちが変わっていくのは、結婚生活に対する不満や夫への不信感が出てくるからではないのか。

「誰かひとりでもいい。自分をまるごと認めて褒めてくれる人がほしかった」と切実に訴えた女性もいる。女性たちからよく聞くのは、「恋を失ったら、その心の穴は恋でしか埋められない」という話だ。これは独身女性だけの考え方ではないのだろう。結婚生活は、いわば失恋状態といっても過言ではないのかもしれない。

夫や恋人などいちばん近い存在の男性には、誰もが「優しさ」を強く求める。だが、穏やかで優しい夫や恋人をもつと、今度は物足りなさが心をよぎる。なんでも「いいよ」と言ってくれる男性には、「私のことを本当に好きじゃないんじゃないの」と疑念を抱く。彼の自分に対する情熱を見せてほしいと思ってしまうのだろう。かといって、独占欲の強い男にも嫌気がさしていく。最初はそれを自分への愛情だと確信していても、最終的には「私を信用していないのね」となる。女性は男性に比べて、より強く、「自分のそのとき求める愛情をくれる人」を理想としがちなのではないだろうか。

結婚生活=失恋状態 という言葉にすべてがあらわされているように思う。
男性は、子どもに対する母となった母性をみた時、そこに恋愛感情を持ち込みにくい。
その男性心理とのすれ違いと言えなくもない。
でも、必ずしも、男性側だけが、「恋愛感情を維持する」という努力をすべきなのか?
全ての女性が永遠に「恋愛」を求め続けるのだろうか?
女性側の変化あるいは進化によって解決する夫婦もあるのではないか?
女性性を捨てずに、恋愛とは別の何かに向かうということはないのか?
そんなことも、思った。
■男の浮気と女の浮気 その違いと共通点

夫たちが外で恋愛するとき、彼らは妻と彼女を比べるようなことはしないものだ。だが、女性たちはなぜか「夫と恋人」を無意識のうちに比べている。

外で恋愛している夫たちが、自分たちなりに注意を払うのは、「妻を傷つけたくない、家庭でもめごとを起こしたくない」といいう気持ちが強いから。だが、恋愛している妻たちは、なによりも「彼と続けられなくなる」ことを恐れている。外での恋愛について、男女はこれほどの認識の違いをもっている。

男性とつきあっていく上で、セックスに引っ張られることがあるかと尋ねると、多くの女性は否定する。精神的なものをより重視すると言う人のほうが多い。それは肉体的快楽を、なぜか女性は精神的なものより低く見ているからだろう。だが、実際には「したいから好き」なのか「好きだからしたい」のか、自分自身でも判断つかないような事態はあるのではないだろうか。既婚男性が妻以外の女性とつきあう場合、「妻とはできないセックスができる」ことに喜びを見いだしている人は多い。

女の人って、『男は愛がなくてもセックスする』って男を責めるけど、僕からみれば、女性だって同じだと思うなあ。くどかれて、それが好みのタイプだったら、とりあえずエッチしちゃうことはあるでしょう。男はそれを『遊び』とか『浮気』と呼んで、女は『恋愛』と呼びたがる。それだけの違いだと思うんだけどね

ひとことでいうと、
女性は恋愛もしくは性欲のために浮気し、
男性は性欲のために浮気する
ということになる。
■浮気は、男性にもわかってしまう

九割方の男性が、「浮気はわかる」と答えたことに驚かされた。しかも、女性が男性の浮気に気づくように、態度が変わったとか「なんだか様子が変」というような漠然としたものからではなく、明らかにみた「セックスの場面でわかる」と言い切ったのだ。そして、それを女性に言って反応を見たり、浮気しただろうと追及したりする男性が、ほとんどいないことも判明した。「セックスの場面って、無防備だし、理性も飛んでしまうところがあるでしょう?」

女性が浮気をすると夫を拒むようになるというのは、直感的にこの事実を知っているからなのかも知れない。しかし、急に夫を拒めば、それ自体が不審というこにもなる。結局、ウソはつけないということのなだ。