Parent Effectiveness Training
子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方
世界中で読まれている「親業」の創始者・ゴードン博士のベストセラー!!
前回に続き、親業の二冊目。
ふつう、300ページぐらいの本であれば1日もあれば読んでしまうのだけれど、
今回のこれは、読んでは考えを繰り返し、そして、内容を妻とシェアしてみたりと、
とても時間がかかった。
つまりそれだけ、深い本だった。
NLP, アサーティブ, コーチング, メンタルヘルス…..
あらゆるコミュニケーション技術、コミュニケーションに関するナレッジの集大成といった感じだ。
平井信義氏の著作や、子育てハッピーアドバイス、モンテッソーリの、さらに上をいっていると感じる。
もっと早くこれに気づいていればよかった。
基本的なマインドと、それを実現するための具体的なメソッドが
とても深く掘り下げて体系化されていて、すばらしい。
本格的に学んでみたいと、思った。
10回ぐらいくりかえして読みたい。
自分の心と頭に完全にインストールしてしまいたい。
学ぶべき箇所が無数にあり、はった付箋の数がすさまじく、
どこかだけを取りあげて引用することができない。
とくに今回、目からウロコだったことは
説明とか理論的な説得も、暴力的な説得よりはましかも知れないが、本質的には「コントロール」だから同じだということ。
重要なことは、コントロールを子どもに返すことであり、「どうすれば○○できるか」を子ども自身から引き出すこと。
そのことに気づいたことと、
子どもに対してよい親であろうとして、”偽りの受容”をしてしまっていなかったか、
第二法(負けモデル)のような言いなりになっていなかったか、
そのことについて点検する必要があると感じたことだ。
その他にも、思いつくかぎり自分の言葉で箇条書きにすると…
●受容/非受容
・親が子どもに対してアサーティブであることが重要
・偽りの受容は、ダブルバインドとなり、子どものセルフイメージや信頼感を下げる
●非受容→私メッセージ
・私メッセージは形ではない。私メッセージの形をした強制やコントロールをする危険に注意すべき。
「~と思う」つければいいのではない。
・逆に、本当の私メッセージを放つ為には、自分のプライドや見栄を捨てる勇気が必要
・時に、ポジティブな私メッセージをまず優先的に伝えるべき
・怒りとは二次的感情である
●勝負なしモデル
・勝敗モデルにおける一貫性の法則は、最上ではなく、その上に勝負なしモデルがある
・アクティブリスニングは、感情や意味のフィードバックであるべき
・これらのメソッドを、決して「指導」や「コントロール」の技術として使わないこと。それでは本末転倒
・強制は習慣や自律をうまない。反発と他律志向の子をつくる
・第二法(負け)モデルは創造性の高い子をつくるという話もあるが、その代償は大きすぎる
・第一法(勝ち)モデルに対する強烈な反発・反動から、負けモデルに陥らないように注意が必要。
・褒賞によるコントロールも、コントロールであり子どもの自立的な解決能力に対する侮辱
・三歳以下の子の場合には、方法の適用は説明を省いて習慣としてはじめから行う。
・子どもの解決策を評価せず、親が先に解決策を出さず、後から付け加える。
・一度でた解決案は、見直しが可能であるというフレキシブルな対応をする
・罰はもうけない。どんなときにも信義則のような信頼をベースとする。
・学校は、富国強兵を目的とした軍隊をベースにした指導要領になっており、勝ちモデルになっている。
親業の考え方は、自分の子との関係だけでなく、
夫婦関係、親との関係、上司と部下のマネジメントにおける応用、うつ病などのメンタルヘルスへの応用など、
あらゆる人間関係に対して、幅広く使える協力なツールであり重要な概念だと思う。
あらゆる人間関係の悩みは、これにより、解決可能だと思える。