愛が深まる本

著者のジョングレイ、かつては禁欲を守る修道士であったときいてびっくり。
9年間の禁欲生活を送りながら宗教哲学と瞑想を教えていたそうだ。
27歳で、人生に劇的な変化がおきて俗世界に戻ったというが、
そのきっかけとなる劇的な変化とは何なのか、それがとても気になる。

●男が求めていること

・男が本能的に求めるもの – つまり、あなたの彼にとっての「勝利」とは、愛する女が満足しているのをたしかめることです。あなたが満足すれば、彼は達成感と、自分の愛が認められたという思いでいっぱいになる。
・男は気づいていないかもしれないが、男が抱いている性への飽くなき憧れは、じつは人間性の回復を求める魂の叫びなのである。理性の世界の荒涼とした風景が、感情の世界の豊かで美しく色鮮やかな甘く香る大地と一体になりたがっているのである。

●感じるポイント

・肝心なのは、女はまず相手に愛されていると心で感じ、自分が相手にとって特別な存在なのだと確認したいということ。女がこうしていったん心を開けば、セックスをつかさどる中枢が活動を始め、男と同じくらいの、あるいは男以上の欲求を感じるようになる。女にとって、愛はセックスよりずっと大切なものだけれど、愛情が満たされれば、したくてたまらなくなる。
・女は刺激を受けて初めて、刺激を受けたいという自分の欲求に気づく。必要としている刺激がうまくあたえられて初めて、女は自分の欲求を見出し、「もっと、もっと」と多くを求めたくなる。身も心もとろけるような愛撫を受けるうちに、女の欲望は徐々に高まっていく。始めのうちは、ほんのわずかな欲望しか感じていなくても、欲望が満たされ緊張がゆるむと、もっと大きな欲望が湧きあがってくる。男にとってのすばらしいセックスの秘訣は、女をゆっくり焦らして、性的欲望を高めていくことにあるのだ。
・繊細で鋭敏な部分に直接触れたり、挿入したりする前には、男性はまず女性にそれを受け入れてもらえるように準備をさせなくてはならない。たとえば、女性にキスをするとき、彼女の口に急に舌を入れるのは、あまりにも唐突である。

男性と女性とでは、気持ちの盛り上がり方のプロセスが違う。
そこのそころ、理解しておく必要がある。

●言葉

・あらゆるテレビや雑誌が、完璧な肉体美の女性を登場させているせいで、彼女はパートナーが、彼女の肉体をほんとうにすばらしいと思っているとは、なかなか信じられなくなっている。講演で、男性に言ってほしいこれらの言葉をあげていくと、いつも女性から盛大な拍手が起こる。とくに乳房に関するほめ言葉には、一段と拍手が大きくなる。女性はこうした言葉が大好きで、何度も何度もささやかれたいのだ。
・女性は、相手が自分を満足させる自信を持っていると感じると、うっとりする。彼の自信の中に、「この人は、私を満足させるために、何をしたらいいのかを知っている。それに、もし何か不都合なことがあっても、きっとうまくやってくれるわ」とか「彼は最後まで抑制する力を持っているわ」と、はっきり感じるからだ。
・男も、相手に信頼されていると思うと、彼女にとても魅力を感じる。相手のまなざしに「きっと楽しいときをすごせるわ。私に何をしてもいいのよ」とか「あなたと深く愛しあいたいわ」というメッセージを感じると、ぞくぞくしてくるのだ。
・女性が、自分の快感をちゃんとした言葉で伝えたがる理由の一つは、自分がそうされたいからだ。自分の恋人が性的に興奮したり勃起したりするのを見ると、女はぞくぞくするものだが、セックスの最中に愛の言葉をささやかれるときも、同じように興奮するものなのだ。男は興奮が高まるにつれて、無口になりがちである。男こそきちんと話すことができるのに、そうしない。というのも、相手にはきちんとした言葉で語りかけてほしくないので、彼女がそれをしてほしがっているとは、思いもよらないからである。
・女性にきちんとした言葉で愛を語ることは、彼女を興奮させるだけでなく、自尊心や自分のからだを愛する心を高めることにもなるのである。

言葉で表現してあげること。
ただし興ざめにならない程度に、だろうと思うけど。

●方法

・人間関係がスムーズにいく、もっとも効果的なやり方は、誤りをとやかく言うよりも、うまくいくようにサポートすることなのだ。セックスにおいても、女は男の手をもっと感じる場所にみちびいて、うっとりした反応を示せばいい。彼はすぐ、ピンとくるだろう。
・女にとっては、最初に満足をあたえてもらえば、彼がどれだけ長く保つかというのは問題ではない。ここを男は誤解し、長く保つほど女は悦ぶのだと思いこんでいるふしがある。しかし一般的に言って、挿入が三十分以上つづくと、女はひりひりした痛みを感じ、膣の感染症を起こしやすくするだけである。
・男はいつも、目標の達成が優先だ。だから、できる限り効率的なやり方で、相手に快感をあたえたがるのだ。しかし、ほんとうに深い歓びをあたえようと思ったら、オーガズムの寸前まで刺激し、いったん刺激を弱め、しばらくしてまた始めるほうがいい。イキそうになるたびに、彼女のオーガズムへの憧れと欲望がふくらんでいく。もっともっと感じやすくなる。時間をかけて何度も何度も快感をためていくと、からだ全体でオーガズムに達することができる。興奮してそのまま簡単に達してしまうなら、たいていそのオーガズムは性器だけの感覚で、からだの芯から湧きでる深くすばらしい快感とは言いがたいだろう。
・私は、もし女性が何度もオーガズムを感じるたちならば、何度もオーガズムに達するのでなく、一度の深いオーガズムを感じるようにしなさい、と勧めている。
・一度ペニスを挿入した以上は、一人前の男なら、そのまま深く突きすすんで、ピストン運動をつづけるべきだと信じている男性が多い。正しいのはその反対なのに。女というものは、自分が男を興奮させ、その結果彼が爆発しそうになっているのをうれしく思うものである。彼女自身も興奮してくるのである。彼が少し中断する必要を感じたり、挿入をつづけていられなくなると、彼女はうまく彼を興奮させることができたと感じ、同時に彼の自分への思いやりも感じるのである。男が自分のエネルギーと快感を彼女に合わせるためにスピードを落とすことは、すばらしいテクニックと自制心のしるしであり、彼女の歓びを大きくし、心の底からエロティシズムを感じさせる効果がある。

フィクションと妄想だけでできているアダルトビデオばかりみてると、
このあたり勘違いしまくりなんだろうなぁ。

●オーガズムに対する男女の違い→ファーストフードセックスという考え方

・男は射精を求める。オーガズムを求め、たいていは達することができる。もし男が激しく欲望に燃えているのに射精ができない場合は、精神的な欲求不満が募るばかりか、ペニスの痛みという肉体的な苦痛も生まれる。だから彼には、あなたがオーガズムに達しなかったり、またそれが不満でも何でもないことが信じられない。女が相手との親密感は楽しんでも、オーガズムは求めないとき、男は、どこかおかしいのではないかと考えこんでしまうのである。
・演技をしなくてはならないというプレッシャーは、あなたがセックスで充分に満足するのを妨げるばかりか、からだの自然な干潮や満潮の邪魔をする。もしセックスのたびにいつも同じように反応し、オーガズムに達しなければならないとしたら、あなたは気持ちを休めることができず、セックスの自然な成り行きに身をまかせる悦びも味わえなくなる。そのために、真のオーガズムを得られなくなることだってある。
・男は女にオーガズムに達してほしいと願うが、女が求めるのは、オーガズムを求める気分であろうとなかろうと、肌を合わせる親愛感なのである。
・女が満月で、オーガズムを求めているときは、あなたも彼もともに、より深い歓びと満足の境地へ達することができる。女が半月や新月で、愛撫を受けるだけで充分なときは、「ファーストフード・セックス」にすれば、男は自分の欲望を抑えることなく自由にセックスを始めることができる。その場合、男はわずか二、三分でオーガズムに達することができるのである。つまり、女がオーガズムを味わいたいときは、二人でたっぷり時間をかける必要があるし、女がオーガズムを味わいたい気分でないとき、男は欲望を抑えることなく突っぱしる自由を味わえるのである。
・セックスをしていて、きょうはオーガズムを感じないかもしれないと思ったら、女性はいつまでも耐えるのではなく、「簡単にしましょうよ」と言えばいいのである。この短い言葉を口にすることで、その場の状況が一変する。あなたが「簡単にしましょうよ」と言うだけで、男は心のどこかでほっとするはずだ。自分が悪いのでも彼女が悪いのでもなく、単にきょうは彼女がオーガズムを感じる気になれない日なのだと、納得する。男は相手をやさしく抱いて満足させながら、自分で達することができるのだ。
・男はたいてい、女性に快感をあたえることに喜びを感じている。しかし、ときにはあらゆる前戯を省略して、さっさとすませたいときがある。射精をぎりぎりまで我慢したり、相手を喜ばせるための自制や気苦労はかなぐり捨てて、勝手気ままにふるまいたいという欲求が心の奥にあるのだ。これは男があなたを喜ばせたくないのではなく、自分を抑えたくないだけなのだ。
・ふだんのセックスで、忍耐強くゆっくり時間をかけるためには、男はときにショート・セックスを楽しむ必要がある。ときどきは一切の前戯なしで、”自分の要求を貫きとおす”という衝動を満足させていれば、べつのときには喜んで相手に時間をかけることができる。自動車のキャブレーターをきれいにするため、ときどきハイウェーを猛スピードで飛ばす必要があるように、男も心のどこかで、スピードを落とさないセックスをする必要を感じているのだ。
・1)いつもは健康な家庭料理セックスをする 2)月に一度はグルメ・セックスをする 3)ファースフード・セックスのときは、相手の反応に期待しない 4)いつも抱きしめる
・たいていの男性にとって、後ろめたさのないファーストフード・セックスというのは、解放感に満ちたものである。店に行ってほしいものを何でも買うことができるとか、車を思いきり疾走させることができるのと同じくらいの解放感なのである。

この提案は、とっても画期的かも知れない。
男女ともにその意義(背景にある、男女の欲求の違い)を理解することができたら、
すんなり受け入れられるし、すれ違いも、たぶん全部なくなってしまう。

●セックスレスと浮気心の理由

・生物学的にそしてホルモンの点からも、男は女よりも性衝動が強い。当然、セックスのことを考える時間も長い。欲求がとても強いぶん、かなえらなければ、失望を味わう時間も長いのである。男はもともと性的興奮を通して、ものごとを深く感じはじめる。興奮するにつれて、だんだんと心が開いていく。興奮が高まり、セックスを言いだそうとしているとき、男はもっとも傷つきやすくなっているのだ。拒否される痛みをもっとも強く感じてしまうのだ。この問題を直視し、拒否されたと感じずにすむ方法を見つけないと、だんだんパートナーに欲望を抱けなくなる。これはムクレているのではなく、まったく無意識に起きる生理的反応なのである。場合によっては、彼を拒否するおそれのない空想の女や、好きでもない女に、性的な関心が向かうことがある。好きでない女だったら、拒否されても手痛い苦痛を受けるという危険がないからである。このことで、なぜ男が行きずりの女にセックス・アピールを感じて、いちばん好きな女には興奮しないかということがわかるだろう。
・女性に、ぜひとも理解してほしいことがある。それは、男がマスコミに登場するグラマラスな女たちに惹かれるのは、その豊満な肉体のためではなく、彼女たちが明らかに「セックスをしたい」という表情をしているからなのだ。男を自分に惹きつけておんために、あなたはグラビアの女たちと張りあって、完璧な肉体を手に入れようと努力する必要はない。その代わり、積極的にパートナーと心を通わせ、自分もセックスが好きだというメッセージを伝えられるよう、努力してみよう。

セックスレスに悩むカップルは、
このあたり、理解しておく必要がある。

●自制心の効能

・自分がイキそうになるときは、彼にも興奮した状態でいてほしいというあなたの願いを思いやることによって、彼は必要な抑制を身につけることができるのである。男が先にオーガズムに達すれば、彼女がオーガズムに達しそうになったとき、彼女のためのエネルギーは、もはやなくなっている。しかし、もし女が先に達すれば、あなたは依然として興奮しているだけでなく、彼のオーガズムをより楽しむことができるのである。
・女性は、相手が自制し、あなたより先にオーガズムに達しないようにしているということを知れば知るほど、充分にリラックスし自由にふるまうことができる。
・世の中には、浮気をしないことがなぜそれほど大事なのかを、理解していない男性が多い。女性は、「私だけが愛されている」「私は彼にとって特別な存在なのだ」と感じられない限り、男性に心を開きつづけることはできない。女性がエロティックな気持ちになるには、信頼が必要なのである。
・男性が情熱と自制心を合わせもっているときこそ、女性は自制心を捨て、何ものにも遠慮することなく、オーガズムを感ずることができる。男性が情熱をコントロールできるようになると、女性により深い満足を味わわせることができるだけでなく、彼自身もより大きな性的満足と愛を味わうことができる。男性が自制しているということは、すぐにも射精できるほどの激しい欲望を抑え、女性の欲望を徐々に高めていけるということを意味しているのである。こうした抑制心は、ベッドだけではなく、あらゆるところで発揮されるようになる。男性が自分の欲望を、自分のパートナーだけに向けるとき、この自制心はパートナーにもすばらしい影響をあたえる。
・ほかの女性とセックスするという性的な空想を追いだすことで、彼は性的エネルギーをコントロールできるようになり、その結果、スピードを落とした性交をたっぷりと楽しむことができる。

修行だ、と考えなさいということか。
確かにこの意味は、理解できる。

●女性が話をきいてほしいと思うこと ≒ 男性がセックスをさせてもらうこと

・あなたが、愛するひとと話していたいとき、寄りそっていたいとき、相手にすげなくされたら、すごくいやな気持ちになるだろう。同じように男はセックスを断られることに、とてもナーバスなのだ。お互いのちがいを理解すれば、私たちはむりやりに相手を説得して相手の気持ちをこちらへ向けようとしたり、もっとセックスさせようとしてはいけないことがわかる。
・セックスへの関心がなくなってしまうのはなぜかと言えば、夫は妻から拒まれていると感じ、妻は夫からロマンティックな心づかいや理解を受けていないと感じるからである。
・男性が情熱を燃やしつづけるためには、すっとセックスできる雰囲気が大切だ。ちょうど女性が、男性にはねつけられずに、自分の気持ちを聞いてもらえると感じる必要があるように、男性も、拒否されずにセックスできると感じる必要がある。
・男性のほうが、とても話しいえる気分でないときは、相手を傷つけないよう、「きみの気持ちを理解してあげたいんだけど、ぼくはまず一人になりたいんだ。そのあとでちゃんと話はきくよ」と言えばいい。彼が、女性の気持ちと彼女の心配ごとに関心を払っているということを態度で表し、しばらくしたらかならず話を聞いてあげるからと言えば、女は自分はまちがいなく愛されていると安心する。
・彼がその気でないときは、そのうちセックスできるわと思いながら、ベッドに入ればいい。どうしてもからだのほてりがおさまりそうになかったら、マスタベーションをすればいい。彼がその気がないときも、彼女がオーガズムの機会を奪われたと感じないように、女性のマスタベーションを、彼が充分認めてあげることが大切である。

このニアリイコールの等式、すごい発見かも知れない。
男性も女性もその心理構造を理解することができたら、目からウロコだろう。
男性が仕事から帰って5分は一人の時間をあたえるとか、
女性の話は解決策を言わずにただ聞くとかいう男女関係における基本的な話の、
さらにもっと深いところの話。全部つながってる。

●スキンシップは会話の代わりになり得る

・もし男性が、セックスをしたいときにしか女性のからだにふれようとしないなら、女性は自分が愛されているとは感じられない。女性は、男性にふれあいを求めてきてほしいのに。セックスをしたくないときにこそ、何度も、愛情をこめてふれる必要がある。どんな場合も、セックスを求めているとは感じさせないやり方がいい。
・男性が、セックスを求めるときだけ女性にふれるようなら、女性はからだだけを求められているとか、おろそかに扱われていると感じるようになってしまう。女性が求めているのは、そんなスキンシップではないのだ。
・私は、女性が自尊心を高めるためには、いやらしくないやり方で一日に二十回ふれられる必要があるという
・ロマンティックな時間は、自分の気持ちを話すことが苦手な女性にとっては、とりわけ心休まるものである。つまり彼女は、おしゃべりをしなくても、話をするのと同じ効果を得ることができるのである。男性は、あれこれと女性に尽くすことで、彼女を認めていることを繰りかえし伝えている。男性にこんなふうにいろいろ気づかってもらうと、女性は、話すことで得られるのと同じタイプの安心感を得ることができる。
・女性が男性の努力やプレゼントに感謝すると、男性も愛されていると感じ、ロマンティックな気分になるのである。

会話の苦手な男性は、とくに知っておくべところ。
そして女性の「感謝」がとても重要なことは、
男性は女性を満足させたいと思っている という、
そもそもの欲求の大前提につながつていく。

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